ソフトバンクがNVIDIAと協業し、NVIDIAのクラウドゲーミングサービス“GeForce NOW”の日本版サービスを提供することを発表。この冬からベータ版サービス(無料)を開始することを明らかにした。

 “GeForce NOW”は、NVIDIAがワールドワイドで展開しているPCゲーム向けのクラウドゲーミングサービス。ゲームで遊ぶときに発生する負荷がかかるデータ処理を“GeForce NOW”のサーバー側で行った上でストリーミング配信するため、高負荷な処理ができないパソコンやタブレット、スマートフォンなど、デバイスの種類を問わずに、高性能を要求するゲームがいつでもどこでも楽しめるようになる。現在、北米と欧州ではベータ版のサービスが提供されており、約500タイトルがサポートされているという。

 今回発表された、“GeForce NOW Powered by SoftBank”は、そんな“GeForce NOW”のテクノロジーをソフトバンクと協業して、キャリアフリーで展開するというもの。GPUメーカーの雄としておなじみのNVIDIAとソフトバンクの協業というのは、新鮮な組み合わせに見えるが、どのような経緯で今回の協業は実現したのか? ソフトバングの金子雄喜氏とNVIDIAの鈴木悠里氏にお話を聞いた。

 なお、“GeForce NOW Powered by SoftBank”のベータ版サービスはただいま参加者の申し込みを受付中。募集期間は2019年11月下旬までで、募集人数は10000人となっている。募集を上回った場合は、抽選となる。

ベータサービスへの申込みはこちら

金子雄喜氏(写真左)

ソフトバンク
コンシューマ事業統括
新規事業開発室
新規事業推進部 部長

鈴木悠里氏(写真右)

NVIDIA
コンスーマーマーケティング部
マーケティング マネージャー

“GeForce NOW Powered by SoftBank”はまさにお互いの強みを活かした協業

――ゲームファンにとって、「ソフトバンクがゲームを、しかもクラウドゲーミングの提供を始める」というところには意外さと驚きがあると思います。“GeForce NOW Powered by SoftBank”は、どういった経緯で始まったのですか?

金子おっしゃるとおりで、そこは意外に感じる人が多いと思います。でもじつは、NVIDIAさんとソフトバンクの関係性で言うと、AIの研究や取り組みなどで過去2年以上にわたってお付き合いさせていただいているんですよ。
 NVIDIAさんは北米・欧州で“GeForce NOW”のベータ版サービスを以前から提供しており、それをさらに別の国や地域で展開していきたいということで、ソフトバンクにも昨年末にお声かけをいただいたのです。
 ソフトバンクはいまの本格的なゲームというものに対して素人なので、当初は「どうだろうか?」という戸惑いもあったのですが、ソフトバンクでは“Beyond Carrier”戦略という、通信事業にとどまらないことにも事業を広げていこうという取り組みを掲げています。そのひとつとして、5Gを活かすことができるコンシューマービジネスとして、GeForce NOWに取り組んでみよう、挑戦してみようとなっていったんです。

――なるほど。まさにゲームにゼロから取り組んでいくお気持ちなのですね。一方で、NVIDIAさんがソフトバンクさんにGeForce NOWのお話をされた経緯や意図というのは、どういうものだったのでしょう?

鈴木先ほど金子さんのお話にあったとおり、もともとソフトバンクさんとは技術研究や協力などで繋がりがあったのですが、GeForce NOWというクラウドゲーミングサービスが北米・欧州で多くのユーザーさんから評価していただいていて、「じつはビジネス向けの技術以外にゲームの技術もある」とお話させてもらったところ、興味を持っていただけたという流れです。

――GeForce NOWの展開を本格化するにあたってパートナーを探していてソフトバンクさんにもお声かけをした、というところでしょうか?

鈴木そうですね。

――ソフトバンクさんはどんなメンバーでこのプロジェクトに取り組まれているのでしょう?「ゲームは素人です」と先ほどお話していましたが。

金子ゲームが好きなメンバーと、それほど詳しくはないというメンバーが半々ぐらいいるという感じですね。あと、プロジェクト外ではあっても社内には当然ゲームがすごく好きな人もいるので、その人の意見も聞きながらやっています。

――社内の反応というのはいかがですか?

金子やはりゲームのことをよく知っている人とそうでない人とで、反応が分かれますね。詳しい人だと「おぉ、すごい!」と言ってくれますが、スマホアプリぐらいしか触っていない人だと、「何が違うのかわからない」という反応だったり(笑)。そのあたりは世の中の反応と大きくは変わらないのでは……と思います。ただ、そういった詳しくない人にもGeForce NOWを体験してもらうと、「すごいよね?」とびっくりされるのではないかと思います。「なぜこのゲームがこのデバイスで遊べるのかわからない」、というように驚いてもらえるのではないかなと。
 一方で、ハイエンドPCでガリガリ遊んでいるようなコアなゲーマーの人にも満足してもらえると思います。家のPCでふだん遊んでいるクオリティーに近いものをクラウドでプレイできますし、出先でもそれができるところに、いろいろと魅力を感じてもらえるのではないでしょうか。

――“GeForce NOW Powered by SoftBank”を展開することにおいて、ソフトバンクとNVIDIAのお互いにとっての強みというのはどういうところになるのでしょう?

鈴木NVIDIAはGPUを長年販売しておりまして、コアゲーマーさんにとって、おなじみの会社でありブランドだと自負しています。ですが、日本では家庭用ゲーム機が強く、そのユーザーさんにはNVIDIAはそこまで認知されていないのが現状ではないかとも思っています。世界だと、PCゲーム市場と家庭用ゲーム機市場はほぼ半々だったりするのですが、日本だとPCゲームはそこまで普及してはいないので……。ですが、ここ数年で環境が整ってきて伸びてきていると見ています。

――たしかにそうですね。

鈴木とはいえ、家庭用からPCゲームへとジャンプアップするときには、ゲーム向けのPC値段が高くて、けっこうハードルが高くなりがちです。それが、このGeForce NOWならPCゲームに触れるための敷居がさがるのではないかと考えています。そういったところから、GeForce NOWはより多くの方にPCゲームを触ってもらえるものだと考えているのですが、私たちはそういったユーザーさんにリーチする方法が分からないのです。いままでコアなPCゲーマーばかりとコンタクトを取ってきた私たちなので、一般の方にどうアプローチをすればいいか、悩んでしまったのですね。そこで、幅広いユーザーさんに向けての見せかたや伝えかたが優れているソフトバンクさんとごいっしょして届けていこうと考えたんです。

――なるほど。たしかに、PCゲームを遊ぶ若い人たちも増えてきているものの、まだまだ日本ではそこまで普及しているとも言えないですよね。そこを広げるためにソフトバンクさんのようなパートナーが必要だったということですね。ソフトバンクさん側からはいかがでしょうか?

金子先ほどの話と重なるところがありますが、本格的なゲームにおいては素人ですので、まずパートナーさんといっしょに展開すべきだという話になります。NVIDIAさんはGPUの分野で世界的に知られる存在です。お話をいただいたこと自体がすごくありがたかったですね。

――お互いの分からない分野で頼りになるということですが、実際の業務はどのような分担になっているのでしょう? いまのお話のとおり得意分野を完全に任せているのでしょうか。

金子大きく分けると、一般のお客様の目に触れる部分はソフトバンクが行っていきます。サービスの提供などもソフトバンクからのものですね。一方で、GeForce NOWというもののコアな部分としてGPUを搭載するサーバーであったり、アプリケーションの開発などはNVIDIAさんにお任せしています。あと、ゲームタイトルについてのパブリッシャーさんとのやり取りなどもNVIDIAさんが担当されていますね。

――クラウドゲーミングの分野では、いろいろとライバルになっていくであろうサービスがあります。GeForce NOWではほかのサービスとの差別化を図り、強みを出されていくのでしょうか?

鈴木GeForce NOWがほかのクラウドゲーミングサービスと違う点として、“Bring Your Own Games”というモデルを採用している点が挙げられます。ユーザーさんは“自分のゲームを持ち込み”、GeForce NOWでプレイするという仕組みになっているんです。
 ほかのクラウドゲーミングサービスは、そのサービス用に用意されているゲームを遊んだり、またはそのサービス用のゲームを購入して遊ぶというものになっています。購入したゲームの権利も、そのクラウドゲーミングサービスにヒモづけられていますよね。
 GeForce NOWはそういうことではなくて、クラウド上にハイパフォーマンスなゲーミング環境を提供するだけです。お客様はそこへのアクセスする権利を得られるんです。環境貸しのレンタル料みたいなことですね、それを借りたら、自分が持っているゲームをそこにインストールして遊んでいただくようになっています。
 NVIDIAはゲームタイトルの売買をするわけではないですし、干渉もしないです。お客様が所有しているゲームを、よい環境で便利に遊んでもらうというサービスなんです。

――ほかのクラウドゲーミングサービスとはスタンスがかなり違っていますね。たとえば、PCゲームを所有していない人でも遊べるタイトルなども用意されるのでしょうか?

鈴木昨今では、ハイエンドのゲームでも基本無料のものが増えていますよね。人気の高いゲームほど無料のものが多くなってきてさえいます。それらはアカウントさえあれば遊べますよね。でも、そうしたゲームに対して「もっとよい環境でこのゲームを遊びたいけど、手が届かない!」と悩んでいる方も多いと思うのですが、GeForce NOWでより高いパフォーマンスで安く遊ぶことができます。

――なるほど。プレイしているゲームをより高いスペックのPCで動かしてみたいという気持ちにも、GeForce NOWは使えると。

鈴木さすがに、超最先端のハイエンドPCスペックとまではいかないのですが、「PCゲームで遊びたいけど、最初に最低10万円も必要になってしまうのはつらい!」というような人に、すでにあるデバイスや環境で、GeForce NOWを使ってみるのがひとつの手というわけです。

――ノートPCはあるけどゲームを遊ぶようなスペックではないんだよな……というような人とか、たくさんいますよね。

金子家庭用ゲーム機で遊んでいるゲームのPC版を試してみたいというときにもいいですよね。パッチも自動的にクラウド側で当たっていますし、遊びやすい環境がすぐに得られます。それに自分の持っているゲームを遊べますので、たとえばGeForce NOWをやめたあとでもゲームデータは手元にありますし、ゲーミングPCをちゃんと買ったあとにはGeForce NOWで遊んでいたデータの続きも遊べます。逆に過去に遊んでいたデータも使えます。

――プレイ環境やプレイする手段をもうひとつ追加するといったイメージなんですね。

金子そうです。AndroidのスマートフォンでもPCゲームができますし、出張先のノートPCでもできます。そういうプレイ方法の幅を広げることができるんです。

ベータ版サービスで体験してもらえれば「あっ、これで十分できちゃう!」になる

――PCを持っている人も持っていない人もターゲットになるのかなと思うのですが、どういう人に使ってもらいたいなと考えていますか?

金子最初は、PCゲームをすでに遊んでいるコアに近い層の人に試してみてもらって、「同じゲーム体験ができる」とか、「思っていたよりもすごい」というようなことを思ってもらいながら、徐々に家庭用ゲーム機のユーザーさんやスマホでヘビーに遊んでいるユーザーさんにも口コミが広がっていってくれるといいなと思います。

――技術に関心があって手を伸ばしやすい人から触ってみてもらいたい、ということですね?

金子やはり「PCゲームってハードル高いなぁ……」という意識は日本にはまだまだあると思うので、そこに抵抗がない方に触ってもらいながら……ですよね。そこは若干、我慢しながら続けていくところはあるかと思います。

――PCゲームをすでに遊んでいるコアなゲーマー層だと、サービスに対してシビアに見てくるところもあると思います。そこに応えられる内容になっているという自信はお持ちでしょうか?

鈴木いちばんのポイントになるのは遅延の部分だと思うのですが、PCのコアゲーマーさんに体験していただいても、プレイ感覚として「同じ体験で楽しめる」と言っていただけるという自信はあります。さすがにわずかなフレームが勝敗を分けるような競技向けのゲームについては、「我々の提供しているハイエンドPC環境でプレイしてください」という話になりますが(笑)。
 「ゲームをいろんな人と気軽に楽しむ」、「どこでも楽しめるようにする」ということにおいて、たとえば、いままで推奨スペック以下で我慢しながら楽しんでいたゲームでも、GeForce NOWでよりスムーズに、開発者が意図した体験が楽しめます。そうしたところが大事かなと。

――現在はベータ版サービスの参加者を募集されていますが、まさにお話いただいたことを感じてもらうのがポイントに?

金子そうですね。触ってもらえれば「おっ!」っと感じてもらえるはずだと思いますが、それを感じてもらうために触ってもらうまでが、私たち提供する側の課題となります。まずは触ってもらいたいです。

鈴木触ってもらえば、「あっ、これで十分に遊べちゃう!」になるはずです。

取材陣もインタビューのあとで、実際に“GeForce NOW”を体験させてもらったのだが(PC)、ほとんど遅延は感じられなかった。まさにストレスフリー。

――GeForce NOWのクラウドストリーミングや遅延まわり技術は、長年研究を積み重ねてきたものがあって、それが活かされているのですか?

鈴木仮想化技術において弊社で長年取り組んでいますね。仮想環境下でスクリーンをキャプチャして、ストリーミングで別の場所へ送り表示させるというものになりますが、そこの処理速度の速さに自信があります。また、そのときのエンコード・デコードの品質も高いのですが、それを実現させる専用のハードウェアを開発して使っています。

――独自のハードウェアで、ストリーミング描画のプロセスを最適化しているし、遅延の低減も行なえているのですね?

鈴木そうです。速いし、品質がいいです。

――そのあたりの技術研究や開発は、NVIDIAでは何年ぐらい取り組んでいるものでしょうか?

鈴木NVIDIA GeForce GRIDというクラウドゲーミング向けのGPU仮想化とストリーミング技術を発表したのが2012年ごろで、それから、ハードウェア・ソフトウェアの両面で改良し続けています。

――クラウドゲーミングの可能性が語られ始めたころから、ずっと取り組んでいるのですね。

鈴木当初は、北米・欧州で有償サービスとして提供していたのですが、2017年ごろに「一度、ビジネスモデルを刷新すべきでは」となり、改めて無料のベータ版サービスをしつつ内容を磨いてきました。そこから「いまの形態であれば、本格的なサービスを始められるだろう」という判断になり、ソフトバンクさんとパートナーシップを結んで、いまにいたっています。

金子ソフトバンクでは“ネットワークの遅延”という点において、日々改善を図っています。今後の5G時代も見据えると、MEC(Multi-access Edge Computing) という、ユーザーにより近い基地局にエッジサーバーを分散配置する技術がGeForce NOWにうまく当てはまってくるかと思います。

――MECというのは、インターネット網より手前に仮想のサーバーを置いて、そことユーザーのデバイスが通信すれば、処理が速くて低遅延になるよねっていうものですよね。

金子そうです。GeForce NOWでも、本当はユーザーさんともっとも距離が近くなる基地局にゲーミングGPUを搭載するサーバーを置くのがいいのですが、それだと日本全部にたくさん必要になってしまうんですよね。
 サーバーをもう少し上の領域に設置すれば広い地域をカバーできるようになりますし、ソフトバンクユーザーに限らず、どのお客様でも扱えるキャリアフリーなサービスとして提供できます。今回の場合はインターネット網の直前にサーバーを置いていますので、固定回線でアクセスしているぶんには快適ですし、モバイル回線でも遊べつつ、それでいて遅延もなるべく起こらないようにするというネットワーク設計にしています。

――ちなみにデバイス側は、それほど高いスペックを要求されないということですよね?

鈴木Windows環境だとWindows7 64bit以上のOSで、Macでは10.10以上ということでだいぶ前のものでも動作します。スマートフォンではAndroid5.0(L)以上でメモリ2GB以上を搭載しているものであればいけますね。

――Android端末でのプレイはどのように行うのでしょうか?

鈴木バーチャルキーボードで操作したり、認識させているゲームパッドを使っての操作になります。

――GeForce NOWではリアルタイムのプレイ動画を記録することができるということですが、こちらはどのようなものでしょうか?

鈴木もともとPC向けのNVIDIA GeForceでは、NVIDIA Highlightsという録画機能を提供しているのですが、それをGeForce NOWでも同様に扱えます。たとえば、あるシュータータイトルのプレイ中によいキルが取れたというとき、NVIDIA Highlightsが15秒前後の動画を自動的に録画していますので、その動画を観たり公開したりできます。これは、PC版 GeForce NOWだけの機能になります。

――PCで提供されているGeForce Experienceのツールに搭載されているNVIDIA Highlightsの機能を、GeForce NOWでもまったく同じように使えるということですね。

鈴木そうです。ちなみに、動画はローカル領域に動画が保存されます。

――わかりました。GeForce NOWで想定している提供タイトル数はどれぐらいになるのでしょうか?

金子北米・欧州でのベータ版サービスで提供しているものが500タイトル以上ですので、それを日本でも提供できるよう目指しているところです。NVIDIAで日本向けに動作確認を含めて取り組んでいただいているので、実際に日本の環境で確認ができたものから順次ラインアップとして発表していくことになります。
 ただ、日本のベータ版サービスでもユーザーさんが所有しているおもだったゲームはだいたい遊べるはずです。動作保証をこちらができているかどうかという話になりますね。

鈴木GeForce NOWのラインアップというのは、あくまで「動作対応の取れたタイトルとしてリストに載せてもいいですよ」という許諾を取れたタイトルという意味になります。そのタイトルは北米・欧州のリスト通り、500タイトルを越えるという状況です。

金子基本的には、PCで遊べている所有ゲームはどれでもGeForce NOWで遊べると思ってもらっていいと思います。

――提供ラインアップというのは、動作確認ができているタイトルという意味に過ぎないんですね。

金子そうなります。

GeForce NOWで“ユーザーをこれまでの必須環境から解放していきたい”

――GeForce NOWで遊ぶシーン、場所や状況というのは、どのような想定をされていますか?

金子出張先のホテルで遊べたりもできますが、いちばん多いのはやはり自宅になるのではないかなと想定しています。いまPCゲームを楽しまれている方は自室の机でプレイされていると思いますが、たとえば友だちが遊びにきて別のデバイスを使っていっしょに遊んだりとか、自室ではなくリビングでプレイしたりベッドに横になりながらプレイしたり。そういうこともGeForce NOWを使えばできますよね。

鈴木あとは、オンラインゲームであれば期間限定のイベントをやっていたり、その期間にアクセスするとアイテムがもらえる、なんていうときがあって、アクセスしたいときがあると思うのですが、そのときに手元のスマートフォンでアクセスできますね。

金子がっつりとしたプレイはできなくても、作業的なことをやったり、ログインボーナスを得たりということもできますね。

――なるほど。帰宅してから本格的なプレイをすぐに始められるよう、スキルセットの整理とかを外でやっておくとか、そういうこともできるというわけですね。モバイル回線でもそれぐらいはできますか?

金子検証中なのですが、いまの4Gだとソフトバンクの4G回線ならできると思います。ただ、5Gになるとどのキャリアからでも大丈夫になるでしょうね。固定回線のWi-Fiであれば問題ありませんので、固定回線または将来的な5Gでの利用を基本要項にしたキャリアフリーのサービスになります。

――5Gが来年春から本格的に始まっていくと、GeForce NOWでも5Gを活かしてサービスやクオリティーを拡充する予定があるのでしょうか?

金子5Gを前提にできるようになると、より便利でリッチな体験ができるようになるかと思います。5Gによって何がキラーコンテンツやキラーサービスになるか、まだまだ未知の可能性がありますし、それはゲームについても同様です。5GとGeForce NOWの結びつきによるものも出てくるのではないでしょうか。ユーザーさんの意見を聞きながらチャレンジしていきたいところです。

鈴木GeForce NOWは、いまの4Gでもとても遊べるものになっているのですが、5Gという固定回線級の安定性や帯域幅が使えるようになれば、より安定したプレイができるようになるでしょうね。それに、いままでの対戦ゲームの環境話だと無線環境の人は「お前、有線じゃないの!?」と言われることもありがちだったかと思いますが、5Gの低遅延ならそういうことも減っていくかもしれませんし、いずれは有線とワイヤレスに違いを感じることそのものも、なくなるかもしれません。そういう期待がありますね。

――なるほど、この進化の先では回線の違いを意識すること自体がなくなると。

鈴木有線でなくても快適に遊べるというのは、“ユーザーが必須環境から解放される”ということなんですよね。そうなったときに端末のメーカーさんが開発するアプローチも変わっていきますし、クリエイターさんもこれまであった制約を外して考えて、新しいことをできるようになるでしょうね。そういう幅が広がってくるというよさが、クラウドゲーミングや5Gという世界がもたらすものだと思います。

――今後の展開についてはどのようになっていくのでしょうか? サービスの詳細や利用金額などについても近日に発表されるのですか?

金子そのあたりは11月以降に、現在募集中のベータ版サービスの締め切りと合わせてお伝えする予定です。今後の情報は、公式サイトや公式のTwitterアカウント(@softbank_gfn)にてお伝えしていきますので、ゲームファンの皆様にぜひチェックしていただきたいです。