ハンガリーのインディースタジオThe Wild Gentlemenによるアドベンチャーゲーム『Chicken Police』のPC版デモが、Steamで日本語対応で配信中だ。
獣人世界のハードボイルド刑事物語
本作は、獣人だらけの世界を舞台にしたハードボイルドテイストのアドベンチャーゲーム。かつて腕利きのニワトリ刑事コンビ“チキンポリス”として知られた“サニー”は、今や警察を半引退して有給を消化する日々。しかし彼のもとにとある脅迫事件の調査の話が持ち込まれたことで、疎遠になっていた元相棒の“マーティ”と再び組み、その背後に潜む闇(ノワール)へと迫っていくことになる。
まずは関係者への聞き込みを進めていくチキンポリスだが、その脅迫の対象となったというナイトクラブの歌姫ナターシャは、マフィアのイブンに囲われた危険な香りのする女だった……というのが大まかなあらすじ。デモでは最序盤にあたるであろうナターシャとの出会いまでが描かれる。
モノクロ×実写&合成で獣人がヌルヌル動く
さて本作、フルボイスで展開される渋いハードボイルドな物語も素晴らしいのだが、とにかくビジュアルインパクトが半端ない。1940年代のノワール映画に影響されたモノクロの画面で、(モーション自体は2Dでパーツを動かしているだけだが)役者が演じた実写のボディに獣の頭部が合成されたキャラクターたちがヌルヌル動いて喋りまくる。
なのでキャラに妙な生々しさがあって、男を危険に引きずり込む危険な“運命の女”(ファム・ファタール)として登場するナターシャの危険な魅力にサニーがズブズブと溺れていってしまいそうなになるのもよくわかる(ノワールもので定番の流れ)。
ちなみに開発チームに聞いたところによると、本作はもともと短編シリーズの映像作品として企画が進められていたそうで、このアートスタイルはアドベンチャーゲームとして開発することが決まる以前からアイデアとして出ていたんだとか。
ゲームデザインはポイント・アンド・クリック型の伝統を踏襲
アドベンチャーゲームとしての設計は、いわゆるポイント・アンド・クリック型の、画面中にいる話したい相手や干渉したいものを選択していく方式。
ハードボイルドな会話劇を重視しているようで、今回のデモでは会話によって活路を開く様子や、刑事らしい取り調べシーンも見て取れる。ラストで流れる製品版予告では画面内をクリックして撃つ銃撃シーンの映像もあり、他にどんな要素があるのか気になるところだ。