カプコンからプレイステーション4版の発売日が2019年9月6日(金)に発売予定のハンティングアクション『モンスターハンターワールド:アイスボーン』。メディア向けに先行体験会が行われた。取材時に、プロデューサー・辻本良三氏、エグゼクティブディレクター/アートディレクター・藤岡 要氏、ディレクター・市原大輔氏に、実際にプレイして気になった質問を投げかけてみた。

辻本良三氏

プロデューサー(文中は辻本)

藤岡 要氏

エグゼクティブディレクター/アートディレクター(文中は藤岡)

市原大輔氏

ディレクター(文中は市原)

左から、市原氏、辻本氏、藤岡氏。

渡りの凍て地はギミックが盛りだくさん

――まずは、渡りの凍て地の話からお聞きしたいと思います。フィールドのギミックがおもしろいですね。地面が沈んで落ちてしまうようなところもあったりして、何回も引っかかってしまいました。

市原操虫棍はジャンプで乗り越えられるんですよ。

藤岡ランスは上ろうとしても間に合わないことが多いですね……(笑)。

市原前兆があるので、それが見えたらすぐに対応したら大丈夫だと思います。

――足場が崩れる条件は?

市原モンスターが暴れたりとか、衝撃が与えられるとグラグラし始めます。

――ハンター側からのアクションで崩すことも?

藤岡タル爆弾などで衝撃を与えれば可能です。

市原床へのダメージが蓄積するアクションなら、という感じですね。モンスターがそこに巻き込まれると、よじ上るんですけど、その後にぜぇぜぇと疲れる様子も見られるので、うまく利用するとチャンスを作れたりもします。

――私は毎回のように巻き込まれていたので、利用できませんでした(笑)。

市原慣れたら利用できるようになると思いますよ。

――氷柱もあったりしました。

藤岡利用すればうまくダメージを与えられますね。

――楔虫がある広間では、アクロバティックな動きもできたり?

市原連続で利用すれば、楽に移動できるような配置になっています。開発チームの慣れているメンバーは、空中攻撃に利用したりもしていますね。

――派手めギミックが多いように感じましたが、意識をされているんですか?

藤岡構成上、エリアが広くなるのもあって、エリアごとの遊び心地は、ギミックを込みでコンセプトを用意しよう、ということでわかりやすくデザインしてもらいました。なので、ギミックの効果、見た目もキャッチーなものになっています。

市原崩落は起こされましたか?

――はい! 我々もいっしょに流されましたが(笑)。

市原前に我々3人でプレイしていたときは、ティガレックスだけが流されなかったことがあります(笑)。崩落は、モンスターだけ流して、ハンターは流されない、という風にするとチャンスが大きいのですが、逆の結果になりました(笑)。

藤岡あれ、いないって(笑)。

市原崩落は壁へのダメージを蓄積すれば起こせるので、クラッチクローからのスリンガーで、壁にぶつけるように誘導するとかなりカッコいいです。

藤岡離脱もしやすいですし、崩落はクラッチクローから狙うのがいちばんかもしれませんね。

――クラッチクローならどの武器でも使えますし、よさそうですね。クラッチクローからのぶっ飛ばしでは、パオウルムー亜種がリオレイアにぶつかったときどちらも倒れる、というパターンを見かけたのですが。

市原いちばんおいしいパターンですね。チャンスメイクの選択を増やそうという風に設計していて、「できたらいいな」と思うことはなるべく盛り込むようにしています。ぶっ飛ばして崖から落としてもダメージを与えられますし、罠に誘導する、といった使いかたもできます。

藤岡弱ったモンスターは、クラッチクローで罠に誘導するのが手っ取り早いですね。

――どのモンスターでも有効なんですか?

市原基本的にはそうですね。さすがにゾラ・マグダラオスは無理ですけど(笑)。

辻本あれはクローが届かないですからね(笑)。

――飛んでいるモンスターもぶっ飛ばせるんですか?

市原そうですね。潜っているブラントドスに対してもできます。

――ぶっ飛ばしを狙うときは、あらかじめクラッチクローからの攻撃で肉質を柔らかくしておいたほうがいいんですか?

市原じつは、肉質を柔らかくなっている部位がある状態で壁にぶっとばすと、その部位にも追加でダメージが入ります。

藤岡それを利用すると、かなり部位破壊が狙いやすくなります。

――すごいメリットですね!

市原ぜひ使ってください。

――フィールドにいるポポやガウシカにまたがれますが、あれはモンスターライドとは別ですか?

市原はい。僕らは“生態乗り”って呼んでいます。乗るっていうだけの小ネタではあるんですけど、うまく乗れるときと乗れないときがあります。

――乗った後の操作できるわけではなく?

市原できるわけではないですけど、地味に個性付けがされています。モスに乗るとキノコがある場所に連れて行ってもらえたり。

辻本地味ですねぇ。

藤岡そこまで大きな意味がない要素もいいかなって思いました。モンスターライドは利便性が高い要素ですが、ただ乗ってぼーっとできるっていうのもおもしろいですよね。

辻本“乗る”っていう表示がでたらついボタン押しちゃいますよね。

市原写真を撮って楽しむっていうのもありです。

ベータテストを経て……

――ベータテストでもプレイされていますが、9月の発売までに変わる点は?

市原ユーザーさんからいただいた意見を開発でもんでいく中で、「これはやったほうがいいよね、よろこばれるよね、ゲームの完成度もあがるよね」っていうものに関しては前向きに検討しています。基本的に、こちらの狙い通りにみなさんがアクションを使いこなされているようでした。しかし、ガンランスだけは想定と違った印象を持たれてしまったので、それが伝わるような形の改修は考えています。

――使いやすくする、という方向で?

市原そうですね。後は、もう少しリスクとリターンについても、見直そうと進めています。

――ほかの武器も調整が入る可能性は?

市原いま検討しているところではあります。

藤岡現状は、ガンランスがこちらの想定とユーザーさんの反応にいちばんギャップがあったので、数値以外のところも見直さないといけないな、ということになりました。それ以外のことでも、いろいろ指摘されている部分はありますが、いずれそういった意見に対して説明する機会を設けようとは考えています。というのも、マスターランクを作るときに、伸びしろを作っていかないと、最終的な遊び心地とのバランスがとれないんです。一見すると数値的な調整が入っているだけに見えますが、今後の展望も含めてこういう設計になっているんです。

――スキルにも調整が入るんですか?

市原はい。マスターランクを作るうえで全体的なバランス調整を行っています。新たに追加するスキルとの兼ね合いもありますから。

――レベル4の装飾品が手に入って驚きました。

市原既存の装飾品のさらに上位のものや、方向性の違うものを用意しています。また、ユーザーさんの反応や『MH:W』を遊んでみて足りないな、と感じたものなど、さまざまなスキルも追加しました。

藤岡だんだんとスキルビルドの幅が広がっていく設計になっているので、そこを見越してスキル性能の調整もしています。

新たなモンスターの見どころ

――まず最初に出会うブラントドスですが、洗礼を浴びたというか、かなり手強い印象でした。

藤岡忘れがちですけど、寒さ対策は必須ですね。氷属性やられを受けやすかったりもして、スタミナ管理が難しくなるので、ウチケシの実やホットドリンク、装衣などで対策するとかなり印象が変わると思います。

市原耐性もすごく大事ですね。

――ウチケシの実だけでなんとかなるかなって思ったんですけど、甘かったです。

藤岡追いつかない部分はありますね。

市原マスターランクの最初のモンスターなので、“モンスターをどう攻略するか”というキモの部分を大事にしました。事前の対策を含め、攻略法を見つけてもらえればと思います。

藤岡後は、地上に引きずり出したいときなど、クラッチクローが効果的な相手でもあります。新しいアクションを意識して狙ってもらいたいですね。

――バフバロは、かなり存在感がありますね。

市原ブラントドスのクエストにも登場しますし、縄張り争いをするので、そこでダメージを狙うっていう攻略にも利用できます。

――クラッチクローが狙いやすいように感じました。

市原そうですね。実験台にされやすいかもしれません(笑)。

藤岡渡りの凍て地に慣れてきてからの肩慣らしに、ちょうどいいモンスターにしたかったんです。今後も頻繁に姿を見せるモンスターでもあるので、シンプルというか、突然鉢合わせても対処しやすいと思います。

――トビカガチ亜種は通常種とまったく違うモンスターのようでした。

市原トリッキーというか、クセの強いモンスターと対峙してもらおうということで設計しました。毒と麻痺を両方使う、ある種えげつないモンスターになっています。どの状態異常への対策をするのか、という部分で向き合いかたが変わってくると思います。トビカガチ亜種の素材を使って強化する状態異常系の武器もあります。

藤岡遭遇するタイミング的にも、そろそろ状態異常系の武器がほしくなっているころだと思います。どんどん個性的な亜種も登場してくるので、属性やスキルを考える遊びの幅が広がっていきます。

――パオウルムー亜種は、睡眠を引き起こしてきますもんね。なかなか地上に下ろせずに苦労しました。

藤岡クラッチクローが有効ですね。

市原ひるませやすい弾をスリンガーの強化撃ちで当てるのもいいです。

――プケプケ亜種は、水属性のブレスを吐いてきますが、ふた又に分かれたりして驚きました。

藤岡舌を器用に使って、ブレスを制御してるんです。

市原初めて見たときは驚きました。

――通常種もトリッキーでしたが、さらに磨きがかかってますね。

市原ブレスは、口からだけではなくて、尻尾からも出してくることがあります。

藤岡通常種は毒という間接的な攻撃方法でしたし、亜種はもう少しパワフルなモンスターにしたかったんです。

――アンジャナフ亜種は、ビリビリが激しくてインパクトがありました。

市原いろんなフィールドに登場するモンスターで、自分でアクションすることで帯電していきます。帯電すると、フィジカルを使った攻撃が強化されていくんです。

藤岡雷属性の攻撃を当ててくるっていうよりは、雷属性やられでハンターを気絶させてダメージを与えようとしてくる感じです。通常種のように火を溜めてそれを爆発させる、というわけではなく、電気を利用してフィジカルの攻撃を強化する、というイメージですね。帯電をいかに抑えるか、っていうのが攻略のポイントになっています。

――久しぶりに出逢ったベリオロスは、破壊できる部位が多くて楽しかったです。

藤岡部位破壊で、少しずつ巻き返していく感じのモンスターですね。

――相変わらず尻尾も長くて、避けるのがたいへんでした。

市原独特のテンポ感があるモンスターで、動きに緩急があります。また、『MH:W』の環境を利用して狩猟するっていうコンセプトをベリオロス側も継承していて、壁にしがみついてなんらかのアクションを仕掛けてきたりと、過去作からの登場ですが、すごくなじんでいるというか、アップデートされたものになっていますね。

――飛び回ることが多くて、捉えるのも難しかったです。

市原元気な状態では、かなり手強いですね。なので、過去作でもそうだったように、部位破壊が重要になってきます。腕のスパイク部分を壊すと、グリップが効かなくなったりします。

――ボワボワの住処を見つけたんですが、ガジャブーのように仲よくできたりは?

市原もちろん、交流できます。彼らは、獣纏族と言ってモンスターの毛皮をまとうという文化があるんです。独特の価値観を持っていて、そこを共有できれば仲よくなれます。

――狩りを手伝ってくれたら、かなりすごいことをしてくれそうですね。

藤岡なかなかなことしますよ。

市原なかなかですね(笑)。絵力が強いお助け技を持っています。

藤岡生々しいよね(笑)。

市原彼らは強いものを尊敬、崇拝するような価値観を持っているので、腕が試されるような展開もあったりします。

――少しガジャブーに似ていますね。

市原そうですね。ちなみに、かなりレアなんですけど毛皮を脱いでる場面もありますね。

――探索しているとすぐ襲ってきて困りました。

市原敵に回すと厄介ですね。

セリエナの施設はどんな感じ?

――セリエナのマイハウスは、かなり細かいところまで模様替えできますよね。

市原色を変えるだけじゃなくて、材質を変えたりもできるようにしています。

――すごく力が入っていますね。

市原アステラでは、オトモダチ探検隊の窓口になっているルームサービスはマイハウスの中にいたんですが、セリエナではハウスに入らなくてもルームサービスに話しかけられる場所を設けたんです。そういうこともあって、マイハウスに入ること自体を楽しめる、入る理由になるようなものにしよう、というのもあって、模様替えはかなり凝った作りにしました。

――いずれ友達を招待できるようにもなるということで、楽しみです。

市原渡りの凍て地には、新たな環境生物もたくさんいますし、配置できる場所もたっぷり用意しました。ちなみに、『MHW:I』から、環境生物にもサイズの要素が加わっていて、マイハウスに配置するときもある程度そのサイズが反映されます。

――環境生物は何種類くらい追加を?

藤岡数はすぐにはわかりませんが、渡りの凍て地はほとんどが新種ですし、従来のフィールドの環境生物もサイズの大小があります。

――家具は、どのように入手するのですか?

市原納品依頼の達成やストーリーの進行などで手に入るほか、アップデートでも追加しようと思っています。

藤岡デラックスキットにあるような、テーマごと変わるものも用意したいと思っています。

――蒸気機関管理所は、押すボタンは完全にランダムですか?

藤岡そうですね。シンプルなゲーム性なので、なるべく盛り上がるように演出を工夫しました。蒸気力限界突破を達成したときには、必要以上に盛り上がります(笑)。

――受付嬢もちゃっかり参加していますね(笑)。

藤岡蒸気力限界突破に必要なゲージは、数をこなせば必ず増えていくものなので、ちまちまでも遊んでいただけると。リターンはかなり大きいですよ。

――9月の発売に向けて、いまのうちに『MH:W』でやっておくべきことはありますか?

藤岡『MH:W』を遊んだ時間は無駄にならないように作っているので、いままでのペースでプレイしていていただけたらと思います。基本的にどれが得でどれが損、ということはありません。

――なるほど。マスターランク上がったら、すぐにでも装備は作ったほうがいいですかね?

藤岡『MH:W』をやり込んでいた方は、序盤なら防御力的にも性能的にも足りていると思います。寒さ対策くらいはしていただいたほうがいいかもしれません。

市原逆に、『MH:W』をクリアーしてすぐに『MHW:I』を始めても、マスターランクの装備を新たに用意すれば、問題なく進められると思います。どんなペースで遊んでいる方にも楽しんでいただけるよう、バランス調整には気を遣いました。

辻本ちなみに、『MHW:I』では装備BOXが拡張されて、所有できる装備の数が増えます。

――最後に、発売を心待ちにしているファンにメッセージをお願いします。

市原いままでのシリーズもそうですが“みんなで集まって遊ぶ”という部分を大事にして、集会エリアのいろいろな機能を拡張しました。マルチプレイの難易度が参加人数によって自動で変わる(編注:『MHW:I』では、さらにふたりプレイ専用の難易度も追加)というのもそのひとつで、もっとマルチプレイを盛り上げたいという気持ちがあります。また、マスターランクのプレイヤーが、下位のクエストを手伝うと、ランクに合った報酬が手に入る、といったシステムも追加しているので、ぜひみんなで狩りを楽しんでください。

藤岡まず、多くの方に『MH:W』を手にとっていただけまして感謝しています。世界的にも、本作で初めて『MH』に触れたという方がおられると思います。これまで積み上げきた歴史や個性を知ってほしいという気持ちから、タイトルを代表するようなシステムやモンスターなどを導入したりもしました。『MH』シリーズのファンの方には、懐かしさを感じてほしい部分もありますし、いろいろな層のプレイヤーに喜んでいただけたらうれしいです。

辻本このインタビューが掲載されるタイミングでも、まだ発表されていないモンスターはいます。今後も、たくさんの情報を発信する予定なので、公式サイト、ツイッターなどをマメにチェックしていただけるとありがたいです。『MHW:I』でも、アップデートを実施予定なので、発売後の展開にも注目していてください。