ネタバレなし! 安心してご覧あれ

 世界中のゲームファンが震撼した、『The Last of Us』の誕生から約7年――。多くの人々が待ち望んだ続編の『The Last of Us Part II』(プレイステーション4)が、2020年6月19日に発売を迎える。前作の過酷な旅から5年後の世界を舞台に、19歳に成長したエリーを軸に新たな物語が展開される本作。とある出来事から復讐を誓ったエリーは、比較的安全なジャクソンでの暮らしに別れを告げて、再び危険な旅に出る。

 本作の発売に先駆けて、記事担当ライター・ジャイアント黒田によるプレイレビューをお届け。今回プレイできたのは、エリーがノラと呼ばれる女性を探して、“ワシントン解放戦線(WLF)”の病院を目指す、“シアトル 2日目”の“セラファイト”のチャプターだ。ストーリーのネタバレは一切掲載していないので、安心して読み進めてほしい。

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“セラファイト”の目的地であるシアトルの病院。ここにノラがいるらしい……。

 また、記事の最後に、2019年5月29日、ディレクター兼ライターのニール・ドラックマン氏に行ったインタビューから、今回のプレビュー内容に関連する部分を抜粋して掲載している。インタビューの全文は、後日週刊ファミ通誌上などで掲載する予定なのでお楽しみに。

美しさに磨きのかかったビジュアルが物語を盛り上げる

 前作をプレイしたときには、まずビジュアルの圧倒的な美しさに驚いたものだ。PS3でここまでの表現ができるのか、と。イベントシーンで見られる登場人物たちは、本物の人間と見間違うほどリアルで表情が豊か。吹き替えを担当した山寺宏一さんや潘めぐみさんたちの巧みな演技も相まって、すぐにジョエルとエリーの虜になった。

 その続編として、最初からPS4で開発が進められた『Part II』。ビジュアルは、想像を超えるほど、ますます美麗になっていた。とくにキャラクターの表現はすさまじく、眉や口もとの動きなど、表情のわずかな変化からも感情が読み取れるほどだ。一瞬の表情の変化を逃すまいと、イベントシーンからは目が離せなかった。

 なかでもエリーの表情には目を奪われることが多かった。旅の目的が復讐であるだけに、彼女の表情からは怒りや悲しみ、焦りといった強い負の感情が見られることが多い。エリーは大好きなキャラクターだけに、正直、見ていてつらくなることもあったほどだ。

病院内を探索し、やっとの思いでノラを見つけたエリー。彼女がノラを探していた理由とは?

 キャラクターの表現力の向上は、カットシーンだけではなく、戦闘中などでもはっきりと感じられた。とくに印象に残っているのが、ステルスアクションなどでエリーが敵にとどめを刺すときの鬼気迫る表情だ。美しく成長したエリーがここまで怖い顔になるのかと、始めて見たときはゾッとした。興味のある方は、ステルスアクションを成功させたときに、カメラのアングルを変えて確認してほしい。

広くなったフィールドで攻略法を探すのがとにかく楽しい

 物語の奥深さもさることながら、探索や戦闘の楽しさも、『The Last of Us』の魅力だ。『Part II』でも、エリーの前には謎の寄生菌によってバケモノへと変貌した“感染者”や、異なる勢力に所属する武装した人間が立ちはだかる。彼らのような脅威を、さまざまな手段で攻略していくのも本作の醍醐味だ。

 荒廃した世界では、手に入る資源や弾薬には限りがあるので、すべての敵を相手にしているとあっという間に底をついてしまう。そのため、ステルスアクションで弾薬を使わずに敵を倒す、敵を無視して先を目指すといった戦略が重要になる。本作でもそれは変わらないのだが、戦闘を行うフィールドが広くなったことで、敵と戦うときの選択肢が増えたと感じた。

 追加された武器やアクションも、戦闘中の選択肢を増やすのにひと役買っている。とくにお世話になったのが、セミオートピストルに取り付けられるサイレンサーと、伏せるや回避、ジャンプなどの新アクションだ。

 前作では、周囲の敵に気づかれることなく狙った獲物を仕留めたいときに、射撃音のない弓が大活躍していたが、本作ではサイレンサーを作って取り付けることで、セミオートピストルで弓の代用が可能になった。矢がないとき(ちなみに、矢も素材から作れるようになった)や、人質を取りながら、音を立てずに近くの仲間を倒したいときに重宝した。

 また、アクションに伏せる(ほふく)が実装されたことで、背の高い草むらや車の下などが絶好の隠れ家に変化。隠れて敵をやり過ごすのはもちろん、伏せた状態で銃を撃つこともできるので、敵と戦いやすくなっている。とはいえ、伏せるも万能ではなく、敵に近づかれると発見される可能性がある。敵に見つかったときに役立ったのが回避やジャンプのアクションだ。

伏せた状態で移動もできる(いわゆるほふく前進)。敵の警戒をかいくぐって草むらの中を進むときや、狭いダクトに潜入するときも伏せるの出番。

回避は、敵の攻撃に合わせてタイミングよくボタンを押すと発動できる。ダメージを受けることなく反撃をくり出せるので、前作よりも接近戦が行いやすくなったと感じた。何よりも、敵の攻撃を回避してカウンターを決めるのはじつに気持ちがいい。

 もうひとつのジャンプは、安全な場所まで逃げるときなどに大活躍。本作では、高台から近くの建物というように、離れた場所もジャンプで移動できるので、前作よりも敵から逃げやすくなっている。探索時に、ジャンプで移動できそうな場所を探すのも一興だった。

回避を狙うときは、敵の動きをよく観察するのが大事。連続攻撃を仕掛けてくることもあるので、一度避けても油断はできない。

 エリーのアクションが強化されたのに対して、敵のAIも賢くなっていると感じた。とくにやっかいだったのが、新たに追加された犬だ。WLFが訓練している犬は、エリーの匂いをたどって執拗に追跡してくる。そのため、犬がいるときは同じ場所に留まって敵をやり過ごすのが困難になった。とにかく動き回るか、空き瓶やレンガを使って注意をそらさないと、やがて犬に発見されて窮地に陥ってしまう。犬をどのように対処するのか。プレイヤーの判断に委ねられるが、ほかの敵と同じく、倒さずに先に進むこともできるので、犬好きの方もご安心を。

敵に攻撃されると、エリーが倒れた状態になることも。不利な状況ではあるが、銃などの武器は使えるので、冷静な対応が求められる。

 本作には、チェックポイントからやり直す機能が搭載されており、簡単にやり直せるのもうれしい。いろいろなルートで試行錯誤をくり返しながら、自分なりにベストなルートを考える作業が効率的に行える。

 フィールドを隅々まで調べたくなってしまうのは、攻略的な理由のほかに、観光的な理由もある。ノーティードッグ製の最新エンジンで生み出されたフィールドは、細部まで緻密にデザインされていて、架空の世界とは思えないほどよくできている。残された家具などから、かつてそこで暮らしていた人たちの生活が想像できるうえ、遺品などの収集物も用意されており、探索するのがとにかく楽しい。廃墟好きな方は、とくにハマるはずだ。

前作と同じく、各フィールドの目的地にいたるまでのルートは複数用意されている。どのルートで攻略するかは、プレイヤー次第。

 今回プレイした範囲では、ビジュルや戦闘システムなど、前作と比べてさまざまな要素がパワーアップしたと感じられたが、ストーリーに関してはわからないことだらけ。エリーはなぜノラを追っていたのか。復讐の先に、エリーの新たな旅はどのような結末を迎えるのか。ゲーム全体のプレイレビューは追って掲載する予定だ。

ニール氏から本作の発売を楽しみにしているユーザーへのメッセージ

 ではここからは、開発者ニール・ドラックマン氏へのミニインタビューの内容をご紹介しよう。

Neil Druckmann(ニール・ドラックマン)

『The Last of Us Part II』のライター兼ディレクター。

――本作のどんなところに注目してプレイしてもらいたいですか?

Druckmann新たに実装した“伏せる(ほふく)”という動作は、ユニークなアニメーションをつけていますし、敵のAIもよりよいものになっていますが、どれかひとつの要素というよりは、ハイレベルな要素が結集したときにできる、質の高いインタラクティブな物語の体験を味わってもらいたいですね。それがノーティードッグの手掛けるゲームのよさだと思います。

――エリーを追跡する犬が追加されて戦闘の緊張感が増しています。犬を新たに実装した経緯を教えてください。

Druckmann本作には、感染者といった現実に存在しない敵が登場しますが、全体としては、できるだけリアルな実感を与える作品にしたかった。新しい敵を導入するにあたってアイデアを出していく中で、『The Last of Us』の世界なら、訓練した犬を見張りや敵の追跡に利用しているんじゃないかという意見が出て、おもしろいと思ったんです。

 AIが管理する感覚という意味でも、前作から視覚と聴覚を使って察知する敵がいたので、犬の嗅覚を新たに加えることで、ゲームプレイにいいものをもたらすと考えました。それに、犬を実装することによって、敵に人間味を持たせられたのも利点でした。犬は飼い主と行動しているのですが、犬を倒すと、飼い主がショックを受けて動揺する姿が見られます。

――犬好きのプレイヤーも動揺しそうですね。

Druckmann僕も犬が好きなので気持ちはわかります。犬は倒さなくてもいいので、いろいろなやりかたを試してみてください。

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