2Kから2020年8月21日に『ゴルフPGAツアー 2K21』が発売予定だ(※)。
同作は、北米の男子プロゴルフツアーPGAツアーをモチーフに、実在のプロ選手12名が登場し、実際に存在する15のコースを忠実に再現するなど、最近あまり日本では見られなかったリアル志向の本格的なゴルフゲームとなっている。
※プレイステーション4、Xbox One(日本はデジタル版のみ)、Nintendo Switch(デジタル版)、PC版が2020年8月21日発売予定。Nintendo Switchパッケージ版は9月25日発売予定。
2Kというと、『NBA 2K』シリーズの評価が極めて高いが、この『ゴルフPGAツアー 2K21』も、ファンが“スポーツゲームだったらこんなフィーチャーがあったらうれしいな”という要素が、すべて盛り込まれたものとなっている。列記すると以下の通り。
- ストーリーモードにあたる“キャリアモード”
- 自キャラを自由自在にカスタマイズできる“MyPLAYER”
- 初心者に極めてやさしいチュートリアル機能
- 友だちと多彩なルールで楽しめる“マルチプレイ機能”
- 自分だけのコースを作れる“コースデザイナー機能”(コースデザイナー機能はNintendo Switch版では使用できない)
- 自分のクラフハウスを運営し、コミュニティー内でイベントなども設定できる“オンラインソサエティ”
とまあ、スキのない充実ぶり。本作の開発を手掛けるのは、カナダにスタジオを構えるHB Studios。2000年に設立された同スタジオは、ものの資料によるとこれまでに50タイトル以上(!)のスポーツゲームを開発。ゴルフゲームの開発歴も豊富で、2014年からは自社フランチャイズとして『The Golf Club』を展開。2017年の『The Golf Club 2』を経て、2018年に2Kを発売元にしての『The Golf Club 2019 featuring PGA Tour 2』をリリース。『ゴルフPGAツアー 2K21』は、その後継作となるようだ。満を持して“2K”ブランドを冠するあたり、相当気合の入ったタイトルと言えるだろう。
ここでは、HB Studiosのクリエイティブディレクター、ジョシュ・モイーズ氏とシニア・プロデューサー、ジョーン・ウェスト氏のプレゼンをもとに、同作の魅力に迫っていこう。
ゴルフをとことん楽しめる“キャリアモード”
まずは、本作のメインとなる“キャリアモード”からご紹介しよう。“キャリアモード”では、プレイヤーはPGAツアーに参加し、腕を磨いて“フェデックスカップ”のチャンピオンを目指すことになる。勝利した報酬などで用具を獲得していくことになる。用意されているイベントは30で、実在する15のコースが登場するようだ。
ファンにとってうれしいのは、人気のトッププロ12人が実名で登場すること。“キャリアモード”では、この人気選手たちを倒しながら、トップを目指すことになる。最後に倒すべきなのが(いわゆるラスボス的存在?)、本作のカバーアスリートにもなっている、ジャスティン・トーマス。先日世界ランキングの1位に返り咲いた名実ともにゴルフのトップ選手だ。
ちなみに、本作に登場するトッププロ12名は以下の通り(敬称略)。
- ジャスティン・トーマス
- キャメロン・チャンプ
- ビリー・ホーシェル
- セルヒオ・ガルシア
- トニー・フィナウ
- ジム・フューリック
- ゲーリー・ウッドランド
- パトリック・カントレー
- ケビン・キスナー
- マット・クーチャー
- ブライソン・デジャンボー
- イアン・ポールター
そして、実在する15のコースは以下となる。なお、オリジナルとなるようだが、数100のコースが登場するとのことだ。
- アトランティックビーチ カントリークラブ
- カッパーヘッド コース
- イーストレイク ゴルフクラブ
- クエイルホロー クラブ
- リビエラ カントリークラブ
- TPC ボストン
- TPC ディアラン
- TPC ルイジアナ
- TPC リバーハイランズ
- TPC サンアントニオ
- TPC ソーグラス
- TPC スコッツデール
- TPC サウスウインド
- TPC サマリン
- TPC ツインシティーズ
まずふたりから説明されたのは、ゲーム中における自分の分身を作成できる“MyPLAYER”。こちらは2Kのゲームではおなじみとなるが、性別はもちろん、身長や体重、身体の特徴などが自由にカスタマイズ可能になる。もちろん、衣装やアクセサリーなども自由に選択可能だ。ちなみに、「チョイスするのが苦手」という方には、20種類のプリセットが用意されているようだ。“MyPLAYER”で作成した自身の分身(アバター)は、“キャリアモード”はもちろんのこと、オンラインモードでも使用できる。
キモのひとつとなるようなのが、使用するゴルフ用具。プレゼンでは、「クラブのバッグを選択する」という表現が使われていたが、本作ではゴルフクラブはプレイヤーが選択することになる。また、プレゼンでは、具体的には語られていなかったが、クラブによって性能差もあるようだ。
なお、これは現実に近い感覚なのだが、本作ではスポンサーのクラブを使用するためにはライセンス契約を結ぶ必要があり、1シーズンに選べるのは1スポンサーとのこと。つまり、1年で選べるのは一社のゴルフ用具のみということになる。どのスポンサーにするか、悩みそうだ。
“キャリアモード”でまずトライすることになりそうなのが、“コーンフェリー・ツアー”。こちら、実際に存在する下部ツアーとなり、プレイヤーはまずは、“コーンフェリー・ツアー”の“Q-School”に参加して、ツアーへの参加権を獲得することにある。いわば、チュートリアル的な位置づけにあたるのが“Q-School”のようだが、わけてもアシスト機能がとにかく充実しているのだ。ボールの軌道を画面上に表示してくれる“Pro Vision”を筆頭に、コースの高低や風の状況などを判断してのショットの提案やトレーニングシステムなど多岐にわたる。各スイングの結果を分析して、ミスショットの原因などを判断する“Shot Feedback UI”もある。自分にとって改善すべき点を把握できるというわけだ。
ちなみに本作の難易度設定は“ビギナー”から“レジェンダリー”まで6つ用意されている(カスタムで難易度を設定することも可能)。難易度が高くなればなるほど、経験値として得られるボーナスアワードも多くなるとのことだ。
充実したアシスト機能の一方で、上級者向けの機能も搭載されている。各クラブやショットタイプに応じて、距離をセットできる“パーシャルスイング”やボールのコントロールの深みが増す、“ダイナミック・ショットシェーピング”などだ。充実したアシスト機能といい、上級者向けのフィーチャーといい、『ゴルフPGAツアー 2K21』には「初心者から上級者まで幅広く楽しめる」という配慮がひしひしと感じられる。
オンラインではカジュアルな楽しみかたもできる
“ゴルフは社交的なスポーツ”と位置づける『ゴルフPGAツアー 2K21』では、そんなゴルフの魅力を遺憾なく味わってもらうために、さまざまなモードを盛り込んでいる。ひとつは自分の理想とするゴルフコースを作成できること。本作では、1000を超えるカスタマイズオプションを使ってコースを作成し、オンラインコミュニティーで共有することもできる。15の実在のコースをアレンジするといったことも可能なようだ。ちなみに、のちの質疑応答で明らかにされたのだが、本作はクロスプレイには対応していないものの、コースに関しては、どのプラットフォームのユーザーがアップロードしたものでも、全プラットフォームで使用可能になるとのことだ。
また、本作はオンラインプレイに対応しているのは冒頭で紹介した通りだが、18ホールで競うということのほかに、“オルタネートショット”や“ストロークプレー”、“スキンズ”、“スクランブル”など、さまざまなルールでオンラインプレイを楽しむことが可能。たとえば、“スクランブル”は協力となるようで、カジュアルな遊びかたができるようだ。オンラインプレイにおいても、シビアに競うものからカジュアルにプレイするものまで幅広く楽しめるとのことだ。
さて、極めて興味深かったのが、オンラインで自分のクラブハウスを運営できること。“オンラインソサエティ”と呼ばれるこのモードでは、プレイヤーはフルシーズンのトーナメントを主催して、プレイヤーどうしに競いあってもらうことができるという。プレイヤーはルールや参加条件、ハンディ、イベントの状況などを設定可能ということで、なんともスケールの大きそうな仕組みだ。「競争しながらも、リラックスしてプレイを楽しめる場所」とのことで、ユーザーどうしがお互いにクラブハウスを行き来しながら交流することを想定しているようだ。
ソサエティは誰でも作ることができ、作成後の設定はプレイヤーが自由に変更できる。さらに、誰かに手伝ってもらいたい場合は、自分の信用できる人をソサエティの“管理人”に指定できるという。また、「自分でソサエティを設定するのは荷が重い……」と思ったプレイヤーは、『ゴルフPGAツアー 2K21』のオフィシャルソサエティに参加することも可能なのだとか。
どのような活況ぶりになるのか想像がつかないが、機能したら楽しそうなコミュニティーになりそう。
というわけで、“ゴルフの魅力を伝える”ということに対して真摯に取り組んでいる『ゴルフPGAツアー 2K21』。最後に、クリエイティブディレクターであるジョシュ・モイーズ氏の、本作に対するセールスポイントをお届けさせていただく。
「本作は、初心者から上級者まであらゆるレベルの方が楽しめるゴルフゲームとなっています。そんな方たちがスキルを磨いてさらにレベルアップして、成長できる楽しさを味わえるようにということが、本作で注力したポイントのひとつなります。ゴルフのリアルさと、ステップアップする楽しさは、日本のゲームファンの皆さんにも、満足していただけるのではないかと期待しています」