ハックアンドスラッシュ型のアクションRPGとして一ジャンルを築き上げた金字塔、『ディアブロ』。そのシリーズ最新作となる『ディアブロIV』がカリフォルニア州アナハイムで行われたBlizzard Entertainmentのファン向けイベントBlizzCon 2019で発表された。

 プレイリポートですでにお届けした通り、初期作品を思い起こさせるダークで力強い内容とともに、オープンワールド性やレイド的なバトル“ワールドイベント”など、新たな要素も取り入れている本作。会場でゲームディレクターのルイス・バリガ氏とアートディレクターのジョン・ミューラー氏に話を聞いた。

ルイス・バリガ

『ディアブロIV』ゲームディレクター

ジョン・ミューラー

『ディアブロIV』アートディレクター

――まず『ディアブロIV』のコアとなるコンセプトを教えてください。昨日プレイした感じでは、ダークで力強くて、昔の作品、特に2を思わせる所がありました。

バリガ 『ディアブロIV』を短く言い表すなら「ダークで共有されたオープンワールドのディアブロ」としているんだけど、もうちょっと掘り下げよう。

 このゲームを作るにあたっては、すべての作品を振り返って、そこから自分たちが好きなパーツを集めた。『ディアブロ』も2も3もね。それを伸ばして練り込んで、その上でさらにフランチャイズにとって新しい要素を入れて革新的なものにすることを目指した。だから『ディアブロII』を思い出したというのはいいことだ。そこに流れるダークネスを感じてくれたんだと思う。

ミューラー ダークなトーンは僕らが繰り返し言っていることで、ダンジョンを進んでいく時の怖さ、何と出くわすのかという恐ろしさの感覚を大事にしている。

 シネマティックトレイラーでも見て取れるように、彼らは金なり知識なりを求めてあの遺跡に入ってきただけなのに、どうも扉の向こうに何か非常にまずいものが潜んでいる……という感覚だね。

 これは初代『ディアブロ』に遡ることができて、教会の地下に降りていってブッチャーと初めて遭遇した時のような、ああいった瞬間が自分たちも好きなんだ。それをある意味取り戻せたのは興奮しているね。

――マルチプレイがどう働くかについて教えて下さい。まずは1セッションの最大接続人数と、1グループの最大人数を。

バリガ まずはグループは最大4人だ。1セッションの人数は具体的な数字ではなくて場所によって変わってきて、それが小さい場所も大きい場所もある。

 他のプレイヤーと出会うこともあるけど、しょっちゅうは起こらないというぐらいを目指しているんだ。MMORPGのように街に行ったら100人はいて、どこか行ったらモンスターの湧き待ちで人が集まっているというようにはしたくない。

 時折道中で別の旅行者とすれ違うけど、再びしばらく孤独になり、ダンジョンではもっと外界から隔絶された感じを味わう……というような感覚を維持するのが『ディアブロ』にとって大事だと考えている。

――モンスターからドロップしたアイテムは個別に手に入れられますか? 取り合いですか?

バリガ 大半の場合は『ディアブロIII』と同じような仕様で、それぞれのプレイヤーがそれぞれのアイテムを手に入れられる。

 例外はいくつかあって、クエストアイテムの場合はそのクエストを進行している人だけが手に入れられる。それとまぁ……オーケー、PvPの場合もそうだね(手に入れるべき人だけが手に入れる)。だから取り合いになることはない。敵からアイテムが落ちた時にいれば手に入れられる。

――ワールドイベントやPvPの発生条件はなんですか? 何がトリガーになるんでしょう?

バリガ ワールドイベントはスケジューラーのようなものを内部に持っていて、基本的には時間に応じて起こる。例えばシンプルなものだと、ゲーム世界が夜になると起こるとかね。もうちょっと複雑なものもあるけど、『World of Warcraft』のシステムと近い所がある。

 PvPについて今話している範囲で言うと、世界にはPvPが有効なエリアがいくつかあって、もしそこに加わりたくないなら行かなくていい。

――(『ディアブロII』のようにPvPの勝利の証として)耳を得られますか?

バリガ はい。(「今、はいって言いました?」)詳細は話せないけど……えぇい、やるさ、もちろん!

――プライベートゲームやソロプレイはどうでしょう?

バリガ ソロでゲームのすべてを遊ぶことはできるけど、オフラインで遊ぶことはできない。

――ドルイドが帰ってきました。非常にパワフルで楽しいクラスですが、バーバリアンと似ている部分もあります。デザイン面での違いなどについて教えて下さい。

ミューラー いろんなクラスを通じていろんな体型があるようにしたくて、それぞれちょっとずつ特徴を持たせている。

 思うに、ドルイドで我々は大柄な体型を称賛しているというか、自分のようにビールとチーズバーガーが詰まった人間でもコスプレできるようなクラスになっているね(笑)。でもそれ以外にも違いはあって、ドルイドは山の中などの自然や動物とともに生きているから、毛皮が多かったり、ツノを被っていたりして、設定が外見を形作っている。

 それに対してバーバリアンはもっと肉弾戦で戦うクラスだから、革とチェーンメイルだったり、肌を見せている比率が大きかったり、武器を背負っていたり、身体もより引き締まった感じだ。

 ゲームで実際に動くとドルイドは人狼になったりクマになったりして戦うし、巨大なクマの体型からスキル終わりに本のサイズに戻ったりするので、それもまた特有の部分だと思う。

――デモをプレイした時にはジェムが見当たらなかったんですが、代わりにルーンがありました。この辺りのアーマーなどのスロットに対して行うカスタマイズについて教えて下さい。

バリガ ジェムがなくなったとは言っていないんだけど、まだ言えない所があるから今回はルーンについて説明しよう。

 ルーンは『ディアブロII』とはシステムが異なっている。あのゲームではルーン文字の秘密の組み合わせを知っていなければいけなかったけど、今はインターネット時代だから検索すればいいだけなので、あのやり方の当時の面白さは減ってしまった。

 そこで今回はトリガーとなる条件のルーンと効果のルーンを組み合わせることで、マッドサイエンティストのように自分だけのレジェンダリー装備を作るような形にしているんだ。

 条件には「ポーションを飲んだら」というようなものがあったりするし、効果には「クリティカルチャンスを50%増加する」といったものもあったと思う。代わりにアタックスピードを上げたい人もいるだろう。そういった組み合わせを、他のスキルランク(すでに取得したスキルに追加でポイントを割り振ることで上位版にできる)やタレントツリーなどの強化要素と組み合わせることで、ビルドの可能性をグッと広げられると思う。

――タレントツリーは3にはなかった要素ですね。それとスキルルーンはなくなったんでしょうか?

バリガ タレントツリーだけども、昔のBlizzardのRTSなんかのカスタマイズの伝統をちょっと思わせるような所がある形になっているね。『ディアブロII』のスキルツリーとはまた違うし、むしろ昔の『World of Warcraft』のツリーの方が近かったりする。スキルルーンは今回はなくなった。

――今回、PC版にもキー一発で出せる共通の回避アクションがあるのはなぜなんでしょう?

バリガ その方がクールだから! ……というのと、PC用ゲームコントローラーで遊ぶプレイヤーのことも考えてだね。(※『ディアブロIII』で後発の家庭用ゲーム機版が登場した際に、本来想定されていたマウス&キーボード操作とコントローラー操作のギャップを埋めるために独自の回避アクションが追加された)

――ファストトラベルはあるんでしょうか?

ミューラー ファストトラベルはある。それと馬などのマウントに乗って移動することもできる。

 今回はマップが大きいからね。自分は探索して世界に没入しつつ秘密を発見するのが好きなタイプなので、マウントに乗りながら旅できるのはいい感じだ。特にキャンペーンミッションをプレイしながら世界を旅している時はね。

 でも前に行った場所に戻りたくなって、また全部移動するのはめんどくさい人もいると思う。そんな時はファストトラベルを使えば戻れるようになっている。

――デモをプレイしていて、カットシーンで自分の選んだ顔が反映されているのに気が付きました。リアルタイムカットシーンを導入したんでしょうか?

ミューラー イエス。どのクラス、どの顔を選んでもそれがカットシーンに反映されるようになって、これまでは主要なNPCが出てくるプリレンダ―ムービーで展開されていたけど、よりパーソナライズドされたストーリーになった。

 これは本作の新しいエンジンで良くなった部分のひとつで、それぞれの使っているキャラクターがちゃんとシーンにいる形でストーリーを語れるようになったんだ。どんな装備をしていても問題ない。

――今話せる中で気に入っているスキルは?

バリガ (ドルイドのアルティメットスキルの)“カタクリズム”かな。というのは、動物への変身能力はすごくよかったんだけど、そこに何か足そうとしていろいろ検討して、“自然能力のマスター”というのがしっくりはまった。カタクリズムでは嵐を巻き起こして暴れまくるんで、パワフルでいいね。

ミューラー 自分にとっては(バーバリアンの伝統的スキル)“リープ”かな。バーバリアンでプレイするのは楽しいし、子供の時からバーバリアンを描いてきたからね。

 だから敵の群れに飛び込んでダブルアックスやソードで戦うという姿も好きだし、今回はバーバリアンには“アーセナル”というシステムがあって武器を切り替えられるし、このふたつの組み合わせはすごく好きだ。ゲームプレイトレイラーを見直してもらえれば、彼が戦っているシーンでいかにたくさんの武器を抜いているかがわかると思う。かっこいいよ。

――では最後に日本のディアブロファンに。

ミューラー 開発チーム自身がディアブロファンでもあるんだ。「自分はプログラマーなんでどうでもいいっす」なんて奴はいないよ。

バリガ 確かに。初代のファンも2のファンも3のファンもいる。このシリーズとともに歳を重ねてきたいろんな世代のスタッフがいて、それぞれが自分のディアブロ体験を持っている。

 だから古いファンも新しいファンも、あなたが最初に「『ディアブロII』を思い出した」と言ったように、このゲームにディアブロらしさを感じてくれたら嬉しいね。

左がミューラー氏で、右がバリガ氏。記者が「90年代に『ディアブロ』のCDを輸入ゲーム屋で見つけた時のこととか思い出しましたもん」と言った所「なぜだか悪いことしてる気分で『母ちゃんいないよな?』って感じでしょ?」との返答。わかってるー。ワルいゲームだったんですよ。

ステージイベントでもさらなるディテールが!

 BlizzCon会場では初日に引き続いて本作のステージイベントが行われ、さまざまなシステム面のディテールが明かされた。

 気になる所では、アイテムのレア度が変わり、“ノーマル/マジック/レア/レジェンダリーとセットアイテム/アンシェントレジェンダリーとアンシェントセットアイテム/ミシック”という構成に。

 またダンジョンの階層が繋がっていてローディングを挟まないようになっていたり(かつダンジョン構造自体は従来のランダム生成を踏襲)、各ダンジョンの“ダンジョンキー”を入手することでボスが増えたり特別なトラップが出てくるなどの変化がつく“エンドゲームダンジョン”に変化する、といった要素が判明。

 そして詳細はまだ明かされなかったものの、トレーディング要素、クラン要素、伝統の一回死んだら全部やり直しの“ハードコア”モード、そして『ディアブロIII』で導入されたシーズン制のプレイチャレンジなどもそれぞれ存在するとのこと。

2日目もシステム面などを紹介するパネルディスカッションが行われ、超巨大ホールがほぼほぼ埋まるほどのファンが押し寄せた。