『信長の野望・大志 パワーアップキット』小山プロデューサーに訊く、新要素ではとくに“大命”に注目してほしい【TGS2018】

東京ゲームショウ2018のコーエーテクモゲームスブースでは、『信長の野望・大志 with パワーアップキット』の“AIの思考がわかる”限定デモが映像出展されている。その狙いや作品の魅力を、プロデューサーの小山宏行氏に伺った。

 2018年9月20日から9月23日まで、千葉・幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ2018(20日・21日はビジネスデイ)。同会場のコーエーテクモゲームスブースでは、2018年11月29日発売予定の新作『信長の野望・大志 with パワーアップキット』(以下、『大志WPK』)の、“AIの思考がわかる”限定デモが映像出展されている。

 プレイヤーのライバルとなる大名たちがどのように考え、判断しながら全国統一を目指しているのか? ふだんは見られないその思考内容をリアルタイムで表示するという、東京ゲームショウ2018限定のコンテンツなのだ。

 これまでにない試みとなった、このコンテンツの狙いや『パワーアップキット』で追加された新要素の詳細などを、プロデューサーの小山宏行氏に伺った。

大名たちの行動を可視化したユニークな試み

――今回、AIの思考をリアルタイムで表示するという新しい試みをされていますが、どういった意図があるのでしょうか?

小山 『大志』から“志”という、大名固有の思考を表現する要素を導入して前面に押し出しているのですが、それがゲーム中具体的にどう働いているのか、端的にわかりやすく視覚化してご覧いただこうと考えて実験的に制作しました。

――“自軍強化”とか“他家攻略”とか、目的が表示されているとおもしろいですね。

小山 「あいつが気に入らないから軍備を増強して攻めてやろう」みたいなストーリーが思い浮かびますからね。もちろん、そんな言いかたはしていませんが(笑)。

画面中、“織田信長が自軍強化目的で大命「○○」を行う”のような形で、行動の目的がはっきりわかるようになっている。

――こうして眺めているあいだにも、なかなかの勢いでテキストが表示されているのですが、どのくらいの行動が表示されているのでしょうか?

小山 “表示勢力”とあるように、おもな5つの勢力に絞っています。全勢力の思考を表示していたら、画面中がテキストで埋まっても足りないくらいのボリュームになってしまいますから(笑)。5つの勢力にしても、すべての行動を表示しているわけではなく、重要な行動のみをピックアップするようにしています。

――確かに、1勢力だけでも全行動を表示していたらたいへんなことになりますね(笑)。今回のデモ展示はとてもおもしろい試みだと思うのですが、ゲームでも実装する予定はあるのでしょうか?

小山 現在のところ、ゲームで実装する予定はありません。まずはユーザーの皆さんの反応を見てみたいですね。FacebookやTwitterなどのSNSで感想を教えていただけるとうれしいです。現在開発は追い込みの時期ですが、追加配信という手段もありますし、皆さんのご意見をゲームに反映できるようなことがあるかもしれません。

――今回のデモ展示では、この思考表示だけでなく、新要素である調略や攻城戦の様子などもわかるようになっていますし、さまざまな感想が出てくるのではないでしょうか。

小山 3つモニターがありますので、少し眺めていればどこかで攻城戦が発生するようにはなっていると思います。

――攻城戦の様子を見ると、城によっては進路上にかなりの施設があって、なかなか歯応えがありそうですね。

小山 まさに攻める城次第ではあるのですが、大きい城だと守らなければならないポイントも多くなるため、大きいからと言っていいことばかりでもないんですよ。むしろ、取っ掛かりが少なく守りの堅い山城のほうが苦戦するかもしれませんね。

――戦闘自体は基本的にオート進行なんですよね?

小山 そうです。最初に“どこから攻めるか”などの方針を決めて、あとは任せることになります。もちろん、攻城戦の最中にもさまざまな指示が出せるようになっています。攻め難い城には土竜攻めや水攻め、大筒といった手段も効果的です。また、“改修”コマンドで設備を置いて守りを強化するなど、守る側にとってもやり甲斐がある要素にしています。

――シリーズおなじみの調略要素も復活したんですよね?

小山 かなり多くの声をいただきました。と言っても、調略は調整がかなり難しい要素です。自分が仕掛けて成功するぶんには楽しいと思うのですが、それは相手もやってくるということです。自分はやっても、やられるのは嫌だったり(笑) 。調略の効果が劇的になればなるほど、成功しすぎても失敗しすぎてもダメなので非常に難しいですね。

――確かに。マウスやコントローラーを投げたくなります(笑)。

小山 今回の調略は“局地戦”のような攻防の場面で特に有効なものにし、大局への影響はどちらかといえば外交に任せています。

――なるほど。その考えを伺うとすごく納得できますね。ほかにも決戦や外交などでも数々の新要素が実装されていますが、『大志WPK』でいちばんの注目点を挙げるとすれば、どんな要素になるのでしょうか?

小山 あえてひとつ挙げるなら“大命”です。これは、季節ごとの評定で得た施策力を消費して実行する、“方策”と対になるもので、かなり強力な効果を得られるコマンドになっています。大命も方策も施策力を使うという点がミソです。大命を実行すると、施策力の消費が激しくなって方策の実行があまりできなくなってしまうので、施策力をどう使うかがポイントとなってきます。

――既出の情報では、武田信玄の“風林火山”など、特定武将専用のものもあるようなのですが、全部で何種類くらいあるのでしょうか?

小山 大命の種類は40以上です。“志”ごとに使える大命がいくつかあり、どの大命が使えるかも志によって異なっています。その中には特定の大名家専用の大命もあります。

――“志”のように、弱小大名にユニークなものが用意されていたりとかはしないんですか? 小田氏治の“不死鳥が如く”など、一部のユーザーを熱狂させているようですが(笑)。

小山 専用の大命については、ある程度の有力大名に絞らせてもらっています。ただ、弱小大名の“志”がたくさんのユーザーさんに楽しんでいただけているのは、我々もうれしく感じています。

――かなりの追加要素が楽しめるようになっていますが、スマホ版での配信は予定していないのでしょうか?

小山 現状は家庭用ゲーム機とSteamでの発売のみとなります。マシンスペックやクロスセーブなど、解決しないといけない問題も多いですからね。

――これもユーザーの声次第、といったところでしょうか。最後に、現在の開発状況を伺えますでしょうか。

小山 現在、発売に向けて最後の調整に入っているところです。先ほどもお話しましたが、今回のデモ展示への皆さんの反応も気になっています。ご来場いただいたら、ぜひデモをご覧になって感想をお聞かせください。