エルフやサキュバスやオークが人類と共生する、架空の2020年シアトル。夜にひっそりと開く小さなカフェに、暖かい飲み物を求めて今宵もちょっと変わったお客たちがやってくる。

 コーラス・ワールドワイドから国内プレイステーション4/Xbox One/Nintendo Switch版が1月30日発売予定の『コーヒートーク』は、雨のシアトルで飲むコーヒーのように、ほろ苦くもじっくりと心を温めてくれるノベルゲームだ。

 なお、開発元Toge Productionsから日本語に対応したPC/Mac版がSteam等で同日配信予定となっている。

どんな飲み物でもてなすかで分岐していく物語

 プレイヤーはカフェ“コーヒートーク”のバリスタとして、夜な夜な訪れる客に飲み物を提供していくことになる。

 お客は時に異種族だったりもするが、外見上の特徴や肉体的・文化的特性が多少ある以外は人間とそう変わらない。キャリアの転機、種族を超えた恋愛の障害や、年頃の娘との親子関係など、みんな何かしらの悩みを抱えてやってくる。

 バリスタとしての仕事は、オーダーに応じてコーヒーやお茶を淹れ、何かを話したい客がいればそれに耳を傾けてやることだ。ひと筋縄ではいかない彼らの話をじっくり聞くうちに、夜がひっそりとふけていく。

えーと、今度の客は……ネコ?
画面分割演出が入ることも。ヒートアップした会話に常連のフレイヤが板挟みに。

 ストーリーゲームとして、本作は飲み物を淹れる以外、とにかく“聞くこと”に大きくフォーカスしたゲームだ。物語の分岐もあるのだがセリフの選択はなく、代わりに出した飲み物で分岐が起こるという形になっている。

 店にある材料からマニアックな注文に見事対応し、適切な飲み物をサーブできるだろうか? あいまいな注文には何を出せばいいだろうか? 徹夜続きの常連にはいつものエスプレッソを出すのが正しいのだろうか?

 飲み物を淹れるフェーズは、ベース/メイン材料/サブ材料の3種類の材料を指定することで行う(ラテ系にはラテアートも描ける)。一度作成したレシピはスマホのリストに保存されるが、突然の知らない注文に悩む回数を減らしたい人は“エンドレスモード”で組み合わせをいくつか試しておくのもいいだろう。

いつものように長めの“休憩”で逃げてきた警官のダンナ。
画面左下のスマホではレシピを見ることもできる。
うーん、よくわからんラテアートになってしまった。

思いっきりキャラの立った、愛おしき人々

 さて本作、最初の1プレイは2~3時間といったところ(ちなみに一度見たやり取りはスキップ可能)。インディースタジオによる小品と言うのが正しいだろうが、登場キャラクターたちが多少ベタな所もありつつもいずれもキャラが立っていて、ローカライズもしっかりしており、それぞれの物語になかなか引き込まれるものがある。

 この手のフィクション作品が好きな人ならなんとなく想像がつくだろうが、設定上は種族の特性が悩みの原因になっていたりしつつも、そこに描かれているのは(異種族などいない)現代のオトナの悩みそのもの。だからこそ、「まぁそういうこともあるよねぇ」とシンパシーを感じることができる。

今どきの高解像度なドット絵で大きく描かれるキャラクターが超いい。
えーと、あなた様の種族は一体?

 本作のパッケージ版の3980円(税別)という価格に見合うのかはゲーム単体で考えると人によりけりだと思うが、ローファイヒップホップ風のサントラの出来がかなりいいので(Soundcloudで2曲試聴可能)、パッケージ版を考えている人は初回限定特典の2枚組サントラCDを込みで検討するのをオススメしたい。ちなみにダウンロード版は税込みで1600円(税込)となっている。