ファミ通.comのようなゲームメディアで仕事をしていると、ゲームメーカーから記事制作に必要なものが届くことがある。
たとえば、サバ缶とか。
送り主はパールアビスジャパン。PC用とモバイル用のオンラインRPG『黒い砂漠』がサバ缶とコラボするのだという。同社に運営移管して初めてのコラボだ(※)。
※VTuberの宝鐘マリンさんに配信で取り上げてもらったことはある。
オンラインゲームにおけるコラボというと、アニメや漫画などとの協業を指すことが多い。おもな狙いは、人気IPの要素を実装してそのコンテンツのファンにも遊んでもらうこと。
つまり、『黒い砂漠』運営チームが欲していたのはサバ缶のファンだったということか。少しばかり難解ではあるが、諦めずについてきてほしい。
担当さんによると、コラボした理由は「“黒鯖”と略している冒険者様(プレイヤー)もいらっしゃるじゃないですか」だそうだ。いや、うん、そうなんだけどさ。それでいいんだ。
好きなサバ缶なのでテンションが上がっても許してほしい
とはいえ、この話を聞いたとき、僕は思わず歓喜の声を上げ、心の布袋寅泰がギターをかき鳴らした。コラボ相手があの『サヴァ(Ca va?)缶』(以下、サヴァ缶)だというのである。
あの! 『サヴァ缶』! 僕がいちばん好きなサバ缶じゃん! うおー!
興奮してしまった。
いったん落ち着いて『サヴァ缶』のよさを説いていこうと思う。直球で「『黒い砂漠』はおもしろいよ! 遊ぼう!」とは書きたがらない偏屈な僕だが、『サヴァ缶』の前ではそんな捻くれはなきに等しい。
『サヴァ缶』の味はオリーブオイル漬け、レモンバジル味、パプリカチリソース味、アクアパッツァ風、ブラックペッパー味の5種類。僕は前の3つを食べたことがあって、どれも安定してうまい。
『黒い砂漠』とコラボしたのはブラックペッパー味。パッケージでは子どものような外見の種族・シャイがサバを抱えている。まずは味見から。
食べた瞬間、笑ってしまった。サバのうまみが口の中に広がった直後、猛スピードでスパイシーさが突っ込んでくるのである。
「ちょっと辛いくらいかなー」という予想を軽々と超えるパンチ力。さらに、ほんのりニンニクの香りも感じる。大人の味。
ふつうに食べるだけで十分にうまい。だが、どうせならゲームの最中に軽くつまめるようにアレンジしたい。
念を押しておくが、これはオンラインRPG『黒い砂漠』に関する記事です。
プロ(調理師)に助けてもらう
お手軽なアレンジレシピを考えてバズりたいが、僕にそんな頭脳はない。うまいものに詳しい調理師の友だち(元力士)を頼ることにする。どすこい。
質問を送ったら数分で回答があった。「ブラックペッパーが効いてるならマヨネーズが合う」と、簡単なレシピを添えて。さすがプロ。
【“黒いサヴァくトースト”レシピ】
材料:『サヴァ缶 ブラックペッパー味』、マヨネーズ、粉チーズ、食パンorピザ生地
- 『サヴァ缶』の身をほぐしてマヨネーズをあえる
- 食パンに乗せる(食感を軽くしたいなら薄手のピザ生地に)
- 粉チーズをかける
- トースターで焼く
チーズの香りが鼻孔をくすぐる。勝利を確信してかじりついたところ、それは完全に正解であった。
マヨネーズとチーズがブラックペッパーを包み込んで味が丸くなるのだ。適度な脂のうまさに酸味が加わり、どんどん食べ進めたくなる。「ゲーム記事のはずなのに、僕は何を書いているのだろう」という疑問が吹き飛ぶくらいうまい。
バズ狙いのレシピを考える
“ブラックペッパーにはマヨネーズ”という鉄板のヒントをもらったので、僕もレシピを考えたい。あわよくばバズりたい。人間とは欲深き生き物である。
マヨネーズ感を追加するために用意した食材がこれ。
僕の中で、ブラックペッパーが合うマヨネーズ料理と言えばポテトサラダ。試しに“サバ じゃがいも”で検索したらたくさんレシピが出てきた。サバとじゃがいもの組み合わせは定番らしい。
だが、ポテサラはけっこう手間のかかる料理だ。そこで便利なのがじゃがりこ。そもそもマッシュポテト(≒ポテサラ)を成形したお菓子なので、お湯で戻すとちょうどいい量のポテサラになる。
ポテサラの準備ができたら、『サヴァ缶』とともにパンに乗せる。
「気軽に食べるなら身を細かくしてディップソース風に。食事として考えるなら大きめにして食感を残す」という友だちのアドバイスに従い、サバの身は気持ち大きめにした。
ふたつの味を楽しむために半々に乗せたのだが、完全に別個の味もどうかと思い、『サヴァ缶』の汁をポテサラにかけている。魚の缶詰めの汁にはうまみが溶け出していて、しかもブラックペッパーとニンニクのおかげで生臭さをあまり感じないのだ。
最後に粉チーズをかけたらあとは焼くだけ。さあ、かかってこい。
食べた瞬間、争いがひとつこの世から消え去った。War is over。
うまい。ポテサラ側からかじりついて滑らかな食感を楽しんだ後、不意打ちのようにパンチのあるサバの味が口に飛び込んでくる。無心で食べた。
ポテサラに追いマヨネーズをしたこともあり、少々味は濃いめ。となると、
大人のレモン入り炭酸水の出番である。サバの脂とスパイシーさのおかげで、もともとつまみとしてのポテンシャルが高い『サヴァ缶 ブラックペッパー味』。ポテサラを追加すると覚醒することが判明した。
なお、未成年やお酒が飲めない人はコーラ、もしくは強炭酸水に合わせると完璧です。
【“黒いサヴァくポテサラバゲット”レシピ】
材料:『サヴァ缶 ブラックペッパー味』、じゃがりこ、マヨネーズ、粉チーズ、バゲット
- じゃがりこを耐熱容器に移して120ccの熱湯を入れ、ラップをして3分ほど蒸らす
- お好みでマヨネーズを加え、潰しながら混ぜてポテトサラダを作る
- 食感を残す程度の大きさに『サヴァ缶』をほぐす
- 『サヴァ缶』とポテトサラダをバゲットに乗せる
- 『サヴァ缶』の汁をポテトサラダにかける
- 粉チーズをかける
- トースターで焼く
調理師の友だちは「木綿豆腐と卵、小麦粉(つなぎ)、調味料を混ぜてフライパンで焼いたら“サバ豆腐ハンバーグ”。ブラックペッパー味なら辛さがいい感じになるのでは?」とも言っていた。
『黒いサヴァく』をめぐる旅はまだまだ終わりそうにない。
【2021/09/11 18:54追記】
『サヴァ缶 ブラックペッパー味』、マヨネーズ(少なめ)、チーズ、ピーマンでホットサンドを作ったら、店で食べるような味になった。コーヒー付きで1000円とかだったらふつうに出せる。
『黒い砂漠』と相性のいい県・岩手県
僕が『黒い砂漠』と『サヴァ缶』のコラボで興奮したのには理由がある。“両方とも好きだから”というのは当然として、『サヴァ缶』が岩手県の食材だからだ。
岩手県はゲーマーに優しい自治体である。日本最大級のLANパーティー(※)C4 LANに出展したことがあるほか、『Ingress』や『ポケモンGO』を観光地巡り施策にいち早く採用。さらに、同県出身の人気ストリーマー・SPYGEA氏(DeToNator所属)が“希望郷いわて文化大使”を務めている。
※LANパーティー:参加者がPC本体やハードごと好きなゲームを持ち込んで遊ぶイベントのこと。
なお、副知事の保和衛氏はPC自作派。C4 LANではPCメーカーのブースを興味深そうに見学していた(以下の記事参照)。
これらを総合して、岩手県とPC・モバイル用のオンラインRPG『黒い砂漠』は相性がいいと言える。
『サヴァ缶』の『黒い砂漠』コラボ缶は、オンラインストアと一部のアンテナショップで2021年10月5日まで販売中(なくなりしだい終了)。ゲーム内アイテムがもらえるシリアルコードも封入されている。
『黒い砂漠』を十分に遊んでお腹がすいたら、栄養補給に『サヴァ缶』と“黒いサヴァくトースト”、“黒いサヴァくポテサラバゲット”をどうぞ。
シリアルコードで入手できるアイテム
PC版『黒い砂漠』
- [EV]ツヤのあるサバ寿司(3個)、
- [EV]風味豊かなサバの味噌煮(3個)
※使用期限は2024年8月31日。
モバイル版『黒い砂漠モバイル』
- 艶めく鯖寿司(5個)、
- 香ばしい鯖の味噌煮(5個)、
- 幸運のスクロール(3h) (5個)
※シリアルコードの使用は家門当たり1回まで。使用期限は2024年8月31日。
購入先
黒い砂漠×サヴァ缶コラボ6缶セット 黒い砂漠×サヴァ缶コラボ12缶セット店頭販売
- いわて銀河プラザ(東京都中央区銀座5丁目15-1南海東京ビル1F)
- みちのく夢プラザ(福岡県福岡市中央区天神2丁目7-148)
- らら・いわて盛岡店(岩手県盛岡市内丸16‐1岩手県水産会館1階)