セガトイズより2020年12月17日に発売となるアストロシティミニ。ゲーセン筐体 アストロシティを6分の1サイズで再現しアーケード作品を36タイトル収録した、セガ60周年を記念したプロダクトだ。
今回は短時間ながらも、実際にゲームプレイが可能な“ほぼ製品版”と言えるものを試遊させていただいた。実際に触ってみての感じたポイントや魅力をお伝えしていこう。
“アストロシティミニ”本体や周辺機器の限定カラーバージョンの発売が決定! 下の3種類のレバーボールやボタンがピンクカラーのバージョンを販売される。
こちらのピンクカラーのパーツを使ったアストロシティも、当時のゲーセンでよく見たという人はいらっしゃるはず。アーケードスティックについては自分でボタンを換装するという手もあるが、アストロシティミニ本体とコントロールパッドはこの限定版ならでは。
そして、この限定ピンクカラーバージョンのコントロールパッドにはなんと、“ニューアストロシティを再現できるパーツ”も付属! ニューアストロシティの特徴であるせり出しタイプのスピーカーにできるパーツで、本体に貼り付けるものになるということだ。
このニューアストロシティの姿が記憶に残っているという人も多いかも知れない。ぜひ販売情報をチェックしていただきたい。
アストロシティミニ本体の下に取り付けることでより業務用筐体風なスタイルを実現できる“ゲームセンタースタイル”も、この試遊のときには実物をチェックさせていただいた。
貯金箱としてコインが貯められるようになっていて、コインシューター部分から硬貨を入れられる。底面から貯めたお金を取り出すことも可能だ。ゲーセン椅子や筐体上のインストパネルもしっかり付属するので、より“筐体らしさ”を再現するならぜひセットでほしいアイテムだ。
先日、同時発売が発表されたアストロシティミニ アーケードスティックもこの日に触らせていただいた。こちらはプレイステーション3用に発売されていたバーチャスティックHGが設計のベースとなっており、そのアストロシティミニバージョンとも言える。
1レバー6ボタンに、天板上部にはクレジットボタンとスタートボタンを備えている。こちらは「もしかしたらメガドライブミニでも使えたりしないかな?」などと期待したのだが、残念ながら対応機種はアストロシティミニのみとなるそうだ。
レバー、ボタンともに三和電子製の業務用パーツを採用しており、操作フィーリングのほうは不満のない感触。バーチャスティックHGと同様に金属筐体なので剛性感がしっかりと高く、重量感もあるので安定して操作できる。なお、バーチャスティックHGと異なる点として天板はアクリルパネルになっているが、これはおそらくアストロシティのコンパネ風なデザインを保護するためだろう。キレイな状態で長く使っていける嬉しいポイントだ。
なお、ボタンの配置や機能では、特定のタイトルには、標準では機能が割り振られていないボタンに連射機能があてられていたりと、快適にプレイできるように配慮がされていた。
アストロシティミニ本体でのゲームプレイももちろん試してみた。
メニュー画面にズラリと並ぶタイトルのなかから、まずは『バーチャファイター』を選択、起動後にほどなくしてアーケード版のアドバタイズが流れていった。
この筐体サイズのトイで『バーチャファイター』が動いているその光景に「……これはいいものですね」と、思わず声が出る。“アストロシティに映っていたアーケードタイトルという光景を再現してくれるトイ”という魅力であり、その点においてとてもよくできていると感じる。この嬉しさが本製品の最大の魅力かもしれない。
そのまま『バーチャファイター』をプレイしてみると、さすがにこのミニサイズのレバーやボタンなのでレバーはつまみ持ち、指も親指を置くのは窮屈で独特にはなるが、それでも予想以上にしっかりプレイができた。業務用パーツのレバーの感触を“カチカチ”とすると、このアストロシティミニのレバーは“チキチキ”という感触だ。独特な感触ではあるが、しっかりマイクロスイッチが方向入力している手応えがあるのは、やはり嬉しい。
内臓スピーカーからの音も想像していたよりもしっかりとしている。さすがにこのミニサイズ筐体に納まっているスピーカーなのでそれ相応というところはあるが、しっかりステレオ出力しているし、音質のほうも細かな音まで聞こえるというわけではないが、各サウンドの特徴的な音が目立って耳に入ってくる聞こえかたをしていて、それがゲーセンっぽさを思わせる。
ちなみに、背面にしっかりとステレオ出力があるので、ヘッドフォンや外部スピーカーなどでリッチな再生環境でサウンドを楽しむこともできる。
HDMIでテレビに出力し、さらにアストロシティミニ アーケードスティックも繋げてのプレイも試したが、こちらは言うまでもなく快適で充実したプレイが楽しめる。
本体のみでのプレイは小さな筐体でプレイできることを楽しむトイ感覚がある一方で、テレビに出力してのプレイは、それこそテレビのサイズなど環境次第ではアストロシティはおろか当時のメガロ筐体以上の迫力も味わえるわけで、まったく異なる楽しみとなる。
『バーチャファイター』のように最近の機種には移植されていなかったり、『ゴールデンアックス デスアダーの復讐』のように、これまで家庭用に移植されていないタイトルが、いまどきの大きなテレビ画面にくっきりと映っている光景にはノスタルジーとともに、ゲームプレイ環境の進化を感じることができるだろう。
『ゲイングランド』などの縦画面表示のゲームも試してみたが、モニターがワイド比率で、その真ん中に縦画面を表示する方式となっているので、左右の黒帯が大きくてゲーム画面そのものはだいぶ小さくなってしまうのは辛いところ。より快適に楽しむのならテレビ出力してのプレイがよさそうだ。
収録されているゲームのなかには、『スペースハリアー』や『ラッドモビール』のように、従来コンパネのレバーではない体感筐体ものがあって、レバー操作によるデジタル入力でプレイすることになる。
どんなプレイ感になってくるか気になっていたのだが、実際にプレイしてみるとこれはこれでおもしろみがあると感じた。ミニ筐体のなかでぐりぐり動くスペハリやラッドモビールを、小さなレバーをつまみ持ちして必死にプレイするのはアーケードとも家庭用機とも異なる独特の感触で、“これはこれでそういう趣向のトイとして楽しい”という気持ちが湧いてくる。本格的なアーケード再現というわけではないが、「これでもこんなに楽しめちゃう」という、まさにトイ感覚で楽しむものと受け止めるのがいいのでは。
アストロシティミニ本体でひとりで遊ぶだけでなく、さまざまな組み合わせでふたりで遊ぶこともできる。本体でひとりコントロールパッドかアーケードスティックでもうひとりがプレイするというのもありだし、ふたりともコントロールパッドかアーケードスティックでプレイという組み合わせも可能だ。アーケードスティックを2台用意し画面をテレビ出力してプレイすると、当時のアーケード環境越えなリッチなゲームプレイが楽しめる。
というわけで短時間ながらアストロシティミニを試遊させていただいたのだが、基本的な筐体再現がしっかりできているし、レバーやボタンの感触、そしてサウンドと、このミニサイズでできる限りの工夫がされていて、実機に触ったときの満足度を高めてくれている。
そういう意味では、“このサイズでこれだけ楽しめるという独特さ”がおもしろいという、そういうトイとしての魅力が強い製品でもあり、そのあたりにセガトイズらしさを感じる。もちろんアーケードスティックを別途購入すれば、より充実したプレイも楽しめるので、追加でアーケードスティックの発売が決定したことはやはりありがたいところだ。限定カラーバージョンも発表されたので、どのような組み合わせで楽しむか、ぜひ検討していただきたい。
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