2019年9月25日、2020年2月21日に発売されるPS4用ソフト『The Last of Us PartII』メディア体験会がアメリカ・ロサンゼルスにて開催された。このメディア体験会では、本作のライター兼ディレクターを務めるニール・ドラックマン氏からの簡単なプレゼンが行われたあと、本作のデモプレイが体験できた。本記事ではデモプレイのリポートを掲載。

[2019年10月19日 01:35 ゲームプレイ動画を追加しました]

 ニール・ドラックマン氏へのインタビューは下記の記事をチェック!

『The Last of Us PartII』とは
 『アンチャーテッド』シリーズなどで知られる開発会社・ノーティドッグが手掛ける『The Last of Us』の続編。前作では、謎の寄生菌が発生し、インフェクテッド(感染者)に侵された世界を舞台に、インフェクテッド、そして、生き残った人間たちとの対立、戦いを、主人公のジョエル、そして彼とともに行動する少女・エリーの旅を描いた。『The Last of Us PartII』は前作から5年後の世界が舞台になっている。

 ニール・ドラックマン氏のプレゼンでは、『The Last of Us』のテーマは“愛”だったのに対し、本作では“憎しみ”がテーマになっていることが語られる。エリーは、前作のラストから時がすぎ、トラウマを乗り越え、趣味、仕事、友だちに加え、愛する人もいて、一般的な“普通”の生活を送っている状態だという。だが、ある出来事が起こってエリーの生活が根底から覆されることに。これが『The Last of Us PartII』の物語につながっていくとのことだった。

 また、後述するデモプレイについての簡単な説明も行われた。今回プレイできたのは、“パトロール”と“郊外”というふたつのチャプター。プレゼンの要点をまとめると、下記のようになる。

  • “パトロール”:ストーリー序盤。ある出来事が起こる前で、エリーは“ジャクソン”という生き残った人々が協力して生活している場所で、パトロールの仕事をしている。パトロール中に発生する脅威が小さなものなら排除し、大規模なものなら戻る決まりになっているという。
  • “郊外”:ある出来事が起こった後のチャプター。ここでのエリーは、前作にも登場したトミー(ジョエルの弟)という人物のもとへ行くためにシアトルにいる。シアトルは、WLF(ワシントン解放戦線:ワシントン・リバティ・フロント)という自分たち以外を受け付けないグループによって隔離されているらしい。
  • エリーは18歳となり、以前より動きが機敏に。ほふく前進もできるようになっており、草などの陰にも隠れられるが、完全に隠れられるわけではないので、敵が近くに来れば見つかってしまう。
  • 敵の攻撃に合わせてタイミングよくボタンを押すことで、攻撃を避けることもできる。
  • 大勢の敵に囲まれてどうしようもなくなったら、逃げてステルス体制を整えることが大事。
  • 工作:本作から登場する新たなアイテムがあり、武器やアビリティがアップグレードするオプションもたくさんある。エリーを自分のプレイスタイルに変えていけるので賢く選択してほしい。

 ほふく前進や避けるといった新しいアクションが追加され、使いどころが肝となりそうだ。そして、プレゼンが終わったら、いよいよプレイ開始!

リアルすぎる人間ドラマが楽しめる

パトロール

 最初にプレイした“パトロール”は、エリーがディーナ(E3 2018で公開されたトレーラーに登場した女性)とともに、馬に乗ってジャクソンの周囲をパトロールしているところからスタート。ディーナとの会話では、ジョエルもジャクソンにいること、エリーがギターを弾けること、トミーとユージーン(すでに亡くなっている様子)という人物と親しくしていることなどがうかがえた。

 今回のパトロールではインフェクテッドにも出会わず、ノートに「All Clear(異常なし)」と記載。ジャクソンへ帰ろうとした矢先、骨が見えてしまうほど残虐に殺されたヘラジカを発見する。「インフェクテッド1体でこんなになる……?」というエリーの反応から察すると、インフェクテッドは複数いるようだ。周囲のインフェクテッドを排除するため、あたりを捜索することに。

 エリーとディーナが直前まで和やかに会話していたところから一転して、ピシッと緊張感漂う空気に変わるこの雰囲気は『The Last of Us』から引き継がれているところだと感じた。

 近くにあったスーパーマーケットの中に入ると、さっそく2体のクリッカーを発見。クリッカーは、感染がかなり進んだ状態のインフェクテッド。クリッカーと呼ばれる所以でもあるクリック音を出すのが特徴だ。視力を失っている代わりに聴覚が異常に発達しているため、ちょっとでも音を出すのは厳禁。素手では倒せないうえ、噛みつかれた場合は即死、もしくはナイフがあれば防げるというナイフ必須の厄介な敵だ。しかし、最初に出会うのがクリッカーとは……。

 本作では、クリッカーに気づかれないように近づけば、ナイフを使って一撃で倒せるとのこと。あくまでも気づかれないように、だ。本作では、左スティックを倒す角度で移動速度が大きく変わるのだが、このコントロールが難しい。倒す角度が浅すぎると移動がゆっくりすぎてクリッカーに追いつけないし、深く倒しすぎると足音で気づかれてしまう。近づいているときのエリーの緊張感がプレイヤーにも伝わってくるようで、コントローラを持つ手もついつい緊張する……。

 とビビりながらも、なんとか無事に倒すことに成功。厄介だが、だからこそ倒せたときの達成感はとても大きい!

 その後、胞子が蔓延しているエリアに突入するため、ガスマスクを着用。寄生菌の免疫を持っているエリーは胞子を吸い込んでも平気なはずなのに、ディーナとともにガスマスクを着けていた。このあたりには何かワケがありそうだ。が、ここでは何も話さなかったので、とりあえず先へ進む。

 ちなみに、火炎瓶や医療キットなどのアイテムは、前作から引き続いて登場。個人的に驚いたのが、作業台で武器を強化するアクションがかなりリアルになったこと。作業台があれば、本作でもライフルやピストルの装弾数を増やしたり、マズルブレーキを装着してリコイル(撃ったときの反動など)を抑えるなどの強化ができる。

 前作では、強化する項目を選択すると、どの項目でも変わりなくジョエルがガサゴソと動いて強化が完了していた。だが、本作では、リコイルを抑えるなら実際に銃にマズルブレーキを装着、装弾数を増やすなら油を注して銃を磨くといった、それぞれ異なる動作を行うのだ。細かいところだが、強化している過程が見えて、よりゲームに没頭できるようになるのではないかと感じた。これはぜひプレイして確かめてほしい。

 話は戻って、胞子が蔓延したエリアの先へ進む。その先では大勢のインフェクテッドがうごめいていた。火炎瓶と、ディーナとの協力によって、何とかインフェクテッドを一掃。今度こそジャクソンへ帰ろうとしたが、外は猛吹雪の状態に。ディーナを一度見失ってしまうほど前も十分に見えないため、とりあえず吹雪が防げそうな建物の中へ避難することになった。

 一難去ってまた一難な展開も『The Last of Us』らしいところ。ひと筋縄では進ませてくれない。やはり、乗り越える壁は高ければ高いほど楽しい。

 避難した建物では誰かが生活していたようで、発電機を発見。稼動させると、床板のあいだから明かりが漏れており、地下室が存在していることが判明した。階段で降りると、そこはマリファナ(枯れているが)を大規模に栽培していた場所だった。ふたりの会話から察すると、どうやらトミーが栽培していたらしい。地下室の中にはアダルトなビデオテープも……。この世界には、まだそういう娯楽もあるようだ。

 地下室を一通り見て回った後、ふたりはソファに座って一息。そこで、ディーナからエリーへ「昨日のキスに10点満点で点数をつけるなら?」との質問が。「人も大勢いたし」という発言から推測すると、E3 2018で公開されたトレーラーのあのシーンのことを指しているのではないだろうか。

 初めて見たときの衝撃が忘れられないあのキスシーン。ディーナは「私は6点」とのこと。「6点!?」とエリーは納得のいかない様子だ。結局、その後もエリーからは点数を言わないまま、ディーナをソファへ押し倒すほどの濃厚なキスシーンを見せつけて“パトロール”は終了した。

 やはり、このふたりは親密な関係にあるようだ。……なんて書いているが、記者としては冷静に見ていられず、「ちょっとちょっと」と手で目を覆って指のあいだから見てしまうような気恥ずかしさに襲われた。ただ、ゲームだとわかっているのに、目線の動きかたや些細な動作がすごくリアルで、よくある言いかたになってしまうが、本当に実写映画を観ているようだった。すごい。

戦闘では、動き続けながらも考え続けることが重要

郊外

 さて、続いては“郊外”。“パトロール”でいっしょだったディーナはおらず、ここではエリーひとりで行動。ストーリーが進んだ状態ということで、工作できる種類や持ち物も増えていた。破裂玉という投げると敵を動揺させるアイテムや、銃につけるサイレンサーなど、前作には登場しなかったアイテムも工作できるように。

 さっそく遠くのほうで爆発が起き、「あれ、絶対トミーだよね」とエリー。トミーがいったい何をしているのか気になるところだが、まずは使えるものがないか探す。すると、“ワシントン解放戦線に参加せよ”というチラシを発見。これが“ワシントン・リバティ・フロント”(WLF)で、エリーの敵となる存在ということだ。

 あたりを物色しつつ、爆発のあった方面へ進んでいくと、さっそくWLFの兵士たちが登場。中には犬を連れている兵士も。このときは、のんきに「かわいい! けど、見つかったら厄介そうだから気を付けよう」くらいにしか思っていなかった……のだが、この犬、大変でした。

 進行ルートを考えながら、草に隠れていると兵士&犬が接近。そのとき、“犬はある程度近づくとエリーの匂いをキャッチし、痕跡をたどって追跡できる”という旨の説明が画面上に現れた。

 「え!? ちょっと待って!」と一気に焦る。自分の痕跡は前作と同じく聞き耳の能力で見ることができるのだが、もちろん自分のいる場所まで続いてしまっている。この聞き耳のあいだにも、犬はどんどん痕跡を追って接近してくる。しかも、近づいてくるのがけっこう早い。追跡を振り切るには、レンガや空き瓶を投げて注意をそらすか、とにかく動きまわるしかないという。

 この“郊外”のチャプターで一番苦労したのが、犬だった。この距離なら大丈夫だろうと思っていても、すぐに匂いをキャッチされて追跡される。ひとつの場所に留まり続けられないので、ゆっくり考えることもできない。そうこうするうちに見つかる、といったくり返しだ。ちなみに、犬を攻撃すると甲高い悲鳴を上げるのだが、これがかなりの罪悪感。

 ここで、ふと考えたのだが、立ち止まらず、どう切り抜けるかを考え続けるというのは、戦いの場においては当たり前のことだ。敵も単純には倒せない。“戦場で油断は禁物”と、わかっているけれどこんなにも実感できるゲームは、いままで出会ってきたゲームの中でも一番だ。

 犬に苦戦しながらも動き続け、何とかその場は切り抜けた。が、ある建物内で「くそ、シャンブラーだ」とエリーが発言。新たなインフェクテッドの登場だ。シャンブラーというのは“よろよろ歩く者”といったような意味合いらしく、外見は前作で登場したブローター(感染が一番進んだ状態のインフェクテッド。胞子の塊を投げて攻撃してくる、体も固くなかなか倒せない)に似ているが、確かにふらふら、よろよろと歩いていた。

 新たなインフェクテッドで、しかも2体いたため、かなり用心し、いつもはできるだけ節約する火炎瓶を投てき。2体まとめて倒せたらよかったのだがそう簡単にもいかず、1体がこちらに向かってくる。こちらもショットガンで応戦し、無事に討伐。一体には見つかってしまったが、もう一体は見つかる前に攻撃を仕掛け、スムーズに倒せた。ちなみに、今回は攻撃を受けずに倒せたのでわからないが、倒れたあとに胞子をまき散らしていたことから、ブローターのように胞子の塊を投げるといった攻撃をしてくるのかもしれない。

 シャンブラーを倒し、地上に出て進むと、またもやWLFに遭遇。できるだけ見つからないように進みたいのだが、まあ犬に見つかる見つかる。そして戦闘になり、負けて、コンティニューというのを10回程度くり返したところで、見かねたノーティドッグの方がアドバイスしてくれた。

 ちなみに、本作でも弓矢を使用でき、限界まで引き絞るとヘッドショットでなくても一撃で倒せるほどの攻撃力になる。ただ、移動しながらだと威力は落ちるらしい。また、ヘッドショットなら矢を回収できる場合があるほか、工作で矢を作成することも可能だった。矢を回収できなければ工作で作っていくということだ。

 筆者の場合、ステルスにはもってこいだと考え、矢で倒していこうとしたのだが、倒した兵士を別の兵士が見つけてより警戒されて見つかる、というパターンが多かったため、この手法は断念。

 さて、アドバイスによると、“郊外”は“パトロール”よりも難度が高いらしく、とにかく見つからないように、倒さないように進むのがベストだという。見つかってしまった場合でも、とりあえず逃げて目的地へ行ってしまうのがいい。ということで、今度はWLF兵士を無視して駆け抜けて、ダメージを追いながらも命からがらその場を脱出する。

 やっとつぎの場面だ……と思ったとたん、エリーが背後から口を覆われてしまう。「また敵か⁉」と思ったのだが、その正体はジョエルだった。ジョエルと出会えた喜びをかみしめていると、エリーから「なんでここにいんの?」という問いが。それに対し、ジョエルが「お前をひとりで行かせるわけないだろ」と答え、“郊外”は終了した。

 続きが気になってしかたないが、発売日まで待たなくてはいけない。待ちきれない。

ストーリーはもちろん、戦闘も大いに楽しめる

 約2時間のデモプレイを終えて感じたのは、戦闘の難度が上がり、より高度な対応が求められるようになっているという点だ。単純に倒したり通り抜けたりはできない。今回、ほふくができるようになっているが、ほふく状態でも敵が近くに来れば見つかるし、敵の配置も絶妙で下手に動くと見つかってしまう。

 何より、犬が本当に大変だ。犬さえいなければ突破できるのに……と何度思ったことか。じっくりと考えて対応したいのに、動き回らなければすぐに見つかってしまうのだ。難度は上がり、かなり考えて動く必要があるのだが、よりリアルになったとも言えるこの戦闘が楽しくてしかたない。

 何度も同じ場所で倒されたが、つぎはこうしてみよう、あのルートなら行けるかもしれない、と試行錯誤して、クリアーできたときのうれしさは格別。ただ、うれしさだけでなく、つぎに何が来るのかわからない緊張感も同時に襲ってくる(もちろんワクワク感も)。プレイが終わったあと、ふーと息を吐きつつ緊張が解けたことを実感するものの、興奮状態は続いていて、本当に手が震えていた(しかもなかなか治まらない)。

 あっという間に時間がすぎ、驚くほどゲームの世界にのめり込んだ『The Last of Us PartII』。発売日も決定し、エリーとともに冒険できるのが楽しみでならない。エリーとジョエルの関係が、本作でどう変化しているのか、ディーナはどこへ行ったのか……などなど、気になることばかりだが、その続きは2020年2月21日の発売日まで待っていよう。

[2019年9月27日午前2時35分修正]
一部表現など、記事の文言を修正しました。