エレクトロニック・アーツが、オンライン対応の対戦アクションゲーム『ノックアウトシティ』を発表。対応プラットフォームはプレイステーション4/Xbox One/Nintendo Switch/PC(Origin/Steam)で、プレイステーション5やXbox Series X|Sでも互換機能で動作可能。2021年5月21日(※)発売予定となっている。
今回、2月20日・21日(※)に実施予定のPC版クローズドβテストに先駆けて先行プレイや開発へのオンライン取材を行ってきたので、その内容を詳しくご紹介しよう。(※日本での展開およびローカライズ予定があるが、ここでの日付は海外発表でのもの)
『マリオカート ライブ ホームサーキット』のスタジオによる新作は、まさかのドッジボールネタのマルチプレイ対戦ゲーム
本作は外部開発タイトルをパブリッシングするEA Originalsの新作という扱いで、開発を行うのはニューヨークのVelan Studios。実機のトイとビデオゲームを融合させた『マリオカート ライブ ホームサーキット』で話題を呼んだ同スタジオが別の開発ラインで準備を進めていたのが本作というわけだ。
さてその正体は、小学校などで遊んだ人も多いであろうドッジボールを下敷きにしたクロスプレイに対応したオンライン対戦アクションゲーム。誤字でも無理やり喩えているわけでもなくて、ホントにあのドッジボールなんである。基本は3対3でステージを駆け巡り、フィールドからゲットしたボールを相手プレイヤーに投げて当てたり、場外ノックアウトを誘ってダウンを狙っていくという感じ(細かいルールは後述)。
ルールはTPSとかアクションゲーム寄りに作られてるけど、本当にドッジボールのようにボールを投げたりキャッチしたりして戦う。
基本アクション:カーブショットやシュートフェイク、自分がボールになる特殊ムーブも
プレイヤーが使える基本アクションは以下の通り。3Dアクションでよくある操作を踏襲しつつ、ドッジボールならではの動作などが組み込まれている。カジュアルに入っていきやすいよう直感的にまとめられていて、入力に対する反応も悪くない(遅延などの低減のために、独自エンジンかつ独自のスクリプト言語で開発しているとか)。
- ボールのシュート(通常)
- 投球はチャージで強化できる。また近い相手プレイヤーが自動的にロックオンされる
- 相手チームの球に自分の球をぶつけて落とす事もできる
- シュートフェイクも可能。睨み合いになった時に先にシュートを打たせたり、キャッチのタイミングを外すのに使う
- キャッチ
- ジャストタイミングでキャッチすると次の一投が高速になる(重複可能)
- 落ちているボールはキャッチボタンを押さなくても自動的に拾う
- パス
- シュート同様、近い仲間プレイヤーが自動的にロックオンされる
- 特殊ボールによる攻撃 ※一部モードのみ。どのボールが出てくるかは試合開始時に選ばれる
- ボムボール 拾われてから一定時間で爆発を引き起こす
- ムーンボール 所有者及び当てられたプレイヤーが低重力状態になる
- ケージボール 当てられたプレイヤーが一定時間強制的にボール化状態になる
- タックル
- 他プレイヤーを妨害可能だが、仲間との同士打ちもある。ボールを手放させることもできる
- グライダー(ジャンプから発動可能)
- フリップ(縦回転)・サイドスピン
- ボール投げる際に使うと縦横のカーブボールを投げられる
- フリップを二段ジャンプのように使うこともできる
- ボール化
- 自分が丸まって転がり、他プレイヤーがボールとして拾って投げられるようになる
- 掴んだプレイヤーが最大限チャージすると、空高く投げ上げられた後に急降下攻撃を放てる
- 相手チームのプレイヤーに掴まれた場合はボタン連打で逃れられる
ボール化した状態で仲間にマックスまでチャージして投げてもらうと、急降下攻撃が可能。
モード:“ドッジボールならでは”の部分が効いたFPS/TPS系ルール
今回、プレゼンテーションや体験プレイで確認できたモードは以下の3種類。いずれもFPS/TPS系のマルチプレイによくあるルールをアレンジしたものとなっている。このほか、フリー・フォー・オール(全員敵の乱戦)系のモードなども予定しているとのこと。
- Team KO (3対3)
- チームデスマッチ系のルール。相手チームのプレイヤーのライフ(デモでは2)をゼロにするか落下させるとKO扱いとなりスコアが入る。
- 制限時間内に規定スコア(10)をクリアーするか終了時にスコアが多かったチームのラウンド勝利。2ラウンドを先取したチームが最終勝利となる。
- クローズドβテストでプレイ可能な、本作の基本となるルール
- ダイヤモンドダッシュ (3対3)
- 『コールオブデューティ』などにある、いわゆる“キルコンファームド”系のルール。相手プレイヤーがKOされるとダイヤモンドをバラ撒くので、それを回収してスコアを稼いでいく
- 仲間が落としたダイヤモンドを先に拾うことで相手チームのスコア獲得を阻止することも重要
- 制限時間内に規定スコア(30)をクリアーするか終了時にスコアが多かったチームのラウンド勝利。2ラウンドを先取したチームが最終勝利となる。
- ボールアップ・ブロウル(4対4)
- フィールドに通常ボールも特殊ボールも登場しない、変則チームデスマッチ
- 基本的に仲間のボール化能力を利用して戦う。単独でできることがあまりないので、連係が非常に重要。
ステージには落下したら終了のエリアがポコポコある。上昇気流が出ている所はグライダーで渡れたりするが、飛行中に狙われないように注意。場外アウトは一発KOだ。
というわけで一見ルール的な新しさはあまりないのだが、ドッジボールという性質上、(しばらくは撃ち続けられるFPS/TPSと違って)ボールを奪ったら一気に逆襲できるため、攻守がスピーディーに入れ替わる展開になりやすいのがいい。
こういった「ドッジボールだからこそ」の部分は他にもあって、例えばFPSのキルコンファームド系ルールだと、仲間のドッグタグなどを回収するにはまずその仲間を倒した敵を倒さなければいけないケースが大半。それに対して、本作のダイヤモンドダッシュでは敵がボールの再回収を優先すればその間にダイヤを拾い直しやすいし、ダイヤの回収を先にするのならその間に転がっているボールを奪って漁夫の利を狙える。
また単独では攻撃があまり連続しないゲームだからこそ、ボールを手放した仲間にパスで供給するという戦術も地味に効いてくるし、敵味方お互いボールを確保していないような場面でボール化して勝負を賭ける意味もある(キャッチされて外に放り投げられてKOとか、急降下攻撃を外した所でタコ殴りというパターンもあるけど)。
ドッジボールという性質上、ボールを避けたりキャッチしたりタックルしてボールを奪えば一気に逆襲に転じれるのがポイント。両軍がお互いフィールドを走り回りながら、交わし交わされつつのバトルが展開される。
クロスプレイに対応。最大32人で組めるクルー(クラン)機能もクロスプラットフォーム対応
では続いて、試合の外側の要素も紹介しよう。本作のマルチプレイは昨今のEAタイトルの流れをくんでボイスチャットを含めてクロスプラットフォームプレイに対応しており(※)、最大32人で組める“クルー”機能もプラットフォームの垣根を越えて結成できる。(どこまで普及するかによるだろうが)友達と気軽にワイワイ遊んだ方が楽しいタイトルなので、それぞれの所有ハードに縛られないというのはグッド。(※オフにすることもできる)
また成長要素のひとつとして、「ボールを50回ヒットさせろ」といったお題をクリアーして経験値などをゲットしていく“コントラクト”というシステムも存在する。
プレイヤーは試合結果だけでなくコントラクトのクリアーも通じてレベルを上げ、外見カスタマイズ用のアイテム(後述)をアンロックしたりポイントをゲットしていくのだが、このコントラクトには固定のソロ用のもの以外に週替りのものやクルー限定のものもあり、中にはクルー一同でじっくり挑戦しないとクリアーが難しいものもあるという。
レベルアップさせていくとカスタマイズアイテムを買えるポイント“ホロバックス”が手に入ることも。
ローンチ段階でフルゲームを体験可能という施策も
なお本作、アメリカでの定価が19ドル99セントの廉価帯のソフトとなっており、9週ごとに行われるシーズンコンテンツのアップデートは無料で提供される。ローンチ段階ではフルゲームを無料で体験できるという施策も行われるそうなので、とりあえずそこで友達とタイミングを合わせてやってみるというのもアリかもしれない。
ロビーにあたる“ハイドアウト”マップにクルーでタマることもできる。
外見カスタマイズ要素なども
なお本作、レベルによる能力の相違や試合外での強化要素はなく、外見のキャラクターカスタマイズ機能はあるものの、試合内容自体は完全にスキルで勝負するという設計だ。
いわゆるルートボックス(ガチャ)系の要素も存在しないそうなのだが、完全に少額課金要素がないわけではなく、他タイトルであったような「プレイを通じて入手できるカスタマイズアイテムを購入するためのポイント(ホロバックス)をリアルマネーで買うこともできる」という形になっている。
デザインはアメリカンな感じ。勝利後の煽りポーズも選べるのだが……ピザ? 「朝飯前だぜベイビーHAHAHA」って事? 「お前のチームはチーズみたいに穴があいてたな」みたいな?