2021年3月26日(金)から、『映画 モンスターハンター』が全国公開。公開を記念して主要キャラクターの吹き替えを担当した松坂桃李さんにインタビューを実施!
“ハンター”の日本語版吹き替えを担当した松坂桃李さんに、アフレコ時の思い出や注目ポイントなどを語ってもらった。
松坂桃李(まつざか とおり)
1988年10月17日生まれ。神奈川県出身。『侍戦隊シンケンジャー』でデビュー後、多数の映画、ドラマに出演。洋画の吹き替えもこなす。最新出演作『いのちの停車場』(5月21日)、『孤狼の血LEVEL2』(8月20日)、『空白』が公開予定。ドラマではNHK土曜ドラマ『今ここにある危機とぼくの好感度について』(4月24日から)、EX金曜ナイトドラマ『あのときキスしけおけば』が4月スタート。
松坂「所作から感情を読み取り、叫び声で表現するのは新鮮な経験でした」
――アフレコの様子を拝見しましたが、どのセリフもすごい迫力ですね。
松坂ハンターはいわゆる“モンハン語”しか話さないキャラクターで、吹き替えと言っても日本語はほとんど使わず、しかも叫び声なので、のどが枯れるんじゃないかと思いました(笑)。
――最初に台本をご覧になられたとき、セリフの内容について、どう思われました?
松坂目が点になりましたね。日本語をしゃべらない演技というのは初めてなので、どうアプローチすればいいんだろう? と悩みました。声の仕事の経験はあるんですけど、言葉を頼りにできないというのは新しい挑戦でした。
じつはトニー・ジャーが発しているセリフは、すべてアドリブらしくて、言葉に込めた本当の意味は彼にしかわからないそうです。まずはトニーの身振りや手振りを見て、これは「こっちに来い」って言っているんじゃないか? というふうに感情を推測していって。その気持ちを込めて叫び声をあげる、というスタイルで取り組みました。
『映画 モンスターハンター』こんがり肉焼き 日本語吹替版 本編映像
――動きから感情を判断して、叫び声で表現するというのは滅多にない収録ですよね。
松坂トニーの意図を汲むだけでなく、それが“『モンスターハンター』世界で日常的に使われている言葉”であることも伝える必要があるというところが、今回の役を演じるうえでの僕の中のテーマでした。
それと、トニーが扮するハンターは歴戦の戦士であり、ハードなアクションをつぎつぎにこなすので、力強さも表現する必要があって。最初はクールなんだけど、じょじょにアルテミス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)を信頼するようになり、途中からは相棒のような存在になっていく。そんな感情の変化も、物語に合わせて表現していくことを意識しました。
――ご自身としては、やりきれた。
松坂やりきりましたが、果たしてそれが本当に正解だったかどうかは、まだわからなくて。ぜひスクリーンで確かめていただきたいです。
――『モンスターハンター』を遊んだことは?
松坂やり込んでいます。『モンハン:ワールド』はストーリーをクリアーして、いまはひたすらオンラインで狩りを楽しんでいますね。俳優の友人が狩り友で、『モンハン』は彼に誘われて遊ぶようになったんですけど、いまでもいっしょにクエストに挑んだりしています。
『モンハン』プレイヤーの目から見ても、この映画には全編から愛が感じられますね。『モンハン』の大ファンでもあるポール・W・Sアンダーソン監督が、10年以上前からカプコンさんに打診してようやく実現した作品と聞いていますし、いたるところから溢れる『モンハン』愛を皆さんも感じていただければうれしいです。
――松坂さんも激しい戦闘シーンを撮影された経験があると思いますが、ミラさんが作中で披露する双剣のアクションはどうでしたか?
松坂華麗なだけでなく力強さも感じさせる剣さばきで、非常にかっこよく仕上がっていて驚きました。あれほどのアクションをものにするには相当な訓練が必要ですし、ゲームのイメージも崩さないようにしないといけない。それを両立して、完成させているところは彼女だからこそですよね。
――とくに印象に残っているシーンは?
松坂数多くありますけど、ミラやトニーがそれぞれ武器を手にして、それをガシャンと構えるシーン。もうそれだけで『モンハン』の世界を体現していて、一気に引き込まれました。
――本作をどのような方に観てほしいですか?
松坂何の先入観も持たずに観られるアクションエンターテインメントですし、緊張感溢れるシーンの連続となっているので、最後まで集中力が途切れることなく観られます。
『モンハン』を未プレイの方でも入り込みやすいシンプルな物語ですが、各所には思わずうなってしまうようなこだわり要素も満載なので、コアなファンの方でもきっと満足できると思います。友だちと観るもよし、デートで観るもよし。観終わるころにはきっと、「帰って『モンハン』やる?」というフレーズが飛び出すはずです(笑)。
――ちょうど新作も出ますし(笑)。 逆に『モンハン』を未プレイの人に向けてのオススメポイントはどんなところがありますか?
松坂狩りのたいへんさがリアルに描かれているところですね。ゲーム以上に、人間とモンスターの戦力差が明確で、「こんなに強くて硬い敵をどうやって倒すんだ?」という気持ちになると思うので、倒せたときの爽快感はすごいです。
映画で興味が湧いて、ゲームをプレイするという方もきっといらっしゃると思うんですけど、ディアブロスやリオレウスが出てきたら、「ミラがあんなに苦労して倒したモンスターがついに現れたぞ!」みたいな気持ちになるんじゃないでしょうか。そうやってテンションを高めて、狩りを楽しんでほしいですね。
作品情報
- タイトル:『映画 モンスターハンター』
- 公開日:2021年3月26日(金)公開
- 監督・脚本:ポール・W・S・アンダーソン
- 出演: ミラ・ジョヴォヴィッチ、トニー・ジャー、山崎紘菜、ロン・パールマン ほか
- 原作:『モンスターハンター』(カプコン)
- 製作: コンスタンティン・フィルム、テンセント・ピクチャーズ、東宝
- 配給: 東宝=東和ピクチャーズ共同配給