2019年10月26日の午後――久しぶりに訪れた週末の秋葉原は相変わらずの人の波であった。海外からの方も多く街は濃密な活気で溢れていた。

 記者が秋葉原に足を運んだのはほかでもない、10月24日にGame Source EntertainmentよりNintendo Switchとプレイステーション4向けに日本語パッケージ版が発売された(※)『Bloodstained: Ritual of the Night(ブラッドステインド: リチュアル・オブ・ザ・ナイト)』のクリエイター、IGAこと五十嵐孝司氏によるサイン会を取材するためであった。会場となるは、おなじみ秋葉原トレーダー3号店。

※デジタル版はNintendo Switch、プレイステーション4、Xbox One向けに505 Gamesより配信。PC版(Steam)は6月18日に配信。

 サイン会が始まるのは午後3時ということで、開始15分くらい前に中央通りにお店を構える秋葉原トレーダー3号店まで訪れてみると、周囲は何やら独特な雰囲気の静かな熱気が……。見ると、お店の周りはサイン会を待つ方々がぐるりと取り囲んでいたのだった。聞くと、午前1時から整理券を配布したものの、用意した200枚はあっという間になくなってしまったのだという。中には、午前10時に足を運んだ熱心なファンの方もいたのだとか……。

 日ごろあまり接することはできないが、こうして実際に目の当たりにしてみると、改めての五十嵐氏の根強い人気ぶりを実感させられる。多くは、五十嵐氏の過去作からずっとファンだった方のようで、いわゆる“IGAヴァニア”の最新作『Bloodstained: Ritual of the Night』を待ち望んでいたようだ。記者のようなゲーム業界の端くれに身を置く者としても、ゲームコンテンツがこうしてファンの方に熱烈に支持をされているのも見ると、ちょっぴり胸がジンとくるものがある(年を取って感動しやすくなったということもあるかもしれない)。

 そこでふと思い出したのが、2007年にロサンゼルスで行われたE for Allというイベントでの取材。E for Allというのは、当時E3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)が縮小傾向にあったときに、E3の後継イベントとして立ち上げられたユーザー向けの催し(けっきょくE3はそのまま継続して開催されることになり、E for Allは2回くらいで消滅してしまうのだが、それはまた別の話)。同イベントで五十嵐さんのサイン会が行われたのだが、そのときの熱気ぶりがフラッシュバックのように蘇ってきたのだ。“ゲームクリエイターがサイン会をする”という文化が海外ではあることを、記者は当時あまり認識しておらず、「ゲームクリエイターのサイン会ってあるんだ……」くらいに思っていたのだが、いざ会場に赴いてみると、ブースをぐるりとファンの方が取り囲んでいて、びっくりした記憶がある。以降、国内外を問わず、ゲームクリエイターのサイン会を度々取材することになるわけだが、そのときの海外ゲームファンの五十嵐氏に対する熱烈ファンぶりがとても印象的だった。

 それから12年。日本という地において、2007年と一切変わることのない熱気見せるサイン会を見て、五十嵐孝司氏の根強い人気ぶりと実感しつつ、熱心な支持があったからこそ、4年前に行ったKickstarterで資金を調達できたのだということを改めて認識した次第。

 さて、サイン会の始まる前に五十嵐孝司氏に日本語パッケージ版が発売されての改めての感慨を聞いてみると、「『Bloodstained: Ritual of the Night』の日本語パッケージ版が発売されて非常にうれしいです」と感慨深げな様子で、サイン会に臨んでいったのだった。

 なお、サーバーのトラブルで『Bloodstained: Ritual of the Night』のプレイステーション4版のデジタル版の配信が遅れているが、現在全力で改善に向けて取り組んでいるとのことだ。

熱烈な五十嵐氏ファンの方が並ぶ。ツーショットの記念撮影を求めるファンの方がほとんど。なかには、「明日誕生日だから動画でメッセージをください」という熱心なツワモノも。いずれも気さくに応じる五十嵐氏。
いちばん最初に並んでいた方は10時に来たという。五十嵐氏のファンで、ゴシックホラーの世界観がお好きなのだとか。
メトロイドヴァニアの探索要素があってやりごたえ満点なので好きだという男性。
21歳の方。友だちに勧められて五十嵐氏の過去作を遊び、『Bloodstained: Ritual of the Night』にも興味を持ったのだとか。若いファンの方も入ってきているようです。

 最後に、『Bloodstained: Ritual of the Night』の家庭用ゲーム機版の発売を記念して公開された、PV(60秒バージョン)と、Game Source Entertainmentの公式Twitterでのみ視聴可能な90秒バージョンをお届けして、本稿を締めさせていただきます。