バンダイナムコエンターテインメントより、2021年2月に発売される『リトルナイトメア2』。本作は、小人のようなサイズの主人公を操作し、3Dの世界を探索・謎解きをしながら進んでいくアドベンチャーゲーム。小さな子どもから見た世界のように、鍋や包丁、扉やベッドなどあらゆるものが非常に大きく、危険な物のように感じさせるサイズ感が印象強い作品だ。
今回、先日公開された第3弾PVで映し出された、不気味な患者たちが登場する病院のようなステージをプレイできるベータ版を体験する機会を得た。本作については以前もベータ版のプレイレビューを掲載しているが、前回とはまた違った魅力と恐怖を実感できるステージとなっていたので、あらためてプレイレビューをお届けしよう。
なお、本作の概要や基本的な操作感については、前回掲載している記事をチェックしてほしい。
なお、『リトルナイトメア2』はプレイステーション4版とNintendo Switch版が2021年2月10日発売、Xbox One版、PC版が2021年2月11日発売となる。
武器さえ持てば怖くない!? 今作では敵との戦闘も可能に
今回のデモ版は、テレビの前で操作キャラであるモノと、バディであるシックスが起き上がるところからスタート。車椅子などが並んでいることから、病院のような場所であると思われる。
周囲には手や足、頭の欠けた人形のような者たちの姿も。いまにも動き出しそうな雰囲気の人形たちは、先日発表された新キャラクターである“患者”と同じ姿をしている。
先へ進むために病院内を探索していくと、床や天井などあちこちに人形の手足が転がっており、周囲の薄暗さも相まって何とも不気味な雰囲気。周囲の環境にすっかり飲み込まれていると、さらにシックスとは別行動になるという追い打ちがかかる。
本作では相棒であるシックスと協力して進んでいく場面も多く、ひとりでは登れないような場所ではシックスが足場になってくれるのだ。当然、その後はしばらく単独行動になり、合流するまでは心細い時間が続く……。
探索をして先へ進むためのカギなどを見つけ、道中襲いかかる異形の存在から逃げ惑うのが『リトルナイトメア』から続く本作の魅力。障害物を動かして足場にしたり、棚などを登って進んでいくといった要素も健在だ。とくに今回のデモ版ではひとりで行動する場面も多く、相棒がいるからと言って恐怖感が薄れることは一切なかった。
ひとりで先へ進んでいくと、いままでは動かなかった人形の手が突然動き出しモノを追うように。カタカタと不気味な音を立てながら接近し、飛びかかってきた。当然ながら、一度でもこの手に捕まれば即死亡。セーブポイントからリトライすることになる。
襲いかかる人形の手から必死で逃げ、棚を登ってようやくひと安心……かと思いきや、追撃の手が止むことはなく。けっきょくダクト内まで追ってくるので、悲鳴を上げながら逃げ回ることになった。本作はとにかく容赦なく、安全かと思った瞬間にも恐怖が待ち受けているので、つねに緊張感が持ってプレイすることになるだろう。
どこまでも追ってくる人形の手から逃げ続けていると、無造作に置かれたハンマーを発見。前作との大きな違いとして、今作では武器を持って敵と戦うという要素が追加されている。いつでも武器を出せるわけではなく、その場に落ちていれば身を守れる程度のものだが、敵に追われる状況では何よりも頼もしい存在だ。
手に持った武器を振り下ろして敵を何度か攻撃すると、動かなくなり無事に撃退完了となる。そこまで難しいアクションが要求されるわけではないが、ガムシャラに振り回しても隙を突かれて攻撃されてしまう。敵を倒すためには、恐怖を振り払いたい気持ちをグッと抑え、確実に攻撃を当てられるタイミングを見極めなくてはならない。
一瞬の油断も許さない新キャラクターの魔の手
武器を持てば敵を倒せる。そんなルールが通用するのは、自分と同じサイズの敵だけのようだ。
人形の手を倒し意気揚々と先に進んでいくと、今度は患者たちと遭遇することになった。患者はどうやら暗い場所でしか動けないようで、ライトが付いているあいだは固まって動かない。しかし、通路を塞ぐように立っているので、否応なく自分の意思で電気を消さなくてはならなくなった。
電気が消え、暗くなると患者は不気味な音を立てながらモノを追跡してくる。移動速度も速く、ただ逃げているだけではいずれ追いつかれてしまう。唯一逃れる術は、モノの持つ懐中電灯で照らすことだ。ライトで照らしておけば動かなくなるので、その隙に距離を取って進んでいくことになる。
対策自体は簡単なのだが、病院内にはとにかく患者が多く配置されている。どの患者が動き出すかもわからないので、油断しているといきなり背後を取られてしまうことも。
四方から迫られれば同時にライトを向けることもできないので、精神的にも焦りが生まれ、追い詰められやすい。動き出す患者の数自体はさほど多くないものの、薄暗い部屋に大量の患者がいるのも不気味だ。おぞましい外見も相まってプレイ中は息が詰まりそうなほど緊張してしまった。
プレイヤーを驚かせる演出、恐怖を抱かせるシーンが絶え間なく襲ってくるので、今回のデモ版はクリアーまで相当な時間を要することになった。突発的なイベントからじわじわと追い詰めるステージまで、恐怖演出の幅も広く、ホラーゲームとしての完成度の高さがデモ版の時点でも窺える。
不気味な敵のデザインはもちろんのこと、ステージのデザインやサウンドも恐怖を煽ってくる。探索していると、つい足を止めてしまう気味の悪い場所も多くあり、プレイ中は世界観にぐいぐい惹き込まれていく。
今回のデモ版は、新たに発表されたキャラクターであるドクターが登場したところで終了。患者の時点ですでに恐ろしすぎたのだが、それよりもさらに大きなドクターからどのような追撃があるのか、本編をプレイするのが楽しみでもあり、恐ろしくもある。
余談ではあるが、今回のプレイを通して前回のデモ版で頼もしく思えた、相棒のシックスにやや疑念が生まれてしまった。
別行動をした後に合流する場面があったのだが、なぜかシックスは人形の指を一心不乱に折り曲げていたのだ。人形とはいえ、無言で指を折り曲げる猟奇的な一面を見せるシックス。そもそも前作のことを踏まえると、相棒として信用していいものなのか……。デモ版の1シーンから判断するのは早計かもしれないが、恐怖を和らげてくれる唯一の存在への疑念が、本作の恐怖をさらに引き立てるようにも感じられた。