2020年1月18~19日、東京・銀座で“eBASEBALL プロリーグ 2019シーズン SMBC e日本シリーズ”出場を懸けた、コカ・コーラeクライマックスシリーズが開催された。
会場はesports 銀座 studio。オープンしたばかりでピカピカだ。
会場の前方が有料席、後方は無料観覧席となっている。ちなみに、関係者によると、最終決戦となるSMBC e日本シリーズの有料観覧席チケットはすでに完売。eペナントレース含め非常に好評だったそうだ。eBASEBALL プロリーグの人気が根付いていると確かに感じる。
着席して試合開始を待つと、試合前にとあるVTRが流れた。
ま、真中さん!
元東京ヤクルトスワローズ監督で、2015年にはセ・リーグ優勝も果たした野球解説者の真中満氏。
前シーズンからeBASEBALL プロリーグの解説者としても活躍し、今季は“eBASEBALL プロリーグ応援監督”という肩書で解説や応援を行っている。
※昨年の真中満氏eBASEBALL プロリーグ インタビューはこちら。
真中満氏にインタビュー!
そんなわけで今回は、真中満応援監督に、2年目のeBASEBALL プロリーグを振り返ってもらったり、2020年1月25日(土)に開催されるeBASEBALL SMBC e日本シリーズの展望、見どころを訊いた。
真中 満 氏(まなか みつる)
1971年生。野球解説者。日本大学からヤクルトスワローズ(現・東京ヤクルトスワローズ)に入団し、俊足巧打の外野手として鳴らした。2015-17年に東京ヤクルトスワローズ監督を務め、2015年にはセ・リーグ優勝を果たす。左投左打。栃木県出身。
――解説、お疲れさまでした。
真中 はい。
――今日も軽妙な話術で楽しませていただきました。
真中 ハハハ、そうですか。
――真中さんは今季は応援監督という形で携わられて、改めて感想などを聞かせてください。
真中 そうですね、ファンの皆さんも去年に比べて、eBASEBALL プロリーグへの認知度も広がって、選手の人気も上がってきているのかないう印象がありますね。見ているお客さんのリアクションとか雰囲気とかを見て、非常に試合に入り込んできているなという印象は受けましたね。
また、それに合わせて選手の個々のレベルアップと言いますか、いい部分も非常に高いレベルにきていて、1年目より2年目のほうが非常にいい感じになってきているという感じはしますよね。
――真中さん自身も、eBASEBALL プロリーグの試合を見続けられて、新しい発見などはありますか。
真中 本当にね、采配とかも含めて選手起用は、実際のプロ野球よりも細かいなっていう印象はありますね。
――eBASEBALL プロリーグでは“代打”や“勝ち運”などの特殊能力を持った選手をいつ出すかというのがとくに重要だったりと。
真中 現実の野球だと、プレイ中はバタバタとしていて、意外とそんなに細々とは動かせないんですけれども。監督の采配能力とか、実際にプレイする部分以外も見ていておもしろいんじゃないのかなと思いますね。
――2019年、プロ野球のヤクルトは残念ながら最下位という結果に終わってしまいましたが、eBASEBALL プロリーグでは大逆転の末、eペナントレースで優勝しました。
真中 そうですね、開幕3連敗してかなりハードなスタートでしたが、最後まで諦めずに戦いました。結果的にSMBC e日本シリーズに出られずに非常に残念だと思うんですけれども、開幕3連敗した後に最後盛り返して優勝まで勝ち取ったわけですからね。ヤクルトのプレイヤーは胸を張ってね、いいゲームが出来たと思いますよね。
――ゲーム中の選手の能力には現実の成績も反映されるので、ヤクルトの選手は不利な面もあったと思いますが、そこをひっくり返して逆転できたという理由について、真中さんはどう思われますか?
真中 これは本当に4人のプレイヤーが、非常に選手の特性を利用して起用できた結果なのかなって。とくに、梅野(雄吾)投手が毎試合必ずと言っていいほど起用されたり、僕らはわからない特殊能力をうまくフルに活用して、いい采配をしていたなと感じていました。
選手データは、ヤクルトは最下位でよくないとは思ったんですけれども、本当に4人がうまく選手を起用したと、そういうところに尽きると思います。
――梅野投手、本当にゲームの話ですけれどフル回転でしたね。
真中 ですよね。あのあたりが、彼らがよく研究して、使い込んだというところですかね。
――開幕前に真中さんが行った順位予想がほぼ的中でした。予想には自身がありましたか?
真中氏のセ・リーグ順位予想
- ヤクルト
- 中日
- 巨人
- DeNA
- 広島
- 阪神
結果
- ヤクルト
- 巨人
- 中日
- DeNA
- 広島
- 阪神
真中 ちょっと願望を含めて、こういう感じだったらおもしろいかなという感じでの予想だったんですけど。
やっぱりヤクルトは打線はすごくいいんですよ。そしてピッチャーの能力はうまく使うことによってすこしカバーできる部分はあるので、打線がおもしろいかなってところでヤクルトの優勝予想をしてみました。
巨人がもちろん打線が強いので、巨人も上位にしたんですけれども……まあ、予想通りですね。私にとっては何も難しいことはないですよ。
――さすがですね!
真中 冗談ですよ(笑)。
――(笑)。e日本シリーズの組合せが、千葉ロッテマリーンズVS読売ジャイアンツにきまりました。試合の展望や注目ポイントをお願いします。
真中 巨人の舘野弘樹(てぃーの)選手のバッティングと、吉田友樹(たいじ)選手、ふたりのツートップの能力、非常に高く感じるんですよ。
対するロッテは彼らふたりをどう抑え込むかっていうところなんですけれど。
キャプテンの下山祐躍(スンスケ)選手がいて、さらに注目は“eBASEBALL 全国中学高校生大会 共同通信デジタル杯”を制して、そのままeBASEBALL プロリーグでも活躍している17歳の柳虎士郎(ゆさ)選手。
彼は実際に野球で言うと甲子園で優勝した投手がそのままプロ野球に入って、1年目からレギュラーに出てるみたいな感じじゃないですか。
その柳君ががんばっているところもすごくおもしろいと思うし、注目してもらえるといいかなと思います。
――eスポーツについても伺います。ゲームを真剣勝負で、プロプレイヤーがやっていて、報酬も入ってくるし、その“遊びが真剣勝負に変わる瞬間”というのは、ご覧になっていて感じることはありましたか。
真中 やはり試合の緊張感が違いますよね。
負けたあとの選手の悔しがっている姿を見ても感じますし、球場、スタジオの雰囲気でもすごいわかると思うんですけれども、その緊張感がすべてを物語っているというか、とくに生で観戦をすると、その空気感で感じるのかなと思うんです。
――真中さんも、野球は最初は遊びや部活動で始められたと思うのですが、「俺はプロになろう」って、ご自身の中で“遊びが真剣勝負に変わった瞬間”というのは覚えていますか。
真中 いや僕は最後まで真剣にはやっていないんです。何となくやってきたんです。
――さすがですね!
真中 冗談ですよ(笑)。
そうですね、周囲と比べて、やっぱり実力がすこし抜けているかなとか、周りと比べて俺ちょっと上のレベルの野球できるかなということを感じると思うんです。
プレイヤーたちも、オンラインで試合をやりながら、ランキング上位の人たちがプロとして集まるわけですから、自分がまわりと比べてだんとつで強くなっているとたぶん感じると思うんです。
そのへんから、「ちょっと真剣にチャレンジしてみようかな、プロを目指してみようかな」ってスイッチに変わるのかな、と思うんです。
――真中さんがそのスイッチが入ったのはいつごろでしょうか。やはり日大時代の活躍で?
真中 僕は大学ぐらいからですかね。大学2~3年生ぐらいからプロでできるかな、っていうそんな印象になったんです。
――やはり心構えが変わることによって、練習や試合の臨みかたも変わってくるものですか。
真中 もちろん変わりますね。生活の送りかたもそうですし。eBASEBALL プロリーグの彼らも本当にストイックですよね。
どうしても『パワプロ』、ゲームのイメージがありますが、eBASEBALLで言うと、練習時間とか取り組む姿勢を見ると、僕らアスリートとなんら変わらない程の時間を費やしたり、高い集中力でプレイをしているわけじゃないですか。eBASEBALL プロリーグで試合をしているわけですから。
そのあたりも見ている方たちに理解してもらえれば、とは思いますね。なんか「ずっとゲームやってんな」というだけじゃない、ネガティブなだけじゃない受け取られかたになるといいなと思うんですけれどね。
――ありがとうございました!
読売ジャイアンツと千葉ロッテマリーンズが雌雄を決するe日本シリーズは2020年1月25日(土)13:30放送開始! ユナイテッド・シネマ豊洲ではeBASEBALL プロリーグ初のパブリックビューイングを実施(入場無料)。試合会場には巨人とロッテのマスコットが、パブリックビューイング会場にはそのほかの10球団のマスコットが集結するので、ぜひ足を運んでみよう。
おまけ ヤクルトファンの筆者が訊きたかった質問
――ちょっと余談なのですが、2020年、高津新監督のもと迎える東京ヤクルトスワローズは……どうでしょうか?
真中 そうですね、ピッチャー次第だと思うんでね。ピッチャーの補強もうまくいっていると思うんで、去年みたいなことはないとは思うんですけれど。Aクラスを狙って戦えるチームになっていくような気はしますね。
――希望が持てる! ありがとうございました!!