カリプソメディアジャパンより発売予定のテニスゲーム『マッチポイント:テニスチャンピオンシップ』。2022年7月7日にプレイステーション5、プレイステーション4版、2022年10月20日にNintendo Switch版が発売予定だ。

 本作は、コートのコンディションやボールの物理法則、さらには有名選手の特徴も忠実に再現した本格派テニスゲーム。本稿では、『マッチポイント:テニスチャンピオンシップ』の開発を行ったTorus Studioのクリエイター陣に本作の特徴や製作秘話を訊いた。

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デイブ・マック

Torus Studio ゲームデザイナー

ケビン・マッキントッシュ

Torus Studio プロデューサー

いままでにない、より“リアル”なテニスゲームを

――テニスゲームは数多くあると思いますが、本作ならではの特徴を教えてください。

デイブ“本格的なテニスのラリーをゲームで体験”という点にこだわりました。従来のテニスゲームであれば、ゲームの見やすさを優先するために地面にマーカーを表示していたりしたのですが、それだと、結局のところテニスの戦略ではなくマーカーを眺め続けるだけのゲームになってしまうことがありました。

 そうではなくて、つぎの球が来たときにどこに打ち返すのか、相手が長く打ち返してくるなら短く返そう、3ショット先をどこに打ち返せばいいのか、というようなラリーの戦略を考えながらプレイできるゲームバランスに仕上げられたと思っています。

ケビンもちろんそれだけではなくて、自分だけの選手を育てるキャリアモードや、実在するテニス選手が出てきたり、遊びきれないほどのやり込み要素がたくさんあります。

デイブまた、かつて90年代に世界ランキング1位となったマルセロ・リオスのコーチであるアーウィン・ダネンバーグコーチにテニスの戦略部分についての監修を、本作でしてもらっています。この30年でテニス界の戦術や読み合いがどのように変化してきたのか、またラケットのガットやシューズの種類などについてもリアルな戦略テニスを実現するために助けてもらいました。

 そのこだわりと情熱を存分に注ぎ込んで、プレイヤーの心理状態やポジショニング、コートのサーフェスやガットの張りかたなど、ゲーム上には現れてこないパラメーターとして楽しんでもらえれば何よりです。

『マッチポイント:テニスチャンピオンシップ』開発者インタビュー。「よりリアルな動きを追求するため、実際のコートでテニスをしながらモーションキャプチャーを」

――開発中、とくに苦労したことはありますか?

デイブリアルな動きを追求するため、モーションキャプチャーをしていたのですが、スタジオ内では、どうしてもリアルな動きを表現できなかったんです。そこでオーストラリア・メルボルンの会社に協力していただいて、実際にテニスコートでテニスをしながらモーションキャプチャーを行いました。するとできあがった動きが、スタジオで収録したものに比べて、段違いにリアルになったんです。

ケビンモーションアクターはプロのテニスプレイヤーではありませんが、我々が思う“テニスプレイヤーがやりそうな動きや仕草を実際にコートの中で演じてくれたので、テニスプレイヤーの動きをモーションキャプチャーしたものよりもリアルな動きを実現することができました。実際にプレイしてみると、とてもテニス選手らしい動きをするので、ゲームプレイを見ているだけでも楽しいですね。

『マッチポイント:テニスチャンピオンシップ』開発者インタビュー。「よりリアルな動きを追求するため、実際のコートでテニスをしながらモーションキャプチャーを」
『マッチポイント:テニスチャンピオンシップ』開発者インタビュー。「よりリアルな動きを追求するため、実際のコートでテニスをしながらモーションキャプチャーを」
『マッチポイント:テニスチャンピオンシップ』開発者インタビュー。「よりリアルな動きを追求するため、実際のコートでテニスをしながらモーションキャプチャーを」
『マッチポイント:テニスチャンピオンシップ』開発者インタビュー。「よりリアルな動きを追求するため、実際のコートでテニスをしながらモーションキャプチャーを」

――最後にゲームファンにひと言お願いします。

ケビンこのラケットを見てください。

『マッチポイント:テニスチャンピオンシップ』開発者インタビュー。「よりリアルな動きを追求するため、実際のコートでテニスをしながらモーションキャプチャーを」
『マッチポイント:テニスチャンピオンシップ』開発者インタビュー。「よりリアルな動きを追求するため、実際のコートでテニスをしながらモーションキャプチャーを」

ケビンこれは私が子どものころに使っていたラケットです。グリップは切れてしまい、テープで補修をしていますが、これも何度もつけ直してしています。どうしても勝てず、ラケットを壁にぶつけてへこませてしまった苦い思い出もあります。ですがこのラケットと、100万回以上の苦楽をともにし、いわば親友のような存在です。そんな長年にわたるテニスの経験や愛情を注ぎ込んで本作を作り上げました。私たちのテニスへの情熱の成果を、少しでも楽しんでもらえたら何よりです。

デイブテニスファンのために本格的な戦略テニスを楽しめるゲームになったと思います。開発中、テニスクラブなど多くのテニス関係者に協力してもらい、リアルなテニスを実現するために開発メンバーは努力してきました。しまいには、ゲーム開発が進むにつれてテニスに興味を持ち、その影響でテニスクラブに参加するメンバーも出て来たりと。本作をプレイして少しでもテニスに興味を持ってくれて、実際に始めてくれたらうれしいです。