2018年6月23日、楽天クリムゾンハウスにて、サバイバルアドベンチャーゲーム『絶体絶命都市4 Plus -Summer Memories-』に関するトークと、初の試遊体験ができるイベント“「絶体絶命都市4Plus」楽天ブックス最速体験会&スペシャルトークショー”が開催された。本記事では、トークステージの模様と、本作のゲームデザイン&『絶体絶命都市』シリーズ統括プロデューサー・九条一馬氏へのミニインタビューもお届け。なお、試遊体験の模様については、別の記事をチェックしてほしい。

 “『絶体絶命都市4 Plus』楽天ブックス最速体験会&スペシャルトークショー”のトークステージをリポート、発売日、体験版配信、アプリ配信決定など新情報満載!【ミニインタビュー付き】_01

発売日がついに発表に!

 本トークショーには、今立進さん(エレキコミック)、村井理沙子さん(声優)、そして九条一馬氏が登壇。会場に訪れた観客たちは抽選で選ばれた熱狂的なファンたちということもあり、九条氏がステージに姿を現すと、とびきり大きな拍手で出迎えていた。

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今立進さん
村井理沙子さん
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九条一馬氏
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 まずは九条氏が、ファンたちの前で挨拶。20年前に初代『絶体絶命都市』を作ったことを振り返りつつ、7年前に『絶体絶命都市4』を準備していたが、諸事情で発売できなくなってしまったことについて謝罪した。それと同時に7年間待ち続けているファンたちに、感謝の気持ちを述べた。そのうえで、若い世代にも人気があるタイトルになれたのは、実況動画などで再び盛り上がりをみせたことだと、九条氏は語る。じつは、九条氏は実況動画に関しては当初否定的な気持ちを抱いていたそうだが、実況動画を見てそのエンターテインメント性に気付いたそうで、ステージでは実況動画で盛り上げてくれた人たちにも感謝を述べた。さらに、もとの発売元であったアイレムに対しても、ゲームタイトルをそのまま使わせてくれたうえに、制作中のデータをそのまま引継ぎで作らせてくれたことに感謝の言葉を口にしていた。

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 ちなみに、今回の体験会で遊べるバージョンは、このイベントが始まる3時間前くらいまでギリギリの調整を行っていたのだとか。それには思わず今立さんも「開発がいちばん“絶体絶命”ですよね(笑)」と思わずツッコミ。九条氏が新幹線で会場に向かう最中にも調整をしていたこともあり、一部音声が入っていなかったり、モーションがおかしい点もあるが、それでも、「とにかく、いち早くファンの皆さんに遊んでもらいたかったんです」と九条氏。

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 続いては、本作の最新映像が公開された(完成は前日の夜だったとか!)。新たなゲームシーンや、ド派手な災害シーンなどが披露され、最後には発売予定日が2018年10月25日に決定したことが明らかに! 九条氏は「発売日が決まらないと、いつまでも作り続けてしまうので、ようやく腹を決めました(笑)」と冗談交じりに話していた。

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コンパニオンアプリの配信も!

 続いては、九条氏に開発秘話を聞くコーナーへ。最初のテーマは、なぜ『絶体絶命都市』を作ったのか。これに対して九条氏は、それまで小説や映画などに“地震”を取り上げたエンターテインメント作品はあったが、ゲームにはなかったことに着目したのだという。そこで、“地震はきっとゲームに向いている”との思いから、プロジェクトをスタートさせたのだとか。ただし、そこに“地震の危険を啓発”などという意志はまったくなかったのだそうだ。しかし、タイトルをリリース後、ファンから「実際被災したときに役立ちました」などの意見を多くもらい、九条氏は怖くなったという。ゲームはあくまでゲームなので、演出的なことを優先していたのだが、九条氏は「もしゲームに間違ったことが入っていたら、非常時に被災者も間違ってしまうかもしれない」と、考えを改めたのだとか。そこで災害の勉強をして、『絶体絶命都市3 -壊れゆく街と彼女の歌-』にて、防災マニュアルが見られるようにしたのだそうだ。

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 しかし、『絶体絶命都市3 -壊れゆく街と彼女の歌-』は携帯ゲーム機であるプレイステーションポータブルで発売したタイトル。携帯機だからこそ、被災した際にも防災マニュアルを見られるものの、本作は据え置き機であるプレイステーション4でのリリース。そのため、被災時にはさすがに容易に見ることができない。そのため、本作は当初防災マニュアルを入れる予定はなかったのだそうだ。それがあるとき、コンパニオンアプリというものがあることを知り、ゲームに連動したコンパニオンアプリを配信することを決定。被災時でもスマートフォンなどを通じて防災マニュアルが見られるようになるようにしたそうだ。なお、ゲームの進行に応じて、アプリ内の防災マニュアルも連動し、どんどん解放されていくそうだ。

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九条氏は『絶体絶命都市』というタイトルが定着したことに、うれしさの気持ちも露わにしていた。というのも初代『絶体絶命都市』の開発メンバーの中で、ふたりだけしかこのタイトルを気に入っていなかったのだとか。

 続いては、本作の新情報について。前作までは、地震による建物の崩壊などをメインしていたが、今回は空腹や排泄欲など、生理現象の問題も盛り込まれているとのこと。また、人が集まると間違った情報(デマ)が広まってしまう現象なども再現している。たとえば「あそこに行けば助かる」という情報が、じつはデマの場合もあるとのこと。それらの情報を、主人公がほかの人に広めてしまう場合もあるそうだ。

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村井さんがVRモードに挑戦するコーナーも! 今回の試遊バージョンは、一部メディアや体験会などで遊べたバージョンよりもパワーアップしている。なお、VRモードは実際のゲーム進行とは異なるモードとのことだ(詳細は後述のミニインタビューを参照)。
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村井さんは「温度すら感じますよ!」とその臨場感にドキドキ。ゲーム内で地震が起きると、本当に地震が起きたかのように錯覚しつつ驚いていた。
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主人公が横断歩道橋にのぼると、九条さんが「被災時にいちばんやっちゃいけないですよね(笑)」と制作者自らツッコミ。
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横断歩道橋を歩く途中で地震が起き、横断歩道橋がすべり台状態に! 悲鳴をあげつつ、村井さんも「い、生きてる!?」と怖がっていた。

 また、シリーズの特徴である、ユニーク選択肢について今立さんから質問が。それに対して九条氏は、「変な選択肢って言われますけど、自分では自覚はないです。何のこと? って思っています」と発言。九条氏は選びたくなる選択肢は絶対に入れておきたいと思っているそうで、“はい、いいえ”だけなのは嫌いなのだとか。「“はい”、という返答をひとつ取っても、イヤイヤな感じの“はい”やイライラしながらの“はい”もあるじゃないですか」と九条氏ならではの考えかたを披露。九条氏がふつうに選択肢を作れば、自然とユニークな選択肢が増えていくとのことだ。

 なお、選択肢の中には、他人を犠牲にして助かろうとするものなどもある。それについて九条氏は、「人を押しのけてでも、助かろうとするのは、おかしいことではないです」と語る。初代『絶体絶命都市』では、パートナーを置いて脱出するという選択肢を作ったのだが、ほかスタッフたちからバッドエンドと言われていたそうだ。しかし九条氏は「僕にとっては、バッドエンドではありません。自分が助かりたい、という気持ちで脱出した結果なのだから、間違いではないんです」と、持論を展開していた。……と言いつつ、九条氏も「といっても、もう明らかにおかしいのもありますけどねぇ(笑)」と、おかしな選択肢があることは認めているようだ。

 60人以上のキャラクターが出るのも、本作の特徴。これまでのシリーズに登場したキャラクターも出るとのことだ(すでに発表されている比嘉夏海は、シリーズ全作に登場している)。「キャラクターごとにメインに絡むかどうかはあるが、脇役であっても、その人たちにも人生があることを注目してほしいです」と、九条氏は語る。また、登場人物たちバックボーンや、前日にどこで何をしていたのかなど、細かな設定まですべて決まっているとのこと(ゲーム中ではまったく語られない場合もあるそうだ)。

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 さらに、九条氏から、7月に本作の体験版の配信を予定していることが発表された。このバージョンは、試遊会のものよりもブラッシュアップされたバージョンになるとのことだ。また、7月14日には新宿、8月11日には秋葉原での試遊会が予定されているが、今後は東京以外の地域でも試遊会を行いたいと、九条氏が意気込んでいた。

 いよいよイベントの終わりも近づき、ラストは九条氏からお別れのご挨拶。「災害をゲームにすると、“不謹慎じゃないか?”という声を聞くことが、18年前からあります。私は大阪出身ですし、先日の大阪での大地震も経験しました。また、(阪神淡路大震災にあった)神戸の慰霊にも行きました。いまでも心の痛みが癒えない人がいる中で、だからこそ、本当にちゃんと『絶体絶命都市』を作ろうと思いました。本当に怖さを感じられる、被災時にイヤな思いをするなら、イヤな思いができるゲームにしようと思ったんです」と、本作にかけた意気込みを述べつつ、発売を楽しみにしているファンたちに感謝の気持ちを語り、トークショーは終了となった。

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九条一馬氏にミニインタビュー!

 本記事の最後として、イベントを終えた直後の九条一馬氏へミニインタビューを行ったので、その模様をお届けしよう。

――まずは発売日(2018年10月25日)の発表を迎えて、改めて現在のお気持ちをお聞かせください。

九条一馬氏(以下、九条) 発売日を発表するときは、いつも緊張します。ただ、今回はこれまで以上にさまざまな気持ちが湧いてきました。制作中はあまり意識していなかったのですが、7年前に発表したゲームを、ようやく発売できるわけですから。皆さんとの約束を、ようやく果たせます。正直な気持ちとしては、肩の荷が下ろせそうな気分です。

――今回、実際にファンの方々と直にお会いして、ファンの方々の熱意や期待は感じられましたか?

九条 バッチリと感じました。以前の会社で制作していた際は、アンケートはがきなどにはすべて目を通していましたが、そこまでファンの方々の声は僕には届いていませんでした。今回のようなイベントも、はたして本当にファンが会場に来るの? って思っていたんですよ。そしたら何百人ものファンが応募してくださって。こうやって直でお会いすると、本当に嬉しいですし、開発の励みになりました。

――先日も大阪で大きな地震がありましたが、開発に影響などはありましたか……?

九条 ファンの皆さんからも、地震があるたびに発売の心配をされていることは分かっています。ですが、新しい『絶体絶命都市』を発売するために、グランゼーラを立ち上げたのです。もちろん規模やタイミングに左右されてしまう場合もあるかもしれません。ですが、発売しないわけにはいきません。相当な覚悟で挑んでいます。日本に居るのだから、地震は必ず起きます。もちろん起きたら大変ですし、悲しいことが起きる場合もあります。不謹慎だと言われるかもしれませんが、地震大国の日本だからこそ、『絶体絶命都市』が生まれたのです。国民全員が地震の恐怖を分かっているからこそ、体験できるゲームなのです。災害に役立つ情報も今回は多数盛り込まれていますので、ぜひいろいろな人に遊んでもらいたいです。

――今回の試遊版は、朝まで調整していたとのことですが……?

九条 僕は開発中のバージョンをあまり見せたくはなかったのですが、まあ1ヵ月後の体験版などで、その違いも楽しんでいただければなと(笑)。気に入らないところがあれば、どんどん言ってください。体験会というより、完全にロケテストの気持ちですよ!

――イベントの中では、最初のシーンを最後に作ったせいで、ギリギリになったと言っていましたね。

九条 というのも、『絶体絶命都市4 Plus -Summer Memories-』は、プレイステーション3版を踏襲して作り直しているタイトルですので、まずはプレイステーション3版をイチから見直し、直すべきところだけを直して作業していたんです。ですが、土壇場になり、僕が冒頭のシーンをどうしても変更したくなってしまったんですよ。だから、最初のシーンを最後に作ることになってしまったのです(笑)。いやぁ~……僕は本当に、何年やってもゲーム作りがヘタだなぁ~……。

――VRモードについて、イベント中に本編とは別のモードとなると言っていましたが、詳細を教えてください。

九条 ゲームを進めていくと、そのストーリー上に出てきたマップを、VRモードで遊べるようになります。進行度に応じて解放されていく、コンテンツのひとつです。

――個人的にですが、九条さんはあまり表に出られないタイプだと思っていたので、今回のイベントには驚きました。実際、やってみていかがでしたか?

九条 僕、表に出るのが苦手なんですよ。だから、これまでほとんどやってきませんでした。ただ、『巨影都市』の際に、バンダイナムコエンターテインメントさんの施策として、僕もたびたび表に出たんですよ。そこで、プロデューサーとしてはこうしなきゃいけないな、と思いました。ですから、今後もできるかぎりは表に立って、本作をどんどんアピールしていきたいです。実際、ファンの方々に直接会うと、本当にゲームを作るうえでのエネルギーになるんです。そして、早くこの人たちのために、ゲームを作らなきゃ! という焦りも出てくるんです。そういう意味では、イベント中はつねに帰りたかったですね。ゲーム作りに戻るために(笑)。

――発売を楽しみにしています! それでは最後に、読者とファンの方々にメッセージをお願いいたします。

九条 僕は本当にゲーム作りがヘタですが、こういうことを体験してもらいたいという気持ちはしっかり込めました。このゲームでしか味わえない体験が盛りだくさんです。ぜひそこを楽しみにしてください。また、各試遊会にはなるべく僕も参加しますので、今後の試遊会にもぜひ参加してほしいです。

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