うららといっしょにスペースポートを行進できる喜び! 『スペースチャンネル5 VR あらかた☆ダンシングショー』デモンストレーション版、私的体験報告

東京ゲームショウ2018の開催からすでに2週間あまりが過ぎて話題もあらかた出尽くした感はあるが、筆者の中ではまだプレイ時の興奮を思い出してはニヤニヤし続けているタイトルがある。それがグランディングが制作中の『スペースチャンネル5 VR あらかた☆ダンシングショー』だ。ここでは、オリジナルのファンである筆者がプレイした感想を、あらかた綴ってみたいと思う。

 大いに盛り上がった東京ゲームショウ2018の開催からひと月近くが過ぎて、話題もあらかた出尽くした感はあるが、筆者の中ではまだプレイ時の興奮を思い出してはニヤニヤし続けているタイトルがある。それがグランディングが制作中の『スペースチャンネル5 VR あらかた☆ダンシングショー』だ。ここでは、プレイステーション VR(以下、PSVR)、及びPC対応ゲームとして開発が進められる同作のデモバージョンを、オリジナルのファンである筆者がプレイした感想を、あらかた綴ってみたいと思う。

TGS2018では、グランディングブースとソニー・インタラクティブエンタテインメントブースにてデモバージョンが体験できた。グランディングブースは原作を思わせる攻めた飾り付けで、来場者の目をひときわ引いていた。

 念のために説明すると『スペースチャンネル5』とは、未来世界の宇宙テレビ局リポーターである“うらら”が、突如襲来した謎の宇宙人“モロ星人”によって踊らされているという怪事件を、ダンス勝負で解決して視聴率を稼いでいくというリズムアクションゲーム。メインテーマ“メキシカンフライヤー”に代表されるノリノリの楽曲とポップでユニークな世界観で大好評を得て、シリーズ第2弾までが制作されている。

 その正統続編となる本作では、「アップ」、「ライト」、「チュー」といった掛け声に続いて動きを真似るという基本システムはそのままに、VRゲームならではの遊びを導入。つまり、方向キーやボタンの代わりに、体や両手を動かしてプレイをするワケだ。

プレイ中は掛け声に続いて両手を上下左右にアクション。「チュー」では両手を前にしてプレイスPlaystation MOVEのトリガーを引き、追加された「ポーズ」の掛け声にはカッコよくポーズをキメる。

 元よりシンプルな操作ではあるが、そこに全身を動かすという臨場感が加わったことで、プレイ時のノリノリ度はさらにアップ。リズムにあわせて体を動かすだけでも十分に楽しく、しまいにはプレイ上はまったく意味がないのに、お題クリアー時の「フゥー!」に合わせて思わず片手を上げてしまうほどだった……といえば、どんだけ没入していたかがおわかりいただけるだろうか。

オリジナルではうららを操作していたが、VR版では双子の姉妹ルーちゃん・キーちゃん(あわせてルーキー!)がプレイヤーキャラクターに。2人のうちいずれかの視点を借りて、プレイを行なうことになる。

 臨場感という意味では、VR世界での体験もそれに該当する。ヘッドセットを装着してゲームがスタートすると遊びかたをレクチャーするためにうららが登場するのだが、背後からツカツカと歩いてきて自分の真横を通り過ぎるその姿は、「そこにいる!」と感じるに十分。しかも、緊急連絡が入って移動したその先は、なんとオリジナルでの最初のステージであるスペースポート。原作ファンなら、この時点で感激に打ち震えるはず。ていうか、ちょっと泣きそうになった。

プレイ開始時に遊びかたをレクチャーするうらら。コケティッシュで素っ頓狂な魅力は色あせない。

 また、オンラインで接続されたほかのプレイヤーとのふたり同時プレイも可能となっているので、横を見れば姉妹いずれかの姿が見られるのもいい仕掛け。現状では共闘要素こそないが、隣で仲間ががんばっている(あるいはヘマをしている)のを確認できるだけで、世界観への没入度はさらに深まるものだと気付かされた。

プレイ中はこんな風景が目の前に広がる。助けた人たちが自分の背後でズラリと隊列を組む様子を、振り返って確認できるなんともうれしい。

 そうしてモロ星人とのダンス勝負で捕らわれの人たちを救出していくと、ボスキャタクターが出現。パンチ攻撃は体を避けて回避するのだが、こちらに迫ってくるパンチの立体的な迫力はVRならでは。興奮のあまり必要以上に体を大きく動かしすぎてトラッキング位置から外れて、スタッフに直されることになったのはここだけの話だ。

ステージの最後にはオリジナルにも登場したボス・ココ★タピオカと対決。巨体から振り下ろされるパンチを体を動かして回避するのはスリリング!

 プレイを終えて真っ先に思ったのは、「いやはや、きっちり“スペチャン”しているじゃないの!」ということ。楽曲やモデルが同じだから当然というなかれ、ステージやモーション、音声は(当時のモノを流用しているわけではなく)新規で制作されたモノ。それでいて、ヘンテコな世界観や、独特なセリフ回しはしっかりと再現されていて、オリジナルから15年以上(パート2は2002年発売)のブランクを感じさせなかった。

 それもそのハズで、開発を担当するグランディングは、オリジナルの『スペースチャンネル5』を手掛けたコアスタッフを含む元セガ社員らが独立して立ち上げた会社。また、現在もセガに在籍中の当時のスタッフも、デザインやストーリーの監修を担当している。本家が作っているのだから、違和感がないのは当然なのだ。

 あくまで現時点での私見だが、VRゲームはシステムをいろいろ詰め込まれると疑似世界への没入感が阻害されて興ざめとなるので、ある程度シンプルなゲーム性のほうが楽しめるように思う。その点リズムアクションである本作は、タイミングに合わせてポーズを真似るというシンプルさがなんともいい塩梅で、まるでVRとなるのが運命であるかのような相性のよさであった。

 そんな“新しいスペチャン”が遊べそうな気配がぎゅんぎゅんする本作。気になる今後を関係者に聞いたところ、「現在は、2019年予定のリリースに向けて、鋭意制作中です。今回は皆さんになじみのあるスペースポートを体験してもらいましたが、あくまで入り口。その先は新展開を考えています」との期待が高まるコメントが。また、今後もデモバージョンをプレイする機会を設ける予定があるそうなので、気になる人は公式サイトやツイッターを欠かさずチェックしよう。

 最後に、ゲームのリポートとは関係ないが、筆者がグランディングブースでプレイ取材を終えたあとに、ちょっとおもしろい出来事があったので書き記しておきたい。なんと、グランディングブースに遊びに来ていた、元祖商用VRヘッドセットを製造したことで知られるOculus社の創設者、パーマー・ラッキー氏に遭遇したのだ。試遊を終えたパーマー氏を直撃したところ「もともと『スペースチャンネル5』のファンなんだけど、このVR版もとっても楽しいね!」とゴキゲンな笑顔。VR界の大物までが注目する『スペースチャンネル5 VR あらかた★ダンシングショー』、なんか“持ってる”んじゃないの!?