スクウェア・エニックスがプロデュースし、プラチナゲームズが開発するオンライン専用のアクションRPG『BABYLON'S FALL(バビロンズフォール)』(対応機種はプレイステーション5、プレイステーション4、Steam)。同作の公式生放送の第8回目が5月28日に放送され、2022年5月31日に行われるアップデート(Ver.1.2.0)の情報と、ユーザーからのフィードバックに対するQ&Aなどが公開された。本稿では、その内容をまとめて紹介する。
【出演者】
- 齋藤健治(ディレクター/プラチナゲームズ)
- 杉山 高尚(運営ディレクター/プラチナゲームズ)
- 根岸 功(プランナー/プラチナゲームズ)
- 江原 純一(プロデューサー/スクウェア・エニックス)
番組冒頭には、素材やレリックが入手できるシリアルコードが公開。プレイヤーズサイト“Hanging Garden(ハンギングガーデン)”でコードを入力して素材を入手しておこう。
シーズン1に関するフィードバックアンケートは6月7日18時まで受け付け中。プレイしていて気になった点、公式ディスコードのようなオープンな場では伝えにくいことなどはこちらから送ろう。
シーズン2で新要素が多数に登場
Ver.1.2.0の更新とともにスタートするシーズン2の内容を紹介する前に、事前にも発表されていた通り、シーズン2は当初予定されていた3ヵ月間ではなく、11月29日までの約6ヵ月間開催されることが改めてアナウンスされた。
Ver.1.2.0アップデートでは、新たな種族クフタールが追加されるとともにキャラクターの作成枠が追加される。また、新武器種ピストルの実装、新ストーリー“日輪の楽園”や新エリア“ベンベン塔”も登場。5月31日の大規模アップデート後、7月12日にはVer.1.2.1へのアップデート、7月19日には期間限定イベントがスタートするとのこと。Ver.1.2.1などの詳細については今後発表される。
シーズン2でもバトルパスはフリーとプレミアムの2種が登場し、フリーは無料で、プレミアムバトルパスは1000ガラズ(シーズン1終了時のシーズンランクに応じて割引)で利用でき、それぞれコスメ装備などの報酬が獲得できる。なお、シーズン2は約6ヵ月間あるため、Tierを上げるには十分な期間が用意されている。
サポートを得意とする新種族クフタール
新たに登場するクフタールは遠方のオアシスにある都市を拠点とする交易民で、錬金術を操る種族。ガットワークはサポート系の効果を持つものが多く、SPヒーリングシェア、ディフェンスシェア、オフェンスシェアなど、他メンバーのサポートを得意とする。ボディタイプによって体形が変化しない中世的な種族である点も特徴的だ(装備の見た目はボディタイプに合わせたものとなる)。また、複数用意されているキャラクターボイスにはスクウェア・エニックスプロデュースのアイドルグループGEMS COMPANYに所属する水科葵さんによるものも。
ピストルには“トリガーアクション”という特殊能力が
新武器種のピストルは、遠距離からの攻撃を得意とする武器。ライトアタックにはフィニッシュモーションがなく、自由に連射を続けることが可能だ。銃撃を行いながら移動することもでき、一定回数撃つごとに攻撃速度上昇のバフが発生するが、一発あたりの威力はやや控えめ。ヘヴィアタックにはフィニッシュモーションがあり、フィニッシュを放つごとに攻撃速度上昇のバフが発生する。ゴーストアタックは消費SPがやや少ないのが特徴だ。
ピストルには“トリガーアクション”という特殊能力があり、攻撃ボタンを押し続け、ピストルから出る光が収束したタイミングでボタンを離すと威力の高い連射攻撃を行うことができる。ライト、ヘヴィ、ゴースト、いずれのアタックでもトリガーアクションは実行でき、各アタックのトリガーアクションを連携させることで攻撃力が少し上昇する。操作のタイミングが鍵を握る武器となりそうだ。
陽属性の装備やエネミーも追加
太陽の力を司る新たな属性・陽の追加に伴い陽属性の装備やエネミーも追加されるので、ビルドの幅がさらに広がるだろう。また、シーズン2の開始とともに成長上限が引き上げられ、最大パワーは300に、最大レベルは24になる。シーズン中に再度引き上げを行う予定はないそうなので、パワー300まで到達したら装備の厳選をしていこう。
週替わりコンテンツのシージには陽属性のクエストが追加。クエスト数も4つに増加し、クリアー率などから各クエストの出現エネミーを調整、難易度の平均化が図られるという。高難度コンテンツのガントレットには“鉄の嵐 作戦II”が登場。こちらは、敵の耐久力が高くなっているものの、ノックダウンさせた際に与えられるダメージが大幅に上昇、さらに持続ダメージも大幅に上昇するというもの。スタンやノックダウン、そして持続ダメージを与える状態異常系ビルドが活躍しそうだ。“鉄の嵐 作戦II”ではランキングも開催されるとのこと。
エンドコンテンツのデュエルには、新ウォーロードとしてゼノンが登場。新たな特殊攻撃が追加され、攻撃速度も上昇しており、デュエルらしい歯応えのある戦闘が楽しめるようになる。放送中の実機プレイでも次第に広がる速度が上昇するリング弾での攻撃など、厄介な動きが多数見られた。実機プレイに挑んだ出演陣も速攻で全滅してしまうなど、かなりの難度であることが伺える。また、スカーミッシュについてもクエストとインファマスエネミーが追加されるという。
そのほか、新たな武器や防具、アクセサリも追加される。武器はディヴァインが5種類、レジェンダリーが30種以上増え、防具はディヴァインが7種、レジェンダリーは50種追加されるそうだ。酒保の商品やオーダー、アチーブメントの種類なども増えるとのこと。
ゲームバランスも多方向から調整
プレイヤーから受けたフィードバックへの対応も含め、Ver.1.2.0では多数のバランス調整が行われる。まずはクリティカル率が武器種ごとに調整され、追加効果によるクリティカル率の加算値も武器ごとに変更。ハンマーは調整前の232%に増加するなど、モーションの大きな武器ほどクリティカル率の加算値は高くなる。
追加効果の発動条件のうち、達成しにくいものには緩和が入り、シールドとロッドの固定追加効果については上方調整が行われる。また、ロッドの追加効果は全体的に発動しやすくなるとのこと。
デュエルでは“免疫”の特殊効果が追加。敵の状態異常に対する耐性がしだいに上がっていき、一度の戦闘で何度も同じ状態異常に陥らせることがむずかしくなるという。ただし、状態異常のダメージ自体には上方調整が入り、1秒当たりのダメージなどが強化された結果、総ダメージ量はどの状態異常も2倍から3倍に上昇している。調整内容はハンギングガーデンで公開されるので、詳細はそちらで確認しよう。
フィールド面に関する調整では、まず瘴気エリアが大幅に削減。さらに水中での抵抗がなくなり、地上と同じように動けるようになる。これまで滑っていた氷などの床が滑らなくなり、タール床でも移動が遅くならなくなるなどの変更もあり、移動面に関するストレスは大きく緩和されそうだ。
追加効果の条件“周囲(中)の敵数×●以上”、“周囲(中)の敵数×●以下”は効果内容に合わせ、説明文が“周囲(小)”に変更される。VERSEの評価基準にも調整が入り、より納得のいく評価が得られるようになりそうだ。マテリアルを集めるオーダーについては、達成条件としてカウントされる対象がクエスト中に獲得したマテリアルのみになり、リサイクルなどで得たものは対象外となる。
また、追加効果の発動条件や効果内容についてはかなり大幅な調整が行われる。テキストをギッシリと詰め込んだスライド7枚にも及ぶ量の調整となっており、それらは全体的にアッパー調整になっているとのこと。スライドに記されている文字は青が数値が低く、赤が高くなっている。アップデート後は改めて装備の使用感を確認し、ビルドを再調整するといいだろう。傾向としてはシールドに関する調整が多くなっているそうだ。こちらも調整内容はハンギングガーデンにて公開される。
シールドとロッドを中心に、使用率の低い武器種に関する調整も行われる。シールドについては武器として使えるように、ロッドについてはレスポンスと武器特性を活かせるように調整が入る予定だという。ハンマーやソード、ボウなどについても状況を見て調整を進めるとのこと。
クエストの報酬に関してもいくつか変更があり、まずドロップする装備のパワー上限が撤廃される。低パワー帯でも高いレアリティのレリックが出やすくなり、すべての武器種がドロップするようになるので、新規プレイヤーでも装備集めを楽しみやすく、かつ上級者が新規ユーザーの手伝いをしやすい状況が整いそうだ。
グラフィック表現もさらに調整
Ver.1.2.0ではゲームバランスだけでなく、グラフィックやシステム面でも調整が行われる。以下に、今回の放送で明かされた調整内容を記す。
- グラフィック表現に調整を入れ、視認性を向上
- 十字キーの下で発動中のバフ/デバフ、クエストの追加効果を表示切り換え可能に
- オプションにカメラとターゲットの設定を追加
- クエストボードで自身のパワーと推奨パワーの差によって文字色が変化
- クエストクリアー後のムービーを個別にスキップできるようになる
- VERSEやクエスト終了時にエモートやスタンプを見やすくなるように調整
- キャラクターのスキンカラーで選べる色が25⇒31に増加
- Dレリックのドロップ表現を目立つ(音でも判別できる)ように変更
- アイテム所持数が上限でもクエストに出撃できるように調整
- クエスト中の無操作状態から切断される時間を20分⇒3分に変更
(シングルプレイ中の共生切断は不要なので、こちらは今後検討) - 他人のギデオンコフィンカスタマイズ情報を表示可能に
- キャラメイクのボイス設定時にCVを表示
- ギデオンコフィンボイスのアイテム詳細にCVを表示
- バトルパス画面で未受取報酬がある場合に強調して表示
- Tier購入時に現在所持しているガラズを表示
- プリセット画面のUI表示を変更
- ブースターチップの名称に種族名を追加
- リザルトでの鑑定後、アイテムの並び順が変わらないように変更
- ミッションやオーダーにて、達成するのが難しい条件と報酬を調整
(ウォーロード300体⇒デュエル50回、など) - ハンギングガーデンでコンクショップにアイテムの一括売却機能を追加
- ハンギングガーデンのアイテム売却画面にソート、フィルタ機能を追加
シーズン2限定アイテムも公開
シーズン2限定アイテムとして、リュクスなどのNPCや敵を模した衣装、宝石をモチーフにしているクフタールの登場に合わせた水晶や琥珀をイメージしたケープなどのデザインが公開された。また、辻井健吾さんと近藤唯さんのコフィンボイスも追加される。
期間限定イベントとして5月31日から7月12日にかけてはランキングイベント“鉄の嵐 作戦II”が、6月26日から7月12日にかけては“決闘エルピス”の報酬獲得アップイベントが開催される。ランキングイベントでプラットフォームによってロード中にも時間がカウントされてしまう問題については、すでに対応の目途が立っており追って修正が入る予定だという。
最後に、番組の後半で触れられたユーザーからの質問への回答内容を下記に紹介して今回のリポートを終了する。
各種問題について
- 処理が重い状況でドロップアイテムの出現が遅れ、最終VERSEで発生するとクリアー時に取得できない現象については、現状未調査
- 購入、売却を行う際に発生するウェイトタイムに関しては調査中。解消したいとは思っている
- Connecting問題(ロードが終わらない問題)については開発環境で再現できたため、引き続き原因の究明を進める
- VERSE以外の場所で崖下にアイテムがドロップするとロストしてしまう現象については、修正できる可能性はあり対応したいと考えている
- ブースターの効果が表示されなくなる現象が解消していない件については、あらためて調査を行う
装備、マッチングについて
- 装備品のソートについては、ソートの下位条件(レアリティでソートした状態でどう並べるか、など)の見直しを行う予定
- クエスト準備中に装備の変更を行いたいという要望については、より適したビルドでクエストに参加できるような仕組みを検討
- クイックマッチに関しては、ガントレットやデュエルなど遊びかたが個別に大きく異なるクエストは対象外に
- クイックマッチを利用するメリットは今後強化していく
武器効果、追加効果について
- ロッドのバフエリアを広くしてほしいという要望については、武器全体の使い勝手の向上の一環として合わせて検討
- ポーションがトリガーとなる追加効果がHP満タン時に使えないのは、現状仕様。そのうえで使いどころを工夫して楽しんでほしい
- キャラビルドの幅については、既存の追加効果が活きるよう今後もバランス調整を行い、使いどころとなるコンテンツも増やしていく
- 弓のナーフは現状予定していない。武器に関してはデータを見ながら調整していく
その他
- ムービー中のセリフを手動で行いたいという意見については、自動送りの秒数を調整する方向で検討
- ハンギングガーデンの情報にゲームからアクセスしやすくなるよう、設置場所を検討
- ボディタイプの変更やキャラスロット追加、キャラの作り直しなどは多くの要望を受けており、最適な方法を策定する予定
- キャラメイクのバリエーションは増やせれば増やしたいと思うが、まずは遊びに直接かかわる部分のテコ入れを優先
- 新規ロケーション(マップ)は制作コストが大幅にかかるため、直近での追加は予定していない
- 長期的な目線で考えたときに、大幅なアップデートを計画する際には新規ロケーションも検討
- スカーミッシュなど、クエストが異なるが中身がほぼ同じクエストの統合は計画している