Xbox E3 2018 ブリーフィングでトリを飾るなど、全世界が注目中のオープンワールドRPG『サイバーパンク2077』。E3に合わせて最新トレーラーが公開されたが、E3会場ではメディア向けに約50分のデモプレイを公開。本記事ではそのデモの内容と、本作のレベルデザインを手掛けるMax Pears氏へのインタビューをお届けする。

『サイバーパンク2077』は一人称視点のRPG

 まずは本作の概要を説明しておこう。『サイバーパンク2077』は、テーブルトークRPGである『サイバーパンク2.0.2.0.』を原作とした、オープンワールドタイプのRPG。その名の通り、近未来の巨大退廃都市が舞台で、プレイヤーは新鋭のサイバーパンク“V(ヴィー)”となり、自分だけのストーリーを紡いでいくことになる。

『サイバーパンク2077』ではキャラクターの出自もストーリーに影響。濃密なメディア向けデモのリポートと開発者インタビューをお届け【E3 2018】_01

 本作のジャンルはFPP-RPG(一人称視点RPG)と称され、基本的に一人称視点でゲームが進行する。コンバットシーンだけを見るとFPSのような印象を受けるかもしれないが、ゲームの根幹はストーリードリブン(物語主導)型のRPG。主人公の視点で街を探索し、物語を体験する。なお、カットシーンでは三人称視点に切り替わるほか、クルマやバイクといった乗り物は一人称視点と三人称視点を自由に切り替えられるようだ。

 本作の開発を手掛けるのは、『ウィッチャー3 ワイルドハント』の大ヒットの記憶が新しい、ポーランドの開発会社CD PROJEKT RED。『ウィッチャー3 ワイルドハント』のそれと同様、『サイバーパンク2077』でもプレイヤーの選択がゲームの結末に大きく影響を与えるような作風となっている。詳細な世界設定やゲームシステムについては、以下の関連記事を参照してほしい。

一連のゲームの流れをしっかりとデモンストレーション

 メディア向けのデモプレイは、キャラクタークリエイションからスタート。性別や外見のカスタマイズはもちろんだが、出自(そのキャラクターの背景)も設定できるのが特徴。これらの要素は、ゲームプレイにも少なからず影響を及ぼすという。また、主人公はネットランナー、テッキー、ソロの3つのクラス別に成長。これは、ひとつのロールを選ぶということではなく、それぞれのクラスの能力を修得していくというイメージ。最終的には、各種能力を兼ね備えたハイブリッドなキャラクターにもできるようだ。

 ここでは女性の主人公キャラクターが作成され、さっそくミッションに挑むことになった。その内容は、部分的に機械化した人間の女性を救出するというもので、アパートのような場所の入り口から侵入を開始(ちなみに、『サイバーパンク2077』の世界では、誰もがサイバーウェアによって日常的に身体の機械化を行っている)。女性を探していく中で幾度となく戦闘が行われたが、コンバット部分はシューティングが基本でありながらも、近接戦闘やハッキングを駆使した戦いも可能だという。“ケレツニコフ”と呼ばれる、反射神経をブーストさせる薬剤を摂取することで、バレットタイムのようなスローモーションになるスキルを発動していたのも確認できた。

 建物の奥へと進み、主人公のVが目的の女性を見つけたものの、すでに対象は瀕死状態。彼女の頭部にアクセスしてステータスを確認するとウィルスに感染しており、救急要請が阻害されるようになっていた。そのウィルスに侵されたチップを彼女の頭部から引き抜くと、トラウマ・チームと呼ばれる医療企業に救急要請が送信。Vが彼女を外に運び出すころにはトラウマ・チームが到着し、無事救護。ミッションクリアとなった。

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 その後、自宅のアパートに戻り、武器や衣装のカスタマイズ要素を紹介。このアパートは複数の階層でできており、NPCの居住区となっている。こういった複数の階層がある建物の一室からサブミッションを開始することもあるようだ。

 自宅から出ると、シームレスで街へ移動。繁華街の一角で、金の義手を持つデクスターという人物からミッションを受けることに。デクスターは“フィクサー”という役回りで、クライアントと、傭兵であるサイバーパンクとをつなぐ橋渡し役。このデクスターから、不法侵入や暗殺、誘拐、不正取引など、さまざまな任務を受けられる。

 任務を受けた後は、医師ヴィクターのもとへ。いわゆる闇医者のような雰囲気の場所だ。ここではサイバーウェアによる強化が行えるようで、左目を交換してズームやスキャン機能を付与したり、右手には銃撃の精度を上げるためのアタッチメントを埋め込んだりしていた。

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 デクスターから受けたミッションでは、蜘蛛型のロボットを長期に渡って探している女性のもとへ行くのだが、うかつにロボットの情報を握っていることを話してしまい、「いったい誰に雇われている!?」とその女性に凄まれる一幕も。その女性は企業の重役で、そのロボットを盗み出したギャングのことを疎ましく思っているらしい。ここでの会話の選択肢も、その後の展開に影響を及ぼしそうだ。

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その後、Vと相棒のジャッキーは、ロボットを盗んだギャングのアジトに赴いて交渉を試みるも、決裂。さまざまな武器やサイバーウェアを駆使してギャングのメンバーを倒し、最終的には強化外骨格に身を包んだギャングのボスを撃破していた。

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 もっと細かい要素もあったのだが、デモの内容はざっくりこんな感じ。プレイの流れはまさにオープンワールドのRPGで、さまざまな立場のクライアントから依頼を受け、自己の確立のためにそれらをこなしていく。サイバーウェアによる身体強化もRPG感覚であるし、何より会話の選択によって立場や物語が変わっていく点も興味深い。この全米一危険な都市ナイトシティで、あなたのVはどのような結末を迎えるのだろうか……?