ファミ通.comの編集者&ライターが年末年始のおすすめゲームをひたすら紹介する連載企画。今回は、PCゲームを毎日6時間プレイしないと仕事中に左手がWASDキーのうえで震えだす、そんなフリーライター・カイゼルちくわが『Risk of Rain 2』をご紹介します。
【こういう人におすすめ】
- ローグライクとハクスラが大好き!
- でも運でゲームが有利になるのがイヤ
- ゲームのやり込み、努力、研究が生きがい
カイゼルちくわのオススメゲーム
Risk of Rain 2
プラットフォーム:PC(Steam)、PS4、Xbox One、Nintendo Switch
配信日:2019年3月29日(早期)、2020年8月12日(正式)
開発元:Hopoo Games
配信元:Gearbox Publishing
価格:2570円(Steam)、3055円(PlayStation Store)、2800円(Microsoft Store、ニンテンドーeショップ)
※いずれも税込価格
Risk of Rain 2: Launch Trailer
自分だけの戦法と攻略を探す!
『Risk of Rain 2』は、簡単に言えばTPS(サードパーソンシューティング)形式のローグライクゲームです。プレイするたびに変わるステージを踏破し、ランダムで入手していくアイテムで主人公を強化してどこまで突き進めるかを極める、いわゆる“無限に遊べる”タイプのゲームに一応は分類されます。
各ステージにランダム配置されている“ゲート”にアクセスすると、ボスがこれまたランダムで選ばれて登場。ボスを倒し、ゲートの近くに留まることでゲージが100%溜まるまで待つと、つぎのステージに移動できます。
一般的なローグライクでは、道中で入手した武器や防具を入れ替えていくことで、攻撃手段や攻撃力が変わるもの。しかし、本作では各キャラクターごとに“プライマリー”、“セカンダリー”、“ユーティリティー”、“スペシャル”という4枠のロードアウト(いわゆるスキル)が用意されており、これらはスタート時にカスタマイズできますが、基本的な性能は固定。ゲームを進めてキャラクターのレベルが上がると体力や攻撃力も上がるものの、微々たるものです。
本作では敵を倒すなどしてお金を貯め、フィールドに点在するボックスを開け、さまざまなアイテムをランダムで手に入れて装備していきます。これらの豊富なアイテムは攻撃に副次効果を付与したり、生存者を守ったりと、それぞれオンリーワンの能力を持っているものばかりです。
生存者、ロードアウト、アイテムの組み合わせパターンは、まさに無限。想像を超えるとんでもないビルドも可能なのが大きな魅力です。
しかし、敵の強さや数はそのステージのプレイ時間が経過するたびに、どんどんランクアップしていきます。アイテム漁りに時間を取られすぎると敵の大群にいつの間にか囲まれて、即やられることも。
また、一定数ステージをクリアーするたびに新たな強敵が出現する仕様にもなっているので、急ぎすぎるとアイテム集め&強化不足でジリ貧になることも……。
ローグライク本来のおもしろさを思い出す!
ローグライクを遊ぶと“運ゲー”という言葉がちらつくものです。序盤に運よく強力な装備を手に入れられれば、一気に攻略できる。モンスターハウスに序盤に飛び込んでしまい、やる気がなくなる。そんなローグライクタイトルも一部存在します。
『Risk of Rain 2』のランダム要素は、ローグライクとしては少なめです。各ステージの地形は一部のドアが開閉していたりする程度で遊ぶたびに激変するようなことはないので、何度も攻略し、地形を覚えれば有利に戦えます。
また、この固定となる地形にはさまざまな隠し部屋や謎解きも用意されており、何度も挑むことでじっくりと解き明かしていくことができます。報酬として新たな生存者やそのロードアウトが解放されたり、新たなステージへの道が開けたりと、わかりやすい形で成果が用意されているのもうれしいところ。
本来、ローグライクは運任せに遊ぶものではなく、くり返し遊ぶことでやり込みを“収束”させてノウハウを作り、運の要素を除外していくことこそに攻略の楽しみがあると思うのです。本作はそんなローグライクのよさを再認識させてくれます。
謎を解いた先に待つ最後の敵や真のエンディングとは何なのか。そこまで到達した後も、とある謎を解くことで解禁されるゲームオプション“アーティファクト”を使うことで、敵の数やアイテムのランダム性などを自分で調整し、新たなゲーム体験を味わえます。嘘偽りなく“無限に遊べる”わけです。
生存者の能力やアイテム、アーティファクトの組み合わせだけでなく、最大4人まで可能なマルチプレイに挑戦することでも、ゲームの幅は広がります。アイテムの譲り合いも可能なので、より高次元の理想のビルドや役割分担を追求できるはず。
あと、マルチプレイ中にやられてしまっても、誰かひとりでも生き残ってつぎのステージに進んでくれれば即座に復活できます。筆者のようなへっぽこにはありがたいです。
ゲームオーバーになるたびに集めたものがゼロになるローグライクに虚しさを感じる人も多いかと思います。しかし、ゼロに戻されてもプレイヤー自身に経験やノウハウがしっかり蓄積していることに気付くと、格段におもしろくなるのです。
『Risk of Rain 2』は、そんなローグライクの魅力をわかりやすく、そして十分な達成感とともに示してくれます。冒険心に満ちたゲーマーの皆さんには、ぜひ本作のすべての謎をその手で解き明かしてみてほしい!