『NBA 2K19』シリーズ20周年作の魅力にシニアプロデューサーへのインタビューとプレイレビューで迫る

シリーズ累計8000万本の売り上げを記録し、最新作がまもなく発売する2Kのバスケットボールゲーム、『NBA 2K19』。ここでは2018年9月6日に開かれた発売記念イベントと同時に行なわれた、『NBA 2K19』の体験会と、同作のシニアプロデューサー、エリック・ベニッシュ氏へのインタビューをお届けする。

 シリーズ累計8000万本の売り上げを記録し、最新作がまもなく発売する2Kのバスケットボールゲーム、『NBA 2K19』。ここでは2018年9月6日に開かれた発売記念イベントと同時に行なわれた、『NBA 2K19』の体験会と、同作のシニアプロデューサー、エリック・ベニッシュ氏へのインタビューをお届けする。

『NBA 2K19』発売記念リポート、今年も日本上陸を果たしたスポーツゲームの“王者”をアンバサダーに就任した前園真聖さんも称賛

2018年9月6日、渋谷TRUNK HOTELにて、2K Sportsのバスケットボールゲーム、『NBA 2K19』の発売記念イベントが行なわれた。ここでは同作のシニアプロデューサー、エリック・ベニッシュ氏が登壇したプレゼンテーションを中心に、イベントの模様をお届けする。

会場にはPS4版、Switch版の『NBA 2K19』に加え、モバイル版の『NBA 2K モバイル』や、デフォルメされたNBAの選手が人間離れした必殺シュートを放つ2on2の『NBA 2K プレイグランド2』の試遊も行なえた。

“NBAプレイヤー”らしい豪快なアクションが楽しめたクイックマッチ&MyTEAM

 試合の基礎やストーリーと自分好みのキャラメイクが楽しめるMyCAREERモードは、すでに配信されている無料体験版で楽しめていたのだが、現役のNBAプレイヤーを操って試合を行なえるのは、日本ではこの日が初めて。そこでまず使用可能なチーム数を数えたところ、

・最新データが反映されている現在のNBAチーム 30
・世代を超えて各チームの最強メンバーが揃った歴代NBAチーム 30
・NBAの歴史で輝かしい成績を残した、クラシックNBAチーム 60
・2018年のオールスター戦のチーム、チームレブロン(ジェームズ)とチームステファン(カリー) 2

という、計122チームの存在が確認できた。

あらゆる世代のNBAファンに”刺さる”、膨大な数のチームが収録されているのも『NBA 2K』シリーズの魅力。

 今回製品版のチームを触って一番感じたのは、NBA選手の持つポテンシャルの高さ。体験版のMyCAREERは自分の分身であるプレイヤーは初期状態の能力、チームメイトも架空の中国人選手だったため、プレイヤーに相応のスキルがないと、派手なドリブルムーブや豪快なダンクなどは決めづらかった。そのため「『NBA 2K19』はいままでより魅せるプレイは難しくなった?』と勝手に思っていたのだが、この日の体験会でその疑惑(?)は払拭。03-04レイカーズのようなスーパーチームを使えば、コービー・ブライアントの変幻自在なドリブルからの攻めや3ポイントシュート、シャキール・オニールのディフェンスを無視したゴール下からのシュートなどで、多くの得点をゲット。また、ディフェンス時も自動でシュートを叩き落としたり、リバウンドに入ってくれるなど、能力の高いNBA選手らしいプレイを随所で見せてくれ、気持ちよく遊ぶことができた。

NBA選手だと自分の体勢やディフェンスとの位置関係を見てシュートを変えてくれるのがありがたい。プレイスキルがそこまでなくても、バスケットボールらしい点の取り合いが楽しめる。

体験版のMyCAREERだと決めるのにテクニックが必要だった、ジャンプシュートもNBAの選手なら決めやすかった。

 さらにこの日はカードパックを購入して自分好みのドリームチームを作成できる、MyTEAMのプレイも可能だった。こちらではおもに『NBA 2K19』で復活した、トリプルスレットを体験。トリプルスレットはフルコートで行なう3on3のため、スペースへ向かって走り込んだり、ドリブルで切り込んだりする個人技とスピードが通常の試合以上に有効な印象。試合のテンポがアップしているうえに、1クォーターでサクッと終わる時間設定なので、短時間で満足感を得られるゲームモードとして、非常に高い完成度になっているように感じた。

展開の早い3on3ということで、通常の試合以上に点の取り合いになりやすいトリプルスレット。

日本のカルチャーが好きなスタッフがソーシャルゲームなどの“ガチャ”を参考にして作ったという、演出面も見どころ(?)のひとつ。

パックから引いた選手には能力値のほか、性格や体調なども設定されている。カードの種類によっては体調や能力値が、現実のNBAでの活躍に応じて変動することもあるようだ。

シニアプロデューサーが語る『NBA 2K19』の魅力

NBA 2K19』シニアプロデューサー
ビジュアルコンセプト
エリック・ベニッシュ氏

――『NBA 2K19』で力を入れたポイントを教えてください。個人的には今年は前作のネイバーフッド導入のように新要素に挑戦するというよりも、これまで作ってきたもののクオリティを上げる方向に注力したのかな? と感じているのですが。

エリック まさにそうで、全体的なクオリティアップにはとても力を入れました。今年はシリーズ20周年という節目なので、とにかく大きなアップグレードをしたいと思ってやってきた1年でした。ただ、「すべてのクオリティをアップさせました、でもひとつひとつの向上したポイントの振れ幅は小さいです」みたいなことにはしたくなかった。幸いなことに『NBA 2K19』の開発スタッフは150人以上とかなりの大所帯だったので、複数の要素を同時にハイクオリティに仕上げられる体制でした。そのため、すべてのゲームモードを大きくクオリティアップできました。
 その中でも新しいことには取り組んでいて、MyCAREERでは新しいストーリー、“The Way Back”を用意し、ネイバーフッドにも新しい要素を数多くプラスしました。ネイバーフッドは2年目になりますが、実際中身を空けてみると、まったく新しい街になっていて、新鮮な気持ちで遊べると思います。

――ネイバーフッド内での定期的なイベント開催もですが、シリーズを追うごとに発売後にアップデートし続けなければいけないコンテンツが増えいて大変ですよね。現実のNBAとのリンクなんかは絶対に外せない要素ですし。

エリック まずはネイバーフッドの話をすると、ほぼ毎日新しいイベントが用意されているということで、発売直後に遊べるものがすべてではありません。10月、11月、12月にも新しいイベントは用意していますし、来年になっても新規イベントの追加は続いていきます。そういう意味でダイナミックに環境が変化し続ける楽しみを、ネイバーフッドは提供できると思っています。

――ネイバーフッドのムービーを見て一番驚いたのは、ボールをぶつけあうミニゲームだったんですけど、一見するとバスケットボールから逸脱したような遊びが入っているのはどんな狙いがあるのでしょうか?

エリック ネイバーフッドはバスケットボールが持つ文化を表現する場、プレイヤーが自己表現できる場を作りたいという思いから生まれたのですが、最終的にはとにかく楽しいものを提供したい! いまはその思いが一番強くなっています。ドッジボールなんかは作る側も相当楽しんで開発しました(笑)。一種のドッジボールバトルロイヤルになっているあのミニゲームは、約200人の同時参加が可能で、最後に残るのはひとりだけ。時間の経過とともにプレイヤーの動けるエリアもどんどん狭まっていきます。この辺りは現在のゲームでトレンドの『フォートナイト』であったり、『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』のエッセンスを落とし込んで作りました。ミニゲームなので、そんなに深刻かつ真剣にプレイしなくてもいいんですけど、いろいろな楽しみを提供できればなと思って入れました。ドッジボールよりはバスケットボールに関係あるミニゲームとしては、トランポリンが入ったコートでのプレイがありますが、あれも現実では絶対できないジャンプ、ダンクシュートを楽しんでもらいたいと思ってできたアイデアです。とにかくエンターテイメントとしてみなさんに楽しんでもらいたい、そういう遊びをつねに提供していきたいと思っています。

エリック アップデートし続けるといえば、MyTEAMモードもそうですね。こちらはNBAの動きに合わせて1年中コンテンツのリフレッシュが続いていきます。今回はヒートチェックカードというNBAの展開にあわせて排出される選手が変わるパックを作りました。試合の中でよいパフォーマンスを見せると、文字通り火のついたような絶好調モードになり、能力値のブーストは試合のあと数日は続きます。こういう形でゲームとリアルのNBAがつながっていく今回の試みは、NBAファンの人には相当気に入ってもらえるのではないかと思っています。NBAでの活躍がゲームプレイに有利に働くわけですから、応援にも熱が入ると思いますよ(笑)。

9月6日のプレゼンテーションで紹介されたヒートカードの一例。総合能力値がアップしているのがわかる。

――選手の話が出たところで、今回から導入された、テイクオーバーについて聞きたいと思います。調子がよくなると選手の能力はもちろん、スキルや動きのバリエーションまで増えるというシステムですが、テイクオーバーにはどのようなバリエーションがあるか、またエリックさんが個人的にこのテイクオーバーのアクションは見てほしい! というものがあれば教えてください。

エリック 『NBA 2K19』ではアーキタイプという選手の特性を分ける8種類のプレイタイプを定めていて、それぞれにテイクオーバー時に発動する特定のスキルやボーナスが用意されている、そういう作りになっています。個人的に私が気に入っているアーキタイプは、グラスクリーナーですね。バックボードを掃除する、要はリバウンドのスペシャリストのことで、オフェンスのスキルはイマイチでも、リバウンドに関しては世界一、テイクオーバーになるとその能力がさらに高くなっていく。グラスクリーナーのアーキタイプを持つ選手がテイクオーバーに入ると、ボールの落下点とその軌道が文字通りゲーム中で“見える”ようになります。そのためあらかじめリバウンド時に取るべきポジションやミスしたシュートがどこに落ちるのかがわかるので、素早くリバウンドにいける。NBAには実際にそういう特殊能力を持っているんじゃないかと思えるぐらいリバウンドを取る選手もいますので、そういう直感力みたいなものをゲームでもテイクオーバーで表現できたので気に入っています。

――今回MyCAREERのスタートをNBAの外、中国にした理由は?

エリック MyCAREERにボリュームのあるストーリーを用意してから今年で6年目になるのですが、今回はいままで以上に違うものを打ち出したいと考えていました。そこから生まれたのが今回の“The Way Back”です。The Way Backは忍耐の物語であり、大学を出てすぐにNBAのスターになる、その夢が叶わなかった失望から始まる物語で、試練と苦労を潜り抜ける、そんなストーリーになっています。アメリカで生まれ育った主人公が、コーチの指示や実況も全部中国語でチンプンカンプンな異質な環境の中に置かれてもなんとかNBAを目指していく……。そういうハードな物語を語りたいために舞台を中国にしました。非常にいいストーリーになったと思いますし、海外からの挑戦から始まるシナリオはもっと早いタイミングでやってもよかったですね(笑)。

エリック 主人公の環境自体はなかなかシリアスですが、とはいえMyCAREERは誰もが楽しめるモードであることを念頭に作っています。だからいくらプレイしても中国リーグから出られない、なんてことは起こらないはずです(笑)。『NBA 2K』に初めて触れる人であっても時間をかければ必ず先に進めるような難易度にはしています。

――今年は『NBA 2K』シリーズが20周年ということで、シリーズ全体のお話しも少し聞けたらなと思います。近年は安定して高いセールスを記録し続けている『NBA 2K』シリーズですが、シリーズの存続が危ぶまれたような時期はありましたか?

エリック 不安が一番大きかったのはとにかく最初ですよね。シリーズをスタートさせた時期は負けのほうが期待されるというか、失敗して当然みたいな空気すらありましたし、売り上げも数十万本という小さな規模でした。新しいゲームを作るために最初の一歩を踏み出すのは、新しいビジネスを立ち上げることと同じなので、そこが一番危ない状況だったかなと思います。とにかくそのときは、ベースになるユーザーさんを獲得して、市場におけるポジションを確保する……ある意味ではおもしろい時期でもあったのですが、とにかく土台になる何かをつかんで、そこから成長していく、それだけが中心の何年間がありました。

――逆に確かな手ごたえを感じた、この1本で『NBA 2K』は軌道に乗ったというタイトルはありますか?

エリック 『NBA 2K9』ぐらいで200万本前後のセールスを記録できるようになったあたりですかね。でも決定的な1本といったら『NBA 2K11』になります。マイケル・ジョーダンがゲームに登場するということもあってか、約550万本売れたんですよね。ジョーダン以外にもクラシックな伝説のNBAプレイヤーが登場し、さまざまな年代のチームが使えるようになった。ここで売り上げが一気に伸びた後、『NBA 2K12』以降は、どこの地域でも毎年順調に成長を続けられています。昨年の『NBA 2K18』では1000万本のセールスを記録しましたが、これらの成長はどれもファンのサポートなくしてはありえなかった。ファンに長年支えられてここまで来ることができたなと思います。

――ありがとうございます。最後に『NBA 2K19』を待っていたファンに向けてのメッセージをお願いします。

エリック 私たちの愛の結晶ともいえる『NBA 2K19』を楽しんでください。さまざまな労力をかけて作られてきたシリーズですが、その中心にはつねにファンのみなさまの声に耳を傾けてきたこと、世界中のファンのサポートによってこのゲームを作り上げることができました。みなさんからいただいたサポートをなんとか形にして返したい、そういう思いが中心にあります。出来上がったものには非常に誇りを感じています。なので、ぜひ手に取ってみて遊んでください!