2018年12月6日、eBASEBALL パワプロ・プロリーグのeペナントレースが終了。前年度“パワプロチャンピオンシップ2017”王者マエピーが自身の敗因について語る。

 2018年11月10日に開幕した、『パワプロ』史上初めてのプロリーグ“eBASEBALL パワプロ・プロリーグ”。2018年12月6日、5週間にわたるeペナントレースの全日程が終了した。
 

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 パ・リーグは、現実のプロ野球での強さを反映するかのように、西武ライオンズが開幕から独創し、第4節で優勝を決めていた。セ・リーグは、横浜DeNAベイスターズが優勝の栄光に輝き、歓喜のなかで、チームタオルを掲げる。

 Twitterには \横浜優勝/ というツイートが溢れ、DeNAベイスターズとベイスターズファンが歓喜に震えた。そして、その数刻後、ある試合が終わった。

最後の試合は8-1で大敗。試合後、顔を覆い、拭いきれない悔しさからか、自身の足を何度も殴打した。

 前年に行われた『パワプロ』の全国大会“パワプロチャンピオンシップ2017”の優勝者であり、東京ヤクルトスワローズのキャプテン・マエピーが、阪神タイガースのびびを相手に戦い、敗北したのである。これでマエピーの成績は0勝5敗。

 スワローズは、すでにeリーグ代表決定戦に進出できないことが確定している。マエピーは1勝もできずに“パワプロ・プロリーグ”の舞台から姿を消すことになった。スワローズファンである僕は、これまでヤクルトの試合を中心に観戦と取材を続けてきたが、マエピーの勝ち試合を目にすることはかなわなかった。

 なぜ、マエピーは勝てなかったのか。

 敗北直後の本人に聞くのは酷なようにも思えた。それでも、やや遠慮気味に提案したインタビューの願いに、マエピーは快く応じてくれた。以下に、そのインタビューをお届けする。

マエピー選手(まえぴー)

eBASEBALL パワプロ・プロリーグ東京ヤクルトスワローズキャプテン。パワプロチャンピオンシップ2017優勝。

――敗戦直後、かなり悔しがって、自分の太ももを何度も激しく叩いていましたね。

マエピー ……はい、そうですね。チームとしてはつぎの試合もありますし、明るく前を向こう……という気持ちもあったのですが、すぐにヘラヘラするのも違うと思い……どうしても、ああしてしまいました。

――気持ちが抑えきれなかった。5戦して全敗という悔しい結果に終わってしまいましたが、ご自身では、この結果について、原因は何だったと思われますか?

マエピー こう言うと、すこしどうかなとも思うのですが、私自身、もちろん手を抜いていたつもりはないのですが、“気のゆるみ”みたいなものが1年を通じてあったかなと思います。

――2017年のパワプロチャンピオンシップで優勝できたということで、燃え尽き症候群ではないですけど、チャレンジャーの立場とは違う感情になっていたと。

マエピー 自分でも明確に意識する部分はあって、ただそれでもこのパワプロ・プロリーグが決まってから試合数や練習時間がが少なくなるということはなかったのですが、家で練習していても、なかなかいいイメージがつかみきれないときが多かったんです。そこに関しては自分でも不安視していた部分はあったのですが、ある意味、その不安がそのまま出てしまったかなという形だと思います。

――ウェブの記事で拝見したのですが、今年、交通事故にあわれたのですか。

マエピー はい。パワプロチャンピオンシップが2017年1月7日にあって、そこで優勝した1週間とちょっとあとかな、翌週、通勤途中で交通事故にあって。

――かなりたいへんな事故だったそうですね。

マエピー 背骨や骨盤などを含む5ヵ所ぐらい骨折しまして。入院期間としては1ヵ月くらいで、リハビリを始めるまではベッドでほぼ寝たきりで過ごすような形で。しっかり日常生活という意味で不便がなくなったのは、本当に夏ごろに入ってからでした。

――いや、なんとも……(絶句)。じつは僕も過去に1週間だけ入院したことがあって、わずか1週間の入院でも足が萎えてしまって退院時にぜんぜん歩けず、「たった数日でこんなに足が萎えるものなのか」と驚いた経験があるのですが、その4倍ということですもんね。

マエピー 最初はベッドから起きるだけでも貧血になってしまうくらいだったので、そこからリハビリして、家に帰ってきて、そこから、『パワプロ』を再開してというかたちだったので、まるまる1ヵ月『パワプロ』から離れていたという点で、不安がなかったと言えばウソになりますね。

――夏というと、プロテストのオンライン予選が始まっているくらいですか。

マエピー そうですね。体の調子は、寝たきりのときに比べれば、不調を感じるほどのことはなかったので、プロテストのときには、ある程度前と同じような感覚でできるようにはなっていたかなと思います。

――しばらくブランクがあったにせよ、オンライン予選もクリアーして、オフライン予選会もパスできたわけですよね。そこで、ご自分でも感覚としては「戻っていた」ということなのですが、やはりなにか、本番に向けて心構えというか、テンションがあがりきらなかったということでしょうか。

マエピー うーん……自分でもすこし不思議な面もあるのですが、ずっと、最高潮まで集中しきれないような部分もありました。とは言っても、オンライン予選、オフライン予選含めて、ものすごく不調を感じたわけではなかったので、eペナントレース本番になってここまで結果が出せない状況になったというのは、自分でも本当に理由としては……。

――まだ敗因としては見えてない。

マエピー そうですね。感覚としては、ただ「どう打てばいいかわからない、どう投げればいいかわからない」というか。

――完全なスランプ状態に。

マエピー スランプ、そうですね。あるかなと思いますね。最近になって、よりそういう感覚が強くなっていった感があるので。

――仮になのですが、開幕戦や2試合目、ペナントレースの早い段階で1勝でもできていれば流れは変わっていたと思いますか。

マエピー そこは気持ちがかなり違ったかなと思いますね。今日にしろ、先週にしろ、ある程度、順位が見えてきたなかで、とくに今日は、りきみや個人的なプレッシャーは強く感じてはなかったんですけど……。全体的なところで、こうまで打てない、こうまで打たれるというのは……。本番になったときにプレーの質として、2段階も3段階も落ちてしまっている。そこに関しては「なんで自分がこうなっているんだろう」っていう感覚ですね。

――自分でも原因をつかみきれない不調から、どうしても脱しきれなかった。

マエピー そうですね。応援してくださった皆さまには、本当に申し訳ない気持ちで……(言葉に詰まる)。

――苦しい心境の中、インタビューにお答えいただきありがとうございました。最後の質問をお伺いします。

マエピー はい。

――あなたにとって、『パワプロ』とはなんでしょうか。

マエピー 『パワプロ』とは……そうですね。僕にとっては欠かせないもので、ほかのことをぜんぜんやる気がしないぐらいのものなので、ちょっとこれで負けてこのまま終わるというのは、人生で負けて、このままあきらめて終わってしまうというのと同じくらいのものだと。そんなことは絶対に自分としては許せないので、自分の人生そのものだと思って、必ずリベンジのために戻ってきたいと思っています。

試合後、深く礼をする東京ヤクルトスワローズと阪神タイガースの選手。

 敗北の記憶をさかのぼりながら、辛い質問にときに言葉に詰まり、それでも最後まで真摯に応えてくれたマエピー選手には感謝の念に堪えない。それでも最後に「必ずリベンジしたい」と答えたとき、彼の目は再び前を向いて、光を取り戻していた。

 東京ヤクルトスワローズは敗退したが、“eBASEBALL パワプロ・プロリーグ”はまだまだeリーグ代表決定戦も残っているし、年明けにはe日本シリーズも開催される。

 まずは2018年12月16日に行われるeリーグ代表決定戦の行く末に注目したい!