The Game Bakersの新作『Haven』が、プレイステーション5/Xbox Series X|S/Xbox One/PC向けに日本語対応(英語ボイス+日本語テキスト)で配信開始。なおプレイステーション4/Nintendo Switch版は2021年第1四半期の配信を予定している。

異星でのラブラブサバイバル生活とRPGとアドベンチャー

 本作の主人公は、とある事情により誰もいない異星“ソース”へと逃げてきたらしい“ケイ”(男)と“ユウ”(女)のカップル。住居兼宇宙船の“ネスト”が壊れてしまったことから、ふたりは惑星を探索しつつパーツとなるものを集めて修理を進めていく……というのが基本的な流れだ。

 さて本作、ジャンル名は公式には“RPGアドベンチャー”となっているのだが、いろんな要素が緩く組み合わさった、ホント一言で説明しづらい内容。というわけで実際どんなものなのか紹介していこう。

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基本的に3Dグラフィックなのだが、会話イベントシーンでは立ち絵が入るという方式

基本はアクションアドベンチャー的

 というわけでふたりの当面の目的は、大小さまざまな浮遊島から構成される世界を探索し、パーツになるものを探すこと。あまり細かく指示を出してくれるゲームではないので、ひとまず行けるところから島々をめぐっていくことになる。

 移動は反重力ブーツを使った低空飛行になっていて、草原を滑るように飛んでいくのは気持ちいい。“スレッド”と呼ばれる青い線を辿っていくと、そのままスレッドに沿って飛翔できたりもする。

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 特定のスレッドに乗らないと行けない場所にイベントアイテムが仕込まれていたり、別の場所で能力をゲットするなどのイベントをこなさないと先に進めない場所があったりして、この辺はアクションアドベンチャー的な作りだ。

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舞台となる世界は、大小さまざまな浮き島がエネルギーの橋のようなもので繋がって構成されている。少しずつ遠出をしてルート開拓していく際に
拠点からいちいち辿っていくのがちょっとめんどくさかったりもするのだが、話が進むとファストトラベル的な機能や、出先でのキャンプ機能なども登場する。

コマンド選択式のリアルタイムバトルと成長要素はRPG的

 冒険を続けていくと、島々に広がる“錆”によって敵対化している生物などとの戦闘になることもある。

 戦闘はシンボルエンカウント方式のリアルタイムRPGバトルになっていて、十字キー(Dパッド)と4つのボタンがそれぞれユウとケイの基本行動に割り当てられたコマンド選択式だ。

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敵はブラストかインパクトのどちらかに弱いので、それを見極めて選択すれば基本的にオーケー。

 コマンド以外もバトルに関する要素はシンプルにまとめられていて、例えば敵は基本的に“ブラスト”と“インパクト”の2種類の攻撃のいずれかに弱い。つまり、ブラストを当てて普通にダメージが通れば後は反撃を時折ガードしつつブラストをひたすら撃っていれば勝てる。

 一方、成長要素もあるのだが、戦闘だけでなく会話イベントなどもこなして親密度が溜まればネストで成長のためのイベントシーンを見られるようになり、それが終わると強化されるという塩梅。

 RPG的にレベル上げや資金集めのために戦闘を繰り返す必要はなく、どちらかと言えば“錆”の除去と浄化というサブ目的の一環となっている。

サバイバル的な素材集め&クラフト要素

 また他の人間が存在しない惑星での漂流生活的な話なので、商人的なものもない。その代わりに、探索で入手したアイテムを使った料理やアイテム合成などのクラフトシステムが存在する。

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 しかし、これも素材の種類はある程度限られていて、「あれを取りに行くにはどこに行けばいいんだっけ」と迷ったりするようなものではない。じゃあなんのためにこれらの要素があるかといえば……。

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クラフトした方がいい役立ちアイテムとかもあるにはあるんだけど、一緒に料理してる感の方が重要なんスよ、多分。

核となっているのは愛しあう二人の物語

 本作で一番比重が大きい要素といえば、これはもう主人公二人のラブコメチックな物語である。あらゆる要素に会話イベントがついてくるようになっていて、料理を作って食べたら会話するし、成長イベントのために乾杯したら甘々な会話をするし、冒険で疲れ果てて帰ってきて寝たらそれはそれで会話イベントが起こる。すべてはふたりのためにあるのだ!

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ローディング中のアイキャッチ画像がかわいい。(ちなみに作中設定と異なる現代風のファッションで描かれる)

 しかもわざわざ宇宙船で誰もいない星に逃避行してくるぐらいなので、オープニング時点でカップルとして完全にできあがってて、性的な描写もあまり直接的には描かれないものの、それを恥じらうような時期は100光年ぐらい彼方に通り越している。

 くだらない下ネタに笑って対処しているうちに思わず催す描写とか、“事後”の赤裸々なピロートークぐらいはもうバンバン出てくるので、下手をするとロマンティックな演出で性的描写が出てくる作品よりも生々しい。

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「何かした後に寝ようとしたら、ベトついてるので彼女が寝るサイドの交代を要求」って、ほとんど猥談みたいなエピソードが普通に出てくる。

 というわけで、ものすごい極端でややこしい言い方をすると、あくまで「若い2人の甘々な愛の逃避行の日々をインタラクティブストーリーにするにあたって、RPGやアドベンチャーの要素をつけたもの」といった感じだ。

 ラブコメとしてもこれはまぁ合う人合わない人がいると思うし(記者は割と好物)、ゲーム的にも本作をRPGとしてプレイしたり、あるいはサバイバルアクションアドベンチャーのようなものを期待すると大分間違ってしまうだろう。でも本当に会話イベントの詰め込みようはなかなかのものがあるので、うまく波長が合う人がめぐりあって欲しいなぁと思う。

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公式が作成した「影響されたものリスト」。確かにこれに全部影響されて、でもどれとも違うものを作ったらこうなるなという感。