ベセスダ・ソフトワークスの『Wolfenstein: Youngblood』は、FPS『ウルフェンシュタイン』シリーズ最新作。日本ではプレイステーション4/Xbox One/PCで2019年中に発売
されることが発表されている。

 海外では2019年7月26日の発売が迫っているということもあって、E3会場でデモがプレイアブル出展されていた。

シリーズ主人公BJの双子の娘が暴れるCo-opスピンオフ

 前作『Wolfenstein II: The New Colossus』では、シリーズを通じての主人公B.J.ブラスコヴィッチが第二次アメリカ独立革命を実現し、ナチスから国土を奪還してから19年後の架空の1980年。

 突如消息を絶ったBJを追ってナチ占領下のパリにやってきた双子の娘ジェスとソフがふたりで大暴れする……というのが本作となる。

 というわけでゲームは2人Co-op(協力)プレイを前提に作られており、ソロでプレイする場合はもうひとりをAIに操作してもらうという形になる。

ブランドのベリーショートがソフで、黒髪のショートがジェス。

 プレス向けのスペースで遊べたE3デモは、本作の最序盤部分。BJと妻のアーニャが、万が一の事態を予測して殺しの技術をふたりに教え込むというキラーマシーン一家ぶりを示すシーンに始まり、次第に話はパリへ。

 現地レジスタンスに協力して飛行船を襲撃することになるのだが、実はふたりはこれが“初仕事”。第一村人ならぬ第一ナチス兵の殺害に失敗し、なんとかソフが仕留めたものの、ソフは極度の緊張で笑いながらゲロ、ジェスは吹っ飛ばされた脳ミソまみれという、ヒドすぎる光景からゲームプレイに移行する。

 FPSとしての基本は旧作を踏襲している一方、ふたりでのプレイを推奨するかのように背部に弱点のある敵がいたり(ひとりが引き付けてもうひとりが背中側に回ると倒しやすい)、二手に分かれて戦えるようにさまざまなルートが用意されていたりするのがポイント。

 そして今作では体力がゼロになっても死亡にならず、ダウン状態の相方に手を差し伸べることで助けることが可能だ。インタビューで語られているようにライフをシェアするシステムが入っていて、救出が間に合わなかったり、両者ともダウンしてしまったようなケースでもライフを消費すれば復帰ができる。

 また旧作同様に、背後からのテイクダウン攻撃やハチェットを投げるインスタントキルもあり、ステルス気味にプレイすることもできる。ふたりのスーツにはクローク(一時透明化)能力もついているので、

 ただしふたりとも見つからないようにやらなければいけないので結構厳しく、気がつくと結局はふたりも盛大に撃って力技で片付けていることもしばしば。まぁ、撃つのが楽しいゲームなんでいいんですけどね!

開発インタビュー「システムの面でも姉妹の絆をテーマにした」

 というわけで、できれば友達とボイスチャットでもしながら暴れまくり撃ちまくりたい本作。E3会場でインタビューの機会も得たので、エグゼクティブプロデューサーのジャーク・グスタフソン氏に気になった部分を聞いた。

ジャーク・グスタフソン

リブート版『ウルフェンシュタイン』シリーズの開発元Machine Gamesのエグゼクティブ・プロデューサー。

――まずは本作とこれまでのシリーズとのコンセプト的な位置づけや違いを教えてください。

グスタフソン これまで作ってきたゲームとは結構大きな違いがいろいろあるんだ。例えばCo-opゲームを作るのが初めてだし、そもそもウルフェンシュタインシリーズ初のCo-opゲームでもある。

 ゲームの進行の点でも本作はより直線的ではない形になっていて、実際にミッションを遊ぶ順番を自分の好きなように選べたりもする。これまでは直線的な話の順番で進行していたからね。

 それと前の2作と比べると、もちろん1980年のパリというロケーションの違いもあるし、主人公がB.J.ブラスコヴィッチではなく彼の双子の娘というのも違う。

 だからスタジオとしては結構やっていることが違っていて、自分たちとしても新しいチャレンジになっているんだ。

――E3デモではテキサスでの親子のシーンから始まって、パリでのミッションがあり、またテキサスの話に戻って、パリに戻るというジグザグな進み方をしていました。

グスタフソン あそこは最序盤なので、やっぱりいろんな事を説明しなきゃいけないのでああいう形になっている。

 前作でBJが第2次アメリカ独立革命を起こして以降、彼はテキサスのメスキートに落ち着いて、ふたりの娘をもうけた。そしてアーニャとともに何かあった時のために娘たちを鍛えてきた。そういう流れをすべて説明しなきゃならないからね。

 彼女たちはトレーニングは受けてきたけど実際に戦ったことはなかった。だからデモのシーンでは初めてナチを殺すことになって大変なことになる。

――ソフが泣いたり爆笑したかと思ったらいきなり「オゲゲー!」と吐いてすごいドタバタになるシーンですね。あれは最高でした。

グスタフソン あのシーンは自分も気に入っているよ。とまぁそんなわけで、オープニングで最初の大きな一歩を描くためにああいう構成にしている部分もあるかな。

――ライフシェアシステムについて教えてください。

グスタフソン あれは姉妹の絆を表すシステムになっている。ふたりで協力して特定の箱を開けることでライフを得られるんだけども、それで手に入れたライフはシェアされるので、片方がやられてライフを失うということは自分が失うことにもなる。

 だから片方がダウンしたらできるだけ助けたほうがいいんだけども、ふたりともダウンしてしまったような場合はどちらかが先にあえてライフを使うようにして、残った方を助けることで2つライフを失うのではなく1つで済ませるということも狙える。残りライフが少ない時などは戦略的に考えてプレイして欲しいね。

――ゲームはソロでAIとプレイすることもできるそうですが、AIはどれぐらいいですか? 高難度ではプレイヤーが引っ張ってやらないといけないですか?

グスタフソン コンパニオンAIの開発は大変だったけども、今のところの仕上がりには満足しているよ。

 開発の初期段階から、ソロでプレイする場合でも同じような体験をしてもらおうということを考えていた。これまでずっとソロプレイヤーをサポートしてきたからね。でもストーリーを構築し始めて姉妹の絆をがっちり描いていこうとなった時に、もう片方を操作してもらうAIコンパニオンを用意しなきゃということになった。じゃないとストーリーがうまくいかなくなるのがわかったから。

 AIコンパニオンは人間のプレイヤーがやってくれることはやれるようになっていて、例えばもう片方にエモートを送るとちょっとしたバフ(能力アップ)がかかるんだけども、プレイヤーがAIコンパニオンにやってあげるとAIコンパニオンも返してくれる。

 それとソロでプレイする場合は、同じ難度でもちょっと調整がかかるようになっている。人間がボイスチャットでコミュニケーションしながらプレイする方がどうしても楽になる所はあるからね。

――AIコンパニオンのプレイ傾向を指定することはできますか? スニークで行きたいならスニークというような。

グスタフソン プレイヤーに合わせるようになっている。それとAIコンパニオンが使う側のキャラクターのPerkをカスタマイズしてやることもできるので、それも役に立つはずだ。

――いろんな人とCo-opで遊ぶ場合、進行度合いなどはセッション間で維持されるんでしょうか? 例えばあなたと3時間ぐらい遊んで、広報氏とイチからゲームを始めるような場合です。

グスタフソン そういうケースは大丈夫。ただセッション中のゲームのコントロールは常にホストプレイヤーがやる形になる。

 例えばあなたがソフトを持っていて、友達のゲームに参加したとする。それでミッションをずっとやって終えて、じゃあ自分でもうちょっとやろうかという時、すべてのやったミッションは保存されている。

(パワーアップなどは?)それも大丈夫。同じセーブスロットとか同じキャラクターであればセーブされたものは別のセッションでも共通だ。逆に進行が保存されるのが嫌な場合は別のセーブを使ってもらうということになる。

――この作品世界での1980年のナチ帝国はどれぐらいの大きさになっているんですか?

グスタフソン かなりの地域から押し戻されているものの、依然としてヨーロッパと北アフリカの一部を支配している状態だね。

――キャンペーン以外にチャレンジモード的なものはありますか?

グスタフソン チャレンジな要素はあるけども、それはキャンペーンの一部としてやる形だ。今回は直線的ではない構成にしたという話をしたけども、サイドミッション的なものもいろいろある。キャンペーンをクリアーした後もハブに戻ってやり残したものを遊ぶことができるし、キャンペーン終了後の追加ミッションなんかもある。

――個性の点でジェスとソフの違いを教えてください。

グスタフソン レジスタンスとしての習熟度は両親に子供の頃から鍛えられたおかげでほぼ同じだけども、当然個性の点では大きな違いがある。ソフの方が理想家であり夢想家な感じで、実際に作家になりたいという夢も持っている。

 それに対してジェスはより情熱的で競争的であり、現実主義者の側面がある。このようにふたりは同じ人間ではないので、彼女たちの冒険を通じた成長などをセリフを通じて感じて欲しいと思っている。

――スーツにクローク能力がついていたりしますけど、E3デモのステージをステルスプレイで進むことはできますか? トライしたんですけどすぐに失敗して、最終的には完全にランボーモードになってしまったので。

グスタフソン 実際難しいし、それは意図的に難しくしてあるんだけど、できる。戦闘するシチュエーションを微妙に区切ってあるんだけど、その区間をステルスでやりきったらコインや経験値にボーナスが入るようになっている。

 強制的に戦うボス戦などもあるのでゲーム全体をステルスでクリアーするってことはできないが、基本的には大抵のシチュエーションをステルスでクリアーできるようにしてある。

――今回のデモではふたりが常に同じ空間にいることができたし、実際そうやってプレイしたんですけど、強制的に道が分かれる場面などはありますか?

グスタフソン いやそういうのはあまり。今回プレイしてもらったデモは最序盤の部分なので特に一方向に進む形になっているけど、全体的なフィールドの設計ではさまざまなルートを取れるようにしてあるので、二手に分かれて攻略してみるようなことを奨励していたりはする。