2022年7月22日にカプコンより配信される、『カプコンアーケード 2ndスタジアム』。対応機種は、Nintendo Switch、プレイステーション4、Xbox One、PC(Steam)。本作は前作の『カプコンアーケードスタジアム』より続く第2弾となっており、カプコンがリリースした往年のアーケードゲームが全32本プレイできる。

 本記事では、『カプコンアーケード 2ndスタジアム』の発売前プレイレビューをお届け。なお、機能面については『カプコンアーケードスタジアム』と同じなので、より詳しく知りたい人は前作のレビュー記事をチェックしてみてほしい。

『カプコンアーケード 2ndスタジアム』レビュー。ほかのコレクションと重複タイトルは多いもののマニア向け移植タイトルが光る。シングルプレイ用サポートがやっぱり便利!

■収録タイトルリスト

  • ソンソン』(無料タイトル)
  • ガンスモーク』(セット購入特典タイトル)
  • 超浮遊要塞エグゼドエグゼス
  • ラッシュ&クラッシュ
  • サイドアーム
  • 必殺 無頼拳
  • ブラックドラゴン
  • ストリートファイター
  • 虎への道
  • 1943改 - ミッドウェイ海戦 -
  • ラストデュエル
  • Rally 2011 LED STORM
  • マジックソード
  • ワンダー3
  • ザ キング オブ ドラゴンズ
  • ブロックブロック
  • ナイツ オブ ザ ラウンド - 円卓の騎士 -
  • マッスルボマー - THE BODY EXPLOSION -
  • アルティメット エコロジー
  • ぷにっきぃず
  • ヴァンパイア - The Night Warriors -
  • ヴァンパイアハンター - DARKSTALKERS' REVENGE -
  • ストリートファイター ZERO
  • ロックマン・ザ・パワーバトル
  • ストリートファイター ZERO2
  • スーパーパズルファイターII X
  • ロックマン 2 ザ・パワーファイターズ
  • ヴァンパイアセイヴァー - The Lord of Vampire -
  • カプコンスポーツクラブ
  • ポケットファイター
  • ストリートファイター ZERO3
  • ハイパーストリートファイターII - The Anniversary Edition -
『カプコンアーケード 2ndスタジアム』レビュー。ほかのコレクションと重複タイトルは多いもののマニア向け移植タイトルが光る。シングルプレイ用サポートがやっぱり便利!

『カプコンアーケード 2ndスタジアム』について

 まずは販売形式についてお伝えしておこう。『カプコンアーケード 2ndスタジアム』は本体自体は無料で、『ソンソン』のみが遊べるようになっている。そこから追加で、収録タイトル30本パック“Capcom Arcade 2nd Stadium Bundle”を4000円[税込]で購入可能(特典として『ガンスモーク』が付与される)。さらに、タイトル個別購入も可能で、個別の場合は各400円[税込]。セットの場合は1本あたり約130円なので、かなりお得だ。

 とはいえ「こんなにたくさん遊ばない」という人は、目当てのゲームだけ個別購入すれば各400円で遊べてしまうので、これはこれでお手頃価格。前回の『カプコンアーケードスタジアム』ではさらに細かく10本パックという販売方法も採用していたが、今回はナシ。推測でしかないが、需要があまりないパックだったのかもしれない。

機能面はそのまま

 『カプコンアーケードスタジアム』は、中断セーブ機能、早送り&遅送り機能、巻き戻し機能といったプレイに影響する機能を多数搭載。さらにはアーケード筐体でさながら遊んでいるようなゲーム画面や、筐体カスタマイズ機能もある。また、一部ゲームは日本版と海外版で変更が可能だ。

 通常通りにゲームを遊べるだけでなく、用意されたスコアアタック、タイムアタック、スペシャルチャレンジも搭載。インターネットランキングで、世界中のプレイヤーとタイムやスコアなどを競うことも可能。これらの要素は、『カプコンアーケードスタジアム』を踏襲している。

 なお、ローカルでは2人プレイ、ゲームによっては最大4人でも遊ぶことができる。インターネットを通じた対戦や協力プレイには原則としては対応していない。ただし、たとえばプレイステーションハードならばシェアプレイ、Steamの“Remote Play Together”などを通じて、最大ふたりで遊ぶことは一応可能だ。

『カプコンアーケード 2ndスタジアム』レビュー。ほかのコレクションと重複タイトルは多いもののマニア向け移植タイトルが光る。シングルプレイ用サポートがやっぱり便利!

『ソンソン』

 1984年稼動のアクションシューティング。西遊記をモチーフにした世界観で、6段に分かれたフィールドを行き来しながら、ショットで敵を倒していこう。移植機会に多く恵まれているため、遊んだことがある人も少なくないはず。

 なにより『カプコンアーケード 2ndスタジアム』では、無料なのが非常にうれしいところ。本作のほかのゲームが気になっている人も、まずは『ソンソン』をお試し感覚で遊んでみよう。巻き戻し機能などの便利さや、どんな機能が含まれているのかぜひご確認を。

『カプコンアーケード 2ndスタジアム』レビュー。ほかのコレクションと重複タイトルは多いもののマニア向け移植タイトルが光る。シングルプレイ用サポートがやっぱり便利!

『ガンスモーク』

 1985年稼動のアクションシューティング。正義の保安官・ビリーを操作して、ならず者たちと賞金首を撃ち倒していく。これまでもいくつか移植されており、2013年に発売された『カプコンアーケードキャビネット』にも収録されているので、目新しさは少し薄め。

 気になったのが、タイトルロゴ。オリジナル版は英文字のタイトル画面だったが、今回の移植版はカタカナで“ガンスモーク”と書かれた新たなロゴになっている。こちらは海外バージョンに切り換えても、カタカナだった。何か権利的な問題が絡んでいると思われるが、改変してでも移植してくれるのはありがたい。

『カプコンアーケード 2ndスタジアム』レビュー。ほかのコレクションと重複タイトルは多いもののマニア向け移植タイトルが光る。シングルプレイ用サポートがやっぱり便利!
『カプコンアーケード 2ndスタジアム』レビュー。ほかのコレクションと重複タイトルは多いもののマニア向け移植タイトルが光る。シングルプレイ用サポートがやっぱり便利!

『虎への道』

 1987年稼動のアクションゲーム。王林寺拳法の使い手である李王を操作し、悪の拳法家・龍拳王にさらわれた子どもたちを救い出すために戦いをくり広げる。当時のカプコンらしい硬派な世界観で、いくつかの武器や拳法を駆使して敵を倒して進んでいく。天女の衣を装備した空中浮遊ステージなども注目のポイント。

 敵も無限湧きでトラップも満載と、難度は高め。海外限定のコレクション系に移植されたことはあるものの、日本での移植はPCエンジン以来。PCエンジン版はコミカルな見た目かつステージ構成も異なっていたので、もし遊んだことがある人は違いに驚くかも。

『カプコンアーケード 2ndスタジアム』レビュー。ほかのコレクションと重複タイトルは多いもののマニア向け移植タイトルが光る。シングルプレイ用サポートがやっぱり便利!
『カプコンアーケード 2ndスタジアム』レビュー。ほかのコレクションと重複タイトルは多いもののマニア向け移植タイトルが光る。シングルプレイ用サポートがやっぱり便利!
『カプコンアーケード 2ndスタジアム』レビュー。ほかのコレクションと重複タイトルは多いもののマニア向け移植タイトルが光る。シングルプレイ用サポートがやっぱり便利!

『ラストデュエル』

 1988年稼動の縦スクロール型シューティングゲーム。変形するマシンに乗り、捕らわれた女王シータを救うために戦う。地上面と空中面に分かれており、地上ではバイク姿になって、スクロールが進む速度を自分で調節可能。落とし穴などを避けるためのジャンプもある。空中面では飛行機となり、強制スクロールに。完全無敵のローリングが可能となる。

 『ラストデュエル』は今回が初移植で、カプコン作品の中でもだいぶマイナーな作品。筆者は今回が初プレイだったが、バイク面はスピードを上げると爽快で、ゆっくり進むことも可能と自由度が高い。完全無敵のジャンプを駆使して戦うボス戦も楽しい要素だった。ただ、飛行機面がかなり単調かつ簡単で、盛り上がりに欠けるのが難点。ふたりプレイでは、バイク&飛行機で戦うというのはユニークな要素だ。

『カプコンアーケード 2ndスタジアム』レビュー。ほかのコレクションと重複タイトルは多いもののマニア向け移植タイトルが光る。シングルプレイ用サポートがやっぱり便利!
『カプコンアーケード 2ndスタジアム』レビュー。ほかのコレクションと重複タイトルは多いもののマニア向け移植タイトルが光る。シングルプレイ用サポートがやっぱり便利!
『カプコンアーケード 2ndスタジアム』レビュー。ほかのコレクションと重複タイトルは多いもののマニア向け移植タイトルが光る。シングルプレイ用サポートがやっぱり便利!

『Rally 2011 LED STORM』

 1989年に開発されたレースゲーム。主人公のフレッドが、友人ロバートと賭けをして、どちらが二大都市間を走り抜けるか競い合う。近未来の世界が舞台で、プレイヤーの操作する車はバイクに変形可能。アクセルを踏みながらジャンプやウィリーを駆使し、スピードクリアーを目指せ。

 『Rally 2011 LED STORM』は今回が初移植。かつ、基本的には未発売タイトルという立ち位置。「あれ?」と思われた人もいるかもしれないが、1989年に稼動した『マッドギア』の前身となる作品であり、ルールや操作感もだいたいいっしょ(BGMや効果音なども同じである)。今回初プレイだったが、基本的な要素は『マッドギア』と同じく、シンプルかつハラハラドキドキのカーレースが楽しめた。とはいえ、後発の『マッドギア』のほうが全体のバランスもいい。ふつうに考えたら『マッドギア』のほうが移植されそうなものだが、何かしらの理由があったのだろうか。

『カプコンアーケード 2ndスタジアム』レビュー。ほかのコレクションと重複タイトルは多いもののマニア向け移植タイトルが光る。シングルプレイ用サポートがやっぱり便利!
『カプコンアーケード 2ndスタジアム』レビュー。ほかのコレクションと重複タイトルは多いもののマニア向け移植タイトルが光る。シングルプレイ用サポートがやっぱり便利!

『ブロックブロック』

 1991年稼動のブロック崩しゲーム。ゲームの定番ブロック崩しのアレンジ版(言ってしまうと、ショットなどがないカプコン版“アル〇ノイド”。)。自機には耐久度があり、ボールを跳ね返すたびに減っていき、減ると自機の長さが短くなっていく。アイテムなどを取得することで回復するほか、多彩な効果を持つアイテムもある。

 基本的にはオーソドックスなブロック崩しゲームだが、加速ボタンで加速中に当てるとボールがカーブするなど、ちょっとしたアクション要素も。一定数のステージをクリアーするたびに休憩用デモ画面があり、オリジナル版では大塚製薬の“オロナミンC”のゲーム内広告があったが、本作ではなくなっていた。稼動当時はスポンサー契約していた、ということだろうか。

『カプコンアーケード 2ndスタジアム』レビュー。ほかのコレクションと重複タイトルは多いもののマニア向け移植タイトルが光る。シングルプレイ用サポートがやっぱり便利!
『カプコンアーケード 2ndスタジアム』レビュー。ほかのコレクションと重複タイトルは多いもののマニア向け移植タイトルが光る。シングルプレイ用サポートがやっぱり便利!

『マッスルボマー - THE BODY EXPLOSION -』

 1993年稼動のプロレスゲーム。カプコンファンならびにゲームマニアならば「ついにきたか!!」と思うはず。本作の目玉タイトルではないだろうか(と筆者が勝手に思っている)。ゲームはプロレスライクな対戦格闘ゲームであり、相手の体力を減らしながら、フォールして3カウントすればオーケー。必殺技も少しだけあるが、基本的にはシンプルなボタンとレバー操作のみで闘える。

 なぜ目玉なのかと言うと、本作はスーパーファミコンなどに移植されたことはあるが、完璧なアーケード版の移植機会がなかったからだ。かつ、ファンも「まあ仕方ない」と思っていた節がある。『マッスルボマー - THE BODY EXPLOSION -』のキービジュアルは、漫画『北斗の拳』の漫画担当で知られる原哲夫氏が手掛けているため(※)、やはり権利関係が大変なのだろうと予測していたからだ。

※本作のゲーム内キャラクターはカプコンでデザインされており、キービジュアルは原哲夫氏が手掛けていた。続編の『スーパーマッスルボマー』ではゲーム内キャラクターも含めて原哲夫氏がデザインしている。

 それが今回、ようやく移植されたのだから、筆者含む一部ファンは大喜びだったというわけ。これが実現するなら、続編の『マッスルボマーDUO -HEAT UP WARRIORS-』も入れてほしかったんだけど、権利とかコストとかで難しかったのかなぁ!?

『カプコンアーケード 2ndスタジアム』レビュー。ほかのコレクションと重複タイトルは多いもののマニア向け移植タイトルが光る。シングルプレイ用サポートがやっぱり便利!
『カプコンアーケード 2ndスタジアム』レビュー。ほかのコレクションと重複タイトルは多いもののマニア向け移植タイトルが光る。シングルプレイ用サポートがやっぱり便利!
『カプコンアーケード 2ndスタジアム』レビュー。ほかのコレクションと重複タイトルは多いもののマニア向け移植タイトルが光る。シングルプレイ用サポートがやっぱり便利!

『ぷにっきぃず』

 1994年稼動の落ち物パズルゲーム。当時『ぷよぷよ』を開発していたコンパイルとの共同開発作品。“ぷにっきぃ”という数色に分かれたブロックを同じ色でつなげていき、“星ぷにっきぃ”という起爆用ブロックをふたつつなげると、ブロックが消える。ルールとしては、本作に移植されている『スーパーパズルファイターII X』の原型とも言える作品だ。

 スコアを稼ぐなどすると変化する神と悪魔のグラフィックなどもあって、マニアックな人気を誇る『ぷにっきぃず』は今回初移植。コツコツとスコアを稼いでいくひとり用モードと、相手フィールドを妨害するブロックを落下させて戦う対戦モードがある。

『カプコンアーケード 2ndスタジアム』レビュー。ほかのコレクションと重複タイトルは多いもののマニア向け移植タイトルが光る。シングルプレイ用サポートがやっぱり便利!
『カプコンアーケード 2ndスタジアム』レビュー。ほかのコレクションと重複タイトルは多いもののマニア向け移植タイトルが光る。シングルプレイ用サポートがやっぱり便利!

『ロックマン2・ザ・パワーファイターズ』

 1996年稼動のアクションゲーム。『ロックマン』シリーズのアーケードタイトル2作目で、『ロックマン』シリーズのキャラクターが集結し、バトルをくり広げる。『ロックマン』のようなステージ攻略要素はなく、いわゆるボスラッシュ的なゲームとなっている。同じく収録されている『ロックマン・ザ・パワーバトル』は、本作の前作にあたる。

 これまでもちょこちょこネオジオポケットやら、プレイステーション2に移植されることもあったが、昨今の家庭用ハード&PCでは遊ぶ機会のなかった2作が遊べるように。トータルボリュームは短めだが、シンプルな攻略性と遊びやすさの高さから、筆者としてはぜひくり返し遊んでほしい1本。『ロックマン・ザ・パワーバトル』から遊ぶと進化を感じられるかも。

『カプコンアーケード 2ndスタジアム』レビュー。ほかのコレクションと重複タイトルは多いもののマニア向け移植タイトルが光る。シングルプレイ用サポートがやっぱり便利!
『カプコンアーケード 2ndスタジアム』レビュー。ほかのコレクションと重複タイトルは多いもののマニア向け移植タイトルが光る。シングルプレイ用サポートがやっぱり便利!
『カプコンアーケード 2ndスタジアム』レビュー。ほかのコレクションと重複タイトルは多いもののマニア向け移植タイトルが光る。シングルプレイ用サポートがやっぱり便利!

『カプコンスポーツクラブ』

 1997年稼動のスポーツゲーム。サッカー、テニス、バスケットボールの3種目が遊ぶことができ、実質この1本だけで3タイトルぶんのゲームが遊べる。どれも本格的なスポーツという感じではなく、ゲームライクなカジュアルタイプ。

 テニスはシンプルながらも本格的で、サッカーは少人数のフットサルという感じ。バスケットボールも3on3ルールで、わかりやすい操作ですぐに遊べるだろう(サッカーだけはちょっと難しいが)。今回初移植でややマイナー作品ではあるが、コレクション系のラインアップのバリエーションのひとつとしてはありだろう。

『カプコンアーケード 2ndスタジアム』レビュー。ほかのコレクションと重複タイトルは多いもののマニア向け移植タイトルが光る。シングルプレイ用サポートがやっぱり便利!
『カプコンアーケード 2ndスタジアム』レビュー。ほかのコレクションと重複タイトルは多いもののマニア向け移植タイトルが光る。シングルプレイ用サポートがやっぱり便利!
『カプコンアーケード 2ndスタジアム』レビュー。ほかのコレクションと重複タイトルは多いもののマニア向け移植タイトルが光る。シングルプレイ用サポートがやっぱり便利!
『カプコンアーケード 2ndスタジアム』レビュー。ほかのコレクションと重複タイトルは多いもののマニア向け移植タイトルが光る。シングルプレイ用サポートがやっぱり便利!

インパクトはそれほどでもないが、マニア向けに光る

 さて、全体を通してみると、『カプコンアーケード 2ndスタジアム』は第2弾ということもあり、ラインアップのインパクトにはやや欠けているように思う。『ストリートファイター ZERO』シリーズや『ヴァンパイア』シリーズなども含まれており、豪華と言えば豪華なのだが、目玉となるタイトルが少ないのが気になるところ。

 というのも、昨今発売されたコレクション系タイトルとの重複がかなり多いのである。たとえば『ザ キング オブ ドラゴンズ』などのベルトアクションは2018年の『カプコン ベルトアクション コレクション』に含まれているし、『ストリートファイター』シリーズは『ストリートファイター30th アニバーサリーコレクションインターナショナル』にほぼ含まれている。

『カプコンアーケード 2ndスタジアム』レビュー。ほかのコレクションと重複タイトルは多いもののマニア向け移植タイトルが光る。シングルプレイ用サポートがやっぱり便利!

 また、『ヴァンパイア』シリーズは2022年6月に発売されたばかりの『カプコン ファイティング コレクション』にすべて収録されており、『ハイパーストリートファイターII - The Anniversary Edition -』も網羅。現世代というほどではないが、『カプコン アーケード キャビネット』に含まれたタイトルも多い。そのため、どうしても目新しさを感じないというのが正直なところだ。

 ただ、決して「それらを持っている人は買わなくていいよ」と言いたいわけではない。たとえば、すでに『カプコン ファイティング コレクション』を遊んでいる人はわかると思うが、『カプコン ファイティング コレクション』はオンライン対戦にかなり特化したコレクション系タイトルで、トレーニングモードやマニアックな設定はあるが、ひとりで遊ぶための便利機能などはほぼない。

 本作はオンライン対戦が原則ない代わり、シングルプレイの充実した機能がある。すべてのゲームが巻き戻しやセーブのほか、やり込みのチャレンジモードなどが用意されているので、「対戦格闘ゲームは好きだけど、ひとりで遊びたい」、「キャラクターは好きだけど対人戦が苦手」という人には『カプコンアーケード 2ndスタジアム』版がオススメなのだ。

 たとえば『ヴァンパイア』シリーズは各キャラクターのエンディングなども見どころのひとつだが、ゲームの難度が高いので、見るのに苦労するだろう。『カプコンアーケード 2ndスタジアム』は多彩なサポート機能(なんなら無料ダウンロードコンテンツで無敵になれる)を使い、エンディングもサクサク楽しめちゃうというわけ。

『カプコンアーケード 2ndスタジアム』レビュー。ほかのコレクションと重複タイトルは多いもののマニア向け移植タイトルが光る。シングルプレイ用サポートがやっぱり便利!

 という感じで、一応の住み分けは可能だと思われる。もちろん現代のハードかつ1本のゲームで複数遊べるのは楽だし、遊べる環境がたくさんあるというのはいいことだ。ファンならば、どちらも買うという選択肢ももちろんあるだろう。

1980~1990年代までのカプコンアーケード史を濃縮

 『カプコンアーケード 2ndスタジアム』というタイトル名から、2ndと聞くと『ストリートファイターIII』シリーズも連想してしまうわけで、そうすると第3弾の3rdも「もしかしたらあるのか!?」と思ってしまうが、だいぶ望み薄のように感じる。

 というのもラインアップを見ると、だいたいのタイトルで実現ができそうなものは、これで出し尽くしたという感じだ。『カプコンアーケードスタジアム』の際に「『マッスルボマー』がないじゃん!」と言った筆者としては若干満足ではあるが、もっと突っ込んで言うとカプコンファンが期待するのは『エイリアンVSプレデター』だったり『キャディラックス 恐竜新世紀』なわけで。これらは版権モノなので、やはり権利関係が大変だと思われる。

 これ以外となると、『私立ジャスティス学園 LEGION OF HEROES』などを代表する3D作品やNAOMI基板系にも手を付ける必要があるように思う。クイズものが1個も移植されていないのは、問題文などの時事的な影響なのだろうか。

 さらにもっと言ってしまうと、おそらく世界的にも望まれているのが、『パニッシャー』のほか、『X-MEN チルドレン オブ ジ アトム』から始まる、マーベル系タイトルの移植だろう。このプロジェクトに関わるかどうかは別として、いつかコレクションとして発売されそうな気もするけど、発売されなさそうな気もちょっとする……。

『カプコンアーケード 2ndスタジアム』レビュー。ほかのコレクションと重複タイトルは多いもののマニア向け移植タイトルが光る。シングルプレイ用サポートがやっぱり便利!

 と、単なる筆者の欲望で終わりとなるが、『カプコンアーケードスタジアム』と『カプコンアーケード 2ndスタジアム』合わせて、1990年代中盤ごろまでのカプコンアーケード史を、8割くらい楽しめるようになった。値段もお手頃なので、知らないゲームをたくさん遊んでみたい人や、カプコンファンの人は購入してみては?