海外インディーパブリッシャーのDevolver Digitalが、E3合わせの発表配信“Devolver MaxPass+ Showcase”を配信した。昨今ゲーム業界で流行りの定額サービスなどを盛大におちょくった内容のなかで、ちゃんと発表されたゲームのことをまとめてご紹介しよう。

新作発表

黒澤映画感バリバリの時代劇アクション『Trek to Yomi』(PS5/PS4/XSX|S/XB1/PC、2022年発売予定、日本語対応予定)

 本作は1950~60年代の日本の時代劇映画に影響を受けた、白黒画面の2Dアクションゲーム。師と約束した村に平和を取り戻すという誓いを成就すべく、主人公“ヒロキ”が刀を手に立ちはだかる侍や怪異をたたっ斬るという内容。

 基本的には横視点で進んでいくゲームのようだが、凝ったカメラアングルのカットシーンがあったり、逆光の中での戦いで刀を一閃すると血しぶきがブシャーっと飛び散るなど、こだわりを感じる渋いスタイリッシュな演出が特徴だ。

 開発は、アジアンごった煮FPS『Shadow Warrior』シリーズの開発であるFlying Wild Hogと、暴動シミュレーションゲーム『RIOT: Civil Unrest』や「往年のアクションアドベンチャーゲームのリマスター版」というややこしい嘘設定の『アウターワールド』風ゲーム『The Eternal Castle [REMASTERED]』などで知られるLeonard Menchiari氏によるもの。日本語対応予定で、ゲーム内音声も日本語となっている。

YouTube
発表動画の関連ゲーム欄に勝手に『ゴーストオブツシマ』を設定するという、気づかれにくいジョーク。

オンライン協力プレイ対応の見下ろし型サバイバルアクション『Wizard with a Gun』(Switch/PC、2022年発売予定、日本語対応予定)

 シアトルのGalvanic Gamesによる『Wizards with a Gun』は、その名の通り銃を持った魔法使いが主人公のサバイバルアクションゲーム。自動生成マップを探索し、集めた素材から魔法の弾丸を生成して、さらなる冒険に挑んでいく。最大4人のオンライン協力プレイに対応する。

Wizard With a Gun - Screen 2
Wizard With a Gun - Screen 9
魔法弾の製造画面。思わぬ効果の弾ができあがるかも。

ファミコンテイストあふれる縦スクロールアクションシューティング『Demon Throttle』(Switch、2022年発売予定、日本語対応未定)

 ネコがパワードスーツに乗って戦うアクション『Gato Roboto』のDoinksoftが発表したのは、縦スクロールのドット絵アクションシューティングゲーム『Demon Throttle』。ローカルの2人協力プレイに対応する。

 ファミコンテイストを感じさせるグラフィックとサウンドがなかなかいい感じなのだが、設定は「悪魔に嫁を寝取られたガンマンと聖杯を盗まれた美人ヴァンパイアが復讐の旅に出る」というアレな内容。しかもプレスリリースには「Special Reserve Gamesから発売されるSwitchのパッケージのみでリリース」と書いてある始末だ。

 本気なのかそれともDevolverのジョークなのかわからないが、最悪ファミコン時代の洋ゲーのようにローカライズしなくてもいいので、せめてPCダウンロード版など手に入りやすい方法を用意してもらいたいところ。

Demon Throttle 1
Demon Throttle 2
Demon Throttle 5
Demon Throttle 8

さまざまなゲームの要素がごった煮にされたホラーゲーム『Inscryption』(PC、2021年発売予定、日本語対応予定)

 『Inscryption』は、デッキビルド型のカードゲームとローグライク要素、脱出ゲーム的なパズル、サイコロジカルホラー的な描写など、さまざまな要素をごった煮にしたホラーテイストのゲーム。

 まずはPCでβテストなどを行った後に2021年のリリースを予定しており、その後の家庭用ゲーム機版の対応も検討している模様。なおSteamの製品ページでは日本語非対応の表記になっているが、Devolverの日本語Twitterアカウントによると日本語対応もされるという。

Devolverキャラ大集合の無料モバイルゲーム『Devolver Tumble Time』(iOS/Android、2021年発売予定、日本語対応予定)

 昨年、E3そのものを完全におちょくったFPS風のプロモーションゲーム『Devolverland Expo』をリリースしたDevolverだが、今年は完全無料のモバイルゲーム『Devolver Tumble Time』を配信することを発表。

 「物理演算をベースにしたゲームプレイとエレガントな収益化、そして、戦略的なブランディングが見事に融合」という売り文句は大手パブリッシャーの投資家向け広報をパロったネタなので完全に無視するとして、要はDevovlerキャラをフィーチャーしたマッチ3ゲーム系の内容になる模様だ。

 かわいくデフォルメされた『ホットライン マイアミ』の鳥頭や『Downwell』の地蔵様、『Shadow Warrior』のロー・ワンなどが登場し、それぞれの固有能力を使って一気にコマを消すといったことができるらしい。

その他(発売日決定&新情報)

『Death's Door』(XSX|S/XB1/PC、7月20日発売、日本語対応予定)

 死者の魂を紛失した死神カラスが奮闘するクォータービューの3Dアクションゲーム『Death's Door』は、発売日が2021年7月20日に決定。本作についてはレビューをお届けする予定なのでお楽しみに。

 なお発売日決定を記念して、開発のAcid Nerveが手掛けた前作『Titan Souls』がSteamで2日間の無料提供中。ゲームとしての構造は結構違うものの、同スタジオが手掛けるアクションのテイストは共通するものを感じられると思うので、気になる人はこの機会にぜひチェックされたし。

『PHANTOM ABYSS』(PC、6月22日アーリーアクセス開始予定、日本語対応予定)

 そしてトラップだらけの自動生成ダンジョンを最奥に潜む秘宝目指して駆け巡る一人称視点のジャンプアクションゲーム『Phantom Abyss』のPC版アーリーアクセスが6月22日よりスタートすることが発表に。こちらも発売時期にレビューをお届けする予定になっている。

 本作では同じ構造のダンジョンは1回しか挑むことができず、失敗した場合は後に続くプレイヤーが参考にするためのゴーストとなり、次にプレイするのは別の構造のダンジョンとなる。逆に、秘宝の入手に成功した場合は他プレイヤーのゲームにその構造のダンジョンは出なくなり、世界でひとりだけの栄光を味わえる……という寸法。

 当然「こいつについていこう」と思ったら同じトラップに引っかかったり、あるいは動きを追うのに集中しすぎてミスったりするわけで、配信なども面白そう。

『Shadow Warrior 3』(PS4/XB1/PC、2021年発売予定、日本語対応予定)

 アジアン忍者ロー・ワンが活躍するFPS『Shadow Warrior 3』は、最新映像が公開に。パワフルな武器やガジェットがもりもり、血しぶきももりもり、クリーチャーをハメるためのバカなステージギミックももりもりという、完全バカ盛り仕様なゲームプレイが見られる。