2019年6月6日配信予定の『ARTIFACT ADVENTURE 外伝 DX(アーティファクトアドベンチャー外伝DX)』は、プレイヤーの選択が世界を変えるフリーシナリオ型のNintendo Switch向け2DオープンワールドアクションRPGだ。『アーティファクトアドベンチャー外伝DX』の来歴を少し説明すると、本作の開発を担当するのは、ゲーム制作集団bluffman(ブラフマン)。もともとゲームボーイ風のテイストを再現した『Artifact Adventure Gaiden』を2018年1月9日にSteam向けに配信されたところ好評を博し、その後クラウドファンディングによりNintendo Switch版の開発が決定。『Artifact Adventure Gaiden』をカラー化し、ふたりプレイの要素を加えるなど、大幅にパワーアップしたのが『アーティファクトアドベンチャー外伝DX』となる。
Nintendo Switch版のパブリッシングを担当するのは『サリーの法則』などで知られるroom6。自身インディースタジオであるroom6がどのような経緯で『アーティファクトアドベンチャー外伝DX』のパブリッシングを手掛けることになったのかは興味深いところだが、先日行われた東京発のインディーゲームイベントTOKYO SANDBOX 2019にブースを出展するなど、『アーティファクトアドベンチャー外伝DX』の魅力を大々的に訴求しているようだ。
で、取材させてもらったTOKYO SANDBOX 2019の会場で、「“超有名タイトル”とイースターエッグ的なコラボをしているんですよ」と教えてもらい、とても気になっていたのだが、このたびその“超有名タイトル”が判明した。『UNDERTALE』だというのだ。少し意外な組み合わせで驚きだが、どのような経緯で『アーティファクトアドベンチャー外伝DX』と『UNDERTALE』とのコラボが実現したのだろうか? これは聞かずにはいれらない!ということで、bluffman氏を直撃してみた(メールで)。
■最初にお会いしたトビー・フォックスさんはどのような印象でしたか?
bluffman氏 海外に『Artifact Adventure』シリーズが好きすぎるファンがいてすごく嬉しいな、と。じつは、お顔を知らなかったので最初はトビー・フォックスさんだと気づかなかったんです。『Artifact Adventure』と『Artifact Adventure Gaiden』の両方をクリアーしてくれて、ゲームの感想を作者に語るために来日してゲームイベントに来てくれる海外ファンがいるなんて、想像できないじゃないですか!? ビックリするやら、嬉しいやらでした。
「自分の日本語はあまりうまくないけど」と、前置きしてから日本語で感想を伝えてくれて、熱心で真面目な印象でしたね。
そのあと、話していて『UNDERTALE』の作者だと知ってまたビックリしました(笑)。
■『アーティファクトアドベンチャー外伝DX』には、『UNDERTALE』の“イースターエッグ”(隠し要素)が入っているとのことですが、その経緯を教えてください。
bluffman氏 トビーさんと知り合いになった縁で何かしらおもしろいことができないかと考えていたので、『アーティファクトアドベンチャー外伝DX』がまとまってきたタイミングでトビー・フォックスさんメッセージを送りました。それでトビーさんが快諾してくれて、いろいろと話しながらゲームに実装していきました。
■"イースターエッグ”を入れるとなったときのbluffmanさんの率直なご意見をお聞かせください。
bluffman氏 純粋に嬉しかったのもありますが、作業していてとにかくノリがいいなぁと。いい意味でクリエイター特有の子どもっぽさがあって、夜中のDMで変な提案ばかりしてきて(笑)。「『UNDERTALE』モノを入れるなら、うざいイヌを使ったほうがお墓のメッセージがおもしろくなるかもしれません」とか、つぎつぎとやりたいことを伝えてくれてスムーズに進みました。
■“イースターエッグ”を入れるにあたっては、どのようなやりとりがありましたか? 印象的なものなどありましたら、お教えください。
bluffman氏 とくに印象的なものは、作業を進めていく中でトビー・フォックスさんが書いてくれた日本語のテキストが、日本で間違いなく伝わるように、『UNDERTALE』のローカライズを担当したハチノヨンさんに話を持ちかけてくれて、テキストの修正をしていただいたことですね。おもしろさが言語に関わらず伝わることに真摯でした。短いですけど、そのメッセージはぜひ見ていただきたいですね。
■ちなみに、今回の“イースターエッグ”はどのようなことが行われているのでしょうか? ユーザーの楽しみを削がない範囲でお教えください。
bluffman氏 ゲーム中のどこかにあるお墓にメッセージをいただき、こちらはあるアイテムを作成しました。そのアイテムは見た目におもしろく、性能的にも癖があり、すこし装備などの構成を考えると、とても強力なものになります。使っておもしろいモノになったと思います。組み合わせを探して使いこなしてください! ちなみに、アイテムの説明欄にある注意書きもトビー・フォックスさんが考えたものです。
■できあがりに対してはいかがでしたか?
bluffman氏 ゲーム内で使えるアイテムとしてよいものができたと思いますし、いただいたメッセージもトビー・フォックスさんらしくて素敵でした。ただし、本当に小さなことなので、あまり期待しすぎないでくださいね。
■ちなみにSteam版では『LA-MULANA 2』ともコラボしていますが、bluffmanさんはインディークリエイターさん界隈ではお顔が広いのですか?
bluffman氏 顔が広いからコラボと言うより、インディーは「おもしろそうだからやろう!」というノリがあるんですよね。『UNDERTALE』の“イースターエッグ”も基本は同じです。『LA-MULANA 2』に関しては、『Artifact Adventure Gaiden』PC版のクラウドファンディングのときに楢村さんが支援してくれていたので、あるパーティーでお会いしたときにお話ししてコラボをする流れになりました。『外伝』にも収録されているので、ぜひ見つけてください。
あと、『LA-MULANA 2』も2019年6月27日に家庭用ゲーム機で出るので、こちらもおすすめです! これが難しくておもしろいんですよ。
■せっかくの機会となりますので、『Artifact Adventure 外伝 DX』の魅力を、ファミ通ドットコムの読者にお伝えいただけるとうれしいです。
bluffman氏 プレイヤーの数だけの遊びや、物語が創られることを考えて作った、とても自由なゲームなので、選択や戦闘などを自由に遊んでください!
というわけで、せっかくの機会なので『アーティファクトアドベンチャー外伝DX』のことを少しご紹介しよう。先述の通り、同作は、フリーシナリオ型のアクションRPG。プレイヤーが選択した結果で世界が変わっていくことになる。フィールドは自由に冒険できる2Dオープンワールドを採用。行き先も、攻略する順番も、完全にプレイヤーが自由に決められる。
本作の主人公は、3年後に訪れる大いなる“災厄”に対して、準備を命じられた冒険家。王の命を受けて、世界中を冒険し、行く先々でさまざまな選択を迫られながらも“災厄”に備えていくことになる。誰に手を差し伸べ、何を言うのか。そして、何をしないのか。あらゆる選択が世界を変え、3年後の世界の運命を決めるのだ。
バトルは、ジャンプと体当たりで戦うシンプルなアクションシステムを採用している。操作は簡単で、体当たりの手応えの楽しさを追求しているとのことだ。ただし、装備の組み合わせにより、“シンプルだけど奥が深い”プレイを実現。ゲームにはさまざまな能力を持った“アーティファクト”が登場し、そのどれもが唯一の個性的な能力を持つ。“アーティファクト”の組み合わせ次第で、無限の可能性が広がるのだ。