プラチナゲームズが開発を行い、スクウェア・エニックスがプロデュースするプレイステーション5、プレイステーション4、PC(Steam)向けハック&スラッシュタイプのマルチプレイアクションRPG『BABYLON'S FALL(バビロンズフォール)』。

 本稿では、サービス開始から2週間プレイし、さらには2022年3月22日に実施された最新アップデートVer.1.1.0を踏まえたプレイレビューをお届けする。

ファミ通特設サイト“センチネル通信”
『BABYLON’S FALL(バビロンズフォール)』(PS5)の購入はこちら (Amazon.co.jp) 『BABYLON’S FALL(バビロンズフォール)』(PS4)の購入はこちら (Amazon.co.jp)

ダウン中も攻撃できるゴーストアタックが特徴的なアクション

 前述の通り、本作はクエストでのドロップや素材を使ったクラフトで装備を集め、強くなった装備でさらに上位のクエストに挑んでより強い装備のドロップを狙う、といったシンプルな流れを楽しめるハクスラゲームになっている。

 そんな本作の大きな特徴のひとつは、攻撃の多彩さが生むアクションだ。ソードやハンマー、ボウやロッドといった武器を□、△、R2、L2の各種ボタンに割り当て4つの攻撃を駆使して戦うのだが、その組み合わせは完全に自由。ボウ4種盛りで遠距離に特化したり、ソードやハンマーで近距離攻撃に特化してみたり、あるいは味方の支援に力を入れたスタイルにもできる。

 □ボタンはライトアタック、△ボタンはヘビーアタック、そしてR2、L2ボタンはゴーストアタックとボタンによって攻撃の種類も異なり、同じ武器でも割り当てによって動きが変わるため、アクションの幅はかなり広い。

 ハクスラと言えばどんな性能の装備を組み合わせるかというチョイスがビルドが要であり、本作にもそれは言える。それに加えて、武器種の組み合わせという点でもビルドを楽しめるのが『バビロンズフォール』のポイントだ。

『バビロンズフォール』Ver.1.1.0プレイレビュー。ソロでもキャンペーンが遊びやすくなり、プラチナゲームズアクションの爽快感と装備収集をさらに楽しめるように
ボウにはスプレッド(拡散弾)やピアッシング(貫通弾)、ロッドには攻撃を行うエナジーボールや味方の能力アップを行うワンドが存在するなど、同じ武器種でも一部性能が異なるものもある。
『バビロンズフォール』Ver.1.1.0プレイレビュー。ソロでもキャンペーンが遊びやすくなり、プラチナゲームズアクションの爽快感と装備収集をさらに楽しめるように
タイミングよく攻撃を回避することで一瞬無敵になるジャスト回避も存在。このあたりのアクション性はプラチナゲームズらしさが感じられる。

 ライトアタックとヘビーアタックはキャラクターが手にする武器で攻撃するが、ゴーストアタックは背中に装着された機棺(ギデオンコフィン)によって武器を操作する。そのため、自分のモーションに関係なくいつでも攻撃でき、ダウン中などふつうだと攻撃できない状態でも発動可能だ(一部状態異常時は除く)。

 各攻撃ボタンを連打するガチャプレイでも十分戦うことはできるが、慣れてくると特定のコマンドを入力してコンボを狙うことでき、スタイリッシュなアクションを追求できる奥深さもある。アクションが苦手な人も得意な人も満足できるゲーム性になっていると言えるだろう。

『バビロンズフォール』Ver.1.1.0プレイレビュー。ソロでもキャンペーンが遊びやすくなり、プラチナゲームズアクションの爽快感と装備収集をさらに楽しめるように
背後に浮かぶ武器を使うゴーストアタックの発動にはSPゲージが必要となる。ゲージは攻撃を当てるか時間が経過するかで回復するが、回避アクションでもゲージを消費するため、攻撃と回避の判断も大事。
『バビロンズフォール』Ver.1.1.0プレイレビュー。ソロでもキャンペーンが遊びやすくなり、プラチナゲームズアクションの爽快感と装備収集をさらに楽しめるように
SPの枯渇に関しては装備スキルでSP回復を補強すれば対策できる。マルチ、ソロともにSP強化のスキルは重要だ。

 ハクスラということで装備集めがゲームの核となるが、その装備の基本的な強さを示すのがパワーと呼ばれる数値。これは装備品のレベルのようなものと考えればいい。パワーがダンジョンの適性値までにないと、敵にダメージを与えることさえ難しくなる。強さの軸となるのはパワーだが、理想の戦闘スタイルやビルドを目指すうえで重要なのが、装備に付くスキルだ。

 レアリティがアンコモン以上の装備にはランダムでスキルが付与され、多くの場合は特定の条件を満たした際に、SPゲージの回復力を高めたり、より高いダメージが出せたりするような効果を発揮する。何を求めるかはプレイヤーの好み次第だ。

 プレイを進めるほど自分の求めるスキルも決まってくると思うので、欲しいスキルの付いた装備が出たときの喜びは後半になるほど味わえる。レアリティが高いほどスキルの数も増える傾向があるため、ベストな効果や発動条件の組み合わせを求めて厳選作業を始めると、時間がいくらあっても足りないくらいだ。

『バビロンズフォール』Ver.1.1.0プレイレビュー。ソロでもキャンペーンが遊びやすくなり、プラチナゲームズアクションの爽快感と装備収集をさらに楽しめるように
最高レア度“ディヴァイン”の装備は武器、防具ともに装備個数に制限があるが、固有スキルやユニークな外見を持つ。どの部位にディヴァインを着けるかも迷ってしまうところ。

アップデートで大幅改修されたキャンペーンモード

 装備品を集め、キャラクターの強さを試す場となるクエストには、ストーリーモードの“キャンペーン”、インファマスエネミーと呼ばれるドロップのおいしい敵が出現する“スカーミッシュ”、週替わりで異なるバトル形式に挑む“シージ”、いわゆるエンドコンテンツとなる“デュエル”などが存在する。

 キャンペーンを中盤まで進めるとスカーミッシュが、最後までクリアーするとシージやデュエルなどが開放されるため、本格的な装備集めがスタートするのはキャンペーンを終えてからと言える。装備の強化や合成といった要素もキャンペーンの進行に応じて開放されるので、言ってみればストーリーをクリアーするまでがチュートリアルだ。

 だからこそ、プレイ開始後は早くキャンペーンをクリアーしたい。ただ、すでにプレイを進めている人はスカーミッシュなどに集まっていることが多く、キャンペーンでは4人フルでマッチングすることは多くはなく、時間帯によってはソロで挑むことも何度かあった。

『バビロンズフォール』Ver.1.1.0プレイレビュー。ソロでもキャンペーンが遊びやすくなり、プラチナゲームズアクションの爽快感と装備収集をさらに楽しめるように
キャンペーンで挿入されるムービーは、参加者全員がスキップしないと飛ばされない。勝手にスキップされないのは初見時にはうれしいが、既プレイヤーにとっては純粋な待ち時間となるため、これもマッチング難の要因になっているように思えた。
『バビロンズフォール』Ver.1.1.0プレイレビュー。ソロでもキャンペーンが遊びやすくなり、プラチナゲームズアクションの爽快感と装備収集をさらに楽しめるように

 本作はプレイヤーキャラクターの参加人数によって敵の数や強さなどが調整される仕組みで、ソロでダンジョンを攻略することも可能ではあったものの、敵の数が相対的に多いことも相まって簡単とは言いにくい状況だった。しかし2022年3月22日に行われたアップデートでキャンペーンにも調整が加わり、ソロでも進めやすくなった。

 これは筆者がアップデート後に改めて新キャラでプレイしての感想になるが、盾持ちの敵は以前よりも突破しやすくなり、弓兵などの遠距離攻撃も弾速が落ち避けやすくなったように思える。敵から受けるダメージも少なくなり、ポーションを使う回数は確実に減った。しかも、ポーションの使用回数自体も5回から10回に増えているので、クリアーはかなりしやすくなったと言えるだろう。

『バビロンズフォール』Ver.1.1.0プレイレビュー。ソロでもキャンペーンが遊びやすくなり、プラチナゲームズアクションの爽快感と装備収集をさらに楽しめるように
それでも苦しい場合はボウを活用するといい。遠距離からの攻撃でも安定したダメージを出せるので、マルチはもちろんソロではとくに重宝する。

 そして何より大きいのは、ドロップする装備品のパワーが明らかに変わったことだ。アップデート前は初期の総合パワー1で推奨パワー1のクエストをクリアーした場合、パワーがひと桁の装備がドロップするといったバランスだったが、アップデート後に同じ状態で同じクエストをクリアーすると、パワー20前後の装備もドロップする。いきなりのジャンプアップだ。

 しばらくプレイして確認したところ、最初のステージである市民廻廊ではパワー20、第2ステージの盗賊廻廊ではパワー30、そして第3のステージ・焔山廻廊ではパワー40の装備がドロップ。以降のステージも同様になっており、ステージごとにドロップする装備品のパワーが固定されていた。

『バビロンズフォール』Ver.1.1.0プレイレビュー。ソロでもキャンペーンが遊びやすくなり、プラチナゲームズアクションの爽快感と装備収集をさらに楽しめるように

 キャンペーンを進めるうえで市民廻廊の最終ステージは推奨パワー8、盗賊回廊の最終ステージは推奨パワー17となっていることを考えれば、少なくともパワー不足で先に進みづらい状況になる心配はない。今後のアップデートでは出現する敵の数やステージ内のギミックにも調整が入るとアナウンスされているので、今後はよりスムーズにプレイできるだろう。

 今後のアップデートによってキャンペーンが進めやすくなれば、マッチングしやすいシージやスカーミッシュなどにも挑めるようになり、オンラインアクションでのハクスラという本作の本質をより早く体験できるはずだ。ソロとマルチではプレイフィールが大きく変わってくるので、ぜひとも4人マルチで戦いを味わってほしい。

 そのほか、Ver.1.1.0アップデートでは新規ストーリーや新たな武器種グレートアクス、新種族モルザム、新コンテンツのガントレットなどが追加されている。詳細は下記の記事で確認してほしい。

『バビロンズフォール』Ver.1.1.0プレイレビュー。ソロでもキャンペーンが遊びやすくなり、プラチナゲームズアクションの爽快感と装備収集をさらに楽しめるように
マルチプレイでは4人ぶんの攻撃が絶え間なく出るので画面も賑やか。敵のHPがゴリゴリ減るのと併せてこのスピード感も心地いい。

アクションの手触りはまず体験版で

 本作のサービスはまだ始まったばかり。2022年3月22日には大型アップデート、同月29日からは『NieR:Automata(ニーア オートマタ)』とのコラボイベントもスタートし、限定のダンジョンや衣装なども追加される。『ニーア オートマタ』コラボクエストは体験版でもプレイできるとのことなので、このコラボが気になる人はまず試しに体験版を触ってみてほしい。

『バビロンズフォール』Ver.1.1.0プレイレビュー。ソロでもキャンペーンが遊びやすくなり、プラチナゲームズアクションの爽快感と装備収集をさらに楽しめるように
本作は約3ヵ月を1シーズンとし、シーズンのなかで各種アップデートが行われる。6月以降の予定はまだ明らかになっていないが、今後の定期的な更新が期待できるのはありがたい。
ファミ通特設サイト“センチネル通信”