KONAMIから配信中のプレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X|S、Xbox One、PC(Steam)用ソフト『eFootball 2022』の“アップデート(バージョン1.0.0)”が、2022年4月14日に実施される。その新バージョンの試遊をもとに、新たな操作感を分析してみた。
※試遊で使用したのはプレイステーション5版です。
従来バージョンの問題点を改善
『eFootball 2022』は、『ウイニングイレブン』(以下、『ウイイレ』)シリーズがフリー・トゥー・プレイ作品として生まれ変わったもの。名前が加わっただけでなく、じつは操作感も大きく変わっている。
昨年2021年9月の『eFootball 2022』配信開始当時、ショートパスの速度が大幅に落とされ、代わりにドリブルのバリエーションが追加、強化された。それにともない、強力なドリブルに対抗するため1対1のディフェンスが強くなり、代わりにAIによる味方のディフェンスサポートが弱くなっていた(という印象)。
ゾーンディフェンス&ショートパス全盛だった1990年代後半~2000年代から、ショートカウンター&ドリブルがメインとなったそれ以降のリアルサッカーを反映するかのように、大きなテコ入れがなされたのだ。サッカーゲーム好きの現役選手にプレイしてもらい、そのフィードバックを反映するなど、目指すところは“リアル”だったと思われる。
かなり思い切った改革だったが、しかし多くの問題点を内包していた。
ユーザーからの反応としては、
- ショートパスの速度が遅い。そこを狙われてパスカットされる
- ドリブルで抜け出そうとしてもすぐ体を入れられて止められる
- 味方が棒立ちで役に立たない
- とにかく点が入らない
- グラフィックのバグがある
といった内容のものが多く見られた。バグはともかくとして、そのほかのものからはユーザーたちの大きな不満がうかがえる。
これらの反応を見て、半年もの時間をかけて根本的な解決が図られることになったのである。そして誕生した“新バージョン”を、今回プレイさせていただいた。
操作感は少し『ウイイレ』寄りに
約30分ほどのプレイを終えた感想は「かつての『ウイイレ』ユーザーにとっては、だいぶ遊びやすくなった」というもの。新たに導入されたプレイ要素によってパスやディフェンスが強化され、快適性が底上げされたのだ。とくにパスはだいぶ改善された。そもそも『ウイイレ』や『eFootball 2022』はドリブルゲームであると筆者は思っている。それは今回のバージョンでも変わらないが、フェイントなどのテクニックが使えなくても何とか戦えるレベルにはなっている。
注目したい新要素はふたつ。
- 通常よりも速い弾道の“インパクトキック”の導入
- プレス操作の搭載
インパクトキックは、右トリガーボタン(R2ボタン)を最大まで押し込むと同時にパスボタンを押すことで、強いパスが蹴られるというもの。通常のパスよりも明らかにスピードがあるので、相手のプレスをかいくぐってボールを繋げたり、ディフェンスラインの裏への効果的な蹴り出しも可能となる。パススピードの遅さを嘆いていた多くのプレイヤーにとっては待ち望んでいた要素と言えよう。ただし、数フレームの溜め動作が挟まるので、密集時に使おうとするとその隙に寄せられてボールを奪われやすくなるので注意が必要となる。
実際のところ、自陣からカウンター気味にショートパスをつないでスピーディーな展開を試みたいときや、敵陣侵入後のラストパスを出すときなど、決定的なチャンスを作り出すのに大いに役立つ。スルーパス(フライスルパスーも)やクロス、シュートとも併用できるので、これを使いこなせるようになれば得点力も大いに上がるはずだ。
対人戦では、インパクトキックをくり出すスペースを巡る攻防がカギとなりそうだ。守備側にとっては脅威の技だが、マークさえ外さなければ止めるのはそれほど難しくない。そこで攻撃側はドリブルを駆使してフリーになることを目指せばいいというわけ。
じつはノーマルのパス自体も少しスピードを上げられているようだ。ただ、“パスマニュアルレベル”は少し下げた(数字を大きくする)ほうがいいかもしれない。デフォルトの設定だと、筆者の体感では思ったよりも手前に出される傾向があるので、そもそものパスがズレるリスクは高くなるが、アシストを緩めることも視野に入れておこう。
インパクトキックプレイ動画
インパクトスルーパス
インパクトパス
インパクトクロス
インパクトシュート
もうひとつの注目要素がプレス操作。積極的にボールを奪いに行きたいときはプレスを使用することをお勧めする(×ボタン)。敵に近づくと自動でタックルできるが、相手に積極的に近づく分かわされやすいので注意が必要。バージョン0.9から引き続き搭載されているマッチアップと使い分けてボールを奪える。
さらに、直接操作している選手以外の選手もプレスに参加させる“チームプレス”機能も追加。R1ボタン(コントローラー上部の右ボタン)を押すだけで発動し、うまくハメればパスカットも含めてかなりボールを奪いやすくなる。もちろん、むやみやたらに選手を動かしていると、逆に空けたスペースにボールを放り込まれてピンチになることもあるので、“使いどころ”も考える必要があるが……。
チームプレスプレイ動画
チームプレスでボール奪取①
チームプレスでボール奪取②
ほかにも操作が追加、変更されていたりするようだが、大きなところではこのふたつ。これらのおかげで、だいぶ『ウイイレ』シリーズのような操作感を再現できるようになったと思う。また、攻撃も守備も引き出しがだいぶ増えたので、駆け引きの奥深さも増している。使うボタンに変更があったことで少し慣れが必要ではあるが、ある程度『ウイイレ』の操作を知っている人ならアジャストできるはず。
グラフィックはさすがのデキ。バグがあったせいでネガティブな内容ばかりが伝わってくるが、試合前のロッカールームの様子だとか、背景の中にいる観客の動きなど、プレイと直接関係ないところまでよく作り込まれている。選手の顔が似ている似ていない問題は、試合中は気にしている余裕がなかったのと、人によって印象も異なるので割愛する。なお、トライアルマッチ(対AI戦)にてデフォルトで選択できるチームは従来のバージョンと同じ。
得点時には“ゴールセレブレーション”を自分で指定することもできる。実際、汎用のものから特定の選手固有のものまで、さまざまなセレブレーションが用意されているらしい。
試合中のカメラ設定もチェック。デフォルトカメラの“スタジアム”はTV中継に近くピッチを広く見渡せる。従来の“ダイナミック ワイド”ももちろん選択可能なので、自分のプレイに合ったカメラを選ぼう。
もうひとつ、トライアルマッチでの難易度も確認してみたが、今回もまだ“スタンダード”と“スーパースター(難しい)”しかなかった。筆者はスタンダードでも強いと感じたので、これまでサッカーゲームを遊んでこなかった人や、久し振りに遊ぶという人にとってはきびしいかもしれない。ただ、そういう人にとって、トライアルマッチで操作を慣れてもらうのものありだと思う。バージョン1.0.0では“トレーニングモード”も追加搭載されるので、まずはそこで練習し、その後難易度“スタンダード”や“スーパースター”に挑戦してみてもいいかもしれない。
個人的に、サッカーゲームは、上級者にとっては“駆け引きを楽しむ”側面もあるが、初級者にとっては“ゴールを決めて気分よくなってナンボ”だったりもするのではと思われる。とくに本作はフリー・トゥー・プレイのゲームとしてリリースされていて、それだけに多くのユーザーがプレイしてみようとするはず。本作はリアルな挙動やグラフィック、そして奥深い操作性で将来を感じさせるものではあるので、初級者にもその楽しさを感じてもらうことを望んでいる。今後のアップデートにも引き続き注目したい。
また、今回はプレイできなかったが、新たな育成モードである“ドリームチーム”も同時に実装される。そちらも楽しめるモードになっていると期待したい。
以下、リリースを引用
【プレスリリース追記】 「ウイニングイレブン」から生まれ変わった家庭用ゲーム『eFootball™ 2022』のバージョン1.0.0を本日配信!「eFootball™ シーズン1」が始動!新モード「ドリームチーム」、Jリーグライセンスも搭載!
株式会社コナミデジタルエンタテインメントは、家庭用サッカーゲーム最新作『eFootball 2022』をアップデートし、バージョン1.0.0の配信を開始したことをお知らせします。
基本プレー無料でお楽しみ頂ける『eFootball 2022』は、現実のサッカーシーンに多く見られる選手同士のボールの奪い合いの緊迫感や、個性あるチーム戦術の駆け引きの面白さが、本バージョンで大きく向上しました。これらを可能にする新たな操作も追加されており、サッカーのセオリーに基づいた判断や戦術の駆け引きを、より深く体感できます。さらに、本バージョンから”シーズン”という新たな要素が加わります。一定期間のシーズンごとにサッカートレンドを反映したテーマが設定され、様々なゲーム内コンテンツをご用意します。シーズン1のテーマは“New Gameplay Approach, Team Building & Licenses”。生まれ変わったゲームプレーの面白さを体感していただけるテーマですので、ぜひお楽しみください。
そして、自分だけのチーム作りを楽しむ新モード「ドリームチーム」がいよいよ開幕します。好きな選手や監督を獲得し、自分のプレースタイルに合わせて育成、強化しながら、あなただけの理想のチームを作り上げ、世界中のプレーヤーとの対戦を楽しむことができます。1週間の“スタートアップ期間”を経て、4月21日からシーズン1のテーマに沿った様々なイベントも開始される予定です。
さらに、大変多くのご要望をいただいていた「明治安田生命J1リーグ」、「明治安田生命J2リーグ」のライセンスを搭載しました。あわせて、北米プロサッカーリーグの「MLS Players Association」と「USL Championship」のライセンスも搭載し、遊びの幅が更に広がりました。
公式サイトでは、アップデート内容の詳細や遊び方のヒント、それらをご紹介する最新トレーラーも公開中です。新しいサッカーゲーム『eFootball 2022』をぜひお楽しみください!
New Gameplay Approach:サッカーのセオリーに基づいた判断、読み合いが体感できてこそ、本気で勝負を楽しめる
■選手とボールの挙動
すべてのベースである選手の挙動は、アニメーションシステムを含めて再構築しました。またボールの弾道についても、2020年より2年間にわたり筑波大学体育系浅井武教授との共同研究を実施。ピッチにおけるボールの挙動を解析し、影響を与える要素を明らかにしました。その研究成果を基に、本作ではよりリアルな弾道を再現しています。
人間らしい慣性のある選手挙動、そして回転や反発、摩擦も考慮したリアルなボール挙動は、サッカーでよく見る”間”を生み出し、相手をドリブルでかわしたり、パスワークで最終ラインを突破した際の爽快感に繋がっています。
■チームでの駆け引き
個人の選手挙動だけでなく、チームプレーにおいても現代サッカーで行われている駆け引きを可能にしました。個人とチーム、それぞれのベースを再構築したことで、現実の試合で「よく見る」場面が随所に発生するようになり、瞬間瞬間での「サッカー的な」判断が勝敗を分けるサッカーゲームを実現しました。
■狙い澄ました「インパクトキック」が攻撃のリズムを変える
通常よりも高速で精度の高い弾道のキックが可能になる「インパクトキック」は、本アップデートの最も大きな革新の1つです。グラウンダーパス、フライパス、クロスなど、すべての種別のパスに「インパクトキック」が可能です。より自由なパスワークが可能になり、狙ったパスを出す気持ち良さと、イメージ通りに相手を崩す達成感を生み出します。
各種インパクトパス
- インパクトグラウンダーパス:高速で受け手の足元を狙います。距離が長いパスの場合は浮きやすくなります。
- インパクトフライパス:通常のフライパスよりも低く高速のパスになります。
- インパクトスルーパス:通常のスルーパスより高速になりますが、受け手がトラップする位置は通常より手前になります。
- インパクトフライスルーパス:通常のスルーパスよりも高速でやや低い弾道になり、受け手がトラップする位置は通常より手前になります。
- インパクトクロス:通常のクロスよりもやや低い位置を高速で狙うことができます。カーブも強くかかります。
- インパクトグラウンダークロス:通常のグラウンダークロスよりも高速でカーブがかかり、受け手の手前でワンバウンドする弾道になります。
強いシュートを放つことのできる「インパクトシュート」
シュートについても速度や精度の見直しを行いました。さらに、通常のシュートより高速で精度が高く、多彩な弾道で打つことができる新操作「インパクトシュート」追加しました。そして、シュート系スキル(無回転シュート、ドロップシュート、ライジングシュート)を所持している選手は、特殊な弾道のインパクトシュートを打つことができます。ストライカーがフリーになったときのゴールの期待感とディフェンスの緊張感を、ぜひ体験してください。
■新たなコンビネーションプレーを可能にする「パス&クロスラン」
新操作「パス&クロスラン」は、現実のサッカーでよく目にする「斜めの動き」によるコンビネーションを可能にします。ピッチの中央で、サイドで、新たな攻撃パターンが生まれます。
ディフェンスの駆け引きと操作変更
本バージョンでは、直感的にボールを奪うことができるように、ディフェンスの操作方法を変更しました。また、ディフェンスの駆け引きの納得感を向上するため、選手の挙動を改良しました。さらに、チーム全体でのディフェンスという要素も加え、サッカーのセオリーに基づいた適切な判断が最良の結果となることを目指して、様々な調整を行いました。
■「プレス」
ボールを積極的に奪いに行く操作です。ボールに向かって移動し、ボールに届く距離になるとスタンディングタックルします。
■「マッチアップ」
右へ左へ揺さぶりをかけてくるドリブラーには、腰を落として細かいステップで対峙する「マッチアップ」で対応できます。ゴールを守る身体の向きを保ちながら相手をサイドへ追いやれば、スペースをなくした相手からボールを簡単に奪い返すことができます。
■「チームプレス」
ボールホルダーにプレッシャーをかけ、パスコースを塞ぎ、ラインを押し上げてチーム全体でボールを奪いにいく新たな操作です。
New Team Building “Dream Team” “シーズン”と連動して作り上げる「あなただけの夢のチーム」
■ドリームチームとは
“ドリームチーム”は、試合を楽しみながら入手できるGPなどのゲーム内アイテムを使用して、好きな選手や監督を指名して獲得し、夢のチームを作り上げていく新モードです。獲得した選手は、自分のプレースタイルに合わせて育成し、強化することも可能です。選手たちと共に理想のチームを追い求め、「あなただけの夢のチーム」を作り上げましょう。
ドリームチームの遊び方
■シーズンごとで異なるテーマを楽しむ
ドリームチームでは、今回のアップデートから追加された新要素である“シーズン”ごとに異なるイベントが開催されます。各シーズンにはサッカーのトレンドを反映したテーマが設定され、それに応じた対人戦のチャレンジイベントやAI戦のツアーイベント等、様々なイベント※が開催されます。シーズンのテーマにマッチした選手獲得やチーム編成を行うと、より有利にイベントを進めることができます。シーズンごとに個性的なチームを作り上げて、試合を楽しみましょう!
※各種イベントは4月21日から開催予定です。
■eFootball リーグ※
自分だけのドリームチームで戦うDivision制の対人戦リーグです。1フェーズは28日間で開催され、その間にできるだけ高いDivisionまで昇格することを目指します。10試合を終えるまでに勝ち点が昇格ラインに達すると昇格、必要な勝ち点に届かなければ降格します。最上位であるDivision1に到達するとランキングが集計されるようになり、昇格を目指す戦いから、順位を競う戦いに変わります。
フェーズが終了すると、到達したDivisionに応じて報酬を獲得でき、ランキングのリセットなどが行われて新たなフェーズが開始します。
※eFootball リーグは4月21日から開催予定です。
■選手獲得とカード種別
ドリームチームでは、選手や監督を指名して獲得することができます。ゲームを進めることで入手できるGPを使って、すべてのスタンダード選手と監督から獲得できます。
選手種別は以下のとおりです。
New Licenses “Jリーグ”いよいよ搭載!
新たに日本と北米のライセンスを搭載しました。
シーズン中には新規ライセンスを使ったゲーム内イベントも開催予定です。
- 明治安田生命J1リーグ
- 明治安田生命J2リーグ
- MLS Players Association
- USL Championship
『eFootball』とは
長年多くのお客様に支えられてきた「ウイニングイレブン」は、大きく飛躍する本作への決意をこめて、新たなブランド名『eFootball』として生まれ変わりました。
新たなサッカーゲームエンジンを開発し、初リリースとなるPlayStation 5版を含め、対応するすべてのデバイスで“基本プレー無料”で遊べるようになるなど、ゲームプレーや遊び方を一新しています。
モバイル版『eFootball 2022』につきましても自信をもって皆様にご提供できるクオリティでお届けするため、現在鋭意制作中です。配信時期は今後の発表をお待ちください。