THQ Nordicより、2021年4月8日にプレイステーション4版とNintendo Switch版が、4月16日はXbox One版が発売された『MX vs ATV All Out』。
本作は、モトクロスバイク、バギー、オフロード車両を操作してレースやスタントに挑戦するレースアクションゲーム。
スーパークロス、ナショナルズ、オープンクロスなど、多彩なモードでレースを楽しめるほか、最大16人まで参加できるオンライン対戦(Nintendo Switch版は最大8人)、画面分割でのふたり対戦などもプレイできる。
バイクの細かなチューニング、簡単なようで奥が深い絶妙な操作感など、バイク好きにはぜひプレイしてみてほしい作品になっている。本稿では、プレイステーション4版をもとに、『MX vs ATV All Out』の詳しい内容紹介と、プレイレビューをお届けしていこう。
『MX vs ATV All Out』ニンテンドーeショップページ 『MX vs ATV All Out』PS Storeページ 『MX vs ATV All Out』Microsoft Storeページ 『MX vs ATV All Out』Steamページ慣れてくるほどおもしろい!人馬一体の操作感
本作にはストーリーなどの要素はなく、純粋にレースやスタントアクションなどバイクの操縦を楽しむタイプのゲームになっている。プレイできるのは、複数のコースを走ってスコアを競うシリーズイベント、任意のコースを選んで走るシングルイベント、マルチプレイ、タイムトライアルなど。
コースの種類も豊富で、しっかりと整備されているコースを走るレースから、岩盤や木々が行く手を阻む大自然を舞台にしたものまで、多彩なトラックでプレイできる。
また、スタントアクションでポイントを稼ぐフリースタイルをはじめ、プレイスタイルを自由に選べるのも特徴だ。レースではなくバイクやオフロード車両を操作してソロで遊びたい人でも楽しめるようになっている。
そんな本作だが、実際にプレイしてみると最初は仕様が把握できず、操作が難しいゲームのように思えた。大きくジャンプした後の着地はほぼ失敗、急カーブで横転、高低差の激しいステージでの減速など、バイクを扱うのがなかなかに難しい。
使用するボタン自体はシンプルで、R2で前進、L2でブレーキ、L1でクラッチ(斜面やターン時のブースト)と簡単なもの。後は左スティックでバイクを動かすのだが、同時に右スティックでライダーの操作も求められるのだ。
ライダーの姿勢制御によってバイクの操作は大きく変化するため、この操作感に慣れないうちは横転をくり返すことになるだろう。
たとえば、左に曲がりたいときは、バイクといっしょにライダーも左に傾けると速度を落とさずに曲がれるようになる。ただし、傾きすぎれば当然バランスを崩し、横転は免れない。
大きくジャンプしたときも、着地時のタイヤの接地面が平行になるように右スティックで調整しないと簡単に倒れてしまう。使うボタン自体は少ないのだが、そのぶん姿勢制御は絶妙なバランスが求められるのが本作の特徴だ。
バイクとライダーの両方を同時に操作するような感覚なので、最初は難しく感じるプレイヤーも多いはず。しかし、一度この操作に慣れてしまうと、イメージした通りにバイクを走らせることができ、一気に爽快感が増していく。
木々のあいだのわずかな隙間さえも難なく通り抜け、どれだけ不安定な地面でもキレイに着地して加速する。人馬一体となって走る感覚は、一度体験すると病みつきになること請け合いだ。
とくに、オフロードでのレースは障害物が多いぶん、上達してくるほどにおもしろさを増していく。自由自在にバイクを操れる気持ちよさに気づくと、ただ走っているだけでも何時間でも遊べてしまうほどだ。
レースをせず、ひたすら自由に走り回れるモードもあるので、バイクの操作に楽しさを感じられる人ならトコトンはまれるゲームになるだろう。
好みのモードで思う存分走り回ろう!
上記の操作を駆使して遊べるのは、複数のレースを走って総合の順位を競うシーズンイベント、オンライン・ローカルの対戦モード、タイムトライアルなどのレースモード。そのほか、7つのシングルイベントが用意されている。
簡単に、7つのシングルイベントの内容についても紹介していこう。
SUPERCROSS
SUPERCROSSは、坂道やコーナーの多いスタジアムを舞台にレースをするモード。コーナーが多くスピードを出しすぎるとコースアウトしてしまうため、精密なバイク操作が求められる。
坂道ではどうしても減速する傾向にあるが、クラッチの使いかたや着地のバランスを完璧に操作することができれば、1位を狙えるだろう。全体的に細かなバイクテクニックが要求される、テクニカルなコースが多い印象だ。
NATIONAL
NATIONALは、ルートがしっかりと定められている野外のレース場での競争を楽しめるモード。SUPERCROSSと比べると直線距離が長めに取られており、コース自体の幅も広いためスピードが出しやすいのが特徴だ。ハイスピードでコーナーを曲がり、坂道では大きくジャンプするダイナミックなプレイが可能になっている。
OPENCROSS
OPENCROSSはNATIONALに近いモードで、こちらも同じく広いコースを舞台にレースをすることになる。コーナーやジャンプはほどほどに、とにかくスピードを上げて走り抜けたい人向けのモードだ。
WAYPOINT
WAYPOINTは、明確なコースがなく、目的地となるポイントまで好きなルートで走っていくモード。広大なステージがそのままレース場になるため、岩盤や木々などの障害物を避けながら1位を目指していくことになる。
コースアウトを気にしなくていいぶん、制限なく好き放題に走れるので、気持ちよくバイクを操縦して走り回りたい人にはとくにオススメのモードだ。
FREESTYLE
FREESTYLEは、レースではなくスタントアクションによるポイントを稼ぐモード。本作ではR1を押しながら右スティックを傾けるとさまざまなスタントアクションを披露できるので、それらを駆使してポイントを稼いでいくことになる。
スピードを出し、大ジャンプしながらスタントアクションをすれば一気にポイントを稼げる。落下ギリギリまでパフォーマンスを続ける華麗なアクションを披露しよう。
FREERIDE
FREERIDEでは、好きなステージを目的なしで走り続けられる。レースをせず、ただバイクを操縦していたいときにはこのモードがオススメだ。本作はバイクの操縦が非常におもしろいので、FREERIDEでドライブを続けているだけでも楽しめてしまう。
また、オプションボタンを押すといつでもフォトモードに移行できるので、バイクや景色、スタントアクションの撮影をするのにも適している。お気に入りのバイクで好きなステージを走り抜け、ベストショットを撮影してみよう。
バイク、ライダーのカスタマイズ要素も充実!
レースなどをプレイしてゲーム内通貨を入手すると、ガレージで新たなバイクやクルマなどを購入することもできる。車両パーツを変更してチューニングするなど、本格的なカスタマイズも可能。
カスタマイズもクラッチやサスペンション、シャーシなど各パーツごとに弄れるので、バイク好きにはたまらない要素になりそうだ。もちろん、バイクだけでなくバギーやオフロード車両もカスタマイズ対象なので、自由にチューニングして楽しもう。
性能自体は変わらないが、乗り物だけでなくライダーの外見も自由に変更可能だ。ヘルメットやスーツも好みのスタイルに変更してドライブに行こう!
ちなみに、DLCではホンダやスズキなどのバイクも販売されているので、好みのバイクがあるならこちらを購入してみてもいいだろう。
コースは初期時点ではやや少なく、DLCを購入して増やしていく形式。独特な操作感だが慣れると非常におもしろいので、ある程度遊んで気に入ったらDLCの購入を検討してみよう。8種類のバンドルなども販売されているので、そちらも要チェックだ!
スタジアムでのレースからオフロードでの自由な走行、そして多彩なスタントアクションなどバイクで楽しめる要素が満載の『MX vs ATV All Out』。
バイクの初期数がやや少ないのが難点だが、操作性やレースゲームとしてのクオリティはたしかなもの。最初はバイクを動かしているだけでもおもしろいので、ぜひ一度プレイしてみてほしい。