今秋、バンダイ カード事業部による新たなデジタルカードゲームのブランドが発表された。AI(人工知能)の技術を活用した“AI CARDDASS(エーアイカードダス)”だ。ここでは、同プロジェクトを主導しているバンダイ カード事業部のキーパーソンふたりに話を聞いた。

 今秋、バンダイ カード事業部による新たなデジタルカードゲームのブランドが発表された。AI(人工知能)の技術を活用した“AI CARDDASS(エーアイカードダス)”だ。AIを活用したサービスの企画や開発などを行うHEROZとコラボしての本プロジェクトは、“AIがキミを一流にする。”というキャッチコピーのもと、深層学習(ディープラーニング)を含む機械学習などの技術を用いて、膨大なプレイデータを学習して作り上げられたAIがユーザーをサポート。カードゲーム特有の難しさや手間を軽減して、誰でもすぐに一流プレイヤーと肩を並べるようなプレイを可能にするという。

 AIとカードゲームが融合することで実現する新たなエンターテインメントの可能性とはいったい? ここでは、バンダイ カード事業部にて、同ブランドを主導する高橋誠氏と小谷英斗氏に、企画立ち上げの経緯や、今後の可能性などを聞いた。まずは、以下の関連記事で、“AI CARDDASS”の概要をチェックされたし。

バンダイ
カード事業部
デピュティゼネラルマネージャー
高橋誠氏(右)
(文中は高橋

バンダイ
カード事業部
ZENONZARD(ゼノンザード)』プロデューサー
小谷英斗氏(左)
(文中は小谷

AIがカードゲームの新たな可能性を拓く

――“AI CARDDASS”の新ブランドを立ち上げるに至った経緯をお教えください。なぜ、AIとカードエンターテインメントを融合しようと思われたのですか?

高橋数年前からAIという言葉をよく聞くようになり、将棋や囲碁のAIが、人間のトッププロに勝ったというニュースが流れるようになりました。そこで、「将棋や囲碁と同じく戦略性の高いカードゲームにAIを導入するとどうなるのだろう?」と考えたことがきっかけです。カードゲームには将棋や囲碁よりもたくさんの選択肢がありますので、AIがどのような働きを見せるのか、興味を持ったんです。

――最初はどのような領域からスタートしたのですか?

高橋最初はゲームバランスのチェックやデバッグなど、商品のサポート的な部分での活用を考えていました。ですが、将棋AIのリーディングカンパニーであるHEROZ(ヒーローズ)さんにAI活用のお話をうかがう機会があり、思っていた以上にいろいろなことができることを知りました。そこでチーム内で企画を募集したところ、さまざまな角度から企画が出てきたんです。それを見て、今後の発展性を感じ、“AI CARDDASS”というブランドを作ろうと思いました。

――そうだったんですね。AIで新規プロジェクトを始めようとスタートしたのだと思っていました。

高橋デジタルカードゲームのアプリはすでにたくさんリリースされていますし、アナログのカードゲームももちろんたくさんあります。ですので、私たちとしては、何か新しい要素を盛り込まなければならないと思っていました。そういう意味では、AIはよりおもしろさを増すための新しい要素のうちのひとつです。ただ、企画が進むにしたがって、AIの奥深さを改めて実感していきました。同じAIを使っても、企画者によってまったく違う角度のものが生まれてくるのです。そういうテーマは今後より広がっていく可能性が高いので、「これはいける!」と確信を持ち始めました。

――カードゲームに新しいアイデアを盛り込むためのアプローチのひとつがAIだったというわけですね。その奥深さにだんだんと魅了されていった感じでしょうか。

高橋カードゲームの歴史も長くなってきましたので、ほかと違う独自の要素をつねに探しています。AIはカードゲームに取り入れるのはもちろん、技術としても新しいものですから、十分にお客さんの目を引くウリになると考え始めました。

――なるほど。カードゲームの長い歴史の中にはいくつかのターニングポイントがあったように思いますが、AIはカードゲームのさらなる転機になるという感触があったのですね?

高橋われわれはアプリ事業部ではなくカード事業部ですので、“カードを使った遊び”をずっと追求してきました。カードダスの自販機からスタートして、トレーディングカードゲーム、そしてデータカードダスというキッズ向けのアーケードゲーム、その後ネットカードダスというブラウザゲーム連動のカードゲームも手掛けました。これまでも技術革新とともに新たなカードの価値を提供してきたわけです。同じようにAIも新たなカードの価値を見出してくれると信じています。

――AIが新たな価値を提供できるかもしれないという可能性に気付いたのは、企画がスタートしてからだったのですね?

高橋そうです。AIとカードゲームが融合したプロジェクトとして、今回第1弾として『ZENONZARD(ゼノンザード)』を発表させていただきましたが、それ以外にもいくつか切り口の違う企画が出ています。今後、第2弾、第3弾と続けられそう……という手応えを抱いています。

――そんな可能性を感じつつ、“AI CARDDASS”というブランドが立ち上げられたのですね?

高橋そうですね。「人間よりも遥かに強い最強のAIを作りたい」というのが大もとの発想です。その後いろいろと話を聞いていくうちに、カードゲームのハードルを上げている部分をAIが楽にしてくれそうだということに気付きました。

――ハードルを上げている部分と言いますと?

高橋カードゲームって、すごく楽しいんですよ。大会を見に行っても、皆さん本当にめちゃくちゃ楽しそうにプレイしてくれています。その反面、新規参入のハードルは非常に高いです。まず相手がいなければ遊べません。また、新しいカードがどんどん増えていくので、つねに最新のカードの情報を逐一覚えなければならないんです。そんな高いハードルを乗り越えていざ対戦デビューを果たしたものの、対戦相手が強すぎてボコボコにされ、何もおもしろくなくてやめてしまう、ということもままあります。こうした問題点を、AIを活用することで解決できると思ったのです。

小谷トップユーザーには最強のAIを提供でき、ライトなユーザーにはプレイのサポートや適正な相手とのマッチング、さらにはAIを育成できるという楽しさを提供できます。AIはカードゲームのおもしろさと課題を、同時に解決してくれる存在なのです。

高橋将棋では、人間対AIの対決をショーのように見せていますよね。カードゲームでも、人間対人間だけではなく、人間対AIのショーを見せたいという思いがあります。何よりもわれわれが見たい(笑)。いわゆるシンギュラリティ(技術的特異点)がカードゲームの世界にも訪れるのか否かに、非常に興味があります。

――ユーザーさんにAIという要素が加味されたカードゲームを楽しんでもらいたいというだけではなくて、一種の知的好奇心のようなものがあるのですね。

小谷カードゲームは囲碁や将棋と違って、新規カードが出たりルールが追加されたりしてプレイ環境が変わっていきます。この弾では人間が勝っていたけど、この弾ではAIが勝ってしまったというようなこともありえるかもしれません。どちらが新たな環境をより早く学習できるかという対決を、新弾が出る度にお見せできるのではないかと思っています。

――なるほど。新弾が出る度にまた勝負が分からなくなるといのは、確かにおもしろいですね。

高橋実際にどうなるのかというのは、正直なところ、僕らもあまり想像ができていないんですけどね……。

――そうなんですか(笑)?

高橋HEROZさんはすごく強いAIが作れるとおっしゃっていますが、僕らは人間なので、「とはいえ、人間もなかなかやるぞ!」なんて思ってしまう(笑)。そういう意味でも、僕ら自身も楽しみにしています。人間とAIの戦いがどうなるのか、僕らも見守りながら作っていきます。

――将棋の状況を見ていると、AIが圧勝してしまうのではないかと思ってしまいますが……。

高橋そう思うじゃないですか。でも、カードゲームには運に左右されるランダム要素もありますから、将棋や囲碁よりも強いAIを作るのは難しいかもしれません。

小谷さらには、相手の持っているカードも見えていない状況なので、それを予想しながらプレイしないといけないという。さらに言えば、人間にあってAIにないのは、第六感も含めて、運と相性みたいなところだと思います。人間どうしの対戦だと、「なんか嫌な予感がする」なんてことがありますよね。相手の癖や表情から、相手の手札に切り札となるカードがあるかどうかを読みとれることもあります。AIはデータをもとに予想していくので、そこに差が生まれる。その差がどう転ぶのか、まだわかりません。

――なるほど……。HEROZさんとしては、難題を突き付けられているわけですね。いまごろきっと、打倒人間に燃えていることでしょう(笑)。

高橋負けられないぞと、思っていてくれたらいいですね。

AIだからこそ実現する、最強の敵と最強の友

――そのようななかで、“AI CARDDASS”の第1弾として『ZENONZARD(ゼノンザード)』(以下、『ゼノンザード』)を発表されていますが、どのようなコンセプトから企画がスタートしたのですか?

小谷ブランドの看板として、私たちが伝えたいものがより伝わりやすいものにしたいということを考えた結果、『ゼノンザード』が第1弾になりました。僕らのAIに対するイメージは大きく分けてふたつあって、ひとつは専門分野に特化して完成されているAI。そして、自分の教えたことを学んで、自分とのコミュニケーションの中で成長していくAIです。これらのイメージをカードゲームのタイトルに落とし込もうとして思いついたのが、“倒すべき存在としての最強のAI”と、“いっしょに成長していくバディ(相棒)のような身近なAI”です。このふたつの視点を通して、皆さまにいままでにない最先端エンターテインメントを提供したいと思って企画したのが、『ゼノンザード』なんです。

――“最強の敵”と“最強の友”ということですね?

高橋まさしくそのとおりです!

――“最強”は分かりやすいテーマですが、バディとしてのAIはなんとなく作るのが難しそうな気がします。

小谷そもそも、カードゲームに特化したAIを作ること自体が大変なんです。ただ、相手がいないと成立しないカードゲームだからこそ、デッキを組んでいるときもアドバイスをしてくれたり、人がいなくても練習相手になってくれたりと、“いちばん身近な存在としてのAI”を表現したいんです。プレイヤーのあいだでよくある、「そのデッキを見せて」や「このカードを入れたほうがいいんじゃない?」といったコミュニケーションも重要な遊びの要素の一部ですから。そうした役割もAIが担えると期待しています。

――“AI CARDDASS”におけるユーザー間のコミュニティの形成については、どのような想定をしているのですか?

小谷自分のAIを見せ合いたいという欲求があるのかなと思っています。『ゼノンザード』では、対戦の主軸についても、人間とAIが戦うような遊びを提供していきたいと思っていますので。

――プレイヤーどうしで戦うのではなくて、相手の育成したAIと戦うのですね。なぜそのような構図にしたのですか?

小谷“人間対AI”の構図を取ることによって遊びの幅が広がると思ったからです。本作では、デジタルカードゲームでは珍しい、アナログカードゲームのルールを多く採用しています。たとえば、相手のターンに干渉できるというものです。プレイヤーどうしの対戦だと、ラグが生じてしまうので好まれませんが、AIならそのラグが生じません。戦略性をより高めるためにアナログの要素を踏襲しつつ、ゲームプレイによるストレスを最低限に抑える。そのために、人間対AIをメインにしているんです。『ゼノンザード』は、おそらくデジタルカードゲームの中で、いちばんアナログカードゲームに近いシステムになっていると思います。

――なぜAI相手だとラグが生じないのですか?

高橋デジタルだと、相手が行動する度に干渉するかどうかを「はい/いいえ」で選択することになります。これは人間どうしだとかなり面倒なシステムですが、AIなら思考時間がほぼ必要ないので、テンポよくプレイできるというわけです。

――たしかにプレイの度に選択肢が表示されたらイライラしますね(笑)。バディが自分の代わりに戦うということで言うと、AIにどれだけ感情移入ができるかもひとつのポイントになりそうですね。AIが負けたら自分も悔しくなるようにならないと。

小谷はい。そのため、『ゼノンザード』では、機械のような無感情の戦闘マシーンという描きかたではなくて、キャラクター性を持たせています。いっしょに戦っていく中で、性格も変わっていくということを想定しています。

――性格も変わるのですか!?

小谷カードゲームの戦いかたって、デッキの種類によって特徴が出ますよね。すごく簡単に言うと、攻撃的な戦いかたをしていたら活発な子になる、みたいな感じです。そういった遊びの要素も入れようかなと。

――ちなみに、最強AIにもキャラクター性が付けられるのでしょうか?

小谷はい。そうしたいと考えています。

――最強AIはひとりですか? 四天王みたいな感じで強いキャラクターがたくさんいると、それはそれでおもしろそうですが……。

小谷最強なので、ひとりの予定です。ですが、ユーザーの思考能力やプレイング履歴を蓄積していくので、最強AIも進化していくものにしたいと考えています。そういう意味では、“別人のように”成長することもあるかもしれません。

――攻撃的なプレイヤーが多いと、さらに攻撃的に進化していくとか?

高橋というよりは、それに勝てるように進化すると思います。

小谷トップレベルのユーザーの情報を蓄積して学ばせることができますから、人間には考えもつかなかったようなプレイングスタイルやデッキをお見せできるのではないかと思っています。

――“最強”以外に中ボスや小ボスのようなレベル分けはされないのですか?

小谷難しいところですが、どれくらいが中級レベルかというのが、ユーザーには伝わりづらいと思うんです。ですので、まずは「これが最強だ」というAIをお見せして、それから今後の広がりを考えたいです。

高橋もしバリエーションを付けるとするなら、デッキタイプで分けるのがいいかもしれないですね。強さのレベルを変えるというのは、やはり伝わりづらいかなと思います。

――ところで、『ゼノンザード』の大会はどのような形式で行われる予定なのですか?

小谷いろいろと検討中ではありますが、まずは人間の頂点を決める大会を開いて、プラスαの催しとして最強AIとのバトルをお見せできたらと思っています。また、バディとなるAIどうしが戦うトーナメントも検討しています。

――最強のAIはそうした大会でしか戦えない存在に? 

高橋最初は大会だけの存在にしたいと考えています。通常時は、いわゆるランクマッチもプレイヤー対バディAIの対戦になります。AIとの対戦とは言え、そのプレイヤーのプレイングによって成長しますから、対人戦と同じような感覚で楽しめると思います。

アナログカードゲームを踏襲する以上、正々堂々と勝負する

――ところで、AIを導入しようとした時点で、プラットフォームは必然的にスマートフォンに決まったのですか?

高橋はい。現時点では、スマートフォンがいちばん適していると思っています。ただ、長く続けていきたいコンテンツですので、10年20年と続いたときに、もしかしたらスマートフォンではない別のプラットフォームで展開するかもしれません。カードゲームとAIがひとつになった遊びを、なるべく世界中のたくさんの人に届けたい。それが、このプロジェクトを長く続けるうえでの目標です。

――とはいえ、“AIと友だちになる”ということを考えると、スマートフォンのような身近な端末が最適ですよね。

高橋たとえば、育成パートはスマートフォンでやって、対戦するときにはアーケードの筐体で、派手なエフェクトを楽しみながら対戦する……という拡張のしかたもあると思います。ほかにもARやVRなどのアプローチも可能性として考えられます。スマートフォンの外にも、いろいろ展開できるのではないかなと思っています。

――新たなプラットフォームに挑戦するということについて苦労はありませんでしたか?

高橋先人がいろいろと新しいことに取り組んでいるので、そのノウハウを勉強しながらやっていますが、基本の考えかたがアナログカードゲームベースのものになっているとは感じています。良くも悪くも、いままでのスマートフォンアプリとは違うアプローチをしている部分が多いかなと自覚はしています。

――たとえばどんなところで?

高橋アナログカードゲームでも実現可能なルールしか入れていないところとかですね。たとえば、『ゼノンザード』にはランダムで効果が決まるようなカードは存在しません。そういうこだわりがいいか悪いかは別として、アナログカードゲームをずっとやってきた事業部だからこそ、一般的なデジタルカードゲームとは違う感覚を持っているのかなと思います。

――なるほど。そこは今後もこだわっていくのですか?

高橋はい。人間対AIを謳うのであれば、現実世界でも再現できるというのは重要だと思っていますので。

小谷AIを活用しているゲームだからこそ、運要素が絡むとやや嘘っぽく見えてしまうかなという懸念もあります。要するに、強いAIは確率をいじっているのではないかというような疑惑が生まれかねないということです。アナログカードゲームを踏襲しているのは、そのような事は決して行わないという覚悟の表れだと思っていただけると幸いです。

――デジタルカードゲームとして展開するにあたって、アナログカードゲームのファンからはフィジカルなカードがないので、物足りないという声も上がるのでは?

高橋もしユーザーから強い要望があるのならば、もちろんアナログカードゲームとしても展開したいです。

――AIを使ったアナログカードゲームというのは可能なのでしょうか?

高橋そこは、新たな技術革新によって何かを考えないといけませんね。いまはまだ具体案はありませんが、ARやVRの技術を使えば、何年後かにはアナログでもできるのでは……と期待しています。

――現段階の仕様では、フィジカルの要素はないわけですが、カード事業部としてこれまでずっとフィジカルなカードに関わってきたので、寂しさはないのですか?

高橋もちろん、アナログカードの手触りが恋しくなることもありますが、スマートフォンに代表されるデジタルを活用することでカードゲームという遊びの幅が広がるのであれば、ぜんぜん寂しくはないです。

小谷アナログカードゲームのプレイヤーで、デジタルカードゲームもプレイしているという方はまだまだ多くないように感じます。本作はデジタルでありながらアナログに近しい遊びかたができますので、うまく両者の橋渡しができるようなタイトルになれればいいなと思っています。

AIにはまだまだ幅広い可能性がある!

――『ゼノンザード』には、“AI CARDDASS”のコンセプトがすべて盛り込まれているのでしょうか? それとも、いくつかのポイントにフォーカスされたタイトルですか?

高橋最初なので、できるかぎりたくさんのAIを活用する挑戦をしています。ですが、われわれの知らないAIはまだまだたくさんあります。つぎのタイトル以降は、また別の活用のしかたがあるとも思っています。これからもAIと名の付くものすべてに興味を持ち、いろいろな人たちにお会いして、技術を吸収していきたいです。そして、それをエンターテインメントにどう活かせるかを、つねに考えていきたいです。

――まだまだ未知のAIがあるというわけですか。AIってそんなに種類があるのですね。

高橋AIとひと口に言っても得意分野がそれぞれ違います。画像やデータの処理が得意だったり、音楽を作るのが得意だったり。幸いなことに、“AI CARDDASS”を発表した後は、AIの関係者からもお問い合わせが多数ありますので、さまざまな視点からお話を聞かせてもらえたらと思っています。

小谷毎週のように「ここに会いに行こう」とか、「このAIは使えるかな」というメールが高橋から来ています(笑)。

――本作は第1弾とのことですが、今後第2弾、第3弾はどのようなペースでリリースされる予定ですか? まったくもって気の早い話ですが……。

高橋希望ではありますが、1年に1タイトルくらいのペースでやりたいなと思っています。とはいえ、まだ第1弾ということもあって、どんな反応が返ってくるかはわかりません。ですので、企画はすでに少しずつスタートしていますが、反応を見つつ反映できるところはしていきたいと思っています。

――『ゼノンザード』には盛り込めなかったけど、つぎのタイトルに盛り込みたいと考えているAI技術はありますか?

高橋僕自身は音楽的なアプローチをしたいんですよ。音楽的なショーって観客を盛り上げられますし、それによって新たなお客さんを取り込めたりもしますから。後は、コミュニケーション要素をより強化したいですね。

――それを『ゼノンザード』に取り込むとしたらどういう形になるのですか。

高橋たとえば、カードゲームをしていないときでもバディAIと会話ができて、その内容がゲームに反映されるとか。つねに『ゼノンザード』というゲームに触れてもらえれば、おのずとユーザーに長く遊んでいただけるのではないかなと思います。今後、アプリ全体が徐々にそういう形になっていくのではないかなとも考えています。

――今後“AI CARDDASS”で取り組んでみたいことなどがありましたら、お教えください。

高橋バンダイはアプリ専門ではなく玩具のメーカーなので、モノとデジタルの融合をコンセプトとしたコンテンツに、さらにAIを絡めて世に出していきたいと考えています。また、“AI CARDDASS”という新しいブランドを楽しんでいただくために、新しいメディアミックスをやりたいです。手前味噌になりますが、アプリ自体がおもしろいということには自信を持っていますので、それをいかに広げていくか、知恵を絞っているところです。僕らは玩具メーカーですから、キャラクターのフィギュア化もできますし、バンダイという横のつながりがあるからこその商品展開にもご期待いただければと思います。

――最後に、『ゼノンザード』を楽しみにしている読者にメッセージをお願いします。

高橋皆さんがびっくりするような、AIをテーマにした新しいエンターテインメントを提供したいと思って鋭意制作中です。12月27日のWeb番組を見ていただいて、応援していただければと思います。

小谷カードゲームという遊びは本当におもしろいものです。すでに遊んでいる方も、これから始められる方々も、AIを活用することでみなさんが楽しみを共有できるようにしたいと思っています。また、いままでカードゲームに触れてこなかった方にも、ぜひ興味を持ってもらえたらうれしいです。『ゼノンザード』を楽しみにしていてください。

 高橋氏が言及したとおり、12月27日にWeb番組を配信予定だ。同番組では、2019年2月19日に開催される『ゼノンザード』のお披露目イベント“THE ZENON SHOW(ザ・ゼノンショー)”の詳細も明らかにされるという。気になる方は、ゼノンザードの公式ホームページをチェックされたし。