ベセスダ・ソフトワークスのPS4/XB One/PC向けオープンワールドFPS、『RAGE 2』。そのデモプレイを徹底的にリポートしていこう。

 ベセスダ・ソフトワークスが手掛けるオープンワールドFPS、『RAGE 2』(海外では2019年5月14日発売予定)。そのカラフルでクレイジー、かつパンキッシュなビジュアルに圧倒的な勢いを感じるタイトルだが、編集部のミル☆吉村が海外プレスイベントで体験した試遊版(記事は以下のリンクから)を、国内でプレイする機会を経たので、そのインプレッションをお届けする。

 ミル☆吉村によるプレイリポートでも“ヒャッハー”感について書いているが、やはり日本人には馴染みの深い“ヒャッハー”感が全面に漂っている世界観、それを後押しするゲームシステムが相まって、ここ最近なかった「自分の中にある清濁併せた本能を開放」するような爽快感が味わえたのは確か。

 今回のデモプレイで触れられたのは、海外プレスイベント用のデモバージョンと同内容のもの。前作から30年が経ったウェイストランドで、勢力を誇る街“ウェルスプリング(Wellspring)”を中心に、いくつかのストーリーミッションをプレイできた。

“オーソリティー”に抗うプロジェクトを進行すべく、主人公は荒野に降り立つ

 まずは、本作の基本的なストーリーラインを紹介しよう。

 前作で物語の大きなカギを握った“オーソリティー”は、本作でも健在。隕石の衝突で荒廃しきった地球で、衝突を生き延びた人々が乗っていた船“アーク”が持つ特殊な力を利用しようと企んでいた組織だったが、主人公(=プレイヤー。ちなみに男女から性別を選べる)は、そんなオーソリティーに反発する“レンジャー”に所属していた。

 しかし、レンジャーはオーソリティーの襲撃を受け、彼らに反撃する計画“プロジェクト・ダガー”は失敗に終わった……かのように見えた。主人公はその意志を受け継ぎ、かつてはプロジェクトに協力してくれたが、いまはウェイストランド各地で権力を持つ存在となった有力者たちにふたたび協力してもらうため、広大なウェイストランドを奔走することになる。

 協力を取り付けるために有力者からの依頼などを達成して、信頼度を上げていくのがストーリーミッションの要となっており、今回のデモで体験したウェルスプリング市長のルーサム(前作でウィングスティックを教えてくれた少女)に関連するミッションも、その中のひとつ。

 第一の目的は、ルーサムの座を狙う前市長の息子、クレッグ・クレイトンのPCにハッキング装置を密かにセットし、ターミナルにハッキングできるようにすること。ただし、クレッグのPCに近づくには彼の信頼を得て、オフィスに入れるようにならないといけない。

 しかし、クレッグはリッチで有名な客しか入れないクラブ“ウィナーズラウンジ”に籠っており、滅多に会える存在ではない。さて、どうするか……そうだ、自分がリッチで有名になればいいんだ!

 ということで、手っ取り早く有名になるべく主人公は、前作にも登場した“ミュータント・バッシュTV”(ミュータントの群れを倒しまくる番組)に出場して生き残り、さらにバギーレース(CHASCAR DERBY)で1位を獲ることにする。そして、晴れてウィナーズラウンジに乗り込むのだ。

 まあ、このストーリーラインもどこかネジが外れてる感じも若干するのだが、ここから始まる戦闘も、負けじととにかく前のめりなもの。

 アサルトライフルやショットガンといったメインウェポンと、ウィングスティックやグレネード、リモコン爆弾にタレットドローン(ドローンが空中から攻撃支援をしてくれる)のようなガジェットを、敵との距離や周囲の状況に合わせて使い分ける、オーソドックスなFPSが本作の基本であることは間違いない。

 そこに、敵を衝撃波で吹っ飛ばす“シャッター”、敵を吸引して空中に打ち上げる“ボルテックス”、バリアを形成する“バリアー”、ジャンプして急降下で地面に衝撃波をくり出す“スラム”といったスーパーアビリティを組み合わせることで、一気に戦術が拡大するところは、本作ならではの要素と言えよう。

 スーパーアビリティにはクールダウンが発生するので、連続で使用することはできないが、銃では対処しきれない数の敵が集まってきた瞬間にスラムでまとめて倒せたときは、対戦格闘でコンボが決まった爽快感に近い、かなりの「やってやったぜ!」感が味わえた。

 余談にはなるが、室内の戦闘で、敵をグレネードで吹っ飛ばしたとき、空中に浮かんだまま敵が降りてこないので「バグか?」と思ったら、天井にあるシーリングファンの羽根に引っかかっていたという、妙なディテール(?)にこだわっている部分も楽しい。こういうところで手を抜かないのが、開発を手掛けたAvalanche Studiosの味なのだろう。

ウェイストランドで有名になるとはこういうことだ!

 デモプレイで体験できた“ミュータント・バッシュTV”は4連戦となっており、ウェーブで押し寄せる敵ミュータントをとにかく倒しまくって、最後まで生き残るというもの。仕掛けも施されたステージは狭く、銃をリロードしているあいだに敵に囲まれてしまうことも多々あり、スーパーアビリティも駆使しながら対処しないとけっこうキツイ。背後にずっと流れている陽気なスイングジャズとステージで起きていることのギャップは激しいが、途中からそんなことも気にしていられなくなるほどだ。

“ミュータント・バッシュTV”でスターになれば、ステキな“お友だち”が祝福してくれるぞ!

 ただ、ステージで銃弾を消費しても、つぎのステージへ移動する通路でけっこう補給できるので、ガンガン撃ちまくっても気にしなくていいのはありがたい。最後に対峙するボス(ABADON WARHEADというでっかいミュータント)は高所から連射してくるうえに、隠れている場所にグレネードを投げるので、なかなか厄介。もちろん、そのあいだもこまごまとミュータント連中が襲いかかってくるので、うっとおしいことこのうえない。

 ここで威力を発揮するのが、“オーバードライブ”だ。ゲージが溜まれば発動できるようになる特殊能力で、使用すると武器の威力が上がったり、体力の自動回復速度が上がるなど、多彩な効果を発揮するもの。いざというときに使えば、形勢逆転も狙える大きな切り札となる。

今回プレイした“ミュータント・バッシュTV”は室内だったので画像とは状況が異なるが、基本的にこんな感じで地獄のバカ騒ぎが続く。

 なんとかボスを突破して、“ミュータント・バッシュTV”ではスターになれた。これで一歩、クレッグへの道が近づいたというわけだ。つぎに挑戦するのは“CHASCAR DERBY”というバギーレース。こちらの目標はシンプルで、とにかくレースで1位を獲ればいい。

 コースは途中で枝分かれしており、少し油断するとコースアウトや転倒が待っているが(すぐに復帰できる)、一時的にスピードアップが可能なブーストをこまめに使って、直線やゆるいコーナーを攻めまくれば、とりあえずは問題ない感じ。ただ、このレースはいちばんシンプルなもので、もっとハードな潰し合いが展開するレースも用意されているそうだ。

 こちらのレースもクリアーし、ついにウィナーズラウンジへ入る資格を獲得! 脂ギトギトで、かつ肩に扇風機を乗せているようなクレッグの賞賛を受けながら、彼のオフィスへ入ることができた。スキを見てハッキング装置をPCにセットし、これでミッションクリアー……と思いきや、この企みはすでにバレており、彼のペットである巨大なミュータントとご対面することに。

 巨大で一撃のダメージがハンパないペットだが、鈍重で顔も大きいので、とにかく弱点であろう顔を狙って撃ちまくり、攻撃をジャンプやダッシュで回避する。これを何度かくり返してペットを倒し、通路で待ち構える大量の敵と戦いながらウィナーズラウンジを脱出したところで、今回のデモは終了となった。

クレッグのペットはこんな感じのかわいいヤツ。動きはトロいが、固くて一撃がデカい。岩も投げてくる。

予想を超える事態が起こりまくるオープンワールド

 ここまでストーリーミッションの一部を流れで解説したが、戦闘に関してはレスポンスもよく、かなり快適に楽しめた。大量のミュータントがスーパーアビリティで吹っ飛んだり、武器によってはアレな感じで弾けたりといったド派手な演出も小気味よく、何より敵やNPCの風体、ステージの装飾なども、世紀末サイバーレトロパンク(個人的には1982年版『ブレードランナー』×『マッドマックス 怒りのデスロード』に『攻殻機動隊』が少々といったイメージ)な世界観と合っている。

昼と夜で表情が変わるウェルスプリング。個性的な住人たちの服装にも注目したい。超カッコイイから。

 国内では2011年に発売された前作の『RAGE』は、“一定の範囲内は自由”という“Open Environment”がコンセプトとなっており、その印象はFPSにRPGの要素が加わったアクションシューターだった。ぶっちゃけ、そこまでの自由度は感じられなかったが、『RAGE 2』はだいぶ手触りが違う。
 
 一歩街を出れば、そこはフリーロームのオープンワールドとなっており、敵の拠点やら暴走族やら、落ちてきた“アーク”やら、ウェイストランではあちこちで何かが起きている状況で、プレイヤーはそれらに好きなようにアプローチできる。デモプレイでも、突然空からUFOみたいな飛行機が飛んできて、住民たちが大騒ぎする声を耳にした。プレイ時間の都合で無視したが、そこにアクセスすれば何かしらのミッションが発生するようだ(なんかロボットみたいなのが降りて来ていたし)。カーチェイスらしきものが道路で起きていたり、誰かから行きしなに怒号を浴びせられたりとり、ウェイストランドを走っているだけでも、いろいろな事態が各所で頻繁に起きていることがわかる。

 広大なオープンワールドで必須の移動手段も多彩で、デモプレイでは“フェニックス”という武器付きの装甲車を使用したが、画面内を走るバギーやバイクといった車輛は、すべて自分の乗り物となる。要は、敵のクルマを奪って自分のものにもできるということだ。さらに、空中を飛べるホバークラフト(Flying Icarus)や船なども登場するので、用途や状況に合わせて車輛を乗り換えながらウェイストランドを闊歩できる、オープンワールドらしい楽しさも待っている。

 ちなみに本作のフレームレートは30fpsが基本となるが、PS4 ProやXbox One S/Xといったハイエンドモデルであれば、4Kの60fpsでプレイできるとのこと。砂塵が舞う荒野、銃から排出される薬莢、脂と埃まみれの肌に刻まれたシワまで、とにかくこだわりまくった精細なグラフィックは、環境が許すのであれば、でかいモニターで楽しめると衝撃度もアップすると思う。

 冒頭で記した通り、海外では2019年5月14日発売予定となっているが、無事に国内での発売は決定した。発売日はまだ未定だが、「海外発売日とは遠くない時期を予定」しており、CEROが確定次第、あらためて発表されるとのことだ。

 もちろんフルローカライズとなるようだが、ベセスダ・ソフトワークスのオープンワールドゲームらしく、とにかくNPCから何からしゃべりまくっていて、ローカライズもめちゃくちゃたいへんそうなので、クオリティーに期待して、ゆっくりと続報を待つことにしたい。

 とりあえず、どうしようもなく危険な連中だらけの、クレイジーでバイオレンスな世界を国内でも体験できることを喜ぼうではないか!