シリーズの多くをプレイし、週刊ファミ通で『キングダム ハーツIII』の攻略記事を担当したふたりのライター、堤教授と西川くんによるプレイレビューをお届け。

 2019年1月25日に発売された、プレイステーション4、Xbox One用ソフト『キングダム ハーツIII』。本記事では、シリーズの多くをプレイし、週刊ファミ通で『キングダム ハーツIII』の攻略記事を担当したふたりのライター、堤教授と西川くんによるファーストレビューをお届け。お気に入りのディズニーのキャラターはふたりともプーさん。プーさんははちみつが大好物ですが、このふたりはやり込み甲斐のあるゲームが大好物です。まずは堤教授のレビューからどうぞ。

「『KH』ってこうだよね」と再確認できた一本

 まだ駆け出しのライターだったころ、『KHII』の攻略記事を担当することになり、あまりの内容の濃さに驚かされたことはいまでも強く印象に残っています。その後も、シリーズ作品の記事をずっと担当してきたこともあり、私の『KH』への思い入れはかなりのものに。ファンのひとりとして、ずっと『KHIII』の発売を待ち望んでいました。幸いにも、先行して遊ぶ機会が得られたので、長くシリーズ作品に触れてきたファンの視点から、本作の魅力や印象を語っていこうと思います。

ケータイを買い換えるときは、『KH コーデッド』の序章がプリインストールされた機種を選んだり(いまも使っています)、すでにPSPを持っているのに『KH バース バイ スリープ』の本体同梱版を買ったりと、すっかり『KH』の虜に。好きなキャラクターは、プーです。

ディズニー作品を知らなくても楽しい

 私が『KHII』の記事を担当することになったのはたまたまで、そのときは『KH』の1作目は未プレイでした。というのも、“『KH』ってディズニーのゲームでしょ”という先入観があり、当時の私はディズニー作品にはあまり感心がなかったからです。そんな私でも、“見たことだけはある“キャラクターとの出会いや、力を合わせてくり広げる冒険はとても楽しく、逆に『KHII』がきっかけでディズニー作品が好きになりました。

 本作では、『アナと雪の女王』、『トイ・ストーリー』、『モンスターズ・インク』、『ベイマックス』など、誰しもが少なくともタイトル名は聞いたことがあるような劇場作品がシリーズ初登場。ディズニー作品が好きになったと言いつつも、ほとんど原作を見たことがない私は、新たなワールドを訪れるたびに、「おお、この歌、聴いたことある」とか、「ウッディやバズってこういう関係だったのか」とか、『KHIII』を通じてディズニー作品を触れ、原作の魅力に引き込まれました。訪れるワールドで展開される物語は、原作に沿ったものだけでなくオリジナルの内容になっているものもあり、登場作品をよく知っているプレイヤーには、おなじみのキャラクターに会えるという楽しみに加え、その先の物語も見られる、という刺激も加わるというのは本作の魅力のひとつですね。

とくにお気に入りは、映画『塔の上のラプンツェル』のワールド“キングダム・オブ・コロナ”。カットシーンではコミカルな演出が多く入り、「原作もこうだったのかな」と、かなり興味がわきました。

ストーリーが濃い

 『KHIII』は、長く続いた『KH』シリーズの物語にひと区切りがつく重要な位置づけがされています。ナンバリングとしては3作目ですが、以下のスピンオフ作品でたくさんの重要人物が登場。ストーリーの掘り下げも行われています。

・おもなスピンオフ作品
KH チェイン オブ メモリーズ
KH コーデッド
KH バース バイ スリープ
KH 358/2 Days(スリー ファイブ エイト デイズ オーバーツー)
KH 3D[ドリーム ドロップ ディスタンス]
KH ユニオン クロス

現在配信中の『KH ユニオン クロス』以外のシリーズ作品は、『KH HD 1.5+2.5 リミックス』、『KH HD 2.8 ファイナル チャプター プロローグ』の2作品で、すべてHD版で楽しめます。

 プレイしていく中で、これまでの流れや冒険の目的、敵対する組織の狙いなどは詳しく語られていきますが、個人的には予備知識なしで完全理解するのはちょっと難しいかも、と感じたので、「ゼアノートって誰だっけ?」とか「XIII機関ってどうなったっけ?」と思うプレイヤーは、公式サイトやゲーム内で見られる、“IIIに繋がる物語たち”という動画を見ておくことをオススメします。1月25日発売の週刊ファミ通でも、人間関係やキーワードを詳しくまとめてあるので、そちらもぜひ!

KINGDOM HEARTS 「IIIに繋がる物語たち」
https://www.jp.square-enix.com/kingdom/episode/

 と、前置きが長くなってしまいましたが、本作ではこれまでの作品で活躍したキャラクターたちが総登場。私にとっては、“『KH』オールスター”とも言える作品になっていて、たいへんな目に遭ったあのキャラクター、○○が○○したキャラクター(自主規制)なんかも出てきて、どう決着が付くの!? とプレイしながらワクワクが止まりませんでした。また、新たな疑問や『III』以降の作品の展開を匂わせる要素もてんこ盛りで、さらなる『KH』の世界の広がりが感じられました。

ソラを動かす気持ちよさはシリーズ最高

 本作のアクションは、シリーズ初期に作られたものをベースに、“シュートロック”(敵を多重ロックオンして攻撃する技)や“フリーフローアクション”(壁を蹴る、柱に張り付くなどのアクションの後、高速移動したり高くジャンプできる)などの、スピンオフ作品で培われたシステムがブラッシュアップされて追加。

 さらに、壁を走って移動できたり、小さな段差などを勝手に乗り越えてくれる“フリーラン”、バトルの進行に応じてさまざまなアクションが実行できる“シチュエーションコマンド”などの要素が加わり、爽快感バツグン、まったく飽きのこないアクションが楽しめました。

立て続けにシステム名を出したのでわかりにくかったかもしれませんが、適当にボタンポチポチしているだけで、画面がたいへんなことになり、スカッと敵を倒せたりします。

 アクションを語るうえで忘れてはならないのが、キーブレードの変形。これは、本作から加わった新要素で、変形するとキーブレードがニ丁拳銃になったり、槍になったり、ハンマーになったりと、従来作以上に個性が際立ちます。キーブレードを3つまで同時に装備でき、瞬時に持ち替えられる、という新機能との親和性も高く、操作に慣れてくると、かなりテクニカルな立ち回りもできそうでした。

新たなキーブレードを入手したときのうれしさは、数あるシリーズ作品でも随一。いち早く試して変形させたくなります。

凝り性にはたまらない要素満点

 ストーリーを進めていくと、たくさんのミニゲームと出会えます。これは、『KH』シリーズでは恒例となっていて、ミニゲームのスコアに限らず、使った技のヒット数や倒した敵の種類、拾った宝箱の中身など、プレイしたあらゆる要素が記録され、確認できるようになっています。

 私は、用意された要素はすべてコンプリートしないと気が済まないタイプのゲーマーなので、モバイルポータル(メニュー画面から見られる、情報やミニゲームの記録などが集約された端末)にズラリと並んだ要素を見るだけで、「どう料理してくれよう……」と腕がなります。

ミニゲームは、短時間で遊べるものから、じっくり腰を据えて挑めるものまで、多種多様。レストランでは、『レミーのおいしいレストラン』のリトルシェフがシリーズ初登場!

 と、ファン目線からいろいろと語ってきましたが、「本作から『KH』シリーズに入っても大丈夫だよ!」とは声を大にして言いたいです。正直なところ、さんざん記事を書いてきた自分でも世界設定や人物の背景についてはわかっていないことも多いですし、ディズニー作品に関しての知識はゲームから得ている部分が多いくらいです。本作がシリーズ初なら、自分が『KHII』のときに受けた以上の衝撃が待っているはずですし、『KH』ファンにもたまらない、最高の作品に仕上がっていると思います。