『アイアンマン』から連なる一連の映画シリーズ、マーベル・シネマティック・ユニバース(以下、MCU)で、日本における認知度もかなり高まったマーベルのヒーローたち。そんなヒーローが織りなす群像劇と、爽快なアクションが楽しめる『Marvel's Avengers (アベンジャーズ)』がスクウェア・エニックスより、ついに発売。同作をひたすら待ち望んでいた担当ライターが、その想いを語る。
徹底してファン向けに作られた、新たなマーベル世界がここにある!
『Marvel's Avengers (アベンジャーズ)』は、完全新規のオリジナルストーリーで描かれるアクションアドベンチャーゲーム。シングルプレイのヒーロー・ミッションとオンラインマルチのウォーゾーン・ミッションが用意されている。本作の冒頭では、アベンジャーズのイベント“A-Day”の最中、突如、マーベルのヴィランでおなじみの“タスクマスター”率いる部隊が出現。アベンジャーズは敵を返り討ちにするも、空母ヘリキャリアとサンフランシスコのほぼ全域が破壊され、さらにはキャプテン・アメリカが行方不明に……。
A-Day後、ふつうの人がスーパーパワーを持つ“インヒューマン”に変わってしまう病が蔓延。彼らは国中で惨事を起こし、世界は混乱。絶大な力を持つアベンジャーズも社会の脅威とされ、解散を余儀なくされる。
そして5年後。A-Dayの事件に関して重要な疑惑を発見したカマラ・カーン(ミズ・マーベル)は、アベンジャーズを“リアッセンブル”(再集結)させようと動き出す――。
以上が、本作のキャンペーンの触りの部分だ。主人公のミズ・マーベル(カマラ・カーン)は、ひとりのマーベルファン(というかオタクレベル)で、同じくマーベルファンの筆者からすると、「ソレ、わかるわー」と共感でき、親近感がわくキャラクターだ。日本ではなじみが薄い彼女だが、本作でその認知度が上がってほしい。そんなキュートなキャラクターだ。
ストーリーの内容に関する言及は避けるが、要所を押さえ、ちょっとしたサプライズも用意しつつ、ヒーローものとしては“THE王道”な物語が展開していく。いい意味で、ポップコーンムービー的な楽しさを得られる作品になっている。
ちなみに、このキャンペーンで楽しめる物語は、ガッツリ遊ぶと2日くらいでクリアーできると思う。ただし、それで完結……というわけではなさそう。「この続き、あるよね?」という終わりかたになっているし、その続きは今後、無料配信されるコンテンツで描かれるのかもしれない。
戦いのスタイルが異なるヒーローたちを操作するだけで爽快
アクションに関しては、「ヒーローなんだから、ザコは瞬殺したい!」みたいな意見もあるようだが、筆者としてはいわゆる“無双系”よりも、モノによっては敵に硬さを感じる本作のほうが好み。個人的には、敵が硬いからといって爽快感が損なわれているようには感じない。ちょっと遠距離攻撃が強い気はするけれど。
本作はヒーローを強くすることも魅力のひとつであるため、多少の歯応えがあるぶん、ヒーローの育成する楽しみや、手に入れたギア(装備品)の善し悪しで一喜一憂できる楽しみがある。
操作できるヒーローは複数用意され、筆者が感じた簡単な特徴は以下の通り。
- アイアンマン、ソー⇒空中にいる敵に強い、空を飛べる
- ハルク⇒地上での肉弾戦に優れる
- キャプテン・アメリカ⇒防御に長けている
- ブラック・ウィドウとミズ・マーベル⇒バランス型
以上のような特徴の違いはあるものの、各ヒーローの操作感は基本的には共通なので、いずれかのキャラクターで慣れてしまえば、どのヒーローでもそれなりに戦える設計になっているのはうれしい。しかも雑魚敵にはボタン連打な操作で爽快に倒していける。ただ、中にはヒーローに応じた的確な操作を要求される強敵も存在するので、「ここを狙えばいい!」だとか、「こうすれば攻撃を受けない!」的な攻略法を見つけていくアクションゲームらしい楽しさもある。
どのヒーローにも思い入れがある筆者なので、まんべんなく遊んでみたのだが、どのヒーローも同じくらい強い。また、プレイ中は「このヒーローがいないとツラい!」といった状況もほとんどなかったように思えるので、全体としてのバランスもとれているように感じる。
キャンペーンはもちろん、本作はアベンジャーズというチームが題材であるため、最大4人で協力プレイができることも大きなウリのひとつ。ただ、必ずしも4人が揃う必要はなく、仲間をAI操作のキャラクターにして、ひとりでチームプレイを楽しむこともできる。ソロプレイでも十分な楽しさがあることは保証します!
ストーリーをクリアーした後に待っているのは、より強力な敵と戦えるミッション群だ。そしてその強敵たちと渡り合うために必要になっていくるのが強力なギアなどの収集要素。
ギアは性能がランダムなため、高い性能のものにこだわり始めると、どっぷりハマってしまうことがほぼ確定する。筆者はこの手の収集には目がないタイプなので、「仕事の合間に1ミッションだけ!」という感じでプレイしてしまい……仕事がぜんぜんはかどらない! 加えて「もうちょっと遊んでみない?」と声を掛けるかのようなデイリーミッションやウィークリーミッションなども用意されており、ついつい本作を起動してしまうのだ。いわゆる時間泥棒というヤツで、まんまとハマった人は当面本作を遊び込むことになるだろう。覚悟を持って挑んでほしい。
本作は今後もアップデータが予定されており、ヒーローも追加されていく。MCUやコミックなどでガッツリこの世界にハマった皆さんに向けて言いたいのは、マーベルのキャラクターや世界が好きならマジで楽しめるタイトルだということだ。多少荒削りな部分があるのも否めないが、それを凌駕する魅力に溢れているので、ぜひ一度その手で触れてみてほしい。MCUの映画を観ているのに、本作で遊んでいないなんて、本当に本当にもったいないと思うので!
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