2020年4月22日、ゲームオンが運営するPC用MMORPG『ArcheAge』が大きく変わる。変わるのだ。

 そのきっかけは、大型アップデート“ArcheAge6.5 庭園”。進化の方向性は大別してふたつ。“見た目”と“奥深さ”。グラフィックアップグレードによって見た目上の美しさが向上し、世界の真理が垣間見えるエリア“神の庭園”やそこに紐づくストーリーが追加されるのである。

 『ArcheAge』は、いわゆるMMORPG然としたゲームだ。世界を冒険してボス撃破などを目指すRPGとしても遊べるのは当然として、ゲーム内での生活を楽しむことが軸のひとつ。

 この世界は神話と歴史が地続き。およそ2000年前、好奇心旺盛な若者たち“最初の遠征隊”が神へとつながる地“神の庭園”に足を踏み入れた。彼らは偉大な権能を手にし、それが後世の動乱につながっている。要は歴史上の人物がそのまま神様として君臨する世界なのだ。

 今回のアップデートで、神の庭園への扉がついに開く。そこで何があったのか、真相のすべては語られないかもしれない。それでも彼らの決断に想いを馳せることはできる。自分が生活する世界の神話に到達するなんて、何とも興奮する話ではないか。

 本稿ではいくつかの新コンテンツの体験リポートをお届けする。神話が空気がたゆたう庭園の風景を見ていっしょに興奮しよう。

大型アップデート“ArcheAge6.5 庭園”の実装コンテンツ一覧。

グラフィックアップグレードで世界が美しく

 まずはグラフィックの進化について。『ArcheAge』プレイヤーのみなさんは新コンテンツが気になるだろうが、その前にきれいな風景で心を落ち着けてほしい。

 グラフィックアップグレードではテクスチャーの追加や光源の調整が行われる。のっぺりとしていた部分に奥行きが追加され、全体的にコントラスト(色の濃淡)が強調されている印象だ。エリアによってはオブジェクトも細かに修正されているそう。

 以下にアップデート前後の画像を並べてみた。上がアップデート前で、下がアップデート後。僕の感想は「画像編集ソフトで明るさのバーをグッと、コントラストをググっと右に動かした感じ」です。

【ホワイトフォレスト】ホワイトフォレストの船着き場周辺。以前は殺風景だったが、植林後のように緑が増えている。少々つるんとしていた岩はごつごつ感アップ。
【地獄の沼地】霧がかかったエリア全域の濃淡が強調され、霧を残したままクリアに見渡せるようになった。ここについては霧が濃いほうが好きな人もいるかも。
【マリアノープル】明るくなった印象がある大自然に対して、城のような建物や白っぽい人工物は色が濃くなったように感じる。空の色はクリアになり、全体的にくっきりしている。

 グラフィックの強化ではあるものの、プレイに必要なPCスペックは据え置き。それならもっと早く実施されてもよさそうだが、大人の事情も関係しているらしい。

 それはアジア圏への配慮。正式サービスが始まった頃のアジア圏は高性能なPCがあまり普及していなかった。少しでも多くの人に遊んでもらうため、低スペックPCでも動くように設計していたとのこと。昔に比べてPCが進化したいまならいけると踏んだのだろう。理解できる話だ。

なお、アップデート後は“素朴なヌイア住宅”の外観がパステル調に変化。紀行番組でよく見るヨーロッパの川沿いにある家みたいだ。緑と青の色味が入れ替わっている点には要注意。

 また、種族のひとつ“エルフ女性”の外見に大きな変更が加わる。理由はエルフは使用率がいちばん低いから。要するにテコ入れである。美形キャラを作りやすいファンタジーの定番種族なのに。

 逆に、人気種族はドワーフらしい。女性はロリキャラだからだろ! そうなんだろ! と思ったが、男性キャラ(ごついおじいさん)も人気とのこと。『ArcheAge』プレイヤーよ、きみたちの趣味嗜好はどうなっているのだ。

同じ状態なのにこの違い。全面的に変わるので、アップデート後は顔を再設定できる“エステ利用チケット”を配布予定。

ソロ用インスタンスダンジョン“冥府の夜”

 新実装の“冥府の夜”は1日に1回だけ、6:00から23:30の時間内に入場可能なソロ用インスタンスダンジョン。複数のブロックに分かれていて、ブロックごとのボスとして大型兵器(カタパルト)が設置されている。

敵はキリオスの軍隊。キリオスは冒頭に書いた“最初の遠征隊”メンバーのひとり。神の権能に人間らしさを侵食され、破壊神として目覚めてしまった。

 レベル制限は55以上で、装備ポイント制限は8000以上。ソロ用ということで難度は低めかと思ったが、出現する敵はなかなかの強さ。取材用のキャラが遠距離攻撃系だったとはいえ、囲まれたらさくっと戦闘不能になってしまった。スクリーンショット撮る暇なし。

 このダンジョンの真髄は、NPCと共闘できる点にある。エリア内にいる“彷徨う魂”に話しかけると“魂の力”を1ポイント獲得。ポイントを消費して仲間を召喚できるのだ。

 召喚できるのは、名もなき一般兵とこの地を守るNPCの2タイプ。後者はエリア内にいる名前付きNPCだ。一般兵は魂の力1ポイント、名前付きNPCは4ポイントで召喚可能。このダンジョン内のストーリーにも多少は関わっているだけあって、名前付きNPCはすごく強い。

【一般兵】

  • エルフ戦士:敵の攻撃を引き付けつつ攻撃するタンカータイプ。
  • ヒドゥンムーンアーチャー:弓で遠距離攻撃を行う。エイザ(後述)が指定した対象を集中的に攻撃する。
  • ホワイトフォレスト治癒師:回復魔法を使うヒーラー。

【名前付きNPC】

  • マリアン・ノルエット:多数の味方を同時に回復できるヒーラー。敵からの多少の攻撃にも耐えうる戦闘力も持っている。
  • ベリオン議員:範囲攻撃が得意な魔法使い。エルフ戦士に反撃態勢を取らせる能力を持つ。
  • ミカエラ・ユンエ:火炎放射器や大砲で建築物に大ダメージを与える。
  • イサン王子:敵の防御力を低下させるデバッファータイプ。
  • エイザ:遠距離攻撃が得意なアーチャー。ヒドゥンムーンアーチャーに各個狙撃命令を出し、大ダメージを与えられる。
  • 優しい料理人クッカー:敵の攻撃を引き付けるタンカー。HPが低下した仲間にバリアを張ることも。料理は?
名前付きNPCは必要ポイントが多いだけでなく、ダンジョン内にいくつかあるゲート前でしか呼び出せないという制限がある。

 名前付きNPCが強すぎるだけであって、一般兵が弱いかというと、そうでもない。さっきぼこぼこにされたエリアでエルフ戦士ふたりを呼び出したら、隙なく僕を守ってくれた。思春期だったらキュンとなっていたかもしれない。

 仲間が倒されるとポイントが魂の力に還元され、再度召喚するまでのクールタイムが発生。ピンチになったら無理をせず、いったん召喚を解除するのが賢明だ。ただし、攻撃を受けると解除できないので要注意。

 なお、自分が戦闘不能になると拠点で復帰することに。戦線に戻るまでのあいだも召喚した仲間は戦い続けている。寂しがらせないように早く戻ろう。

敵に襲われている彷徨う魂を助けると魂の力が増加。召喚できる仲間の数が増える。

 冥府の夜で戦えるのはおよそ15分間。制限時間内にダンジョン内で敵やカタパルトを倒し、彷徨う魂を救出し、稼いだ“冥府貢献度”に応じた褒賞を得られる。冥府貢献度100ごとに褒賞内容が拡充され(最大値は600)、2段階以上の褒賞箱には新規装備“冥府の夜のネックレス”が入っていることも。

 冥府の夜のネックレスの名称は“血塗られた魂の導者”で、獲得時の等級は英雄。合成素材には、各種ダンジョン装備と冥府の報酬箱から得られる強化剤に加えて、ソルジャーネックレス1~14段階を使用可能だ。

 “血塗られた魂の導者”が奇跡等級に達した後は、覚醒を通じてつぎの段階に成長可能。覚醒用の素材は冥府の報酬箱3段階以上から入手できる。

15分間でダンジョン内の全ブロックを回ってボスを倒し切るには、最上位のプレイヤーでも難しい。どれだけ進めるか、力試しの場としても活用できそうだ。

謎めいた新エリア“神の庭園”。寝ている龍を見て興奮

 ヒラマ山脈東部には“世界のへそ”と呼ばれる深く暗い穴がある。下へ下へと延びる螺旋階段を降りた先が、この世界最大の秘境“神の庭園”だ。

メインクエストを進めるといずれこの地に導かれるが、レベル55を超えていれば入場可能。
最初の遠征隊のひとり、キープローザが門番としてプレイヤーを待っている。

 キープローザが佇む門番の部屋には5つの“季節の扉”が設けられている。この先が『ArcheAge』の歴史上で重要な意味を持つ“神の庭園”だ。秋と冬をイメージしたような風景が広がっており、くぐる扉によって別の場所から降り立つことになる。

 神の庭園は別サーバーのプレイヤーとも遊べる特殊なエリア。全サーバーのプレイヤーが1ヵ所にアクセスする統合サーバーとは異なり、別サーバーごとにマッチングされる仕組みだ。組み合わせはある程度の周期で切り替わるらしい。

 なお、別サーバーのプレイヤーはたとえ同じ勢力でも敵対関係。紛争地域なので気を抜くとやられる。

5つのうち、中央の扉はメインクエストを進めると解放される。

 神の庭園は、『ArcheAge』内における神話と日常が交わる場所なのだと思う。境界が曖昧とでも言おうか。

 期待を胸に季節の扉からひとつを選んで開く。僕が足を踏み入れたのは、エリア全体の東側に位置する“白き安息の間”。果たしてそこには雪に覆われた大地が広がっていた。いたるところに根を下ろす色鮮やかで奇妙な植物。そして空にはオーロラ。

 妖しさと荘厳さが共存する、白昼夢のような空間だった。

 神の庭園ですべきことは何か。レイドボスや新規に追加される植物・魚を狙うのもいいが、おそらくメインはデイリークエスト“精霊の頼み事”だ。古代装備の成長に必要なアイテムを入手できる。

 季節の扉をくぐった先にいる精霊から受注でき、稼いだポイントによって褒賞が変化。ポイントはモンスター討伐や採集で得られるほか、時間経過でもじわじわ溜まる。

 褒賞のランクは12段階。一定ランク以上は戦争時間じゃないと上がらないため、いいアイテムがほしかったら、モンスターと敵対勢力がひしめく中での活動を余儀なくされる。あまりのスリルに、心の中の布袋寅泰がギターをかき鳴らす。

活動の等級が1以上のとき、クエストを受諾した精霊から褒賞を獲得できる。これでデイリークエストは終了。日付変更後にふたたび受けよう。

 システムを勉強した後は神の庭園を散策。……しようとしたら、モンスターに絡まれて戦闘不能になってしまった。思い立ってから死までおよそ20秒。スピーディーすぎやしないか。

 スタッフさんによると、アクティブモンスターしか生息していないそうだ。そういう大事なことは早く教えてほしい。

装備ポイント10000を超えるようなキャラでもしんどいらしい。騎乗ペットで敵の間を縫うように移動することに。

 その荘厳な名が示す通り、神の庭園はきれいな場所だ。グラフィックアップグレードのおかげもあって、どこへ行ってもインスタ映えする。OLだったら自撮りしまくって取材どころじゃないぞ。おれがOLじゃなくてよかったな!

 神の庭園の中心には“イニス女王の地”という島があった。でかい像が鎮座していて、ただならぬ雰囲気。

島の南側に行ったら、

何かいる。

 でかい龍が寝ていた。近づいてみる。

起きる気配なし。

 龍の名前は“神獣”。接近すると名前が表示されるだけで、調べたり攻撃したりはできなかった。

 『ArcheAge』で龍(竜)というとレッドドラゴンが思い浮かぶ。あれは直立する西洋型のドラゴンだが、神の庭園で寝ている神獣は中国の伝承などに見られる東洋型。どこか神聖な雰囲気がある。ストーリーに関わるのか、いつか戦えるのか、気になるところだ。

 神獣とお別れして、ここからはふらふらと神の庭園を探索することに。5つの季節の扉から入場するものの、各エリアは地続き。性能のいいグライダーやウィングを持っていれば安全に観光できる。

 神の庭園観光はひとまずここまで。ここは今回のアップデートで実装される新エリアだが、何となく見覚えがある人もいるかもしれない。

 その答えは『ArcheAge』の初期プロモーションムービーにある。登場人物たちが下りていく長大な螺旋階段こそ、この神の庭園に至る道なのだ。

ArcheAge公式 プロモーションムービー

 7年も前から知っていた場所をついに冒険できると思うと、感慨深いものがあるはず。僕は何だかぐっと来てしまった。世界の真相に触れる覚悟はいいか? オレはできてる。

日本運営プロデューサーがバトンタッチ

 今回のアップデートと前後して、日本運営プロデューサーの交代も発表された。

 『ArcheAge』の初期からGMとして関わり、体を張ることも多々あった石元氏が勇退(シンプルに異動だそうです。会社員なので)。もともと『黒い砂漠』を担当していた熊木氏が、これからの『ArcheAge』を引っ張っていくという。おふたりのコメントをどうぞ。

前プロデューサー:石元氏コメント

『ArcheAge』も7周年を迎えようとしており、自身もプロデューサーとしては丸6年務めさせていただいて、さらに盛り上げていくためには、若い新しい発想が必要だと思います。

熊木さんはユーザーに誠実な運営を行っていけることも強みなので、『黒い砂漠』での経験を活かし『ArcheAge』をより一層盛り上げてくれると思います。

今後の熊木さんと『ArcheAge』をよろしくお願いします。

新プロデューサー:熊木氏コメント

こんにちは。
『ArcheAge』にて新たにプロデューサーを務めさせていただきます、熊木です。

こういった立場で人前に出るのは初めてなので、ちょっと緊張しています。。。

少し裏話をすると、私はこれまで『黒い砂漠』の日本運営を担当していたのですが、社内でも『ArcheAge』のトリッキーなイベント等の企画はかなり有名で、私自身も『黒い砂漠』の企画で色々と参考にさせていただいてました笑

今後も、プレイヤーの皆様に楽しんでもらえるような面白い企画を行えるよう頑張ります!

今後ともどうぞよろしくお願いします!

最高に美人に撮れた写真でこの記事を締める。