ビッグベン・インタラクティブが海外で2019年3月21日にプレイステーション4/Xbox One/PCで発売を予定しているオープンワールドアクションアドベンチャー『The Sinking City』のデモを同社ブースで見てきたので、その内容をご紹介しよう。
なお関係者によると、テキスト字幕での日本語ローカライズによる日本展開も予定しているとのこと。
『The Sinking City』を開発するのは、シャーロック・ホームズの推理アドベンチャー作品を数多く手掛けてきたFrogwares。本作で取り組む新たなテーマは、H.P.ラヴクラフトのクトゥルフ神話だ。
舞台は1920年代アメリカ。何らかの原因による洪水で半ば水没した“オークモント”という街で、主人公の探偵チャールズ・リードがその影に潜む謎に挑んでいくことになる。
E3デモは、旦那が消えたというドロシーという女性からの依頼をリードが受けるところから始まる。夫ハリーに何があったのか?
ネタバレをしても仕方がないのである程度ボカすと、ドロシーから得た情報を頼りに関係がありそうな場所を捜索→いくつかの手がかりを発見→怪しいサインを撮影して写真に→図書館や新聞社などで資料と照らし合わせる→新たな手がかりが示す場所で聞き込みをしていると……といった感じに、基本的な構成はまさに探偵アドベンチャー。プレイの7割は探索になるという。
しかしお察しの通り、これは普通の失踪事件なんかではない。怪しげなサイン、首のない死体、謎の血痕、奇妙な風貌の人々、そして次第に見聞きするようになる“インスマウス”や“ダゴン”といった言葉……リードは次第にオークモントの闇へと引き込まれていく。
なお何らかの出来事が起こったっぽい場所では、手がかりから推定されるシーンを時系列順に並べていく、大作で言えばバットマンの『アーカム』シリーズ、インディーゲームで言えば『The Vanishing of Ethan Carter』に出てくるアレも登場。見事正解すると次の手がかりがひらけるというわけだ。
7割が探索なら残りの3割は? 戦闘である。そして相手は人間だけとは限らない。テーブルトークRPG『クトゥルフの呼び声』のように本作には正気度の概念があり、首のない死体などを突如目にすると、メーターがググっと下がる。すると画面が突如荒れはじめ、怪物を幻視することがあるのだ。もちろん、倒さないと元のように落ち着くことはできない。
ゲームはオープンな作りになっており、ミッションをあえて受けなかったり、今回のミッションのカギとなる人物を例に挙げるなら、警察に引き渡してもよし、許して釈放してもよし、釈放したフリをして銃弾を叩き込んでもよしという、後の影響が気になるフリーダムな設計(担当者に「どうする?」と聞かれたので釈放をお願いしたら、選択肢を選んだ直後に「……ところがここで撃ってもいいんです!」といきなり撃ちやがった。正気度大丈夫か)。全体は30時間前後のプレイボリュームを目指しているという。
一方でグラフィックはやや前世代的だったり、射撃をはじめとするモーションが全体的に改善が必要だったり、ちょっと微妙な部分があるのも否めない(開発側でも認識しており、発売に向けた今後の課題とのこと)。うまく行けばユニークな作品になりそうなので、日本発売が近づいた際にでも改めてチェックしてみてはいかがだろう。