ファミ通.comの編集者&ライターが年末年始のおすすめゲームをひたすら紹介する連載企画。武藤先輩がおすすめするタイトルは、バイキングと北欧神話を合体させたサバイバル&探索アクションゲーム『Valheim』です。

【こういう人におすすめ】

  • 冒険が好き
  • クラフト系ゲームが好き
  • 北欧神話やバイキングに憧れがある

武藤先輩のおすすめゲーム

『Valheim』

  • プラットフォーム:PC(Steam)
  • 発売日:2021年2月3日(日本時間/早期アクセス)
  • 発売元:Coffee Stain Publishing
  • 価格:2050円[税込]

北欧神話×バイキングで描かれるサバイバル探索アクションゲーム

 子どものころから“冒険”という言葉のワクワク感がとても好きでした。だからこそなのか、当時はおもにゲームといえばRPGばかりをプレイしていた気がします。もちろんアクションでもアドベンチャーでも、シミュレーションにシューティングなどなど、どんなジャンルのゲームでも冒険は用意されていましたが、その中でもとくに遊んだのが、やはりRPGだった記憶があります。

 2021年、そんな自分が出会ったのが『Valheim』。バイキング文化にインスパイアされたオープンワールド型サバイバル&探索ゲームで、Steamの早期アクセスで販売されてから、およそ2ヵ月で販売本数700万本以上を売り上げるなど、またたく間に世界中でプレイヤーが増加したので、自分が紹介するまでもなく多くの人が知っているゲームですよね。

 このゲーム、何が楽しいって、未開の地をみずからの足で探索・開拓していく楽しさを存分に味わえるということ。まさに冒険のワクワク感。まあ、そうはいっても自分がリアルで経験したことのある冒険なんて、子どものころに自転車を手に入れて移動範囲が広がったことで、ぐんぐんぐんぐん知らない道を進み続け、帰りかたがわからなくなって途方に暮れたなんて出来事(めちゃくちゃ怒られるので、よい子は真似したらダメですよ)や、大人になってからも方向音痴のくせに「ちょっといつもとは違う道を通って帰っちゃおうかなー」なんて思ったばかりに、徒歩15分ほどの距離を1時間半かけて帰ったりとか、そんなしょうもない冒険ばかりではありますが、でも、そんな小さな冒険にもワクワク感はやっぱりあって。その冒険を、めちゃくちゃ広いマップでずーーーーっと楽しめるんです。

冒険のワクワク感を存分に味わえるクラフト系ゲーム

 プレイヤーは、北欧10個目の世界“Valheim”に復活した戦士として、裸一貫で生を受けます。オーディンの宿敵を倒すために、まずは活動の拠点を作ることに。森で木を伐り、石を採掘し、装備を整え……とクラフト系ゲームではおなじみの展開でゲームが進行。そう、自分はクラフト系ゲーム苦手マンだった過去を『ドラゴンクエストビルダーズ2』で見事クラフト系ゲーム大好きマンに払拭することができたので、こんなものはお手の物です。

『Valheim』冒険のワクワク感を味わいたい人たちへ捧ぐ。北欧神話×バイキングのサバイバル探索アクション【年末年始おすすめゲームレビュー】
こんなひとつの集落のような大拠点を作ることも可能。建築ガチ勢は要注目。

 ある程度、活動の拠点が組めたら、あとは冒険! 草原を駆け抜け、森に分け入り、森の中にひっそりとたたずむダンジョンを探索したりと、未開の地を開拓していきます。各エリア(バイオーム)には、それぞれさまざまな生物やモンスターがいるので、それらと戦いつつ、新たな地を目指すという、まさに冒険を行うわけです!

 ただし、冒険には危険がつきもの。前述したモンスターに襲われたり、敵から逃げている最中に高所から落っこちてしまったり、木を伐採中に自分が切った木の下敷きになったりと、思わぬ危険が待ちかまえています。それらの危険に見舞われ体力が0になってしまうと死亡してしまうわけですが、本作では装備していた武器や防具、所持していたアイテムが、その場に残ってしまうシステムとなっているため、冒険に夢中で遠方へと足を運んでいる最中やダンジョンを探索中に死亡してしまうと、貴重なアイテムを遠方やダンジョンの中に残してきてしまうわけです。

 ソロで失った装備を新たに作るとなると、なかなかたいへん。そこで、この残してきたアイテムを回収するために、裸一貫で進んだ道を再び往くという捜索隊が結成されるわけですが(隊と言っても自分ひとりですが)、この捜索隊の二次遭難、三次遭難ももちろん起きてしまいます。でも、これがまあ楽しい。いや苦しいことではあるのですが、いかに裸で現地まで行き、自分が落としてきたアイテムを取り返すか? 簡単に行くときもあれば、まわりに強敵がうろうろしていて、なかなかうまくいかないときもあって、そこで回収方法をいろいろと考え、実行していく時間が楽しすぎるんです。

 あまりにもきびしい場合はあきらめるという選択もあります。でも、基本的にはやられたらやり返すの精神で、“必ず回収”を目標とします。近場で資材を集めて、いったん仮拠点(アイテムを回収するためだけの拠点です)を近くに作って、たとえ死亡しても、近くにリスポーンできるように準備をしつつ、敵に見つからないようにこそこそと移動しては、アイテムを回収し、ダッシュで逃げ帰る。「果たしてこれが冒険か?」と問われれば、多少の疑問は残りますが、でも自分には楽しすぎる冒険だったんです! しかも、これが敵のたくさんいるダンジョンの奥からのアイテム回収となると、さらに難度は高まり、戦略が必要になってきます。おかげでアイテムを回収した瞬間に、一瞬で全身の装備を整え、周囲の敵を蹴散らすという謎のテクニックも身に着きました。ああ楽しい。

『Valheim』冒険のワクワク感を味わいたい人たちへ捧ぐ。北欧神話×バイキングのサバイバル探索アクション【年末年始おすすめゲームレビュー】
ダンジョンの探索はまさに命がけ。でも、ここで手に入るアイテムが重要になることも。

 アイテム回収の話を3ブロックも使ってアツく語ってしまいましたが、もちろん本作の楽しさはそれだけではないです。むしろ特殊な楽しみに文字数をかけすぎたかもしれません。森の中にはトロルという巨大なモンスターがいるのですが、そんなトロルに拠点を全壊されてしまったり、蚊のような虫を見つけた際に「虫なんか余裕だろ」と思って攻撃を仕掛けたら、一撃で倒されたりと、モンスターとのバトルもアツいです。

 新たなエリアを開拓し、新たに手に入れる資材をもとに装備や建材をつぎつぎに作っていくというクラフト系ゲームならではの楽しみももちろんあります。自分好みの拠点を作っている最中は、本当に時間を忘れて集中して遊んでしまいます。そんな拠点をトロルの襲撃から守るために、トロルやほかのモンスターが拠点に近づけないように、拠点のまわりに堀を作るなどの、この世界での生活の知恵もあったり、ゲームが進行すると拠点間を移動するゲートを作れるようになったりと、広大なマップのゲームならではの要素も。

『Valheim』冒険のワクワク感を味わいたい人たちへ捧ぐ。北欧神話×バイキングのサバイバル探索アクション【年末年始おすすめゲームレビュー】
こちらが森の中で出会うトロル。森で出会って拠点まで逃げ帰ってもまだ追いかけ続けてきて、最終的に拠点が破壊されてしまうなんてこともあります。
『Valheim』冒険のワクワク感を味わいたい人たちへ捧ぐ。北欧神話×バイキングのサバイバル探索アクション【年末年始おすすめゲームレビュー】
『Valheim』冒険のワクワク感を味わいたい人たちへ捧ぐ。北欧神話×バイキングのサバイバル探索アクション【年末年始おすすめゲームレビュー】
このゲートをふたつ設置することで、設置したふたつのゲート間を一瞬で行き来できるように。

 そして何よりも、このゲームは最大10人でのマルチプレイにも対応しているんです! これがまた楽しい!! 自分は、『ファミ通実験室』という生放送番組(ニコニコ生放送やYouTubeで配信中)で、ファミ通スタッフとともにプレイしたり、視聴者の方たちにもご参加いただいて『Valheim』をプレイしたのですが、みんなで協力して冒険する楽しさがエグいんです。

 ひたすらに資材を集め続ける人や、拠点の建築をし続ける人、食事を作り続ける人、冒険に出て装備を作るために必要な貴重な資材をゲットする人など、参加するプレイヤーによって遊びかたが千差万別。それぞれが自分の役割を見出して自由に遊ぶ。それでも、みんなでいっしょにダンジョンを攻略するぞ、巨大なボスにみんなで挑むぞ、と声をかければ、全員が装備を整えて大移動をするという、このバラバラなんだけど一体感がある感覚を体験できたのはとても貴重でした。個人的には、船を作って全員で新天地へと航海をするときのワクワク感がとんでもなかったです。まさに大冒険。まさにバイキング。

『Valheim』冒険のワクワク感を味わいたい人たちへ捧ぐ。北欧神話×バイキングのサバイバル探索アクション【年末年始おすすめゲームレビュー】
『Valheim』冒険のワクワク感を味わいたい人たちへ捧ぐ。北欧神話×バイキングのサバイバル探索アクション【年末年始おすすめゲームレビュー】
航海中も危険はつきもの。嵐に見舞われたり、サーペントという巨大なモンスターに船を攻撃されたりと、想像以上の苦難が待ちかまえています。

 そんな大冒険を楽しみたい方、Steamで早期アクセスが2050円でゲーム本体の容量が約1GBというめちゃくちゃ少ない容量で配信中なので、ぜひ一度体験してみてください。

『Valheim』冒険のワクワク感を味わいたい人たちへ捧ぐ。北欧神話×バイキングのサバイバル探索アクション【年末年始おすすめゲームレビュー】
容量が約1GBと少ないながら、幻想的なグラフィックに心が奪われます。