まさに親子で楽しめる定番タイトル
2001年(平成13年)2月21日は、アーケード版の『太鼓の達人』が稼動を開始した日。本日で大きな区切りとなる20周年を迎えることとなった。
『太鼓の達人』は、ナムコ(当時)から発売されたゲームセンター用のリズムゲーム。ギターやピアノ、打楽器としてはドラムセットなど、楽器を題材にしたゲームはいろいろあったが、“和太鼓”という和風な楽器にスポットを当てたのは本作が初めて。当時は確かリズムゲーム全盛の時代でKONAMI作品が人気を博していたこともあり、筆者などは「ナムコから音ゲー!?」と訝っていたものだった。
筐体には太鼓を再現した大きな入力装置が取り付けられており、2本のバチで叩いてゲームをプレイしていく。多くのリズムゲームの操作が複雑化していく中で『太鼓の達人』は、太鼓の面を叩く面打ちの“ドン”と、太鼓のヘリを叩く縁打ちの“カッ”のみと、非常にシンプルな仕上がり。わかりやすいうえ、太鼓を叩く楽しさを存分に味わえるとあって音ゲーファンだけでなく、徐々にファミリー層へと浸透していった。いまもなお、親子連れで安心して楽しめる定番タイトルと言っていいだろう。
ゲームの主人公として据えられているのは、語尾が「~だドン」や「~カッ?」となってしまう“和田どん”と“和田かつ”で、キャラクターデザインは現在イラストレーターとして活躍中の横尾有希子氏。登場キャラクターはいずれもキュートで、そこがファミリー層に受け入れられたポイントにもなっているかもしれない。
収録楽曲は最初はオリジナル曲が多かったようだが、現在はポップスやアニメ楽曲、ボーカロイド楽曲など、幅広いジャンルから取り入れており、まったく隙がないほどの膨大な楽曲数を誇る。『アイドルマスター』シリーズを始めとするほかのゲーム作品とのコラボ楽曲も多数あって、それらも大きな魅力となっている。曲によっては親子で楽しめる“パパママサポート”機能に対応していて、ひとりプレイ時に隣の太鼓を叩いて手助けなんかもできてしまうのが素晴らしい。
アーケード版では筐体のリニューアルはもちろん、定期的なソフトの大型アップデートが行われていて、そのたびにシステム面もパワーアップ。多種多様な家庭用ゲーム機のほか、スマートフォンなどにも移植されていて人気を博しており、2019年の時点でシリーズ累計の販売本数は1000万本を超えている。