2019年8月20日~24日(20日はビジネスデイ)、ドイツ・ケルンメッセにて開催された、ヨーロッパ最大級のゲームイベントgamescom 2019。ここでは、エレクトロニック・アーツのレースゲーム『Need for Speed Heat(ニード・フォー・スピード ヒート)』のクリエイターインタビューをお届けする。同作は、公道を舞台にしたレースゲーム『ニード・フォー・スピート』(以下、『NFS』)シリーズの最新作。2017年にリリースされた『ニード・フォー・スピード ペイバック』以来、2年ぶりのシリーズ作となる。昼は、オフィシャルのレースイベント“SpeedHunters Showdown”で賞金を稼ぎ、クルマをカスタマイズ。夜は違法のストリートレースに身を投じることになる。夜は、パトカーに追いまくられるスリルも味わえる。

 インタビューに応じてくれたのは、開発元であるGhost Games、クリエイティブ・ディレクターのライリー・クーパー氏と、ビークル・ディレクターのブレッド・アルバン氏のおふたりだ。ちなみに、ビークル・ディレクターは、クルマの外観や運転時のフィーリング、サウンドなど、クルマにまつわるすべてをハンドリングする立ち位置のようだ。

ライリー・クーパー氏

Ghost Games、クリエイティブ・ディレクター

ブレッド・アルバン氏

Ghost Games ビークル・ディレクター

日本のゲームファンに親近感を持ってプレイしてほしい

――2年ぶりのシリーズ最新作ですが、開発するうえで心がけた点を教えてください。

ライリー『NFS』シリーズ最大の特徴である“ストリートレース”を最大限活かすことに注力しました。昼間はレースをして賞金を稼ぎ、夜は公道レースに身を投じるという二重構造にしたのは、いくつかの要素が相まってそうなりました。シンプルな理由のひとつは、昼間なら昼間に固定したほうが、ライティングがよりよくなることです。そして、『NFS』の歴史を振り返って、ファンの皆さんや作り手が愛するそれぞれのシリーズ作を見て、その魅力を最大限に活かせる方法論が、昼と夜にすることでした。

――シリーズのよさは守りつつも、さらなる飛躍を目指したということですね。

ライリー新しいプロジェクトを始動するときは、いままで取り組んできたことを分析して評価し、継続すべきかやめるべきかを決めています。私たち Ghost Gamesとしては、4作目の『NFS』となりますが、スタジオの規模やスキル、テクノロジーに、社内での仕事の進めかたなどからいままで以上にアグレッシブな決断ができるようになりました。それに加えてストリートレースにフォーカスしたことで、“何を継続すべきか”を決めることができたんです。コアとなるのは、警察の目を盗んで改造したクルマで突っ走るというストリートレースですね。

――ユーザーには、ストリートレースの醍醐味を味わってほしいということですね?

ライリーその通りです。ストリートレースの魅力はスリルです。ゲームディレクションの方向性としては、プレイヤーのフィーリングを引き出すには、プレイとスリルがしっかりとミックスされていることが大事だと考えました。夜は昼間よりも “危険”にフォーカスし、昼間は“スリル”にフォーカスしています。昼間のレースは競争という純粋なスリル、夜は多くの警官に追われる“危険”ですね。夜のレースでは、ことによったら獲得したお金や名声、パーツなどを一部失うこともあります。

――『NFS』は、やはり夜のレースに比重が置かれている感じですか?

ライリー『NFS』のアイデンティティとしては、夜のレースが象徴的な体験であることは間違いありませんが、プレイタイムということに関して言えば、プレイヤーがどのようなプレイを好むかによって左右されます。できるだけ早くゲームをクリアーしたいのであれば、昼夜半分ずつプレイすることになります。ただ、昼のレースもしくは夜のレースのどちらかが好きということであれば、そちらに時間を費やしてもいいわけです。

――ビークル・デザイン担当として、ブレッドさんが今回注力したポイントは?

ブレッドドライビング経験の操作性ですね。とくに、『ニード・フォー・スピード ペイバック』のファンからのフィードバッグをたくさんもらって、何をしたらよいかを検討しました。今回明確にしたのは、ラップタイムをよくするにはレーシングカーが最適であり、ドリフトカーはベストトリップをするのに最適ということです。以前はこれが明確になっていませんでした。

――操作性もよりリアルになった印象があります。

ブレッドその通りです。現実にあるクルマを運転しているような感覚を持ってほしいと思っていますが、序盤ではその感覚を捉えるのが難しすぎないように調整しています。本作では、プレイヤーが“プレイすればするほどうまくなっている”と感じることが重要だと考えています。

――カスタマイズでこだわったポイントは?

ブレッドオリジナルカスタマイゼーションは、パートナーであるカーメーカーと密に連携しています。ビジュアルについてはかなり自由にやらせてもらっていますよ。三菱を含めて、すべてのメーカーが自由にやらせてくれるのはありがたいです。ちなみに、日本人はカーチューニングでかなりクレージーなことをしているのは知っています(笑)。

――オンライン要素について教えてください。

ライリー本作では、オンラインプレイは必須というわけではなくて、完全にオフラインでプレイ可能です。一方で、オンラインでプレイしたい場合は、最大16人で世界をドライブできます。オンラインのプレイ人数は、前作の2倍になっていますよ。“Crew”では、32人のプレイヤーがグループになって、クルマやキャラクターをガレージの中で見せることもできます。また、世界のトップレーサーにチャレンジするといったことも可能です。名前はリーダーボードに記載されていて、相手はゴーストカーとなって表示されるんです。同じ時間にオンラインになっている必要はありません。

――ところで、おふたりともクルマがお好きだとお見受けしましたが、個人的にお好きなクルマはありますか?

ライリー私は若いころからずっとフェラーリファンで、子どものころはF40 のポスターを壁に貼っていました。ゲームの中では、フェラーリ488GTBを使っています。

ブレッドNeed for Speed Heat』では日産GTR R34がお気に入りです。本作の舞台はアメリカ南東部から刺激を受けているのですが、フロリダに行ったときに、倉庫いっぱいに入った輸入したGTRを、カーファンに見せてもらったんです。それがとてもクールで……。でも、プレイするときはGTR R34は最後までとっておこうかなと考えています(笑)。

――ちなみに、開発者の皆さんが、いっしょにドライブしたりレースをすることはあるのですか?

ブレッドそれにいちばん近いことをしているのは私だと思います。ビークル・ディレクターとしての情熱でもありますね。じつは私も日産GTR R34を持っていて、頻繁にドライブしています。ドリフトイベントにも参加していますよ。富士スピードウェイのドリフトイベントにも行きました。生まれつきのクルマ好きのようです。

――最後に、日本のファンに向けてひと言お願いします。

ライリー日本の皆さんにプレイしていただくのが待ち遠しいです。『Need for Speed Heat』を気に入っていただけたらうれしいです。

ブレッド日本へ行って日本のカーカルチャーに触れました。日本のファンには『Need for Speed Heat』に親近感を持ってプレイしてもらえるのではないかと期待しています。