2018年8月21日~25日(現地時間)、ドイツ・ケルンメッセで開催された欧州最大のゲームイベント“gamescom 2018”に、カプコンのサバイバルホラー最新作『バイオハザード RE:2』(以下、『RE:2』)がプレイアブル出展された。試遊後、気になった質問を開発陣に投げかけたので、その内容をお届けする。
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門井一憲氏(かどいかずのり)
ゲームディレクター
神田 剛氏(かんだつよし)
プロデューサー
Gの目玉が弱点になっている理由は?
――クレア編の試遊で、早くもGと戦えたことに驚きました。
神田 gamescomの出展では、まずはクレア編で動いているものを見ていただいて、その迫力を感じてほしかったんです。
門井 クレアの所持品がグレネードランチャーやサブマシンガンなどで充実していたと思いますが、体験版用にチューンしています。実際の製品版とは少し異なります。
神田 試遊できたエリアは、ラクーン市警察署の地下になります。クレアがその場所までたどり着いてGと戦うシーンを切り出し、メディア様向けのプレイアブルとしました。
――『バイオハザード2』のときは、表のシナリオではクレア編でGの第一形態とは戦いませんでしたよね。『RE:2』ではシナリオの流れも大きくチューンされているのでしょうか?
門井 『RE:2』のストーリーは、大きな出来事としては『バイオ2』と同じなのですが、細かいところではGとの戦いのようにいろいろアレンジしています。敵や人物と遭遇する順序も、全体の話がよりわかりやすくなるように再構築しました。
――なるほど。Gとの戦いでは、『バイオ2』にはなかったTPSとしての要素を楽しめましたが、そのあたりも意識した設定になっているのでしょうか?
門井 もともとGには大きな目がデザインされています。プレイヤーはやはりこういったわかりやすい部位を狙いたくなりますよね。なので、弱点を作りたいから目をデザインしたのではなく、でかい目があるからそこを弱点にしています。まだ公開していない戦闘も、狙って撃つという遊びを考慮しつつゲームをデザインしていますよ。
ブルーハーブ+レッドハーブの組み合わせにも効果アリ!?
――なるほど。今回の試遊では手榴弾を使って危険を回避できましたが、初めてのシステムですよね?
神田 もとは初代をアレンジした『biohazard』で導入した、緊急回避アイテム(ナイフ)を発展させた形ですね。
門井 本作の装備にはメインウエポンとサブウエポンというカテゴリがあって、サブウエポンにはナイフや手榴弾をセットします。敵につかまれたとき、任意でサブウエポンを使うことで危険を回避できるシステムです。『biohazard』のダガーナイフは反撃の手段でしかありませんでしたが、『RE:2』では自分でナイフを振ったり手榴弾を投げたりといったアクティブな使いかたと、危険回避的な使いかたの両方が行えます。
――使いかたはプレイヤー次第というわけですね。任意に行うものといえば、アイテム合成の要素もありますね。
門井 3種類の弾薬を合成できます。多めに手に入るガンパウダーと、入手できる数が少ない強化火薬があり、強化火薬どうしだとより強い弾を合成でき、ガンパウダーどうしだとハンドガンの弾、ガンパウダー+強化火薬でそこそこ強い弾になります。
神田 手に入ったアイテムをどのように組み合わせるか考えるのも楽しみのひとつですね。
――組み合わせと言えば、ハーブの調合もシリーズ伝統の要素としてありますね。試遊ではグリーンハーブとレッドハーブを発見できましたが……?
門井 グリーンハーブ+レッドハーブで大きく回復できるのはこれまでの『バイオ』シリーズと同様です。グリーンハーブどうしの組み合わせは、グリーンハーブ単体をひとつずつ使ったのと同じ効果ですが、アイテムの枠を開けられるというメリットがあります。ほかには、ブルーハーブという毒消しの効果があるハーブもあります。従来作のブルーハーブは毒消しのみの効果でしたが、本作ではレッドハーブと組み合わせることで、しばらく防御力が上がるといった効果を得られます。
――なんと! ブルーハーブの使い道に困ることがなくなりそうですね。話は変わりますが、シェリーの姿も初めてお披露目になりましたね。
門井 シェリーは12歳ですが、『バイオ2』の彼女は見た目がもっと幼く見えていました。『RE:2』では歳相応に見えるよう、服装もそれっぽくしています。
神田 時代設定が1998年なので、その時代も考慮した服装になっています。
――シェリーは『バイオ2』のほかに『バイオハザード6』に大人になって登場しましたね。
門井 『バイオ2』のシェリーをベースにしていますが、顔のパーツなどは『バイオ6』の姿も若干参考にしています。
――今回の出展ではシェリーのほかにも署長が出てきたりと、さまざまな人物と逢えたことも印象深かったです。
門井 今回の体験バージョンでは、キャラクターどうしの会話やストーリー部分なども見ていただきたいという思いもあり、このような形でお見せしました。
――署長も『バイオ2』以上に悪者っぽさが強調されていましたね。
門井 『RE:2』では署長の出番を増やしていますので、彼にも注目してほしいですね。
――なるほど。あと、駐車場など敵が出てこないエリアも、歩いているだけでドキドキしてしまいました。
門井 『バイオ2』はエリアごとのカメラアングルを固定にしたことで“その先の恐怖”を演出していました。ビハインドビューの『RE:2』では、暗闇や曲がり角などで先の部分を隠したり、どこから聴こえたのかわからない物音や声などから恐怖を感じるように意識しています。
――じつは試遊していたとき、シェリーの足音にめちゃくちゃビビりました。
神田 静寂の中を進んでいると突然“カンカンカンカン”ってシェリーが走っていくところですね。
――今後は東京ゲームショウなどでプレイアブル出展されると思いますが、これからクレア編をプレイする機会のあるファンに向けてアドバイスをお願いします。
門井 Gとの戦いだけでなく、キャラクターの造形にも注目してください。カメラを回してクレアの姿をじっくり観察するとか。これまでクレアは静止画やイラストでお披露目していませんでしたが、動いているクレアを見ると、彼女の美しさがはっきりわかると思います。
――次回の体験時は、よく観察してみます! 製品版も楽しみにしています。
神田 余談ですが、『コレクターズ・エディション』に含まれている追加要素としてBGMを切り換えると、タイトル画面で「バイオハザード、ツゥ~(低い声)」と聞けます。昔『バイオ2』をプレイされた方は、ぜひお試しください。そして初めての方も、ハイクオリティーのサバイバルホラーである『RE:2』をぜひ手に取っていただきたいです。