2019年6月29日にサービス開始2周年を迎えた『アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ』(以下、『ミリシタ』)。2周年を記念して実施した、望月杏奈役の夏川椎菜さんのインタビューをお届けする。“オン”と“オフ”のギャップが特徴的な杏奈の魅力や、夏川さんとの意外な共通点とは!?

※本インタビューは2019年6月上旬に行いました。

 なお、最上静香役の田所あずささんのインタビューも公開中。田所さんへのインタビューは下記をチェック!

夏川 椎菜(なつかわ しいな)

7月18日生まれ。千葉県出身。『ハイスクール・フリート』(岬明乃役)や『えんどろ~!』(セイラ役)などに出演。ソロやユニット“TrySail”で歌手としても精力的に活動中。(文中は夏川)

『アイマス ミリシタ』夏川椎菜さん(望月杏奈役)インタビュー。「杏奈はいっしょに成長してきたかけがえのない存在です」_03

杏奈を演じるときに意識しているのは、間を大切にすること

――夏川さんにとって、望月杏奈とはどのような存在ですか?

夏川デビューしてすぐにいただいた役ということもあって、私にとっていっしょに成長してきたかけがえのない存在です。いろいろな“初めて”をともにしてきました。初めてステージに立ったのは、Zepp Fukuokaで開催された『アイドルマスター』8thライブツアーの福岡公演でしたし、歌やゲームの収録も杏奈を通して経験してきました。

※『アイドルマスター』8thライブ福岡公演のリポートはこちら

――ともに歩んできて感じる、杏奈の魅力とはどういったところなのでしょうか?

夏川やっぱり“二面性”ですね。ステージ上の“オン”の杏奈と、いつもの“オフ”の杏奈で、まったく異なるふたりのキャラクターを演じているような感覚です。ただ、どちらの杏奈も“アイドルとして輝く”ということに対して、芯の通った信念のようなものが一貫してあって、そこは私も尊敬します。

――そんな杏奈を演じるうえで、どういった点を意識していますか?

夏川とくに神経を使うのが、オフの演技をするときです。おとなしいというだけではなくて、プロデューサーを始め、シアターの仲間たちとも微妙な距離があるというか、人見知りが出ている感じがあるので、それをどう表現するかはいつも考えながら演じています。オフの杏奈こそが“自然体”の彼女なので、その部分の表現に関してはこれからも妥協せずに追求していきたいと思います。それと、セリフの内外で“間”が多く盛り込まれているキャラクターでもあるので、それを自分なりに解釈して演技に盛り込んでいます。

――確かに独特の間がありますよね。最初の収録のことは覚えていますか?

夏川いま思うと、当時はまだ高校生で地に足が着いていないところがあって、熱意が先走っていたところがあったかもしれませんが、勢いのあるオンの杏奈を演じるにはよかったような気もしています。スタッフの方からも、「等身大の演技をしてほしい!」というディレクションがあったので、自由にやらせていただいていました。当時は杏奈と年齢も近かったですが、7年目を迎えて成長したいまは、逆に当時の演技に寄せるようにしています。

――なるほど。杏奈は劇場版『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』にも登場していますが、こちらの収録はいかがでしたか?

夏川劇場アニメのアフレコは、そのときが初めてでした。アフレコ自体の経験もまだあまりなかったですし、765プロの先輩の中には初めてお会いする方もいて、すごく緊張しました。そんな緊張しまくりの私たち『ミリオンライブ!』(『アイドルマスター ミリオンライブ!』の略称。以下、同じ)のメンバーを見て、先輩の皆さんが緊張をほぐそうと積極的に話しかけてくださったので、現場は和やかな雰囲気でした。そのおかげで私も練習通りの演技ができました。すごく勉強や経験にもなりましたし、思い出にも残っています。

――それは緊張しますよね。では、自分の中で「杏奈を掴んだ!」と思った瞬間はありますか?

夏川杏奈を始めて演じてから2、3年経って、ライブでプロデューサーさん(※『アイドルマスター』シリーズのファンのこと)たちの反応を見たりしたときに「こういう風に演じればいいんだ」と手応えを得た瞬間はありました。ただ、その後『ミリシタ』の立ち上げで、それまでの成長をリセットして、もう一度デビューのころの杏奈をやり直すことになったときに、昔の演技や感情を蘇らせるのがたいへんでしたね。声の質も昔とは変わっていましたし、これまで杏奈といっしょに経験してきたものが、『ミリシタ』の杏奈にとってはまだ経験していないことになった、ということもあって。

――『ミリシタ』ではプロデューサーとの出会いなども描かれたりしていますしね。ゲームの収録はひとりだと思いますが、CDのドラマパートなどで、ほかのキャストさんといっしょに収録する際に気を付けていることなどはありますか?

夏川ひとりで収録をするときとは違って、掛け合いだと杏奈のところでトーンやリズムが大きく変わってしまうことが多々あるんですよ。ひとりだけ、セリフの尺が長いですからね(笑)。でも、それが杏奈の持ち味なので、あえて掛け合いであることは意識せず、いつも通りに、ひとりで収録しているものだと思って臨んでいます。そういうことは杏奈以外では、ほとんどないんですよ。

――あえて意識しない、というのはおもしろいですね。では、そんな杏奈と夏川さんが似ている、あるいはここは似ていない、と思うところは?

夏川ゲームが好きなところとか、基本的にインドア派だとか、わかりやすい共通点は多いですよね(笑)。あとは杏奈ほど顕著に現れてはいないかもしれませんが、私もオンとオフの落差がけっこう大きいんです。意識はしていないのですが、ふだんの私の省エネっぷりは、知らない人には驚かれると思います。

――どんな姿なのか、気になります(笑)。杏奈のように、オンとオフのスイッチが切り替わる瞬間はあるのでしょうか?

夏川舞台用のメイクをすると、スイッチが入る音が聞こえることがあります。ぜんぜん違う自分になるじゃないですか、物理的に(笑)。それで一気にテンションが上がるんです。

――変身するようなイメージですかね(笑)。続いて、『ミリオンライブ!』からの7年間の活動の中で、とくに印象に残っていることは?

夏川2ndライブのBlu-rayの特典映像で収録した“ミリ狼大会”(※1)が楽しかったです! ちょうどそのころ、ライブのリハーサル終わりにぴょんさん(春日未来役の山崎はるかさん)主導でボードゲームなどをやるのが流行っていたんです。それをスタッフさんたちが見ていて、“ミリ狼大会”をやることになったみたいで、そこにスタッフさんたちの愛を感じました。『ミリオンライブ!』では、スタッフさんとキャストの距離がいい意味で近くて、私たちのやりたいことを汲み取ってくださるのですが、それがいちばん出た企画がこの“ミリ狼大会”だったと思います。私はそのとき、ゲームの早い段階で退場してしまったので、リベンジしたいというのもあるんですけどね(笑)。

※1 人狼ゲームをオマージュしたオリジナルゲームのこと。間違いなくオリジナルゲームだ。

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華やかなステージの裏では想像以上の苦労も!

――先日は、『ミリオンライブ!』6thライブツアーの仙台公演にもご出演されましたね。

夏川今回初めて、Princess、Fairy、Angelのチームごとに分かれて実施するという形式だったのですが、チームの一体感を強く得られたと思います。衣装はもちろん、楽曲やライブ中のMCなどにもチームカラーが強く盛り込まれていて、同時に杏奈の『ミリシタ』での方向性も見えた気がします。

――衣装やセットも豪華でしたね!

夏川すべてがゴージャスだなぁって思いました。とくに、“ピコピコプラネッツ”(※2)の衣装はすごいことになっていましたね。電飾の配線もあって、ひとりでは着られないし、断線なども注意しないといけないしで、裏では想像以上の苦労がありましたが、プロデューサーの皆さんに喜んでいただけたようで、よかったです。とくに1日目ではサプライズ的な役割もあって、責任も重大だったので。

※2 『ミリシタ』のイベント“プラチナスターツアー ピコピコIIKO! インベーダー”で登場したユニット。メンバーは箱崎星梨花(声:麻倉ももさん)、木下ひなた(声:田村奈央さん)、望月杏奈、大神 環(声:稲川英里さん)の4人。

――楽曲では、765プロオールスターズのカバーなどもありましたね。

夏川はい。『ミリシタ』からプロデューサーになった方も多いはずなのに、私たちが“体操レクチャー”をするという流れで「アッハッハッハ」と『スマイル体操』の一節を入れた瞬間に、それだけで場内がザワっとしだしたりして、驚きました。プロデューサーさんたちはすごいなと、あらためて感じましたね。

※『ミリオンライブ!』6thライブ仙台公演のリポートはこちら

『アイマス ミリシタ』夏川椎菜さん(望月杏奈役)インタビュー。「杏奈はいっしょに成長してきたかけがえのない存在です」_02

夏川さんが気になるのは、妹に似ているというあのアイドル

――ライブでは、そのほかにもさまざまな楽曲が披露されましたが、杏奈が参加している曲以外で好きな楽曲はありますか?

夏川花ざかりWeekend●』(※●は花マーク)と『月曜日のクリームソーダ』からは、私が好きなディスコサウンドやレトロポップといった音楽の雰囲気を感じるので、お気に入りです。『月曜日のクリームソーダ』を歌うユニットである“Jelly PoP Beans”(※3)の衣装も大好きなので、いつかライブで見てみたいですね。

※2 『ミリシタ』のイベント“プラチナスターツアー~月曜日のクリームソーダ~”で登場したユニット。メンバーはロコ(声:中村温姫さん)、舞浜歩(声:戸田めぐみさん)、永吉昴(声:斉藤佑圭さん)、周防桃子(声:渡部恵子さん)の4人。

――なるほど。ふだんからそういった音楽を聴かれるんですか?

夏川そうですね。吉澤嘉代子さんが好きで、とくに『月曜日戦争』という曲がまさにレトロポップなイメージで、カラオケに行くといつも歌っています。あとは、テレビアニメ『荒川アンダー ザ ブリッジ』のオープニング曲『ヴィーナスとジーザス』とかですね。

――何となく夏川さんの好みがわかってきました(笑)。

夏川フレンチポップやジャズ系の曲も好きなんですよ。『ミリシタ』でもさまざまな楽曲が出てくるので、いつかそういう系の曲も歌ってみたいなと思っています。いまのところ、杏奈は正統派のアイドルソングを歌うユニットに入ることが多いのですが、ソロではEDM系を歌ってもいますし、密かに期待しています!

──ちなみに、杏奈以外に好きなアイドルは?

夏川やっぱり百合子(七尾百合子)ですね。杏奈と百合子の関係は、私もときめいてしまうところがあるので。同じCDシリーズによく参加したり、デュエットもやったことがあって、思い入れも深い存在です。あとは桃子ちゃん(周防桃子)。ちょっとマセているところだとか、ツンデレな感じが私の妹に似ていて親近感が湧くんです。妹が好きだからこそ、ドキッとしちゃいますね。

※夏川さんの妹とのエピソードは以下の記事をチェック!

――妹さんとの仲のよさを感じます。最後にプロデューサーの皆さんへメッセージを!

夏川長く愛してくださっている方も、最近知ったという方もいらっしゃると思いますが、キャラクターも多ければ、それぞれのストーリーもたくさん用意されているので、好きなアイドルをプロデュースして楽しんでください。できれば、ボイスはスキップしないで、私たちの演技も全部見てもらえたらうれしいです。そして、杏奈の応援もお願いします!

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