2020年6月27日と28日の2日間に渡り、ネット上で開催されているインディーゲームの祭典“BitSummit Gaiden”。YouTubeとTwitchではライブストリーミング配信が行われ、1日目にはソニー・インタラクティブエンタテインメントのインディーゲームデベロッパーのサポート事業 イニシアチブのヘッドを務める吉田修平氏が、最大60人で遊べるオンラインパーティゲーム『Fall Guys: Ultimate Knockout』(プレイステーション4、Steam)を紹介するコーナーが放送された。

 このコーナーには、本作を開発するイギリスの開発スタジオ、メディアトニックのジェフ・タントン氏(クリエイティブディレクター)、ジョー・ワルシュ氏(リードデザイナー)も登場。吉田氏とともに『Fall Guys』の魅力をたっぷり紹介した。

 本記事では、このライブストリーミング配信の模様をお伝えしていく。

誰でも楽しめて誰でも勝つ可能性のあるバトロワ系ゲームに!

 まずは吉田氏からゲームの概要について質問がされると、ジョー氏は「本作はハチャメチャでクレイジーな最大60人でのオンラインプレイのバトロワ形式のゲーム。ラウンドをごとに5~6人が脱落するミニゲームで競い合い、最後のひとりになるまで戦う」と説明。ゲームローンチ時には25種類以上のミニゲームが収録され、プレイするごとにそのなかからランダムに選ばれる形になると話していた。

『風雲!たけし城』にインスパイアを受けた最大60人で遊べるウワサのバラエティゲーム『Fall Guys』の開発者とSIE吉田修平氏が語る!【BitSummit Gaiden】_01
左から吉田氏、ジェフ氏、ジョー氏。

 「本作のアイデアはどのように生まれたか」という質問にはジェフ氏が回答。近年人気コンテンツとなっているバトロワ系のゲーム市場は飽和状態ということもあり、「バトロワ系の企画は出さないで」と会社から言われていたというジェフ氏。そんな中、ジョー氏から渡された本作の企画書をみて、独創性に惹かれて開発に至ったことを話した。また、企画のアイデアはバラエティ番組や障害物レースから来ていて、ジェフ氏は子どものころにイギリスで放送されていた『風雲!たけし城』に影響を受けていたというエピソードも飛び出した。

 つぎに、本作に収録されているミニゲームの紹介へ。ここでは、壊れる壁か壊れない壁か分からない複数のゲートを進んでゴールを目指す、『風雲!たけし城』で言うところの“自由への壁”のようなミニゲーム“ドアダッシュ”や、参加者が2チームに分かれフィールドにあるふたつのボールを相手ゴールへと入れる“フォールボール”などが紹介された。

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ミニゲーム“ドアダッシュ”。
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ミニゲーム“フォールボール”。ボールはサッカーボールのほかラグビーボールなどもあるようだ。
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プレイヤーたちがしっぽを奪い合い、最後に持っていたプレイヤーが勝利する“テールタグ”も紹介された。

 ミニゲームのアイデアはバラエティ番組のほか、子どものころにやっていた遊びなどからもインスピレーションを受けていることを話し、ジョー氏は「『Fall Guys』のミニゲームは直観的にルールが分かりやすいものを採用しているというのもひとつのポイントになっている」と説明。そのため、どのゲームも誰でも楽しめて、誰にでも勝つ可能性があるものになっているのだそうだ。

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下から迫るスライムに触れないように高低差のあるコースの頂上を目指して登っていくレース形式のミニゲーム“スライムクライム”。このゲームについてジョー氏は「本作の中でいちばん難易度の高いミニゲームかも。とてもタフだけど、クラシックなミニゲーム」と話していた。

 続いて、キャラクターのデザインについて「どうしてこういうデザインになったのか」と吉田氏が質問すると、ジェフ氏は昔見ていたバラエティ番組では参加者が転んだりする場面がおもしろかったという思い出があり、本作のキャラクターもあえて重心が高く、転んで笑えるようなデザインにしてしている、という開発秘話も明かされた。

『風雲!たけし城』にインスパイアを受けた最大60人で遊べるウワサのバラエティゲーム『Fall Guys』の開発者とSIE吉田修平氏が語る!【BitSummit Gaiden】_09

 また、キャラクターのカスタマイズにもこだわりがあり、本作には数多くのユニークなコスチュームが用意されているそう。コスチュームは上半身と下半身を分けて設定可能で、色や模様なども細かく変更できるとのこと。コスチュームやキャラクターはゲームでよい結果を残すと手に入るポイントでアンロック可能で、発売後もコスチュームや新ステージをシーズンごとに配信していくような形になるそうだ。

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キャラクターカスタマイズの様子。

 開発を行うメディアトニックについて、所属しているふたりが話す場面もあり、ジェフ氏が入社した当初は15人ほどの小さな会社で、テレビ番組の企画を担当したり、フラッシュゲームを制作していた会社だったのだそう。現在では社員数も増え、本作のミニゲームは役職関係なく、社員全員がアイデアを出し合って制作していったという開発秘話も明かされた。また、ミニゲームのテストプレイの際には60人ものプレイヤーが必要ということで、大人数の社員で本作を遊んで盛り上がるほど、とても雰囲気の良い開発環境となっているようだ。

 本作の発売時期について、ジェフ氏は「発売は今年の夏、詳細ももうすぐ発表できる」とコメント。最後にユーザーへのメッセージとして「カラフルでユニークな体験をマルチプレイでできるので、プレイステーション4の『Fall Guys』にご期待を!」(ジョー氏)、「もしバトロワが苦手で自分に合わないと思う人がいたら、もしかしたら君にピッタリのバトロワかもしれないから、ぜひこの夏遊んでみてね」(ジェフ氏)とコメントを送り、コーナーを締めくくった。