2022年6月14日(火)、カプコンの最新情報を伝える動画番組"カプコンショーケース"にて、最新情報が公開された『エグゾプライマル』のディレクターを務める、平岡拓朗氏へのメールインタビューを掲載する。

『エグゾプライマル』開発者に一問一答。「過去のカプコンにはなかったアクションの気持ちよさに挑戦したい」【カプコンショーケース】

Gameplay Trailer | EXOPRIMAL(『エグゾプライマル』プロモーション映像2)

平岡拓朗氏(ひらおか たくろう)

『エグゾプライマル』ディレクター。

――まずは、本作『エグゾプライマル』はどんな発想から始まったのでしょうか?

平岡最初にアイデアとして存在していたのは“恐竜”でした。歴史上最強であろう生物である恐竜の脅威を体験してみたい。

 さらに、その恐竜が数千、数万という数で襲い掛かってくる絶望的な状況をゲーム中で体験できたら、今まで見たことのない迫力を生み出せるのではないかと考えました。

つぎに、そんな圧倒的な強さと数を持つ恐竜、絶望的な状況を打破するには、現代の人間や技術では不可能であり、未知の力(近未来の化学)が必要ではないかと思いいたりました。

 このときに“歴史上最強”ד近未来最強”という相反する要素が組み合わさることで、新しい体験、おもしろさをユーザーに届けられるのではないかと思い、エグゾプライマルのアイデアが生まれました。

――では、本作『エグゾプライマル』のコンセプトをお聞かせください。

平岡初期構想の段階で「過去のカプコンのゲームにはなかったアクションの気持ちよさに挑戦したい」という思いがありました。

 モンスターハンターのような強大な1体の敵と対峙するようなゲームではなく、数多の敵とぶつかり合い、打破する気持ちよさを追求したとき、新しいIPの魅力と可能性が生まれるのではないかと考えました。

 さらにその“圧倒的な数の敵を少数で打破する気持ちよさ”をネットワークを介して仲間と共有するユーザーの姿を想像したときに、それが“新規IPとしてのコンセプトになる”という確信になりました。

――ストーリーでは“恐竜災害が世界各地で発生し、人類は危機に瀕している”とありますが、ゲーム内容を見る限り、新世代AI“リヴァイアサン”が意図的に恐竜を発生させているようにも見えます。ゲームの根幹となる人間と恐竜の関係について教えてください。

平岡AIBIUS社は、世界と自身の発展のためにAIを生み出すことにしました。AIは与えられた目的を達成するために、学習を重ねる必要があると考えました。

 さらにAIは効率的な学習をするために、人間や環境を利用するという手段を選ぶようになりました。
そしてその新世代AI“リヴァイアサン”は、自己の学習のために、あらゆる状況に人間(プレイヤー、エグゾスーツ)を追い込み、成長しようとしています。

 この通り、リヴァイアサンは新世代AIとして、戦闘テスト(ウォーゲーム)を繰り返し行っているだけです。その戦闘テストの中で恐竜を出現させています。そのため、リヴァイアサンは敵でも味方でもありません。

 しかし、どちらにせよプレイヤーはその無限に繰り返されるウォーゲームに巻き込まれてしまいます。

 その戦闘テストがメインモードの“ディノサバイバル”になります。ディノサバイバルをプレイすることでストーリーが進展していきます。

 くり返されるウォーゲーム、その無限ループからの脱出方法を探るためにプレイヤーはウォーゲームを生き抜くために戦います。

 なぜリヴァイアサンが戦闘テストをくり返すのか、そしてストーリーの謎についてはゲームをプレイして解明してください。

――ミッションには目標討伐や防衛などのほか、プレイヤーどうしで争うデータキー護衛、エナジーテイカーなどがありました。プレイヤーどうしが直接争うのは、あくまで決められたミッションのみなのでしょうか?

 それとも目標討伐などのミッションでも相手プレイヤーへの攻撃・妨害は可能なのですか?

平岡ディノサバイバルでは、自分を含めて味方チーム5人、敵チーム5人がマッチングし、基本的に“5v5”のチーム対戦の形式で遊ぶことになります。

 ディノサバイバルのルールは「リヴァイアサンが提示するすべてのミッションを相手チームよりも先にクリアした方が勝利」という単純明快なものになっています。

 そのミッション内容は、参加するプレイヤーのゲーム進行状況に応じてリヴァイアサンが決めます。そのため、同じフィールド、同じミッションでも異なる体験が待っています。

 同じ場所の同じミッションでも、大きな恐竜が連続して襲い掛かってくることもあれば、小型恐竜の大群が複数出てくることもあるかもしれません。

 さらに、相手チームのファイターを直接攻撃するシチュエーションが発生するものがあれば、相手チームと協力して10人のファイターで強敵に挑むものなど、バリエーション豊かなミッションを用意しています。

 PvP(他プレイヤーのスーツとの戦闘)についてはディノサバイバルのミッションで発生します。恐竜とはまた違った、スーツどうしの激しい戦闘がくり広げられるでしょう。

 そして、PvPとPvE(恐竜との戦闘)の割合に関しては、ミッション構成によってプレイのたびに変わります。

 また、ディノサバイバルではリヴァイアサンが“ドミネーター”という特殊なリグを出現させることがあります。

 ドミネーターを使用すると、プレイヤーが恐竜を召喚し、操作が可能になります。その恐竜の圧倒的なパワーで相手チームを妨害することができます。

――ミッション中にロールは自由に変えられるとのことですが、たとえば“一度変えたら一定時間変えられなくなる”といったペナルティーはあるのでしょうか?

平岡スーツチェンジには特に条件を必要としません。文字通り「いつでも」、「どこでも」、「何度でも」、「好きなスーツに」変更することができます。

 ただし、近未来最強のパワーを持つエグゾスーツを脱ぐということは、生身のパイロットで恐竜を始めとした敵がひしめく戦場に立つということです。

 つぎのエグゾスーツが準備できるまでのあいだ、その危険にさらされることになりますので、スーツチェンジのタイミングにはどうぞ気を付けてください。

『エグゾプライマル』開発者に一問一答。「過去のカプコンにはなかったアクションの気持ちよさに挑戦したい」【カプコンショーケース】

――ミッションでのエリアは、どの程度の広さがあるのですか?

平岡1回のディノサバイバルで使用されるのはフィールドの一部になります。そのフィールドのどこを使うかはリヴァイアサンが決めます。ミッションに応じた戦闘場所/サイズが設定されるので、密度ある戦闘を楽しめるでしょう。

――新たなロールでパラージュ(アサルト)、ヴィジラント(アサルト)が紹介されましたが、タンクやサポートにも新たなロールがあるのでしょうか?

平岡登場するエグゾスーツの種類については、続報をお待ちください。タンクとサポートもほかのエグゾスーツが登場しますので、どうぞお楽しみに!

――追加装備“リグ”は攻撃だけでなく回復できるものもありますが、アサルトに回復用のリグを装備して攻守バランスよく戦う場合と、アサルトに攻撃用のリグを装備し長所をさらに活かす方向で、戦況に応じてロールを変えていく場合では、やはり特化型のほうが有利なのでしょうか?

平岡チームのスーツ構成やスーツとリグの組み合わせについては、必ずしも「これが正解!」というものは用意しておりません。

 リヴァイアサンが提示するミッション、その状況に応じてユーザー自身で「こう戦いたい!」というのを考えて構成を決めて楽しんでもらえればと思います。

 基本的にはどのような構成でも楽しめるようにしています。アサルト、タンク、サポートがバランスよくいてもいいですし、回復できるリグ「エイド」を装着したアサルトのみで戦うのもおもしろいかもしれません。

 さまざまな可能性をぜひ試してみてください。

――短所を補う形でリグを装備する場合は、たとえばどのような利点があるのでしょうか?

平岡リグに関しては、長所を伸ばす、短所を補うというよりも“戦いかたの可能性を広げる”、“自分の好きな戦闘スタイルを作る”という役割になっています。

 戦場を動き回って戦いたいなら“デッドアイ×カタパルト”、堅牢なタンクを実現したいなら“ロードブロック×エイド”などのように、“スーツ×リグ”のさまざまな組み合わせを試して、自分の好きな戦闘スタイルを追求してください。

 “ロードブロック×カタパルト”であらゆるファイターを守るように戦場を飛び回るタンク……というのもおもしろいかもしれません。

――数多くの恐竜や変異体“ネオソー”などが登場するようですが、レアな恐竜を倒すことのボーナス的なご褒美はあるのでしょうか?

平岡特定の恐竜を倒すことで、フィールド上にクラフトチップが出現することがあります。それを取得することで、フィールド上にクラフトを設置できるようになります。

――映像の最後で、人間がリヴァイアサンを倒すかのような発言がありました。だとすると、これは人間が望んだものではなく、リヴァイアサンに人間が支配されている世界なのでしょうか?

平岡前述した通り、リヴァイアサンは戦闘テスト(ウォーゲーム)をくり返し行っており、プレイヤーはそれに巻き込まれてしまいます。くり返されるウォーゲーム、その無限ループからの脱出方法がリヴァイアサンを倒すこと……なのかもしれません。

 このストーリーの謎については、ぜひゲームをプレイして解明してください。

――本作に期待するゲームファンに向けて、ひと言メッセージをお願いします。

平岡エグゾプライマルはカプコンの新規IPとして、新しい世界観はもちろん、新しいゲームシステム/ゲームルール、新しいアクションの気持ち良さに挑戦しているタイトルになります。

 私たちがプレイヤーの皆さんに見せたい、共有したい体験を実現するため、開発メンバー一同、がんばって制作を続けております。

 発売は2023年を予定しております。2023年にプレイヤーの皆さんと一緒に「最凶を最強でぶっ潰す(絶望的な状況を仲間との協力プレイで打破する爽快感)」というエグゾプライマルのコンセプトの気持ちよさを味わえることを楽しみにしています。

 今後もさまざまな情報を出していきますので、楽しみにお待ちいただければと思います。また、クローズドネットワークテストを開催しますので、そちらにもぜひご参加ください。

 AIBIUS社は人類の希望となる、未来のエグゾファイターを募集しています! 未来のエグゾファイターはキミだ!!