発売から3年を迎えたニンテンドースイッチの基本機能をチェック
2017年3月3日に発売が開始されてから、約3年が経過した任天堂のゲームハード、Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)。新型コロナウイルス感染症の影響による外出自粛の影響も重なったためか、相変わらずの品薄状況が続いている同ハードだが、これから入手を考えている人や、入手したばかりという人も多くいることだろう。
そんなニンテンドースイッチだが、発売当日に配信が行われた本体バージョン2.0.0に始まり、これまで大きな機能向上が加えられたメジャーアップデートは9回行われており、どんどん便利になってきている(2020年4月30日現在の最新バージョンは10.0.2)。
ここでは、普通にゲームを遊んでいるだけでは気がつきにくい便利機能なども含めた、ニンテンドースイッチ本体でできることや、知って得する知識をまとめて紹介していこう。
ニンテンドースイッチで知っておきたい基礎知識や便利機能
ゲームのセーブデータはつねに本体に保存されることを覚えておこう
ニンテンドースイッチタイトルのセーブデータは基本的に、本体内蔵メモリーに保存される。これはカートリッジ版、ダウンロード版の違いに関わらずいずれも同じであるため、カートリッジを貸し借りしても、セーブデータが上書きや消去されるという心配をする必要はない。
ただし、本体にセーブデータが保存されるということは、万一本体が破損してしまうとセーブデータ自体を失うことになりかねない。そこで、セーブデータをバックアップできる仕組みとして用意されているのが、Nintendo Switch Online加入者向けのサービス“セーブデータのお預かり”というわけだ(本体バージョン6.0.0より追加、一部非対応タイトルあり)。
また、本体が壊れたわけではないが、ニンテンドースイッチを買い換えた場合などは“セーブデータの引っ越し”を利用すれば、データ移動をすることができる。これは、システムソフトウェアのバージョン8.0.0から追加された機能で、もとのセーブデータが入っている本体と新しい本体を近くに置き、近距離通信を利用してデータを移動する仕組みが用いられている。
ニンテンドースイッチ ライトから通常のニンテンドースイッチに買い換えた場合などのように、ハードを交換する場合はこの“セーブデータの引っ越し”を使えば、新しいハードでもこれまでのゲームを続けて遊ぶことができる。
※引っ越しを行うと、もとの本体からはセーブデータはなくなってしまう。
※『あつまれ どうぶつの森』のセーブデータのバックアップと引っ越しについては、年内に提供予定。
ニンテンドースイッチ本体だけでゲームの静止画や動画の撮影が可能
ニンテンドースイッチは本体の機能として、プレイ中のゲーム画面や動画をキャプチャーできるため、撮影用のキャプチャーボードやPCへの接続などは不要。
画面キャプチャーは、Joy-Con(L)についているキャプチャーボタンを押すだけでOK。さらに、キャプチャーボタンを長押しすると、押した時点から最大で30秒前からの動画を自動で保存してくれる(動画キャプチャは、本体バージョン4.0.0で追加)。
撮影した画像は、SDカードを経由してPCなどで参照できるほか、ニンテンドースイッチ本体をFacebookやTwitterに連携しておけば、気軽に投稿することもできる(詳細は下記)。
※ゲームによっては、一部撮影が行えないシーンもあり。
キャプチャーした画像はスイッチ本体だけでTwitterやFacebookに投稿可能
ニンテンドースイッチでキャプチャーした静止画や動画は、TwitterやFacebookといったSNSに投稿することが可能。SNSに投稿するには、本体設定であらかじめSNSのアカウントとニンテンドーアカウントを連携しておく必要がある。
アカウント連携さえ済ませておけば、あとはHOME画面にあるアルバムから、投稿したい画像を選び、“投稿や編集”を選ぶだけでいい。静止画は4枚までまとめて投稿することもできる。
SDカードにはどういったデータが保存されるの?
ニンテンドースイッチ本体に増設できるマイクロSDカードの容量は、最大で2TB(microSDXC規格で、UHS-I対応もしくは読み込み速度が60〜95MB/秒程度のものを推奨)となっている。
前述のように、ゲームのセーブデータに関してはニンテンドースイッチ本体内蔵メモリーに保存されるが、それ以外のほとんどのデータ(ダウンロード版のゲームデータやゲームの更新データ、キャプチャした画面写真・動画など)は、増設したSDカードに保存できる。
ニンテンドースイッチの本体内蔵メモリー(アプリケーションなどのデータを保存できる容量)は、標準で32GB(本体システム領域で2GB程度を使用)となっている。ゲームをカートリッジ版だけで遊ぶというユーザーであれば、本体内蔵メモリーの容量をそれほど気にする必要はないかもしれない。
しかし、ダウンロード版を多く購入するというのであれば、SDカードの増設は必須と言えるだろう。
ちなみに、以下にあげているように、昨今のゲームは大容量を必要とするものも少なくない。ダウンロード版は家族や友人とソフトの貸し借りをすることはできないが、パッケージ版と違い品切れの心配がなく、先行してゲームデータをインストールしておける“あらかじめダウンロード”機能(本体バージョン4.0.0より追加)を利用すれば、発売日の0時からすぐに遊べるという利点ががある。
何より、カートリッジを入れ替えるという煩雑さがないのは最大のメリットと言えるので、ゲームはカートリッジ版しか遊ばないという人も遊ぶタイトルに応じて、ダウンロード版を考えてみてはどうだろうか?
ニンテンドースイッチ用タイトルのおもな容量(Nintendo Switch公式サイトを参照)
- 『ドラゴンクエストヒーローズI・II for Nintendo Switch』 26.8GB
- 『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』15.7GB
- 『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』 14.3GB
- 『スーパーマリオ オデッセイ』 5.5GB
本体内蔵メモリーとSDカード間でのデータのやりとりを知っておこう
ダウンロード版のゲームをたくさん遊ぶには、SDカードの増設が必須であることは前述した通りだが、サイズの大きくないSDカードを使用していて、空き容量が足りなくなった場合はどうすればいいのか?
これは単純に、よりサイズの大きなSDカードを用意するしかないのだが、SDカードを差し替えて最初からゲームデータをインストールし直すとなると、相当の時間がかかってしまう。
このとき、SDカードの読み書きができるPCがある場合は、もともと使用していたSDカードのデータをいったんPCに保存しておき、新しいSDカードに丸ごとコピーすれば簡単にデータの移行を行うことができる。
システムソフトウェアのバージョン10.0.0で追加された機能、“本体/SDカード間のデータ移動”を利用すると、ダウンロードソフトや更新データ、追加コンテンツのデータを、本体内蔵メモリーとSDカード間で移動することができる。
SDカードを利用せずにニンテンドースイッチでダウンロードソフトを遊んでいて容量が逼迫してきた場合には、この機能を使ってゲームデータをSDカードに移動すればいい(同機能が実装される前は、一度本体のゲームデータを消去してからSDカードにインストールし直す必要があったため、移動に時間が必要だった)。
また、これは使用するSDカードの種類(性能)に依存するものと思われるが、ニンテンドースイッチはSDカードよりも本体内蔵メモリーのほうがアクセス速度が速いという傾向が見られる。
以下のデータは、筆者が所有しているソフトを実際に本体内蔵メモリーとSDカードに入れて、ゲームの起動時間をカウントしたものとなっているが、いずれの場合も本体内蔵メモリーのほうが(わずかではあるが)アクセス時間が短いという結果が得られた。
※いずれもHOME画面からゲームを起動し、ゲーム画面が表示されるまでの時間を手動で計測。計10回カウントし、最小と最大を除く8回の平均値を算出したもの(小数点3桁以降は四捨五入)。
※UHS-I Class3規格のSDカード(128GB)を使用。本体・SDカードに保存されているデータ量やアプリ、セーブデータの数、そのほかの環境によって読み込み時間は異なる場合があります。
『あつまれ どうぶつの森』
- 本体内蔵メモリー:5.03秒
- SDメモリーカード:5.34秒
『スーパーマリオ オデッセイ』
- 本体内蔵メモリー:30.54秒
- SDメモリーカード:32.89秒
『マリオカード8 デラックス』
- 本体内蔵メモリー:13.22秒
- SDメモリーカード:14.95秒
このことからもわかるように、SDカードを利用していてダウンロードソフトを遊ぶ場合でも、頻繁に遊ぶタイトルは“本体/SDカード間のデータ移動”機能を利用して本体内蔵メモリーにデータを置いておいたほうが、(時間差にするとわずかかもしれないが)快適に遊ぶことができると言えるだろう。
通常、SDカードを装着している場合はゲームデータをインストールする際、自動的にSDカードに保存されるのだが、筆者は毎日『あつまれ どうぶつの森』を遊んでいるので、少しでも快適にすべく購入後すぐに本体内蔵メモリーにデータを移動して遊んでいる。
ニュースチャンネルでお気に入りタイトルの最新情報をチェック
HOMEメニュー画面にある“ゲームニュース”は、“ニンテンドー情報局”から送られてくるニンテンドースイッチ本体やゲームに関する更新情報やセール情報といった最新情報を見ることができるサービス。
この“ニュースチャンネル”はバージョン3.0.0で“チャンネル”機能が追加され、バージョン5.0.0でチャンネル別の閲覧に対応。バージョン8.0.0で過去に配信されたものも含めてすべてのニュースを閲覧できるようになり(配信が終了しているニュースは除く)、バージョン9.0.0でフィルターや任意のワードで検索できる機能を追加。バージョン10.0.0でブックマーク機能(最大300件)が搭載されるなど、本体バージョンアップによって利便性が大幅にアップしている。
ボタンの割り当て変更で、ゲームプレイを自分仕様にカスタマイズ
2020年4月14日に配信されたシステムソフトウェアのバージョン10.0.0では、ニンテンドースイッチ本体のボタン割り当ての変更が実現。
ボタン割り当て変更機能はJoy-Conだけでなく、ニンテンドースイッチ ライトとNintendo Switch Proコントローラーにも対応。左右スティックの動作(押し込みを除く)以外、すべてのボタンを任意に変更することができる。
割り当て変更したボタン設定は、コントローラの種類ごとに最大5つまで“お気に入り”に登録可能。利き腕に合わせたカスタマイズや、ゲーム中に使用しないボタンに特定の機能を割り当てるなど、自分好みのカスタマイズが行える。
このボタン割り当てを利用すれば、『スプラトゥーン2』のように、キーコンフィグができないゲームでも、自分のやりやすいボタン配置にすることもできるというわけだ。
常用はしないが、知っているとおもしろい画面表示拡大機能
これはシステムソフトウェアのバージョン8.0.0から追加された機能だが、“設定”→“本体”→“画面のズーム”をONにすると、HOMEボタンの2度押しで画面を拡大することが可能になる。
この機能はHOME画面からゲームまで、どの状態でも使用可能。拡大した画面はXボタン、Yボタンでズームの比率を変えることもできる。ちょっと読みにくいテキストや、ゲーム画面中の細かいディティールが気になる箇所などをよく見たい場合などには非常に有効な機能と言えるだろう。
なお、画面を拡大した状態で画面キャプチャーをしても、撮影されるデータは全画面が写った通常のものとなってしまうことは覚えておこう。
時間があるときこそ使いたい、ゲーム以外のアプリ
ニンテンドースイッチは基本的にゲーム専用機となっているが、じつはニンテンドーeショップにはゲーム以外のアプリも用意されている。
現時点では、動画視聴アプリの『YouTube』と『niconico』の2本が無料でダウンロードできる。いずれもネット接続が必須のアプリではあるが、通常のニンテンドースイッチのテレビモードであれば、テレビの大画面でYouTubeやniconicoのコンテンツを視聴可能。
なお、現状ニンテンドースイッチでは映画やアニメ作品などの映像サービスは提供されていないが、スマートフォンやPCを利用してGoogle Playストアで購入もしくはレンタルした映像作品であれば、スイッチの『YouTube』アプリを利用して視聴することもできる。
これまでのメジャーアップデート歴を紹介
最後に、ニンテンドースイッチのメジャーアップデートの配信日とおもな追加機能などをまとめて紹介していこう。
バージョン2.0.0(2017年3月3日配信開始)
- 以下のネットワーク機能に対応(ゲームソフトのオンラインプレイ/“ゲームニュース”の受信/“ニンテンドーeショップ”/“フレンド機能”/キャプチャーボタンで撮影した画面写真を“Facebook”、“Twitter”に投稿/ゲームソフトの更新/購入したゲームソフト(パッケージ版)のマイニンテンドーポイントの受け取り)
バージョン3.0.0(2017年6月20日配信開始)
- ニンテンドー3DSやWii Uのフレンドへのフレンド申請送付に対応」
- フレンドがオンラインになったときに画面上に通知が表示されるように
- コントローラーが見つからないときに、コントローラーを振動させて探す機能を追加
- ゲームニュースに“チャンネル”を追加
- 他社製のコントローラー(任天堂ライセンス商品)に対応
- ソフトをダウンロードするときに空き容量が不足していると、その場でソフトの整理を行える
バージョン4.0.0(2017年10月19日配信開始)
- 一部のゲームソフトでのプレイ動画の撮影機能を追加
- ほかのニンテンドースイッチ本体への“ユーザー”と“セーブデータ”の引っ越しに対応
- ニンテンドーeショップで“あらかじめダウンロード”に対応
- ローカル通信で近くの人とゲームソフトのバージョンをそろえる機能を追加
バージョン5.0.0(2018年3月13日配信開始)
- SNSの知り合いをニンテンドーアカウントのフレンド候補として表示する機能を追加
- 任天堂ホームページで購入したコンテンツのダウンロードがより早く開始されるように修正
- ゲームニュースのチャンネル別閲覧に対応
- みまもり設定で起動が制限されているソフトはプレイ動画の再生も制限されるように対応
バージョン6.0.0(2018年9月19日配信開始)
- Nintendo Switch Onlineの正式サービス開始に対応
- “セーブデータお預かり”に対応
※一部のソフトはバックアップに対応していません。
- “アルバム”に保存されている画面写真をSNSに最大4枚まで同時投稿可能に変更
- ニンテンドーeショップの“ダウンロードできる本体”を“いつもあそぶ本体”に変更
- “設定”でUSBキーボードのキー配列の指定機能を追加
バージョン7.0.0(2019年1月29日配信開始)
- HOMEメニューの対応言語に“繁体字中国語”、“簡体字中国語”、“韓国語”を追加
バージョン8.0.0(2019年4月16日配信開始)
- HOMEメニューの“すべてのソフト”のなかで、ソフトの並び順の変更に対応
- “データ管理”に“セーブデータの引っ越し”を追加
- 画面の拡大表示機能を追加
バージョン9.0.0(2019年9月10日配信開始)
- “ゲームニュース”の“チャンネルを見つける”に検索機能を追加
- “設定”の“コントローラーとセンサー”に以下の機能を追加
- タッチスクリーンの感度変更を追加
- “本体のボタンで操作する”を追加(Nintendo Switch Lite のみ)
※設定をOFFにすると、キャプチャーボタン・HOMEボタンを除く本体のコントローラー部分の入力を受け付けなくなり、無線接続しているコントローラーのみ操作が有効になります。
- マイページに「オンラインプレイの招待」を追加
バージョン10.0.0(2020年4月14日配信開始)
- “ゲームニュース”にブックマーク機能を追加(最大300件)
- “設定”の“データ管理”に“本体/SDカード間のデータ移動”を追加
- “設定”の“コントローラーとセンサー”に“ボタンの割り当てを変える”を追加
- “ユーザー設定”に“プレイ記録の設定”を追加