『東京魔人學園帝戰帖』シナリオ第弐話 舞台は満洲から日本海洋上へ

『東京魔人學園伝奇』3部作の最後の作品として企画されているゲーム、『東京魔人學園帝戰帖』。その第弐話のシナリオを掲載。

 ゲームクリエイター今井秋芳氏が手掛けるジュヴナイル伝奇シリーズ、『東京魔人學園伝奇』。同シリーズは、3部作を予定しており、フィナーレを飾る作品として、『東京魔人學園帝戰帖』が企画されている。ファミ通.comでは、同作の第壱話&第弐話シナリオを特別に公開! 本記事では、第弐話のシナリオを掲載する。

今井秋芳監督インタビュー

『東京魔人學園剣風帖』発売から20年、今井秋芳監督が語る『魔人』の歩み。「『帝戰帖』を、いつの日かお届けしたい」

1998年に『東京魔人學園剣風帖』が発売されてから20年。『東京魔人學園伝奇』シリーズを統括する今井秋芳監督に、節目の年を迎えて思うことを語ってもらった。

東京魔人學園帝戰帖』シナリオ第壱話

『東京魔人學園帝戰帖』発売が待たれる3部作最終作、その第壱話のシナリオを特別公開! 時は1943年、主人公の物語は満洲から始まる

『東京魔人學園伝奇』3部作の最後を飾るタイトルとして企画が進められている、『東京魔人學園帝戰帖』。その第壱話&第弐話のシナリオを特別に公開。

『東京魔人學園帝戰帖』第弐話 第1幕

1943年12月―――長野県松代市

夜のように暗い森の奥、真紅の社と巨大な鳥居が見える。
社の境内では、護摩が焚かれ、その周囲に75個の膳が置かれている。
壁際には軍服姿の男たちや黒いスーツ姿の男たちが正座しており、
護摩壇の前には、巫女の姿をした老婆が座している。

【白髪の老婆】
きわめてきたなきもたまりなければ
きたなき事はあらじ 内どの 玉がき
清く清し―――。

【白髪の老婆】
八百萬の神達。神の前に申おかす伝法。
九字護身法。五大尊の印にて
申しおかす―――。

膳がカタカタと震えだす。

【白髪の老婆】
高天原がここなれば 集まり給え
四方の神々―――。

【白髪の老婆】
フシバクバシノウジダラク
アクビラ オンケン ソワカ―――。

【白髪の老婆】
フシバクバシノウジダラク
アクビラ オンケン ソワカァァァッ!!

膳が更に激しく震えたかと思うと、ピタリと動きを止める。

【白髪の老婆】
……。

【白髪の老婆】
……。

動かなくなった老婆を見て若い軍人(醍醐)が囁く

【逞しい体躯の若い軍人】
(こんな占いなど、
 当てになるのでしょうか?)

【逞しい体躯の若い軍人】
(占いで戦局の未来がわかるなら、占い
 師は優秀な指揮官になっています)

【厳格そうな軍人】
(そういうな。情勢が悪化している今、
 上層部は藁(わら)にも縋(すが)りたい心境なのだ)

【厳格そうな軍人】
(それに那智家は、陰陽道や神道、
 密教などの秘法に詳しい家柄だ)

【厳格そうな軍人】
(意外と面白い結果が
 出るかもしれん)

【逞しい体躯の若い軍人】
(しかし―――ッ!!)

【厳格そうな軍人】
(しッ。始まったぞ……)

【白髪の老婆】
……が……を……。

【白髪の老婆】
……した……そこに……。

【厳格そうな軍人】
(何かいっているようだが、
 聞き取れんな)

【逞しい体躯の若い軍人】
(では、自分が近くで聞いて―――)

【白髪の老婆】
違ァァァうッッッ!!

【厳格そうな軍人】
――――――ッ!?

【白髪の老婆】
違う違う違う違う違う違う違う違う違う
違う違う違う違う違う違う違う違う違う

【白髪の老婆】
駄目じゃ駄目じゃ駄目じゃ駄目じゃ
駄目じゃ駄目じゃ駄目じゃ駄目じゃ

【逞しい体躯の若い軍人】
これは、一体……。

【白髪の老婆】
おおお……おおおお……、
怖ろしや怖ろしや……。

床にうずくまる老婆

【逞しい体躯の若い軍人】
おッ、おい……しっかりしろ。

老婆を支える若い軍人

【白髪の老婆】
気を付けるのじゃ……、
よいな?気をつけるのじゃぞ?

若い軍人の方を目を見開いてみつめる老婆

【逞しい体躯の若い軍人】
何をだ?
何を気をつけるんだッ?

【白髪の老婆】
人じゃない。人じゃない。
そやつは人じゃないぞえ。

【逞しい体躯の若い軍人】
人じゃない?

突然、護摩壇の炎が巨大な龍のような獣(饕餮:とうてつ)の姿になる。

【白髪の老婆】
凶兆じゃ…凶兆じゃァァァッ!!

【白髪の老婆】
ぎェェェェェェェェェッッッ!!

気を失う老婆

【厳格そうな軍人】
那智太夫(なちたゆう)の手当てをッ。

【医療班の医師】
はッ!!

【逞しい体躯の若い軍人】
今、炎が一瞬、龍のような獣のような形
になったような気がしたのですが……。

【逞しい体躯の若い軍人】
目の錯覚でしょうか?

【厳格そうな軍人】
……。

【逞しい体躯の若い軍人】
柏木中将(かしわぎちゅうじょう)?

【柏木】
醍醐中尉(だいごちゅうい)―――急ぎ、本部へ戻るぞ。
帝虎隊(ていこたい)を召集しろ。

【醍醐】
はッ……はッ!!

上を見上げる2人
夜空だと思われていた天上が開いていき雪が吹き込んでくる。
その雪の中から、軍用ヘリが降下してくる。

【柏木】
さて……頭の固い上層部の連中に
どう説明するかな―――。

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