2018年8月21日~25日(現地時間)ドイツ・ケルンメッセにて開催中のヨーロッパ最大規模のゲームイベント、gamescom 2018。会場にて、ベセスダ・ソフトワークスのグローバル・シニア・バイス・プレジデントであるピート・ハインズ(Pete Hines)氏に話をうかがう機会を得た。『Fallout 76』を始めとする最新作の現状や、ベセスダのゲーム開発に関するこだわりなどを訊いた。

「ほかにないアプローチやチャレンジ」がベセスダ作品の特徴――SVPピート氏に訊く【gamescom 2018】_01
グローバル・シニア・バイス・プレジデントのピート・ハインズ(Pete Hinds)氏。

――QuakeCon 2018(2018年8月9日よりアメリカ・テキサスで開催された北米最大級のLANゲームパーティー)で公開された『RAGE 2』や『DOOM Eternal』のゲームプレイ動画、『Fallout 76』の新システム(新スキル、PvPシステムなど)などの反響はいかがでしたか?

ピート 『RAGE 2』の発表内容は、E3 2018と公開したものとさほど変わらなかったんですが、『DOOM Eternal』の反響は大きかったですね。『Fallout 76』はオンラインRPG要素をもっとアピールしたかったのと、PvPに関しては、一方のプレイヤーが先制攻撃した時点では限定されたダメージしか入らず、やられた側が撃ち返すことで正式にPvPとして認定される、PvPを避けたい人のために“Pacifist Flag(平和旗)”モード(これを有効にすると自分の攻撃が他プレイヤーに当たらなくなる)といったことをアナウンスし、ほかのプレイヤーと戦いたくないという人に安心してもらえたのではないかと思っています。

※gamescom期間中には下のクラフトシステムの紹介動画が公開。

――『RAGE 2』や『DOOM Eternal』、『Fallout 76』などのシリーズ最新作の開発状況は?

ピート もちろん、それぞれ開発状況の段階は異なっていますが、全体的に予定通り開発は進んでいます。『RAGE 2』は今回試遊台を出展していますし、『DOOM Eternal』は私もプレイしましたが、シングルプレイ、マルチプレイともに楽しいものになっていました。

――ちなみに、『Fallout 76』のベータテスト(B.E.T.A.)は日本でも実施する予定はありますか?

ピート 全世界で実施される予定ですが、本編の開発にも影響があるため、日本でのベータテストの実施については状況が確定し次第、改めて告知させていただきます。

――ベセスダ・ソフトワークスの作品、とくにシリーズ作では、いままでのシリーズのエッセンスを踏襲しつつ、新しいエンターテイメントを生み出そうとする姿勢が見えます。オールドファンも満足させながら、新しいファンも獲得するというスタイルは、とてもベセスダらしいと思えます。

ピート それは、我々が心掛けていることのひとつです。加えて、ほかのメーカーがやっていないことへのアプローチやチャレンジも、つねに我々が目指しているところでもあります。ジャンルは問いません。

――この機会にお聞きしてしまうのですが、E3 2018で電撃発表された『The Elder Scrolls VI』と『Starfield』の開発状況や今後のスケジュールは?

ピート いま、我々は『Fallout 76』の開発に注力しているので、『Fallout 76』をリリース(北米・欧州では2018年11月14日発売予定)するまでは、何とも言えません。

――グローバル・シニア・バイス・プレジデントとして、ピート氏は日本市場をどう見ていますか?

ピート 日本の市場ではモバイルゲームが人気ですが、スマホ向けの『The Elder Scrolls: Blades』は片手でのプレイにも対応しています。このような、市場の特徴にマッチしたフィーチャーをゲームに盛り込むことができれば、(日本での海外メーカーの)成功につながると思っています。

――esportsの盛り上がりについては、どうお感じですか?

ピート QuakeConでも『Quake Champions』のチャンピオンシップを開催したり、esportsについてはアクティブに活動していると思いますが、スキルの高いプロゲーマーだけではなく、さまざまなレベルの人に参加してほしいと思っています。誰でも参加して楽しめるような、カジュアルなものも用意したいと思っています。

――プラットフォームには後継機が登場するサイクルがあり、VRやesportsなどトレンドもいろいろ変わっていくなかで、ベセスダのスタンスは?

ピート いま我々がやっていることから、アプローチが大きく変わることはないと思います。開発側がどんなことをやりたいか、これがまずあって、そのゲームにマッチするプラットフォームは何かを検討します。ですので、トレンドはあまり気にしていません。

――では最後に、日本のファンに向けてひと言お願いします。

ピート 日本のファンの方々はいつも我々の作品をサポートしていただき、感謝しています。近々、日本に行こうと思っているので、ワクワクしています。