2018年9月20日(木)から9月23日(日)まで、千葉・幕張メッセにて開催された東京ゲームショウ2018(20日・21日はビジネスデイ)。6年ぶりの出展となるレベルファイブブースでは、『イナズマイレブン アレスの天秤』と、『妖怪ウォッチ4』を始めとする4つの最新作を会場限定のプレイアブルで体験できた。会場でプレイできた内容をもとに、各作品が目指す完成形について、会場で発見した日野社長にインタビューを敢行!

 2018年9月20日(木)から9月23日(日)まで、千葉・幕張メッセにて開催された東京ゲームショウ2018(20日・21日はビジネスデイ)。6年ぶりの出展となるレベルファイブブースでは、『イナズマイレブン アレスの天秤』と、『妖怪ウォッチ4』を始めとする4つの最新作を会場限定のプレイアブルで体験できた。毎回イベントでゲームファンを驚かせてきたレベルファイブだが、今回は、新アプリタイトルの『妖怪ウォッチ メダルウォーズ』を発表から間もなく、いきなりプレイアブルで出展。さらに、まだあまり情報が世に出ていない『妖怪ウォッチ4』を始め、『イナズマイレブン』シリーズの公式配信番組“イナズマウォーカー”で少しずつ画面などが公開されてきた『イナズマイレブン アレスの天秤』も、初出展でいきなりプレイアブルで体験できてしまうという大胆な出展内容に踏み切っている。そんなレベルファイブブースにて、運よく多忙な日野社長の姿を発見! 取材のお時間をいただけたので、プレイアブルで体験した内容をもとに各作品が目指す完成形についての構想や、6年ぶりの出展についての想いを伺った。完成度には納得がいかない部分があると語った日野氏へのインタビューを、出展タイトルのレビューとともに紹介する。

※インタビューはこのページの後半から掲載しているので、早く読みたい方は出展内容紹介を飛ばしてお読みください。

出展内容紹介

イナズマイレブン アレスの天秤

 フィールドを探索して仲間を集めて、バトルはサッカーの試合で行う。サッカー少年少女の青春ドラマを体験する“収集・育成サッカーRPG”『イナズマイレブン』シリーズ。その7作目となる最新作が『イナズマイレブン アレスの天秤』だ。本作は、1作目の『イナズマイレブン』のその後の世界のパラレルワールドを舞台に、新たな3人の少年の視点から全国大会“フットボールフロンティア”での激闘を体験することになる。Nintendo SwitchとPlaystartion 4、そしてiOS、Androidで発売予定となる本作は、放送中のアニメさながらのフル3Dによるビジュアルで描かれ、タカラトミーより発売中の玩具と連動するといったクロスメディアでの展開も予定されている。

 出展バージョンでは、3人の主人公のうちのふたり、“稲森明日人”が所属する“雷門中”と“灰崎凌兵”の所属する“星章学園”の試合をプレイできた。過去作ではタッチペンでラインを引いた軌跡に合わせて各選手が移動したが、本作ではボールをキープした選手を操作し、周囲にパスが出せる選手へのガイドがハイライトされて表示。サッカーゲームのようにフィールドを走り抜けながら、コマンド入力のようにパスを回す仲間を選択して、上手く相手ゴールを目指していく形に。敵選手とぶつかると、左右どちらに抜けるか読み合いになる点や、必殺技を発動して派手に切り抜けたり、シュートを放ったり。さらにはゴールを守るといったシリーズおなじみの要素はそのままに、非常に感覚的に手に汗握る試合をプレイできたのが印象的だ。

妖怪ウォッチ4

 目に見えない妖怪のいる町で、ちょっと不思議なひと夏を体験する大ヒットRPGの4作目。過去作は携帯機で発売されてきたが、本作は据え置きハードであるNintendo Switch用ソフトとして開発が進められており、ビジュアルはトゥーンシェードになり、町中での視点も、従来の見おろし型からキャラクターの目線の高さに変更されたことから、フィールドを探索する臨場感がアップ。また、バトルでは妖怪と遭遇して戦闘が開始すると、フィールドでプレイヤーやともだち妖怪を自由に操作して『妖怪ウォッチバスターズ』シリーズに近いアクション性の高いバトルを展開するようになるなど、ゲームシステムが大幅な進化を遂げている。

 TGS 2018で出展されたバージョンでは、過去作から30年後を舞台とした『妖怪ウォッチ シャドウサイド』の舞台である“さくら元町”での冒険が体験できた。プレイはヒロインのナツメの自宅からスタート。住宅街を自由に歩き回れる感覚は非常に新鮮で、限られた試遊時間の中ではあるが、事件をほったらかして遠くに見える裏山などにも寄り道してみたくなってしまったほど。街歩きや散歩が好きなひとなら、時間を忘れて没入できてしまいそうな気配を感じた。

 公園では、妖怪探偵団でともに怪事件を追う仲間のトウマと合流。妖魔レーダーで現場をスキャンして妖怪を捜す。さらに、操作キャラクターの変更も体験できた。ナツメからトウマへキャラクターをチェンジし、妖怪とバトル! オートで行動するジバニャン、コマさん、ミッチ-の3体とともに、プレイヤーはトウマ自身を操作して身に着けた鬼の力を宿し、幻魔や剣武魔神を憑依させて戦える“妖怪ウォッチオーガ”で戦闘に参加する。Rボタンで妖怪ウォッチオーガの能力を切り換えて、近距離戦闘、遠距離戦闘、サポートといった状況に合せた立ち回りが可能だった。攻撃をくり返してゲージが溜まると、妖怪ウォッチオーガの真骨頂である“憑依”で剣武魔神“不動明王”へ変身! 超威力の一撃“雷鳴鉄槌斬り”をくり出せる。

公園に隠れていた妖怪は、人間の女の子に恋をしてしまった理科室の人体模型が妖怪と化したツクモノ族の“ジンタ”だった。逃げるジンタを学校の校庭に追い詰めると……ジンタが
シャドウサイドの姿である巨大な“ジンゲキ”へと変貌して襲い掛かる! アニメ版の“恋する人体模型”のエピソードをコントローラーを握って体験できる内容になっていた。
妖怪ウォッチに搭載された妖気を吸い取る機能“妖気スイトール”で、ジンゲキの巨大な臓器を引っ張れた。弱点の心臓を取り外せばラッシュのチャンスが生まれる、といったような、シリーズ作品でも伝統的なナゾトキ要素のあるバトルも健在。

 見事ジンゲキを鎮められると、不思議なトビラが出現。そこから現れたのは……おなじみ30年前のジバニャンとケータ(あと、ウィスパーも)だった!? 世代を超えた物語が展開する予感が!

妖怪ウォッチ メダルウォーズ

 会場で初出展された『妖怪ウォッチ』シリーズの最新アプリRPG『妖怪ウォッチ メダルウォーズ』。MMORPGアプリ『リネージュ2 レボリューション』など大ヒット作を手掛けるネットマーブルとレベルファイブのタッグで制作されている本作は、オートで戦う妖怪たちの状況を見て、メンバーを入れ替えながら勝ち進んでいくアクション性のあるバトルが楽しめるRPG。プレイヤーは、妖怪の王であるエンマ大王と同等の地位を得られる“オージャメダル”を巡って勃発した妖怪たちの抗争に巻き込まれた主人公となって、妖怪ウォッチの力で妖怪メダルを集めて強力なパーティーを結成し、争いで砕けて邪悪な存在となったオージャメダルの行方を追うことに。

 出展バージョンでは、エンマ大王とウィスパーが登場する物語の導入から、基本的な戦闘の流れが体験できた。最大3体の妖怪をフィールドに出して、つぎつぎと襲い来る妖怪を撃破していく。手持ちにはさらに3体の妖怪がストック可能で、状況に合わせて控えの妖怪と交代。控えの妖怪は体力が回復し、交代してフィールドに出た妖怪は特殊なスキルをくり出す。どの妖怪を出すのか、交代のポイントを見極めて戦略的に指示を出すという、シンプルで誰でもプレイできるが、奥深い戦略性を持った内容になりそうな作品だ。

 さらに、スマートフォン用のRPGらしく、主人公となるプレイヤーアバターや拠点となる自宅は、洋服や家具などを入手することで細かくカスタマイズが可能となっていた。

ファンタジーライフ オンライン

 ファンタジー世界で自由気ままな毎日を楽しむRPG『ファンタジーライフ』。舞台となる‟ファンタジール“で、手に職を持って生活しながら冒険するシステムや、独特なゆるい世界観で好評を博したシリーズの最新作が、『ファンタジーライフ オンライン』としてスマートフォンで楽しめるネットワークRPGとして配信中。本作は冒険と生活を楽しむアクションRPGで、多数のパーツを組み合わせてアバターを作り、12種類のライフと呼ばれる職業からひとつを選んでファンタジールで生活していくことに。‟神さまの使い“として世界を救う旅や、各ライフを極める物語を、ひとりでもオンライン通信で最大4人のマルチプレイでも、スマートフォンの特性を生かして、いつでもどこでも体験できるのが大きな特徴。まだ配信間もないにも関わらず、すでに200万ダウンロードを突破し、いよいよ初の大型アップデートを控えているとのこと。

会場では、マルチプレイで狂黒竜の討伐を目指すクエストが体験できた。
プレイ後にはアクセサリ“光輝のアミュレット”がもらえるキャンペーンも実施!
また、TGS開催のタイミングで、ライフのランクの最高位である“マスター”ランクが、大型アップデートで開放されることが発表。マスターだけが装備できる12種類のマスター装備イラストも初公開された。

 そんなレベルファイブブースだが、TGS開催の直前に日野社長は、Twitter上でプレイアブル出展をする『イナズマイレブン アレスの天秤』について、「完成度はまだまだですが、今回のバージョンでは画面から来る迫力などを感じていただけたら」との旨の気になる発言をしていた。ゲームの質に妥協をしないでギリギリまで作り込むレベルファイブ作品だけに、今回出展したタイトル群も、さらにブラッシュアップを重ねているのだろうか。投稿の真意を知るべく、それぞれの作品が目指す完成形について、ブースにて運よく遭遇した日野社長へインタビューを敢行! お話を伺う機会を得て、直撃取材が実現した。

日野晃博(ひの あきひろ)

レベルファイブ代表取締役社長/CEOとして、『イナズマイレブン』、『妖怪ウォッチ』、『レイトン』などの人気シリーズを生み出してきた。現在は自社タイトルでありながらも『ファンタジーライフ オンライン』にハマり、ガチでプレイ中とのこと。(TwitterID @AkihiroHino)

完成バージョンは劇的に違うものになる!?

――Twitterで、今回出展している『イナズマイレブン アレスの天秤』について投稿されていましたね。

日野 ええ。じつは出展したバージョンは、ここから完成までにさらに磨き上げていくべき部分がまだまだ多いと課題を感じている段階のものなんです。

――出展バージョンでは、雷門中と星章学園の試合シーンが遊べましたが、プレイしてみて、過去作の試合シーンの感覚を、簡潔なコマンド指示で体験できるようになった感じがありました。ですが、確かに相手にボールを取られたときには“激プレス”をかけることしかできないなど、今回の出展バージョンでは、実装が間に合わなかった要素があって、これから追加されていくのかな? といった印象も受けました。

日野 おっしゃる通りですね。まさに相手に攻められているときの立ち回りについては、今後アクションの追加を予定しています。そのほか、細かい部分もかなり調整していくので、完成品は劇的に違うものになっていると思います。なので、今回出展しているバージョンについては、“コンセプトを体験していただく”ためのものだと思ってもらえたらと。

――シリーズ公式配信番組“イナズマウォーカー”で長い時間をかけて少しずつゲームの情報が発表されてきた中で、今回いきなりプレイアブルで出展されることが発表されたので、とても驚いたのですが……そこはやはりレベルファイブ印、ギリギリまで調整や追加要素を盛り込む形で開発が進んでいるのですね。

日野 そうですね。『イナズマ』も『妖怪ウォッチ』もそうですが、クロスメディアプロジェクトとして、アニメや玩具と連動して展開しているので、どうしても発売時期には制約があり、いつまでも作り込み続けることはできないのですが……。

――それにしても、これまで携帯機でリリースされてきた『イナズマ』が、Nintendo SwitchやPlaystartion 4といった据え置き機の大画面で楽しめることになりますが、「画面から来る迫力を感じてほしい」との日野さんのTweetの通りに、必殺技をくり出す際の興奮度や、試合中の臨場感は過去作をはるかに凌ぐ迫力でした。

日野 必殺技シーンにまだ声は入っていないバージョンだったのですが、やはり必殺技は『イナズマ』の醍醐味なので、気合を入れて調整しました。それでも個人的に、まだまだ手を入れたい部分があるんですけどね(苦笑)。

――雷門の小僧丸サスケにパスをつないで、ゴール前で必殺シュートの“ファイアトルネード”を放ったのですが、星章学園キーパーの天野の必殺技“もじゃキャッチ”で見事に止められました(笑)。でも、その一連の流れの興奮度たるや相当なものでした。

日野 え! ファイアトルネードが止められましたか!? ふつうは決まるように調整していたのですが(笑)。でも、まさに“もじゃキャッチ”の演出にも、ちょっとポリゴンが荒いな、などと、気になってしまって手を入れたい部分があって。

――日野さん自ら、細かくチェックされているのですね。

日野 ええ。『妖怪ウォッチ4』は、ディレクターの本村(健氏)が細かく見ているので、そこまで自分で直したくなる、というほどに気になる部分があるわけではないのですが。

――『妖怪ウォッチ4』も、ハードをNintendo Switchに移したことで、よりリアルになった町の表現により箱庭感が増したように感じました。映像もトゥーンシェードでアニメとゲームの差が縮まっていくかのようですね。『妖怪ウォッチ4』で体験できたのは、アニメ『妖怪ウォッチ シャドウサイド』の“恋する人体模型”のエピソードがもとになっていて、人体模型のジンタが暴走したシャドウサイドの姿“ジンゲキ”の威圧感は、アニメよりも身近に感じられましたから(笑)。

日野 あのエピソード、じつは僕がシナリオを書いたお話なんです(笑)。『イナズマイレブン アレスの天秤』も『妖怪ウォッチ4』もそうなのですが、プレイヤーがアニメの世界を自分で動かしているような体験をする、というのがひとつのテーマです。このあたりについても、『妖怪ウォッチ4』の方は、本村たちのチームのがんばりもあって、理想に近い形で実現できそうかな、と感じています。『イナズマ』の方は、もう少し課題があるなと思っていたので、今回のプレイアブルでは町のパートは出展しないことを決めました。

――そうだったのですね。たしかに体験できた『妖怪ウォッチ4』では、冒頭でヒロインのナツメがスマホをチェックする場面から始まりましたが、ちゃんと自分のスマホに手帳型のスマホカバーをしている様子などが描写されていて、やけにリアルだなと感じました(笑)。

日野 いきなり細かいところを見てますね……手を抜いていなくてよかった(笑)。でも、そういう部分は『妖怪ウォッチ』の大切なリアリティーの部分に関わってくるところですからね。