いよいよ来週2021年10月28日、Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)、プレイステーション4、PC(Steam)向けに発売(ダウンロード専売。Steam版は10月29日発売)されるスクウェア・エニックスの『Voice of Cards ドラゴンの島』。

 本作は、テーブルトークRPGをモチーフに、すべてをカードで表現したRPGとなっており、プレイヤーはゲームマスターのナビゲーションによりゲームを進めていくという、アナログとデジタルのゲームデザインが融合した作品になっている。

 そんな本作の開発スタッフ陣は、下記の通り豪華な顔ぶれとなっている。

ヨコオタロウ氏(よこおたろう)

クリエイティブディレクター

齊藤陽介氏(さいとうようすけ)

エグセクティブ・プロデューサー

岡部啓一氏(おかべけいいち)

ミュージックディレクター

藤坂公彦氏(ふじさかきみひこ)

キャラクターデザイナー

松尾勇気氏(まつおゆうき)

シナリオライター

三村麻亜沙氏(みむらまあさ)

ディレクター

 本稿ではそんな開発スタッフの方々に『Voice of Cards ドラゴンの島』について訊いたメールインタビューの内容をお届けする。

『Voice of Cards ドラゴンの島』配信ページ(マイニンテンドーストア) 『Voice of Cards ドラゴンの島』配信ページ(PSストア) 『Voice of Cards ドラゴンの島』配信ページ(Steam)

『Voice of Cards ドラゴンの島』のこだわりポイントは?

――本作において、それぞれの立場からこだわったポイントを教えてください。

齊藤NieR Replicant ver.1.22474487139...』や『ニーア リィンカーネーション』の合間を縫っての開発になったので、多少の遅延は仕方なしと考えつつ、頓挫しないように辛抱強く続けることにこだわりました……。

ヨコオ「カードで全部構成されている」というところです。

岡部ニュアンスにこだわって、生の楽器演奏や歌をたくさんレコーディングさせていただいたので、そこも聴いてもらいたいです。

藤坂アナログ感が出るよう各種デザインまわりはかなり気を使いました。あれやっちゃえば簡単なのに……というポイントがいくつもありましたが、グッと我慢した甲斐はあったのかなと思っています。

松尾本作でおもに使われているテキストカードは、1行あたり12文字までしか入りません。そのうえで、文字組の見た目を美しく保つため、追い込み、追い出し、ぶら下げなどの禁則処理(※)しながらテキストを書く、というルールを設けています。これがまた、慣れないととても書きづらいのです。油断するとすぐに文字組がガタガタになるので、それをチクチクと修正し続ける毎日でした。自分で決めておきながら「なんでこんな面倒なルールにしたんだろう」と後悔しましたが、おかげで文字組は美しくなったかと思います。

※禁則処理……句点や読点、閉じ括弧などを行頭に置いたり、開き括弧などを行末に置いたりしないように、入力すること

三村“アナログのような表現”をどこまでゲーム全体に取り入れられるか、の部分です。ヨコオさんや藤坂さんからのこうしたい、という細かな希望ももちろんあったのですが、実際にどこまでやるか、やりきれるかのさじ加減は開発指揮部分なので、非常にたいへんでした。キャラクターカードなどの表面に箔押しが光る感じをどうしても入れたかったり、カードを置いたときの揺れのランダム感やSEなどのちょっとしたところにワガママを言って、開発メンバーにはがんばってもらいました。物語中、ゲームマスターが一生懸命カードを動かしているようなところはプランナーが動作の大部分をつけていますし、皆で作り上げています。

『Voice of Cards ドラゴンの島』開発陣へメールインタビュー。開発秘話や“すべてをカードで表現”したこだわりを訊く
『Voice of Cards ドラゴンの島』開発陣へメールインタビュー。開発秘話や“すべてをカードで表現”したこだわりを訊く
『Voice of Cards ドラゴンの島』開発陣へメールインタビュー。開発秘話や“すべてをカードで表現”したこだわりを訊く

――「本作のウリは?」と聞かれて、真っ先に挙げたいところは?

齊藤“懐かしいけど新しい(ゲームデザイン)”と感じられるところです! でも、これって遊んでもらわないとなかなか伝わらないですかね?

ヨコオ「カードで全部構成されている」というところです。

岡部安元さんのお声でしょうか。

藤坂カードの箔!

松尾美しい絵と音楽、どことなく懐かしさを感じさせるシナリオとプレイフィール、そして膨大な安元さんボイス……ですね!(つまり全部)

三村手触り感のあるRPG部分です。アナログゲームとデジタルゲームのあいだの子の形のひとつとして楽しんでいただければうれしいです。個人的には藤坂さんのモンスターイラストをこんなに堪能できる作品はほかにないのではと思っていて、生物が大好きな方にも不穏なテキストといっしょに楽しんでもらえたらいいなと思っています。人間のイラストに注目されがちなのですが、幻想生物も大好きなので非常に萌えています。これをなかなか言う機会がなかったので言えてよかったです。

『Voice of Cards ドラゴンの島』開発陣へメールインタビュー。開発秘話や“すべてをカードで表現”したこだわりを訊く
『Voice of Cards ドラゴンの島』開発陣へメールインタビュー。開発秘話や“すべてをカードで表現”したこだわりを訊く

未公開タイトルやサプライズがまだまだある!?(齊藤氏)

――本作の企画が立ち上がった経緯を改めて教えてください。

齊藤「藤坂さんが日本に帰ってくるぞ!」とヨコオさんから聞いたので、超特急でプロジェクトを立ち上げました(笑)。

――本作の開発をエイリムに依頼した理由、また、当初はスマホ向けという構想もあったとのことですが、家庭用ゲーム機向けに出す、という判断をした理由もうかがえると。

齊藤(エイリムが開発に携わる)『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス』や『ブレイブフロンティア』を見ていて、しっかりとゲームを作ってくれる会社だなと思っていたことが一番です。開発当初は(ガチャゲーにするかどうかは置いておいたとしても)スマホをメインプラットホームに考えていたことも大きいです。ガチャ要素を入れるとなると、運営での追加アセット開発に大きく時間を取られてしまうことはわかっていたので、中長期的に見て、ヨコオさんを始めとするシナリオ班の稼働時間はないだろうという判断で、そこに避けました。内緒ですけど、未公開タイトルやサプライズがまだまだあるんですよね……。

――齊藤さんは『人狼』がお好きですし、かつてはTRPGなども楽しまれていたとのことですが、本作について、齊藤さんからオーダーしたことはありますか?

齊藤細かい仕様面の話はほぼしていないです。大きな取り組みとして、「こうしよう」というのはあったのですが、それはちょっとまだ言えないというか(汗)。とにかく、最初に聞いた“すべてがカードで構成された世界(ゲーム)”というワードにワクワクしたので、そこからズレることなく開発を続けられたので、それは安心して見ていられました。

――10月28日の追加コンテンツ以外の追加コンテンツ(追加の物語が配信される等)の配信予定はありますか? また、『ニーア レプリカント ver.1.22474487139...』モチーフのデザイン以外のヨコオ作品要素(コラボなど)は?

齊藤内緒です!

――以前、ヨコオさんからがやりたいと言っている企画が2本あって、本作がそのうちの1本だと思いますが、もう一方の企画(齊藤さんが気乗りしないとおっしゃっていた企画?)は進行しているのでしょうか?

齊藤進行してますが、内緒です! 気乗りはしませんでしたが、もう始めてしまった以上、全力でがんばります……。

『Voice of Cards ドラゴンの島』開発陣へメールインタビュー。開発秘話や“すべてをカードで表現”したこだわりを訊く

これまで出会ったディレクターとの違いを動物でたとえるなら……(ヨコオ氏)

――ヨコオさん、岡部さん、藤坂さんで“ドラゴン”といえば、『ドラッグ オン ドラグーン3』のイメージも強いですが、ドラゴン絡みの要素はあえて入れたのでしょうか? ちなみに、『ドラッグ オン ドラグーン』を『ドラゴン』と略して呼んでいたと思うんですが、『ドラゴンの島』はどう呼んでいるのですか?

ヨコオドラゴン絡みの要素は『ドラッグ オン ドラグーン』とは関係なく、アナログRPGっぽさの追求の過程で出てきたものな気がしますが、ずいぶん前のことで経緯を忘れました。今回の『ドラゴンの島』は、単純に『カード』って呼んでいます。

――『ドラッグ オン ドラグーン』シリーズや『ニーア』シリーズなど、ヨコオさんの作品と本作とで何か(物語的に)つながる要素はありますか?

ヨコオない気がしますが、忘れているだけかもしれません。

――本作でヨコオさんがやってみかったことは、TRPGのようなカードゲームという部分なのでしょうか。それともアナログゲームっぽいものをやってみたい、というものの選択肢の中にカードゲームがあったのでしょうか。もっとシンプルに単にコンパクトな企画をやってみたい、という思いが?

ヨコオ「藤坂さんの仕事を作る」というのが最初の目的で、そのために、コンパクトな企画を選んだ、という流れです。結果的にはいいゲームになってよかったです。

――TRPGのようなゲーム性になっていますが、本作をあえてデジタルのゲームとして企画した理由は?(デジタルゲームだからこそ実現できた、もっとも大きい要素は?)

ヨコオマップを表現するときに、実際にあれだけ並べるとたいへんですし、場所もないと思うので、デジタルでよかったんじゃないかな、と思います。

――女性のディレクターと組むのは初めてだと思いますが、田浦さん、松川さん、伊藤さんなどと比べて、三村さんはどんなディレクターでしたか? 

ヨコオ優秀な方でしたね。細かいところもお任せ出来てよかったです。なんか、結構、豪腕らしいんですが、僕の前ではそんな様子もなく、淡々とされていました。これまで出会ったディレクターとの違いを言葉で言うのは難しいのですが、動物にたとえて言うなら

  • 田浦さん → 馬
  • 松川さん → ヒョウ
  • 伊藤さん → ハト
  • 三村さん → 秋田犬

みたいなイメージです。

『Voice of Cards ドラゴンの島』開発陣へメールインタビュー。開発秘話や“すべてをカードで表現”したこだわりを訊く

今回も歌詞は造語。歌い手は折田雪乃さん(岡部氏)

――今回は、コンポーザーなどではなく、“ミュージックディレクター”という肩書きがついていますが、これまでのヨコオ作品と関わり方に何か違いはありますか?

岡部いままでにもミュージックディレクターという肩書きにしてもらっていたときもあったかと思うのですが、単純に自分の役割の割合が高い方の肩書きにしてもらっています。今回は作曲より楽曲制作のディレクションのほうが役割として大きかったと感じています。

――本作の音楽については、2020年初頭に開催された『NieR』ワールドツアーの最中に、ヨコオさんたちと初めて打ち合わせた、とのことですが、そのときはどんなオーダーがあったのでしょうか。

岡部初めての打ち合わせではなく、何曲かのデモ音源を聞いてもらったうえで修正要望などを相談していたと思います。

――体験版でも流れている歌の言葉は? また、どなたが歌っているんでしょうか。本作は歌モノも多いのでしょうか。

岡部今回も歌詞は造語になります。折田雪乃さんという方に歌っていただいています。コーラスの入っている曲はありますが、歌モノっぽい曲はそんなに多くないと思います。

――TGS2021の配信では本作の音楽の特徴について“アイリッシュ感”を挙げてらっしゃいましたが、アイリッシュ感はどんなところで表現されているのでしょうか? メロディーだったりアイリッシュ音楽でよく使う楽器を使ったり?

岡部そうですね、おっしゃる通りアイリッシュミュージックで使われる音階のドリアンやミクソリディアン・スケールを使ってフレーズを作ったり、アイリッシュな楽器を使うことでそういうテイストは出せるのですが、そこに縛られ過ぎると「っぽい何か」になってしまうので、そこを意識しつつあくまでも自分たちの感覚を大切に作りました。

――本作の音楽は岡部さんのほかにMONACAに所属しているイギリス人のオリバーさんも参加されているとのことですが、オリバーさんはほかにどんな作品に関われているのか、また、どんなコンポーザーなのか、さらに帆足さん(同じくMONACA所属の帆足圭吾氏。数々の武勇伝がある)のようなおもしろエピソードがあればそれもうかがえると。

岡部ヨコオさんのプロジェクトですと、『NieR Replicant ver.1.22474487139...』のアレンジや『シノアリス』でも少し参加しています。後はアニメの劇伴なども制作しています。帆足ほどパンチのあるキャラの人はそうそういないので(笑)、Oliverは帆足とは逆に繊細ボーイな気がします。

オーソドックスな中世RPG感、「自分的『ドラゴンクエスト』を作るぞ!」的なのがテーマ(藤坂氏)

――本作のイラストを描くにあたって、何かテーマやコンセプトのようなものはありましたか?

藤坂いろいろあるのですが、とにかくオーソドックスな中世RPG感を感じてもらえるものを作ろうとしています。「自分的『ドラゴンクエスト』を作るぞ!」的な。

――主人公ダストとその仲間のメルブール、クロエ、リディ、ブルーノのキャラクターデザインについて、それぞれ簡単でけっこうですので、解説いただけると。

ダスト

藤坂自分なりの勇者っぽさを表現しているつもりです。でも中性的な魅力も出したかったのです。

『Voice of Cards ドラゴンの島』開発陣へメールインタビュー。開発秘話や“すべてをカードで表現”したこだわりを訊く
<ダスト>
人生において何が大事かなんて十人十色だが、男にとってそれは金だった。莫大な賞金を求め、自称勇者はドラゴン退治の旅に出る。

メルブール

藤坂なんかデカくて可愛いやつ。開発当初はある設定があっての巨大鞄でしたが、その設定自体は消えてしまいました。おそらくパーティが使っていない武器や装備が格納されています。鍵付き鞄の鍵はメルブールの耳についてるので彼の機嫌を損ねたら使用不可です。

『Voice of Cards ドラゴンの島』開発陣へメールインタビュー。開発秘話や“すべてをカードで表現”したこだわりを訊く
<メルブール>
「きゅ~」と鳴くその魔物は、傍若無人な賞金稼ぎのダストにとても懐いていた。ダストはダストで、メルブールのことをとにかく可愛がっていた。

クロエ

藤坂特徴的な魔道具的なものを持たせたくて、それを大きなカバンに入れている感じが可愛いのでは!? という思い込みだけでできているデザインになっております。

『Voice of Cards ドラゴンの島』開発陣へメールインタビュー。開発秘話や“すべてをカードで表現”したこだわりを訊く
<クロエ>
ドラゴンに恨みを持つ、黒き魔女。自身の非力を知る彼女は力を欲していた。ドラゴンさえ一撃で屠れるほどの、圧倒的な魔力を……。

リディ

藤坂「THE エルフ的なキャラといえばこうでしょう!」的なコンセプトにより出来上がりました。

『Voice of Cards ドラゴンの島』開発陣へメールインタビュー。開発秘話や“すべてをカードで表現”したこだわりを訊く
<リディ>
「あっ!あの音色は……」いつものように森で木の実を集めていた少女は、笛の音色に引き寄せられ、自称勇者達の前に姿を現した。

ブルーノ

藤坂“THE 壁キャラ!”的なラフからスタートしましたが、気づいたら理系キャラな設定が追加されたりと、最終的になんかよくわからんキャラが爆誕。

『Voice of Cards ドラゴンの島』開発陣へメールインタビュー。開発秘話や“すべてをカードで表現”したこだわりを訊く
<ブルーノ>
冒険家を夢見る青年の朝は早い。水平線に昇る太陽とともに起床し、彼の父が開発した特製栄養剤をグイと飲み干すのが日課だった。

――本作ではキャラクターのほか、モンスターもデザインされているとうかがいましたが、すべて藤坂さんが担当されているのでしょうか?

藤坂いちおう、すべての登場キャラクター&モンスターは自分が担当させてもらいました。数はざっくり『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』くらいかな? ちゃんと把握し切れていませんが……。

――とくにお気に入りのキャラとその理由は?

藤坂ケダマです! お気に入りの筋肉は途中で戦うあるキャラです! 相撲レスラー系の筋肉なのできっと体温高めで免疫力は高いです。

『Voice of Cards ドラゴンの島』開発陣へメールインタビュー。開発秘話や“すべてをカードで表現”したこだわりを訊く

――タイトルにもなっている“ドラゴン”のデザインについて、どういったところをポイントとしてデザインしたのでしょうか。

藤坂ファンタジーの中でも児童文学とか絵本に出てきそうなイメージで描いてます。絵本の『エルマーのぼうけん』が大好きなので、そんな雰囲気もちょっと出たらいいなと。

『Voice of Cards ドラゴンの島』開発陣へメールインタビュー。開発秘話や“すべてをカードで表現”したこだわりを訊く

敵も含めた全キャラクターのショートストーリーでは本編では語られていない何かがわかる……かも?(松尾氏)

――TGSの配信番組では「プロットが完成するまでがいちばんたいへんだった」という発言がありましたが、プロットについてヨコオさんからは何かお題のようなものはあったのですか?

松尾記憶が定かではありませんが、たしかヨコオさんから「『ドラゴンクエスト』みたいなの」と言われて初期設定が決まったような……あれ、違ったかな……? 結果、『ドラゴンクエスト』とは似ても似つかないゲームになりました。

――ゲームマスターのひとり語りで進んでいく本作ですが、『ニーア リィンカーネーション』など、シナリオで参加しているほかのゲームとは勝手は違いましたか?

松尾まったく違いました。プレイヤーキャラを実際に操作するタイプのゲームであれば、風景だったりキャラの仕草だったりで「情報をプレイヤーに見せる」ことが可能です。しかし本作では「文字から想像してもらう」ことがメインなので、情景描写にはかなり気を遣う必要がありました。

――イベントなどの選択肢の回答は何に影響するのですか?(マルチエンディングや周回で物語が変わるなどの要素はありますか?)

松尾選択肢の重要度・影響度はモノによりけりです。比率でいうと、そのイベントの成否や、物語の成り行きが少し変わるような選択肢が多いかもしれません。ただ、結果が違えば当然テキストも変わるので、一度のプレイでゲームマスターの全ボイスを聞くのは(セーブやロードを駆使しない限り)難しいでしょう。

――物語もカードで語られる本作は、テキストをカード内に収めつつ読みやすくする必要もあったと思いますが、それ以外にも苦労はありましたか?

松尾なんだかんだでテキストの総量が増えてしまったので、書いたりチェックしたりするのが大変だったくらいです!

――シナリオ的な見どころ、もしくは注目してほしいポイントは?

松尾本作には、ヨコオさん作品ではおなじみの“ウェポンストーリー”(武器それぞれに用意されたショートストーリー。強化していくことで続きが読める仕組み)がありません。その代わり、主人公達やNPC、そして敵も含めた全キャラクターにショートストーリーが付いています。そこで本編では語られていない何かがわかる……かも?

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DLCのドットアートセットは藤阪さんの描いたイラストを、ドッター陣にドット化させてみたいという私のヨクボウで成り立ったようなコンテンツ(三村氏)

――体験版ではシラハ、ブラン、ハクジの3人はそれぞれバランス系、物理攻撃キャラ系、魔法キャラ系といったようなロールがなんとなくあったような気がするのですが、ダスト、メルブール、クロエやほかの仲間キャラクターにもそういったなんとなくのロールが設定されていたりするのでしょうか?

三村はい、されています。キャラクターイラストの印象や物語上の立ち位置に寄せつつ、ゲーム全体としてバランスを考えた配分になっているので、プレイスタイルによってお気に入りのバトルメンバーが変わってくるかなと思います。それぞれのスキルアニメーションも、キャラクターのイメージを入れられる時は動作に遊びを入れたりしています。

――フィールドやイベント、バトルなど、すべてをカードで表現している、というのはシンプルなだけに難しさもあったと思うのですが、ここに注目してほしい、というポイントは?

三村箔押しが光の加減で光る感じや、カードが置かれた時の余韻など見た目の部分や、SE、めくりの動作など、細かな表現を加えることで独特の手触り感が出たのではないかと思います。また、ゲームマスターが一生懸命表現してくれているテイでつけられたイベントシーンのアニメーションにもクスッとしてもらえれば幸いです。お辞儀や握手、攻撃時の特殊な動作などは、担当メンバーのアイデアで入れてくれているもので、「こう来たか」というのもあったりして私自身もおもしろがっていました。

――ヨコオさんからのオーダーでとくに印象的だったものは?

三村「カードですべてを表現する」が一番なのですが、それはもういろいろなところでお話されているので……細かなところで言うと、他作品でもお話が出ていたと思いますが、UIやエフェクトなどに使用できる色合いに細かな制限があって、「あ、これが噂の」となりました(笑)。もちろん、これはヨコオさんだけでなく多くのディレクターが意識しているものではあると思うのですが、作品全体のイロを意識したリテイクの仕方は非常に勉強になりました。

――カードの柄に“VI”とローマ数字が入っているのはどういう意味が?

三村詳しくは言えませんが、「意味はあります」とだけ言えます。

――エイリムらしさ、エイリムの強味、みたいなものが出ている要素は?

三村DLCのドットアートセットです。本編内の藤坂さんのイラストがドット絵になるというものになります。もともと弊社はドットイラストを売りにしたコンテンツを多く出していたのですが、藤阪さんの描いたイラストを、ドッター陣にドット化させてみたいという私のヨクボウで成り立ったようなコンテンツですね。追加で購入頂かないといけないものではあるのですが、かわいいのでぜひ見ていただけたらうれしいです。

『Voice of Cards ドラゴンの島』開発陣へメールインタビュー。開発秘話や“すべてをカードで表現”したこだわりを訊く
ゲーム本編に『ニーア レプリカント ver.1.22474487139...』モチーフのデザインに変更&ゲーム内のすべてのキャラクターとエネミーのイラストをドットアートに変更可能なDLC8種をセットにした商品も販売(4356円[税込])。
※セットに含まれているDLCは、個別でも販売される。

――配信にあたり、ひと言、アピールをお願いします。

齊藤正直、全体的な見た目やゲームのテンポなどはいまの時代にミスマッチな印象を受けるかもしれません。でも、遊んでもらえれば、「あ、こういうのもありかもね」と感じてもらえるような仕上がりまで持ってこれたと思っています。ぜひ、体験版だけでもいいので遊んでいただきたいです。よろしくお願いします!!

ヨコオ「カードで全部構成されている」ゲームをよろしくお願いいたします。

岡部安元さんのお声も含め、サウンド演出も素敵なので、ぜひ音も聞きながらゲームを楽しんでもらえるとうれしいです。

藤坂製作スタッフにとって宝物のような愛すべきタイトルになりました。とても丁寧に作っていますので、たまたま機会があり、手に取っていただけたときに楽しんでもらえたら本当にうれしいです。

松尾TRPG風と謳ってはいますが、それだけに留まらない不思議なプレイ感覚のゲームになっていると思いますので、ぜひ一度お楽しみいただければ幸いです。

三村一風変わったゲームになりましたが、触ればきっとこの面白さを体感してもらえると思います。シナリオが読みたいけれどゲームはあまり得意でない……という方でも大丈夫な難易度になっていると思います。好きだな、と感じたら引き続き周りの方に薦めて頂ければ幸いです。

『Voice of Cards ドラゴンの島』開発陣へメールインタビュー。開発秘話や“すべてをカードで表現”したこだわりを訊く